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Posted by ブクログ
「桂子さん」シリーズの一冊で、時系列上の第二弾にあたる作品です。
桂子さんは、夫の山田信から、フランス滞在中にカトリックに入信していたという事実を告げられ、戸惑います。宗教は、なんらかの具体的な危機に陥った病人がすがるものだと信じる桂子さんは、その病人が健全な人間に対して信者になることを熱心に勧めることを不快に感じており、自分の夫が病に陥るような性質の人間だったことに対して、許すことはできないと考えます。
そればかりか、あらたに山田家の料理人としてやってきた三輪鏡子が、フランス滞在中に夫を信仰の道に連れ出した本人だったことも明らかになり、桂子さんは夫に対する「宗教戦争」に突入することは避けられないと決意します。
キリスト教とマルクス主義を、ある種の病人が陥る病とみなす著者自身の立場にもとづいて書かれたという意味では、本作を宗教批判の書ということも可能です。ただし、本書に登場する比較宗教学者の森俊太郎とは異なり、敵の城のなかに入り込んでそのことばをつかいこなしながら内在的な批判をおこなうのは桂子さんの戦闘のスタイルではありません。あくまでキリスト教という「城の中の城」を抱える夫の「城」と対峙しつつ、みずからの「城」を守りながら戦うのが彼女のスタイルであり、家庭内に入り込む宗教にまつわる問題に対して、ひとりの賢明な女性としての生きかたをつらぬく桂子さんの雄姿をえがくことで、著者の考える健康な精神を示したものということができるように思います。
Posted by ブクログ
1980年。桂子さんシリーズ。再読。ここらあたりから旧かなづかひの文体となる。
山田信さんと結婚し、智子、貴を育てている桂子さん。片手間に翻訳?の仕事などしている。桂子さんのお父さん牧田圭介さんは出版社の社長だし。
山田さんがキリスト教の洗礼を受けたことから戦争勃発。それって桂子さんにとっては離婚理由にもなりうることなのだ。結局、洗礼はなかったことになり、桂子さんは3人目の子供を授かるのだが。
ちなみに耕一さんとまり子さん離婚。裕司さんと美津子さんも離婚(美津子さんが入信したから)。そして牧田圭介さんなくなり、山田さんが出版社に関わることになる。いずれは桂子さんも。
付録がついてて、作者へのインタビューが載ってる。そのひとつに「上流階級を書いててハナにつくと言われるが、こんなの今どき中の上で上流なんてもんじゃない」と言っているところが笑えた。バブル前夜ぽい発言。
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