小説作品一覧

  • 【写真詩集】君のそばで会おう
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【写真詩集】好きなものを好きでいるために、私にとって世界は一瞬一瞬が0からはじまります。
  • 失踪計画
    3.0
    自分の職場から大金を盗み、その嫌疑を同僚に着せてしまおうと、サラリーマンが計画を練った! 計画は周到な準備ののちに実行され、首尾よく大金を手にしたのだが……。本格倒叙推理の表題作「失踪計画」をはじめ、戦後の混乱のなかで図らずも成功の道を辿っていく男を描いたユーモア作品「うらなり出世譚」、怪奇小説的な味わいをもつ「夜にうごめく」、論理的な謎解きを読者に要求する「第六太平丸の殺人」など、本格推理から異色作品まで、単行本未収録の初期傑作短編を七作収録!
  • 札幌着23時25分
    5.0
    航空スト当日、暴力団川田組組長の有罪の決め手となる重要な証人を、札幌地裁まで連れていかなければならない事態が発生した。タイムリミットは深夜零時!証人を連れて東京を出発した十津川警部の行手には、それを阻止せんとする川田組弁護士佐伯の手の者が……。チャーター機、列車、東北新幹線、車、船とあらゆる交通機関を駆使して、狙う側と守る側の華麗なゲームが始まる!人気作家が自信をもって贈る、トラベル・サスペンスの決定版。
  • 現金強奪計画 ダービーを狙え
    3.0
    二十五歳の唐木拓郎は留年を重ねながらも裕福な学生生活を送っていた。しかし退屈な人生を放棄した唐木は、悪という冒険に若さを賭けるため、ダービーの売上金二十億円の強奪を企てた――。完全主義者の唐木は計画実行のため6人の仲間を集め、用意周到な作戦を立てたが、ある日彼のもとへ一通の手紙が届いた。仲間の中に裏切り者がいるという警告であった……。疑心暗鬼の中で一瞬の危険に青春を賭ける七人の男と女。人気絶頂の著者が贈る長編サスペンス!
  • 挙動不審者
    -
    警視庁江戸川警察署の合同捜査本部で一人の青年が逮捕された。容疑は大学時代の友人を刃物で殺害したということ。だが、万全の証拠は揃っているものの自白まで持ち込めない。それどころか青年は「澄んだ目」で無実を主張し続ける――。不審に思った紺野巡査部長は捜査本部が省いた不審者に接触、青年の過去を調査し「澄んだ目」の正体を確かめようとしたが……。旧来の捜査手法に異を唱える、警察小説の問題作登場!
  • 聞かなかった場所
    3.7
    役所勤めの浅井が、妻の死を知ったのは、出張先の宴会の席であった。外出中、心臓麻痺を起こし、助けを求めて駆け込んだ化粧品店で息絶えたという。義妹によって知らされたその死に場所は、妻から一度も聞いたことがなかった地名であった――。妻の死の真相を探るうちに、一転して脅迫される立場になるという巧みなプロットの面白さ。小心な官僚の心理描写の卓抜さ。清張サスペンスを満喫する長篇小説。
  • オリエント急行を追え
    2.7
    イベントで再来日したオリエント急行。しかし、列車から百丁のトカレフ拳銃と白骨化した手首が発見された……。政界絡みの拳銃密輸事件を捜査中に行方不明となった刑事を追い、十津川警部はベルリンへ向う。一方、日本での捜査に当たる亀井の前には謎のドイツ人が……。十津川は犯人との接触を続け、ついに舞台はモスクワ、そして厳寒のシベリアへ! 激動のヨーロッパ大陸で冴えわたる十津川の名推理。本格海外トラベルミステリー!!
