【感想・ネタバレ】狐罠のレビュー

あらすじ

店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」宇佐見陶子。彼女が同業の橘薫堂(きくんどう)から仕入れた唐様切子紺碧碗は、贋作だった。プロを騙す「目利き殺し」に陶子も意趣返しの罠を仕掛けようとするが、橘薫堂の外商・田倉俊子が殺されて、殺人事件に巻き込まれてしまう。古美術ミステリーの傑作長編。(講談社文庫)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

〈再登録〉店舗を持たず骨董を扱う旗師の宇佐美陶子シリーズ第一作。古美術の世界の裏側を徹底的に描いた大作。
陶子の途方もないリスクを抱えた「目利き殺し」といい、古美術に魅せられた人達の価値観は善悪を超越している。中でも贋作師の潮見老人の、自らを極限まで追い詰めていく製作過程は圧倒的な迫力がありました。

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2024年05月29日

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骨董業界の 騙しあい、ミステリー作品。
最初から 最後まで、 面白い。
骨董好きには、おすすめ。

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2020年05月08日

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抜けていたシリーズものを。最初になるのかな。

古美術の世界は魅惑的だけれども、どうなんでしょうか。
いずれにしろ、歴史学出身らしい、ちりばめられたあれやこれやが楽しませてくれる。

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2016年04月05日

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ネタバレ

ラストまでドキドキさせる骨董界ミステリー。
同じ骨董系のお話だけど、「孔雀狂想曲」とはうってかわってシリアスでシビアな話です。
丁々発止のやりとりは「孔雀~」でも出てくるけれど。
それから「花の下にて春死なむ」のビアバー「香菜里屋」が登場したり、別シリーズの主人公蓮丈那智も話の端に出てきたりでニヤリとさせられることしばしば。
シリーズでこの先も続くので、読むのが楽しみ(※2010年以前の感想。

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2016年02月18日

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再読。
骨董に詳しくないのでどこまでリアリティーがあるのかは判断できませんが、そんなことは関係なく楽しめる緊張感に溢れた描写はさすがです。
陶子さんの無理して突っ張っているところは無敵の蓮杖那智とは違う魅力がありますが、共通する凛とした雰囲気に最近のキャラ重視のトレンドとは違う北森氏のこだわりを感じます。

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2015年03月07日

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蓮丈那智シリーズで登場する旗師の宇佐美陶子さんが主人公の話です。まだ駆け出しのころから、凄味のでる存在に変身する物語ですね。古美術商が贋作をどう扱うかという視点ではとても面白く読めました。

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2013年12月26日

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いやー、面白かった!ラスト、久々に睡眠時間削って、一気に読んじゃいましたw 贋作制作とか、造詣深すぎっ!!いやいや、まったく興味深い一冊でした♪

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2012年09月08日

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「旗師」宇佐見陶子シリーズの1作目です。
興味深い世界を堪能しました。

なかなか素人には敷居の高い骨董の世界。
専門的な説明もあって硬くなってもよさそうなのにそうならない。
決して軽いテンポの文章ではないのに読み易い。
何故か?
たぶんエンターテイメント性が高いから。

主人公陶子とカメラマン硝子の壊れ物コンビ(陶器と硝子ですね)。
(最後まで本名が出なかった)プロフェッサーDに、
練馬署の犬猿コンビ(ブルドッグと猿顔だから)。
冬狐堂(陶子の屋号)と銀座の狸こと橘。
単語を見ているだけで楽しい。
各章のタイトルもいいですね。
「罠のなかの狐」「仕掛ける狐」等々興味もイメージも膨らみます。

それになんたって登場人物達ですよ。
謎めいた大英博物館の元研究員はもちろん、
国立博物館の主任研究員に妖怪じみた贋作師、
爽やか笑顔の保険会社調査員やら悪評高い骨董商。
大学教授の元夫や客師、銘木屋、更には刑事まで。
業界を取り巻くいろんな人種が入り乱れて楽しいったらありません。

狐と狸の化かし合いもとい騙し合いに殺人事件まで絡んできて。
そのスピード感でページをめくる手が止まりませんでした。
ハラハラドキドキはもちろん、どんでん返しもちゃんと用意されてます。
読後感は「あー楽しかった」です。

