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蓮の数式
35歳のそろばん塾講師・千穂は不妊治療を始めて10年。夫と義母からの度重なる嫌味に耐え続けてきた。ある日、夫の運転する車がひとりの男と接触してしまう。「金で解決しろ」と事故の処理を押し付けられた千穂は、男の不可解な行動を見て算数障害なのではないかと気づく。男の苦悩を理解し手をさしのべようとする千穂だったが、その行動を訝しみ嫉妬する夫は、異常な行動に出て千穂を追い詰める。これまで抑えてきた感情を一気に爆発させた千穂は、ある事件を引き起こしてしまうのだった――。愛を知らない男と愛を忘れてしまった女の逃避行がはじまる! 文芸評論家たちから絶賛の気鋭が放つ最新長篇。 -
はずかしがりやのコジュケイ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 長い間小さなこども達とかかわっての生活が続きました。せみも、とんぼもかたつむりも、みんなこども達から観方を教えられたものです。今思うとみんながつぶやいていたことなどに、もっと耳を傾けておけばよかった・・・と至らないせんせいであったことが恥ずかしくなります。こどものうたに関心をもって書き始めてみたものの、書いても書いてもむずかしく、自分の能力の限界を感じます。この本の中の一編でも心に留めていただける詩があればと願っています。―あとがきより抜粋― -
はずれ姫
「はずれ姫」は「マキの包むもの」「はずれ姫」「ナッちゃんの豆腐」「蛍を飲む」「サリーの恵み」の5編からなる短編集。表題作の「はずれ姫」は路地裏のバーで、艶めかしい魅力の女のいつも貧乏くじを引く人生の焦り描く。「マキの包むもの」は、中国人の経営する宅配餃子の店で働くやるせない日々、「ナッちゃんの豆腐」の女性は、小さな飲み屋の女将、醜女の彼女はその店の中だけで人生の大半を過ごすが、ふらりと現れた男に騙される。「蛍を飲む」は、男と酒だけが生きがいの アルコール依存の女の優しさ。「サリーの恵み」は引きこもり男が病院で知り合った天女にも思える女の悲しい性とは。5編の短編それぞれにまともな人生を生きられない女たちの懸命さと、切ないまでの男と女のふれあいを描く。 -
支倉事件
本格派探偵小説家。それぞれ趣向が異なる短編三本を収録。「支倉事件」の容疑者支倉喜平。発端は聖書の窃盗容疑で逃亡、指名手配される。ようやく逮捕するも大変な男だった。取調べで一旦は自供するも裁判で翻す。果たして真実は。恐るべき執念と呪いや脅迫。やがて一大疑獄事件に発展する。実際の事件を基に書かれた作品。「ニッケルの文鎮」学者の家に奉公する娘の一人語り。ある晩、学者が殺される。残されていた遺書に浮かび上がる容疑者、しかし……二転三転し最後のどんでん返しは?「罠に掛った人」失業中の友木は借金返済に行き詰まり、高利貸しの玉島を殺害することを決意する。しかしその矢先偶然にも大金を拾う。その時、妻は玉島を殺害するとの置き手紙が……人生にはいたるところに罠がある。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
爆ぜる怪人 殺人鬼はご当地ヒーロー
第21回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉! 街に潜む悪人を次々と殺し始めた犯人は、主人公がかつてデザインし お蔵入りになったヒーロースーツを着ていた!? ご当地ヒーローの運営会社で働く青年が、町田で起きた連続殺人事件の真相に迫る。 東京・町田の人気ご当地ヒーロー、マチダーマン。その運営会社であるMHF(マチダ・ヒーロー・ファクトリー)のデザイン部で働く志村は、ある日テレビのニュースを見て衝撃を受ける。町田で少年が誘拐されたが、何者かが誘拐犯を殺害し、少年を救出。助けられた少年が「正義のヒーロー」として描いた絵は、かつて志村がデザインし、お蔵入りになったはずのヒーロースーツと酷似していた!周囲は空似だというが、志村が悶々とするなか、第二の事件が起き――。 (著者情報) おぎぬまX 1988年、東京都生まれ。元お笑い芸人。ギャグ漫画家として2019年に『だるまさんがころんだ時空伝』で第91回赤塚賞入選。2021年には「ジャンプSQ.」(集英社)にて『謎尾解美の爆裂推理!!』を連載(同社より単行本も刊行)。また、ジャンプ小説新人賞2019・小説フリー部門にて銀賞を受賞し、『地下芸人』(集英社)で2020年に小説家デビュー。他の著書に『キン肉マン 四次元殺法殺人事件』(集英社)がある。2023年、第21回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として本作が選出される。 -