  • 男たちの晩節
    4.0
    会社のOB会で拾う不満のタネ。退屈な隠居部屋でうごめく春機。必死で守り抜いた暮らしを全取っ替えしたい衝動――ある日を境に永年の職場を失った男たちが引き起こす生々しい事件と犯罪。諦めと寂しさ、執着と滑稽。彼らの孤独な姿を、懐かしい昭和日本の風景と共に見事に描き切った清張文学の真骨頂である。秀逸な短編を次々著した昭和30年代の作品を中心に、人生の晩節をテーマに選び抜いた、粒ぞろいの短編集。
  • 越後湯沢殺人事件
    2.7
    越後湯沢のリゾート・マンションで芸妓・由美の絞死体が発見された。新潟県警は、部屋の所有者・沢木を容疑者として逮捕する。身に覚えのない沢木は、大学の同級生・十津川警部に助けを求めた。旧友の無実を信じ、現地に入り個人的に捜査を進める十津川に、亀井刑事から思わぬ知らせが入った。湯沢町議で建築会社を経営する由美の父親が東京で殺されたというのだ! 強固なアリバイと権力の壁を前に、十津川警部は危険な賭けを試みる! 長編トラベルミステリー。
  • 美しき殺人法100
    3.2
    遥かなる昔から、人は人を殺すために、様々な手法を編み出してきた。バラの花びらや接吻を使った奇想天外の殺人法から、残虐きわまりない逆さはりつけや塗りこめまで、そのアイディアと多様さには、目を見張るばかりである。この本は、古今東西の殺人史を彩った殺人法の数々をサンプルした、怖るべき百選である。
  • いらっしゃいませ
    3.7
    楽しいかどうかなんて重要じゃない。会社で働く女の子にとって必要なのは、つまらないことも我慢できること、そして、その我慢のなかでも何かを忘れないことではないか――。短大の英語科を卒業後、出版社の受付に配属されたみのり。初めての経験で戸惑うことばかりの毎日を過ごしながらも、持ち前の正義感でみのりは社内に新風をもたらしていく。初心で胸を膨らませた新入社員と、初心を忘れたかつての新入社員へ贈る、初めての受付嬢小説。
  • 聖餐
    -
    元映画監督の健は性を売り物にする風俗の世界に身を置き、それなりに実績を残していた。しかし突然、警察にあらぬ嫌疑をかけられ全てを失ってしまう。健は復讐を決意する。それはタイトルもキャストもない非合法なあるヴィデオを世間に流すことだ。「その時、俺達は神になるんだ」。石原文学の新たな到達点を示す問題作「聖餐」を含む小説集。
  • 棟居刑事の情熱
    3.5
    大手建設会社に勤める水原智彦は、政商、相川章一郎の孫娘真美と婚約しながら一方で、結婚を餌にホステスの瑞枝に近づき、彼女の身体を利用して着実に出世の道を歩んでいた。その頃、丹沢山中で相模中央電鉄社員、本宮恒夫が現総理への闇献金を運ぶ途中で殺された。そして新宿のマンションでは瑞枝の死体が。二つの犯罪に偶然なる符合。警視庁捜査第一課の棟居弘一良が果敢に捜査を開始する、棟居刑事シリーズ第2弾!
  • ピンクのチョコレート
    3.8
    芸能界のスターになってしまった恋人をもつ女の子が、バレンタインのチョコを嫌悪する彼に感じた微妙な距離。贅沢とセックスを教えてくれた青年実業家が事業に失敗し、新しいパトロンを紹介することで示す最後の愛情。何かが違う……と思いながら、目の前の安逸な欲望に身をゆだねる女たちの甘くほろ苦い哀しみを切々と描いた短篇集。「猫を連れて」「ピンクのチョコレート」「真珠の理由」「四歳の雌牛」「ランチタイム」「偶然の悲哀」「赤い糸」「眠れない」「勤め人のいえ」収録。
  • 春信殺人事件
    3.5
    歌麿・清長とともに江戸の三大美人絵師として名高い鈴木春信。彼の希少な肉筆画が発見され、七億円で安本商事に落札された。だがその作品からは決定的な贋作の証拠が見つかり、再び葬り去られる。浮世絵専門の捜し屋、仙堂耿介はその「春信」と共に蒸発した男・遠藤を捜す依頼を受けた。彼を追ってNYに飛んだ耿介を待ち受けていたのは、あの美術探偵塔馬双太郎だった……! 「春信」に隠された驚愕の真相とは! 大胆な歴史推理が堪能できる本格浮世絵ミステリー。
  • のほほん雑記帳
    3.9
    人生は大いなる漠然とした不安との夫婦生活だ。どこへ逃げても逃げ場は無く、眠っても悪夢となって悪妻はやってくる。だから、むしろ自分から悪妻と付き合うようにして、何かと彼女を手なずけてしまえばいいのだ。生きることから逃げないようにして、何とか折り合いをつけるようにするのだ――。折り合いのついた状態を“のほほん”と言う。偉大なるのほほんの大家、大槻ケンヂが指南つかまつる「のほほんのススメ」。風の吹くまま、気の向くまま、今日も世の中、のほほんだ!