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2017年10月14日

Posted by ブクログ

古美術ミステリーと聞いて、テレビの2時間サスペンスみたいなトンデモ系かと思いきや、本格的に読ませる話で、引き込まれた。

何より、骨董に関する記述が専門的で細かいのに、知識の全くない自分でも面白く読める。蒔絵の文箱の文様の描写など、見たことがあるかのように鮮やかに頭に浮かぶ。

ただ、知識的なものより、登場人物それぞれの個性が際立っているのことが、この話の魅力をより増している。
主人公の冷静でいながら内に秘めた熱や、敵となる橘薫堂の品の良さをとりつくろった中に垣間見える下劣さなど、実際にそこにいる人のよう。

一点、硝子さんの口調は疑問。筆者が男性か女性か知らずに読み始め、途中も「どっちなんだろう?」と疑問が解けずにいたが、陶子と硝子の会話で、男性だなと。三十女言い過ぎだと思う。

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2011年11月01日

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旗師・冬狐堂シリーズ第一弾。
目利き殺しを仕掛けられた陶子が、仕掛け返そうと決意するが、
そこには別の思惑が入り込んでいて、骨董商や贋作者、
大学教授から保険会社の調査員に博物館の研究員までが
入り乱れての壮大な騙し合いに発展する。
「なんて世界なんだ、まったく!」と陶子がボヤクほどにスゴイ。
どこまでも追いかけてくる緊張感。
仕掛けられた『罠』を楽しんでください。

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2011年08月05日

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 古美術ミステリーの大傑作です。

 詐欺なら騙すほうが一方的に悪いが、こと古美術に関しては鑑識眼がない騙されるほうが悪い。
 店舗を持たない骨董商(旗師)の冬狐堂・宇佐美陶子は、まんまと同業の骨董商に騙され贋物をつかまされるが、贋物をつかまされたという噂がたてば自らの信用に関わるので、訴えることもできない。
 ならば自らの手で意趣返しするしかない。これが狐が仕掛けた罠だ。
 
 相手は老舗の老親父でさながら古狸なので、狐と狸の化かし合いです。
 
 古美術に関する蘊蓄満載で、オススメのミステリーは聞かれたら真っ先にこれをすすめて、北森ファンを増やしています。
 これを面白くなかったと言った友人はいまのところひとりもいません。
 絶対オススメ!

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2017年08月15日

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北森鴻さんの長編を初めて読んだ。あれあれ、という感じで進んでうぅん、とうならされた。最後がなんかあっさりしているのはこの主人公ならではで、えっと現実に戻れた。

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2009年12月22日

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旗師(店舗を持たない骨董商)である主人公・宇佐見陶子が、同業の橘薫堂から贋作を売りつけられたことで意趣返しの罠を張るが、橘薫堂の外商の女性が殺されたことで殺人事件に巻き込まれてしまう長編の古美術ミステリーです。
陶子が意趣返しの罠を仕掛ける過程で登場する贋作家やその贋作家を紹介した元夫(芸術大学の教授を務める英国人)、殺人事件を調べる二人の刑事等々、登場人物たちがそれぞれ行動していく中で、陶子の作戦や殺人事件事件の真相が解き明かされていく過程にワクワクしましたが、意趣返しの決着に関してはアッサリと片付いてしまった印象がありました。とはいえ、巻末にある参考資料一覧の量からもわかるように古美術商や骨董商の話や陶器や漆器の制作について詳しく書かれており臨場感がありました。

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2021年04月12日

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蓮丈那智フィールドファイルで出て来た狐のねえさん「旗師」宇佐見陶子が主役の古美術ミステリ。殺人事件のほうがなんとなくぬるめでとってつけた感あり、差し迫らない感じはする。ちょっと話のとっかかりの陶子が贋作をつかまされてリベンジというモチベーションが無理矢理じみていて臭いが、陶子のキャラが存外下世話なので、ま、いっかと最後のほうは慣れて読めた。贋作師もかっこいいしねぇ、全体的にやたらとリベンジ色が強いのが非常にネガティブな印象。おもろいことはおもろかった。

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2016年08月29日

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美人旗師宇佐美陶子が、贋作を掴まされ、その相手に「目利き殺し」を仕掛けるが、殺人事件に巻き込まれる話。登場人物が全員個性的。そして過去の因縁話や、真相がとても入り組んでいて最後まで気を抜けない読み応えのある作品です。

