無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで203万冊以上配信中!
「こうしてねぇ、あんたんチのおとうさんもねぇ、揉んだことあるとよぉ」と、自分の胸を揉みほぐしつつ語る伯母。その娘で肘の骨が飛び出るほど痩せているビョーキの従姉と同じバーで働く、あたし19歳……。博多の中心地、「ドブ川」こと那珂川ぞいでもたれあうように暮らす3世代の女たちを描いた表題作。お茶の販売店で生計をたてつつ、泰然と暮らす女性を描いた「スッポン」、他「ゆううつな苺」収録。芥川賞作家のデビュー作。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
文庫本のカバーは写真なんだ。
僕が手にしたのはハードカバーの方で、かわぐちみおによる装画が、本書に収められた三つの短編の雰囲気やテーストを見事に凝縮しているような気がします。
それはある少女を描いた非常にシンプルなイラストなんですが、19歳のホステス、各地を転々とする33歳の処女、はみ出してはいるがヤンキーにも成りきれない女子中学生、といったそれぞれの短編のヒロインに見事に重なるんですよ。
もちろん錯覚なんでしょうけど、本書を通じて三人のキャラクターを愛でながら、僕は愉悦の境地にありました。
著者の『しょっぱいドライ』や他の作品も読みましたが、デビュー作のこの短編集が一番好きです。九州の方言も程よくブレンドされ、少女を中心とした女たちの揺れる立ち位置を目で追いながら、軽くめまいを覚えるもまたいいです。
それにしても「ゆううつな苺」、誰か映画にしてくれないかな。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。