  • きれいなお城の怖い話
    3.5
    狂気、殺人、拷問、毒薬、悪魔、サディスト……きれいなお城には、恐怖がいっぱい。みずからの欲望と快楽のはてに、血塗られた歴史を作り上げた十人の悪女・怪人の姿を浮き彫りにする。六〇〇人の娘を殺した伯爵夫人エリザベート・バートリ、倒錯の愛に生きたサド侯爵、美少年を誘拐し、肉体をむさぼり、あげくのはてに惨殺した同性愛者ジル・ド・レなど、美しくもおぞましい中世残酷物語。
  • きっと君は泣く
    3.6
    椿、二十三歳。美貌に生まれた女に恐いものはない、何もかもが思い通りになるはずだった。しかし祖父がボケはじめ、父が破産、やがて家や職場で彼女の心の歯車はゆっくりと噛み合わなくなってゆく。美人だって泣きをみることに気づいた椿。弱者と強者、真実と嘘……誰もが悩み傷つくナイーヴな人間関係の中で、ほんとうに美しい心ってなんだろう? 清々しく心洗われる、“あなた”の魂の物語。
  • 水の通う回路 上 完全版
    3.6
    1~2巻594~627円 (税込)
    「黒いコートの男が殺しに来る」。そう、子供たちは口をそろえて言う。千葉県で小学6年生が自らの腹部をナイフで刺した!この「事件」は、驚くべき速さで全国に拡大する。被害者に共通するのは、ある人気ゲームを「事件」前にプレイしていたことだった。その名は“シティ・エクスパンダー4”。ゲームメーカー社長の桐生直人には、何ひとつ思い当たるところはなかったが……「事件」は誰も予想がつかない方向へ展開していく!『バリア・セグメント 水の通う回路 完全版』改題
  • 蝶の谷殺人事件 顔のない刑事・脱出行
    3.0
    警視庁捜査一課の香月功は、警察手帳(オフダ)を持たない刑事として特命を帯びている。ある時、かつての同僚・菊岡の死体が野尻湖に浮かんだ。菊岡は暴力団捜査係の刑事だったが、黒い噂がたっていた。事件の捜査を開始した香月。直後、蝶の谷と名高い茅ヶ岳山麓で、蝶蒐集家の死体を発見、その妻は広域暴力団幹部の愛人でもあった。やがて、香月は愛人に近づくが、逆に組に捕らわれてしまった。決死の脱出を試みる香月の運命は? 大人気警察小説シリーズ第5弾!
  • 殺人の花客
    -
    新宿の超高層ホテルの一室で、男性の死体が発見された。被害者は女性と宿泊する予定だったらしいがその形跡はない。かわりに見つかったのは“カタセタム”という日本では珍しいランの花粉だった。奇妙な手がかりをもとに女性の行方を追う新宿署の牛尾。だが、事件当夜にホテルで起こった幾重もの人間模様がさらなる迷宮へと誘う……。もつれた因縁の糸を、敏腕刑事牛尾正直が丹念に解きほぐしてゆく白眉の社会派推理。
  • 結婚の条件
    3.0
    サラリーマンの妻から一転、市長夫人、そしてベストセラー作家となった彩。だが、一躍有名となったために、自ら封印していた過去の男たちがつきまとうようになる。夫に気づかれぬように、彩は過去の男たちを排除しようと計画するが……。幸せな人生を約束されたはずの女性に訪れた突然の悲劇――。結婚という誰もが一度は考える普遍のテーマに、男と女の真の幸せとは何かを、切実に問うた渾身のサスペンス!
  • 赤い渓谷 顔のない刑事・追跡行
    4.5
    警視庁捜査一課第二係は継続捜査係である。迷宮入り事件を粘り強く捜査する特捜刑事・香月功は、休暇で登った奥秩父・甲武信岳で、男女の死体を発見した。当初は豪雨下の遭難死と思われたが、香月は不審を抱き、単独捜査を開始した。やがて、死体発見現場を捜索中、精巧なニセ札を発見。香月は容疑者を捜し戦中にドイツから持ち込まれたザンメル印刷機を追うが…。警察小説の金字塔「顔のない刑事」シリーズ第3弾!
  • 私を殺しに来た男
    2.8
    十津川警部は帰宅途中の電車で若い女性から「お願いがある」と声をかけられた。不眠不休の捜査で疲れきっていた十津川は、明日にでも警視庁に電話をしてくれと言い、その場を去ってしまう。そして翌朝、駆けつけた殺人現場で見た死体は、声をかけてきたその女性だった……。十津川警部の苦悩を描く「事件の裏で」をはじめ、プロ野球の世界を舞台にしたスポーツ推理小説「サヨナラ死球」など、本格推理から異色作品まで、単行本未収録の短編を10作収録した文庫オリジナル短編集!