旅籠屋あのこの
霧の街・釧路の幣舞橋を少しこえた先に、その宿はある。紺と白、二色の暖簾がゆれる古民家風の《旅籠屋あのこの》。この宿のモットーは「どんな客人も、来るもの拒まず」。そこは死者も生者も訪れる、“あの世”と“この世”を結ぶ宿だった――。ひょんなことからここの新米従業員となった丸子のもとに、なにやら“ワケあり”な客人がやってきて……。料理番の南郷さん、神出鬼没な宿の主・紫鶴。ちょっぴり変わった面々と、不思議なお客が集う宿で、今日も素敵なドラマが始まります。 -
旅籠屋つばき結び帖
“次にくる時代小説”、ここに誕生! 下谷の旅籠で巡り合った人々が紡ぐ、 希望の江戸情話 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ――本当に求めているものを 偽り続け、心を殺すくらいなら、 欲しいと泣き喚いた方がずっといい。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「深川あやかし屋敷奇譚」シリーズの 笹目いく子氏最新作 【あらすじ】 文化四年の江戸。 母に捨てられ、父の暴力に怯えて育った 笛売りの青年・明彦は、絶縁していた叔父の死を きっかけに、奥州街道裏沿いの下谷坂本町にある 旅籠「椿屋」を継ぐことになった。 叔父が寂しく暮していたはずの宿の中には 美しく整えられた庭が広がっていた。 縁側に座り見惚れていた明彦は、 無人のはずの室内から目線を感じ――。 そこに立っていたのは、旅籠の名前と同じ 「椿」を名乗る娘だった。 気味悪がった明彦は彼女を追い出してしまう。 しかし、ほどなく見つかった叔父の日記には、 十七年前、”いまと同じ姿をした「椿」” と出会った日のことが綴られていた。 江戸の片隅の旅籠屋で 人ならぬ少女と孤独な青年が出会い、 訪れる人々の運命も静かに変わっていく。 ――命の重さと生きる意味を問う、 切なくもあたたかな物語。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ※下記ネタバレ注意 文芸評論家・細谷正充氏 「面白く読みました。 人魚の肉を食べて不老不死になった 人物というネタは、それほど 珍しいものではありません。 しかし本作の場合、 椿をそのような存在にしながら、 ホラーにしていないところに、 作者のセンスを感じました。 また、椿と寅吉親分の関係には、やられました」 -
働く女の物語
19世紀のアメリカ、働く女性の真の姿を描く! 女性の自立、そして意義ある「仕事」とは何かを描く、『若草物語』のオルコット自身の様々な仕事経験をもとにしてなった小説、初訳。農家の叔父夫婦の元で暮らし、保守的な叔父に監督され単調な仕事に辟易する20歳のヒロイン、クリスティ。彼女は自立することと、自分が心底打ち込める有用でやりがいのある仕事をするという目的を持っていた。だが、今の生活のままでは、農家の嫁になって家事に忙殺されるか、噂好きの気難しい「オールドメイド(小姑のような口うるさい年いった未婚女性)」になるか、絶望して自殺するかの3つの選択肢しかないという考えに行きつき、自身の可能性を試すために周囲の反対を押切りボストンに出たのだった。独立独歩の人生を望む主人公・クリスティは、結婚を全く考えておらず、その意味を否定的に捉えている。そして様々な職業経験を経て成長し、成熟していく姿が描かれることで、型に嵌って身動きが取れなくなっている既存の女性像とは少しでも異なる、女性としての私の可能性を開いていく様子が伺われるのである。 【目次】 第一章 クリスティ 第二章 使用人 第三章 女優 第四章 家庭教師 第五章 付添人 第六章 お針子 第七章 霧を抜けて 第八章 絶望からの回復 第九章 ウィルキンズ夫人の牧師 第十章 新たな出発 第十一章 いちご畑にて 第十二章 クリスティの誕生祝い 第十三章 目覚めて 第十四章 決めかねて 第十五章 盛夏 第十六章 入隊へ 第十七章 大佐 第十八章 日の出 第十九章 愛しいすみれちゃん 第二十章 四十歳で 訳者解題 訳者あとがき -
働く女子に明日は来る!