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2016年03月30日

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冬狐堂シリーズ・第1巻。店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」である主人公・宇佐見陶子。彼女が同業の橘薫堂(きくんどう)から仕入れた“唐様切子紺碧碗”は贋作であり苦い思いをする。陶子は橘薫堂に対し、プロをも騙す「目利き殺し」を仕掛け返す決意をするべく秘密裏でその準備に取り掛かるが-

古美術商における舞台裏や暗黙ルールなど骨董独特の世界に好奇心からかぐいぐいと引き込まれ、人間の所有欲・駆け引きといった人間の闇も垣間見え、さらに橘薫堂の関係者の死や30年前の贋作事件も絡み合う。罠は掛けているのか、それとも掛けられているのか。陶子をはじめ個々のキャラクターもどことなく影があり、彼らが取り巻く古美術という世界をより妖艶に、より不気味に映し出しています。
いやぁ、はまった。先を急ぐように夢中になったのは久しぶり。

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2017年05月09日

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視点が頻繁に変わるが、決して読みにくいこともなく、かえって謎に対して多角的に向かっていく感じがよかった。テーマや世界観が重厚だがそれにもまして構成がいいと思った。

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2013年01月19日

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最後の最後までワクワクしながら読めましたが、謎解きの部分が自分にはイマイチふに落ちないような感じを受け少しだけ消化不良気味になりました。

事件とはおよそ関係のない人物による書類の始末が、この事件の
きっかけになるとは思いもしませんでした。

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2012年07月05日

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ネタバレ

贋作を売りつけられた仕返しに、贋作を売りつけるという贋作バトルって趣向が面白い。X線蛍光分析などの科学的な分析に引っかからないような贋作制作の工夫などは興味深かった。古美術という堅苦しい世界を描いていはいるが、キャラはデフォルメが効いてるし気軽に読めた。またミステリーの部分である殺人事件の解明も古美術に根ざしたものでよかった。

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2012年03月20日

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ネタバレ

骨董の世界って深い!そして、美術品の価値って危うい。
フィクションとは思いつつ、食事のときに使える焼き物好き程度でいよう。。。と誓う。
骨董の世界という普段なじみのない世界の説明のためか、文章がくどくどしく感じられて入り込むのにはやや時間が必要。でも慣れるといっきに加速する。
殺人事件よりも贋作を巡る駆け引きのスリルが中心で最後の最後までドキドキの連続。
途中の陶子の危機はルパンの813とかぶった。
うーん、やられた。。。とやはり思う読後。
このところ、高校生の恋愛話を読んでいて、ふわふわで小さな女の子が(でも胸はデカイ)泣いてるだけなのに、なんでかハッピーエンド。なんとなく鬱々としていただけに、陶子に硝子がものすごくかっこいい。頼もしい。タフな二人に惚れる。
「三十女は、これくらいじゃめげないって。」

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2011年10月25日

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”目利き”たちが贋作をめぐって騙し合いを繰り広げる。
骨董の世界は良く知らないのだが、楽しんで読めた。
キャラクターはわかり易く魅力的、伏線がきちんと回収してある。半分過ぎたあたりから雰囲気もわかってきて、気分も乗って読みやすくなった。
この作者ははじめて読んだ。続編も読みたい。

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2011年03月23日

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面白かった。最近、美術界の裏を扱ったミステリーを読むことが多かったのだが、骨董業界も負けず劣らず、人間の思惑が複雑に絡み合った胡散臭さ満点の世界。その世界を存分に味わえる。キャラも良い。主人公の陶子はもちろん、周りの人間も魅力的。ミステリーとしてもどんでん返しの連続で十分楽しめるし、とても読み応えのある一冊だった。

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2012年01月18日

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ここしばらくずぅーっと北森鴻作品を読み通しでした(笑)
私にとって「或る1人の作家さんの作品」という理由で複数作読むことは珍しいです。それくらいこの人の作品は好きってことかな〜‥、一応。

この本は、長編なんだけど題材とか設定が読む以前から既に面白い!と思った。
他の短編(連作系)に比べると軽い‥というか、私的にはハードボイルドな臭いも感じられて(笑)楽しく読めた1册でした。

