「こうしてねぇ、あんたんチのおとうさんもねぇ、揉んだことあるとよぉ」と、自分の胸を揉みほぐしつつ語る伯母。その娘で肘の骨が飛び出るほど痩せているビョーキの従姉と同じバーで働く、あたし19歳……。博多の中心地、「ドブ川」こと那珂川ぞいでもたれあうように暮らす3世代の女たちを描いた表題作。お茶の販売店で生計をたてつつ、泰然と暮らす女性を描いた「スッポン」、他「ゆううつな苺」収録。芥川賞作家のデビュー作。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
初恋なんかに煩わされてたあんとき、
その時のまさにその対象だったりしたあの女の子。
いつも一人で、
ふわっと浮かんだり沈んだりしていたあの女の子。
僕の一生懸命をどう見てたんだろうかってことが、
だいたいわかってきた。
わかってきたから、
いてもたってもいられない。
女の子...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年05月03日
文庫本のカバーは写真なんだ。
僕が手にしたのはハードカバーの方で、かわぐちみおによる装画が、本書に収められた三つの短編の雰囲気やテーストを見事に凝縮しているような気がします。
それはある少女を描いた非常にシンプルなイラストなんですが、19歳のホステス、各地を転々とする33歳の処女、はみ出してはいる...続きを読む