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Posted by ブクログ
「旗師」宇佐見陶子シリーズの1作目です。
興味深い世界を堪能しました。
なかなか素人には敷居の高い骨董の世界。
専門的な説明もあって硬くなってもよさそうなのにそうならない。
決して軽いテンポの文章ではないのに読み易い。
何故か?
たぶんエンターテイメント性が高いから。
主人公陶子とカメラマン硝子の壊れ物コンビ(陶器と硝子ですね)。
(最後まで本名が出なかった)プロフェッサーDに、
練馬署の犬猿コンビ(ブルドッグと猿顔だから)。
冬狐堂(陶子の屋号)と銀座の狸こと橘。
単語を見ているだけで楽しい。
各章のタイトルもいいですね。
「罠のなかの狐」「仕掛ける狐」等々興味もイメージも膨らみます。
それになんたって登場人物達ですよ。
謎めいた大英博物館の元研究員はもちろん、
国立博物館の主任研究員に妖怪じみた贋作師、
爽やか笑顔の保険会社調査員やら悪評高い骨董商。
大学教授の元夫や客師、銘木屋、更には刑事まで。
業界を取り巻くいろんな人種が入り乱れて楽しいったらありません。
狐と狸の化かし合いもとい騙し合いに殺人事件まで絡んできて。
そのスピード感でページをめくる手が止まりませんでした。
ハラハラドキドキはもちろん、どんでん返しもちゃんと用意されてます。
読後感は「あー楽しかった」です。
Posted by ブクログ
古美術ミステリーと聞いて、テレビの2時間サスペンスみたいなトンデモ系かと思いきや、本格的に読ませる話で、引き込まれた。
何より、骨董に関する記述が専門的で細かいのに、知識の全くない自分でも面白く読める。蒔絵の文箱の文様の描写など、見たことがあるかのように鮮やかに頭に浮かぶ。
ただ、知識的なものより、登場人物それぞれの個性が際立っているのことが、この話の魅力をより増している。
主人公の冷静でいながら内に秘めた熱や、敵となる橘薫堂の品の良さをとりつくろった中に垣間見える下劣さなど、実際にそこにいる人のよう。
一点、硝子さんの口調は疑問。筆者が男性か女性か知らずに読み始め、途中も「どっちなんだろう?」と疑問が解けずにいたが、陶子と硝子の会話で、男性だなと。三十女言い過ぎだと思う。
Posted by ブクログ
古美術ミステリーの大傑作です。
詐欺なら騙すほうが一方的に悪いが、こと古美術に関しては鑑識眼がない騙されるほうが悪い。
店舗を持たない骨董商(旗師)の冬狐堂・宇佐美陶子は、まんまと同業の骨董商に騙され贋物をつかまされるが、贋物をつかまされたという噂がたてば自らの信用に関わるので、訴えることもできない。
ならば自らの手で意趣返しするしかない。これが狐が仕掛けた罠だ。
相手は老舗の老親父でさながら古狸なので、狐と狸の化かし合いです。
古美術に関する蘊蓄満載で、オススメのミステリーは聞かれたら真っ先にこれをすすめて、北森ファンを増やしています。
これを面白くなかったと言った友人はいまのところひとりもいません。
絶対オススメ!
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