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2012年04月23日

Posted by ブクログ

古美術ミステリーと銘打っているが、8割古美術。
ミステリ要素は薄い。

面白いのだが、個人的には古美術要素が多すぎる点、主人公である陶子にあまり魅力を感じられなかった点からハマれなかった。

古美術や骨董に造詣がなくとも、例えばハンターハンターのヨークシン編が好きな人なら楽しめると思う。

全然関係ないけど、どうぶつの森で贋作売りつけてくるのもキツネだなーって。

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2024年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

古美術の贋作をテーマにしたミステリ。
残念ながら著者は早逝しているよう。
存外面白いので残念。他も美術や民俗学などあるようなので良んでみよう。

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2022年04月30日

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ネタバレ

骨董商の「旗師」宇佐見陶子は、同業者の橘薫堂(きくんどう)の主人・橘から贋作のガラス器をつかまされる。
プライドを傷つけられた彼女は報復を決意するが、目利きの橘の目をごまかすことは容易ではない。
そこで彼女は、別れた夫のつてを頼り、贋作の天才・潮見老人に協力を求める。
一方、橘薫堂に勤める女性が殺され、陶子も殺人事件に巻き込まれてしまう。

骨董の世界を舞台にした、古美術ミステリ。
骨董業界という特殊な業界の事情をわかりやすく描いているのでとても読みやすかったです。

贋作をつかまされるのは見る目が無いから、つまり騙される方が悪いという非情なルールがまかりとおる業界。
そんな素人の想像を絶する古美術業界を舞台に、人の飽くなき欲望や駆け引きが描かれ、読み手はどんどん作品世界に引き込まれ、読み始めたら止まらないジェットコースターストーリーとなっています。

陶子がどのようにして復讐を果たすのか、殺人事件の捜査が陶子にどのように絡んでいくのか、一筋縄ではいかぬ手に汗握る展開や途切れのない緊張感に最後まで気が抜けません。

刑事のでこぼこコンビのしたたかさとか、潮見老人の不気味で迫力のあるキャラクターとか、脇を固める登場人物も個性豊かで魅力的でした。

ただ、最初の導入部分はちょっとわかりづらかったです。
まず主人公の陶子が橘に贋作をつかまされ、保険会社の調査員によって騙されたことに気づいた彼女は、その恨みを晴らすべく、復讐(目利き殺し)を決意する・・・という流れになっているのですが、彼女の心情が説明されないので、なぜリスクを冒してまで復讐を決意するのかが読み手には伝わらない。
一筋縄ではいかない世界で一人で仕事をする女性が並々ならぬ気概を持っていて、そのプロ意識の高さゆえに復讐をするのかな?とも思うのですが、贋作作りに手を染めるというのは、明らかに「犯罪者側」に行ってしまうことなので一度そうなったら絶対に元の立ち位置には戻れないし、職を失う可能性もある。
序盤の展開が早すぎて事情がのみこめず、陶子にも共感できないので読者が置いてかれる気がしました。

お話自体は面白かったので続編も読んでみたいです。

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2018年06月17日

Posted by ブクログ

蓮杖那智シリーズをずいぶん前に読んで、おもしろかったのを覚えていたので、手に取りました。

本筋より、古美術の世界の常識というか、考え方の違いのようなものに惹かれました。
せりがどのように行われるか、とか科学鑑定のしくみとか、鑑定書の不確かさとか・・・
また、主人公の女性の仕事人としてのかっこよさにも惹かれました。

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2015年06月27日

Posted by ブクログ

20140831 全体の盛り上がりは良かったが最後のまとめ方がどうか。続編もあるので良かったのかもしれないがなんとなく逃げられたような気がする。

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2014年08月31日

Posted by ブクログ

旗師・冬狐堂シリーズ。

面白かったけど、情報量がてんこ盛りで・・・
ストーリーの流れに乗るところまで行けなかったかも。

でも陶子のキャラクターは好き。
かっこいい。

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2010年01月15日

Posted by ブクログ

美術…というより骨董の世界どっぷり。
謎を追うというよりその世界に浸れるかどうかで
好き好きが分かれそう。
陶子さんはこれからも苦労しそうなので、頑張って。。。

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2010年01月11日

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