働く女子にエールを!超前向きお仕事小説。 「やれることをやれ、目の前の仕事に全力で取り組め。そうしているうちに…動かねえと思ってたもんが動き出したりするもんなんだ」そんなメッセージが込められた人気小説が文庫化です。 今日も明日も、心身共にハードワークが待っている…! そこは、テレビドラマ制作の現場。主人公の時崎七菜(31才)は、制作会社のアシスタントプロデューサ-(AP)。尊敬するプロデューサー(P)の上司・頼子をお手本に、連続TVドラマ『半熟たまご』の現場で日々格闘中。クセの強い面々との仕事には、毎日トラブルが頻発状態。元来マジメで不器用な七菜は、トラブルがあった時も、美味しいロケ飯を心の支えにひとつひとつ乗り越えていく。そんなある日、先輩の頼子からPを引き継ぐことに。次々と襲いかかるピンチ。そして、ついには前代未聞の大ピンチに!果たして、七菜はどうする? 働き方改革、パワハラ、モラハラ、働く女子の恋愛事情・・・・・・イマドキのお仕事問題をはらみつつも、ハートフル。働く女子の背中を包み込み、優しく押してくれる、令和版前向きお仕事小説です。読めば元気になること、間違いなし、です! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『働く女子に明日は来る!』 の文庫版となります。 -
はたらくぽんぽこ神様
【電子版巻末にはsora先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 さびれた商店街の一角にある総菜屋「ふじの」の店主・恵麻は、 亡き祖母の味を守るため、赤字続きでも細々と営業を続けていた。 ある日、店の前で倒れているもふもふな生き物を発見する。 その生き物は、自分はこの町の神様だと言う。 たぬきの神様・きぬ様は、町の住人からのお供え物もなく毎日お腹が空いていた。 やたら食い意地の張った神様を介抱すると、 きぬ様は「お礼に店を繁盛させてやる」と言い、繁盛の“匂い”を探り始める――。 がんばる女子と、幸せを呼ぶもふもふ神様ののどかで美味しいストーリー。 -
肌色あつめ
バンドマスターでピアノ講師でもある大町俊が出会う若い女たちはなぜか大町に触れただけで興奮する異常体質の持ち主だった。 大町俊はクインテット(五重奏)のバンドマスターでアレンジャーやピアノ講師としての顔も持っている。大町が情事を重ねているのは女子大生の板倉弓子だ。そして、いつも身体を重ねる度に恍惚の言葉を発し、失神してしまう。そんな弓子が愛おしかった。ところが、あるとき、抱き合った際に違和感を感じた。いつもと反応が違うのだ。とっさにほかに男ができたことを感じ取り、激しく嫉妬を覚えた。あれほどのいい身体を持ち、セックスの反応も良い弓子を手放すのが惜しいのだ。そんなある日、大町は弓子の友人である花野りえに逢うことになる。大町はりえの身体に異常な興味を引かれる。というのも、大町の身体が触れただけで、りえは身震いし、陶酔するかのような表情を浮かべるからだった。そんな大町とりえを邪魔するのが同じバンドメンバーの秋山だった。じつは板倉弓子を奪ったのは秋山だった。しかし、りえにも興味を抱いた秋山は嫉妬に狂ったのだ。そんな最中に大町はりえの姉であるふゆのと知り合う。そして、ふゆのもまたりえと同じような体質の持ち主で、大町に異常に興奮するのだった。何度も身体を重ねるようになるが、大町のりえに対する欲望は決して薄れたわけではなかった・・・・・・。 -
ハダカの東京都庁
・小池都知事の会見で指名されるのは、お気に入りの記者ばかり ・小池都知事が執務室で最も熱心なのは、ワイドショーのチェック ・「再就職」という名の天下りの実態 ・謝罪会見のお辞儀の静止時間と角度は決められていた! ・都庁職員はネット見合いで大人気! ・家庭持ちの男女、管理職同士の不倫が横行 ・東京都庁の所有不動産は、実は一等地ばかりだった…… ・(株)はとバス、(株)東京メトロ……優良企業ばかりの「都庁ホールディングス」 ・粛清人事、密告奨励、隠浪費……「女帝」の大罪 東京都庁に30年以上勤め、知事のスピーチライター、人事課長を務めた元幹部が、 実際に見て聞いた、その驚くべき内幕。 鈴木、青島、石原、猪瀬、舛添、小池……歴代都知事の人物評付き! -
