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帰りの遅い父を待ちながら優しく甘い夢を紡ぐ孤独な少年の内面を、ロマネスクな筆致で綴る「夢みる少年の昼と夜」。不可思議な死をとげた兄の秘密が、やがて自己の運命にもつながっていると知った若い女性の哀れ深い生を描いた「秋の嘆き」。ほかに「沼」「風景」「幻影」「一時間の航海」「鏡の中の少女」「死後」「世界の終り」「死神の馭者」「鬼」など、意識の底の彷徨を恐ろしいほどに凝視し、虚構の世界にみごとに燃焼させた珠玉の短編全11編を収録する。
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Posted by ブクログ
短編11編を収録しています。
表題作の「夢みる少年の昼と夜」は、ギリシア神話に興味を示す少年を主人公にした物語で、感受性の強い少年の不安定な心をていねいにえがきとろうとしています。
おなじく強い印象をのこす少年が登場する「死者の馭者」や、画家の父をもつ少女を主人公とする「鏡の中の少女」は、すこし神秘的な内容を含んでおり、ロマン派の小説の影響が感じられます。
一方「鬼」は、『今昔物語』から想を得てつくられた作品です。人間の心のありようを冷徹に見つめようとする著者のまなざしが印象的です。
兄の自殺した理由を知る女性をえがいた「秋の嘆き」や、精神に異常をきたす医者の妻をえがいた「世界の終り」は、題材にどうしても古さを感じてしまいますが、整った短編小説にしあげられていて、著者のストーリー・テラーとしての卓越した手腕にあらためて目を開かされました。
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