はだかのパン屋さん
裸エプロンの店長の周りで、事件&アクシデントが勃発!? どっこい商店街の外れの海月(くらげ)ベーカリーで、アルバイトを始めた漫画家志望のマスミ。寝坊と勘違いしていつもより早く出社してしまった朝、固く閉ざされていた厨房の中で、店長の蘭子が裸でパンを焼いていることを知ってしまった――!! 魚を使った調理パンをめぐる魚屋との料理バトルや、夏祭りに現れたはだかの変質者、夏休みのパン作り教室での大ピンチなどなど、蘭子とマスミの周りはトラブルだらけ! パン屋でアルバイトを続けるマスミの漫画家への夢は? そして明らかになる蘭子の裸のヒミツとは!? ちょっぴりエッチでしみじみ美味しい、ハートウォーミングコメディ!【目次】■第一話 ひみつのパン屋さん■第二話 パン屋さんと商店街の愉快な人々■第三話 祭りだ、わっしょい、パン屋さん■第四話 真夏の夜のパン屋さん■第五話 それゆけ、はだかのパン屋さん■エピローグ -
ハダカの美奈子[小説版]
離婚して10年。介護施設で働きながら子供を育てるシングルマザー美奈子の元に、5年前に家出し、それ以来戻っていない長男のシオンから「今度、結婚することになりました」というメールが届いた。美奈子と5人の娘(ノエル、キララ、ライム、ヒスイ、レント)は、シオンをサプライズで祝福しようと、旅に出る。美奈子が中学の時、優しかった父が突然変わってしまいDVに怯える日々が始まった。不良グループに入ってすぐに高校は中退。そして15歳で妊娠し、出産。結婚して幸せを得たのもつかの間、今度は夫のDV。壮絶な人生と戦いながら5人の子供を1人で育てていた時、テレビ番組で有名な “ビッグダディ”こと林田キヨシと出会い結婚、そして離婚。思いがけず始まった旅の中で、美奈子の生き様を一番近くで見ている6人の子供たちが、いろいろな経験を重ねて成長していく姿に、美奈子は自分の人生を重ね合わせていた……。本書は映画「ハダカの美奈子」の小説版です。ひたむきに生きる美奈子と6人の子供たちの現在、そして未来が描かれたフィクションとなっています。 -
裸足のゴースト
【小説すばる新人賞 受賞後第1作!】 俺は本来、ランナーを名乗ってはいけない人間だ。 己の役割も知らず、ロードの上を幽霊のように今もこうして彷徨い続けている。 実業団の長距離ランナー・柴田光輝は、脚の故障により選手を引退した。 しかしそれは不慮の事故ではなく、終わりなき競争の日々に疲弊した柴田自身が仕組んだものだった。 思惑通り実業団を辞めることに成功した柴田だったが、 地方の保険営業所に異動させられ、悪質な保険セールスに携わるなか、次第に精神をすり減らしていく。 そんなある日、柴田は「ブラインドランナーの伴走者をやらないか」と誘われ、再び陸上の世界に舞い戻ることに。 それは「なぜ走るのか?」という問いに向き合う旅路のはじまりでもあった。 己の存在証明にひた走る、 ひとりの青年の軌跡を描いた異色の青春譚。 -
肌は匂っていた
デパートに配送ミスの苦情が来た。ワイシャツがパンティにすり替わっていたというのだ。配送担当の枝里子は、自分のミスでも責任でもないという思いを抱きながらも、お客様の家へ謝りに行く。そして家に帰ると、結核の夫が待っているのだった。そして、意外な事件が起こり……。サスペンス感もあふれる、働く女性の物語。 -
八王子怪談
著者が故郷・八王子を細緻に取材・記録したご当地実話怪談! 東京最恐心霊スポット・八王子城 不思議な力が宿る霊峰・高尾山 鑓水公園にある恐怖の鏡 立入厳禁の廃病院 怪奇現象が絶えぬ道了堂跡 都立霊園に潜む怪異 東京都八王子市―都心のベッドタウンであるこの街には、東京最恐の心霊スポットとして名高い八王子城跡をはじめ、数多くの“異界”が存在する。 そうした八王子の裏面を、当地で育ったルポルタージュ怪談作家・川奈まり子が自身の記憶と重ねつつ精緻に取材し、史上初の八王子限定怪談本が完成した! 後部座席の幽霊、迫る鎧武者、山中に響く読経など、八王子城跡で起きた怪異の数々「城跡異聞集」、宗教団体跡地で襲い来る恐怖と絶望「肝試しの顛末」、鑓水を舞台とする2つの事件の恐ろしい真実と怪異に迫る連作「谷戸の女」など収録! -
八王子怪談 逢魔ヶ刻編
霊気みなぎる高尾山や東京屈指の心霊スポット・八王子城跡――東京のベッドタウン・八王子には豊かな自然と歴史、そして怪談好きを唸らせる数々の心霊スポットがある。地元出身の作家・川奈まり子が、緻密な取材をもとに八王子ならではの怪異に迫る第二弾! 幼少時代に住んでいた数寄屋造りの家には人ならぬモノも棲んでいた「祖父の家」、戦国時代の惨劇の怨恨は今なお訪れる者へ何を伝えたいのか…「八王子城奇談」、著者が再会した地元の知り合いから聞いた奇妙な話の数々「御陵の東」、謂れのある場所に建つ家を買った叔父の顛末「さげ坂の家」――など37話収録。 -
8階の神話
第1回ダンガン文庫大賞「The Impact」受賞作! 『8階』──それは自殺志願者たちの隔離施設。 精神に病を抱える空野流星は、そこで1人の女の子に出会った。 「あたしは、神だから」 自分を神だと信じる「女神さん」、11歳の天才少年「チビ」、見た目は正常なのにここにいる「後輩」、そして人語がまともに通じない「802号室の男」。 一体この場所はなんなんだ。 一癖も二癖もある隣人たちに振り回されながらも、少しずつ関係を築いていく流星。 果たして、彼は無事にここから脱出することができるのか。 ダンガン文庫が贈る、異色の青春サイコサスペンス、ここに開幕。 これは救いの物語。 -
八月十五夜の茶屋
沖縄在住の訳者が新訳で贈る沖縄の戦後復興を描いた「社会派」作品! 上陸作戦に参加した軍政チームの米軍将校が、ユーモアを交えて描く占領初期の民衆の姿を描く。 1957年、グレン・フォード、マーロン・ブランド、京マチ子主演の映画で有名になったアメリカ映画の原作本。 「ゴトゴトと音を立てて進む帆船(ジャンク)……そのすべてが友好的に、通商だけを目的として渡って来たとは限るまい。時には、侵略者(インベイダー)を乗せて来ることもあったのではないか? 沖縄の人々は、侵略者によく対抗できたのだろうか? それとも、強要されたことをすべて受け入れる道しかなかったのか?……自分もまた沖縄の人々に差し向けられた侵略者であることに思い当たり、険しい表情になった。」(本書「侵略者」より) -
八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。
本当に好きだった。こんなにも人を好きになることは、この先一生ないだろうとさえ思った。言葉や仕草の一つ一つ、ちょっとした表情の変化、笑い声、髪から香る石鹸のにおい……思い出すと息が苦しくなる。まるで肺の中に、炭酸でも入っているみたいに。――透子。高校二年の夏。心臓の病が原因でなくなった彼女のことを、未だ引きずっていた成吾。あれから四年。交換日記の空白に綴られていく新しい返事。それは見間違えようもなく、透子の文字だった。 -
八月の上半身
あの瞬間はもはやどこにもなく、そして目の前にあるものはなにか? 作家がいる。作家はストーリーを自分の頭で考えるが何らかの外部からの刺激も必要だ。例えば一人の女性。バーに、あの女性がいたらいいな、と思えばいるし、思いがけず京都で再会したりもする。そんな都合よく……って当然だ、だってこれは片岡義男の小説なのだから。そして女性との会話の中には彼に書くことをうながしたまた別の女性、今では自分も作家になった女性の話題が出て会話に奥行きが生まれる。ある時、タイトルの着想が生まれ、そしてその時間もまた去っていき、さて今、彼の目の前にあるものは? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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