  • ロッカーズ
    3.9
    1巻594円 (税込)
    十四歳。雨上がりの町で、ぼくは十八歳のセージと出会った。セージは歌い、叫ぶ。細胞のひとつひとつ、魂までも揺さぶる圧倒的な声で。自分のために。その彼が僕に向かって言った。微笑を浮かべながら。「なあ、弾いてくれよ」街に、旋律が流れ始めた――。破滅的なカリスマ性をもつヴォーカルと独創的なギタリスト、日本中を席巻した伝説のロックバンドの誕生、成功、そして崩壊までの激しい軌跡を描いた傑作長編。
  • レンタル(不倫)
    3.9
    (うるさいっ。バイブが悩むな!)こう言ってのけられたら、どんなに世界は理路整然とするだろう。だが、ボンジュール・トリステス、まぶたを閉じる。「私は……レンタルでじゅうぶんなの」〈本文より〉いまだに処女の30女、力石理気子(美人)にロマンスが訪れた。はたしてみごと「セックスをしていただける」か? ぬるいフェミニズムと甘いナルシシズムにパワーボムを食らわす、闘魂のハイパー文学!
  • 密閉山脈
    4.5
    その時、みかん色の灯が山頂に点ったのを貴久子はみた。だが、それは二人が誓った愛の合図ではなく、絶望的なSOS信号であった。翌日K丘頂上付近で、半身雪に埋もれた男の死体が発見された。徹底的な調査の結果、ヘルメットの破損部分に重大な事実が隠されていた! 北アルプスの高峰に「密室」を構築した著者の本格推理の最高傑作!
  • 麻雀狂時代
    3.3
    博打打ちは例外なく、皆、臆病である。博打で生きている限り、現金以外は武器にならない。彼らにとっての恐怖は、負け続けることではなく、負けて現金が尽きることである――。絶対ガン札は出来ないといわれているヴァイスクルの封切版カードで、日本ギャンブラーを手玉にとるメリケンお玉。韓国のカジノで15分で1500万稼ぎ、勝ち役の名が鳴り響いている空野とノミ屋ゴロシのプロ車券師。ギャンブルを通して、人間の切なさ、哀しさ、凄まじさを描いた阿佐田哲也の傑作小説。
  • 墓地を見おろす家
    3.5
    新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。 問題は何一つないはずだった。ただ一つ、そこが広大な墓地に囲まれていたことを除けば……。 やがて、次々と不吉な出来事に襲われ始めた一家がついにむかえた、最悪の事態とは……!? 衝撃と戦慄の名作モダン・ホラー。
  • 文通
    3.0
    16歳の女子高生片桐瑞穂は風変わりな雑誌を本屋で見つけた。『月刊ペンパル』――それは、文通マニアの専門誌だった。気まぐれに出した瑞穂の伝言に応じてきたのは4人の男女。だが、筆跡も住所も異なる彼らの手紙はどこか異常な匂いに満ちていた。やがて瑞穂は、この4人がじつは同一人物であるという衝撃の事実に気がついた! 文通をやめなければ! だが、顔のない異常者は、すでに瑞穂の自宅へと……。
  • バイブを買いに
    4.0
    おちんちんは本当にわかりやすい。わたしのことを思って、わたしとしたいと思って大きくなっているおちんちんは、いつだってわたしの胸を打つ。かわいくって、ぐっとくる。まるで、しっぽをふりっぱなしのバカな犬みたいだ――。好きな人と一緒にいるしあわせ、体をくっつけている安心。痛々しいほどまっすぐに綴られる「この人が愛しい」という思い……。ごく普通の女の子のありのままの恋愛、ほんとうのセックスを、やさしくやさしく大事に切り取った、八つの恋の物語。
  • 時計
    3.0
    中伊豆の森で、眼球を反転させた奇怪な三人の死体が見つかった。しかも、彼らの腕時計は、みなデタラメな時刻を示して動き続けていた。半月後、同じ地域の貸別荘を訪れた男女が突然、すべての時計が狂い出す現象に遭遇! 同時に室内に異様な気配を察知し、身の危険を感じて逃げようとするが、ひとりの身体に想像を絶する変化が発生! 人間の常識を覆す怪奇現象の連続に、電磁波研究者清水教授は助手の神保真美と共に現場へ乗り込むが、そこで遭遇したのは死霊の大群だった!
  • 刑事部屋
    4.3
    辞令、刑事課ヲ命ズ――。狛江警察署刑事課に欠員補充された見習い刑事の片岡幸男が見た、それぞれの刑事に隠された、人間の深い絆と愛。半開きのロッカー、音だけの無線、散乱した吸い殻、そして、いつも誰もいない、灯だけがついて色褪せた空気の「刑事(デカ)部屋」。職業として、人間としての刑事の生きざまをリアルに描いた、警察ミステリーの傑作!
  • 追憶列車
    3.6
    第二次大戦末期にフランスからドイツへ脱出する列車で出会った日本人少年と少女の淡い恋心を描いた表題作、主婦の足下に忍び寄る謎の女を追う「マリア観音」、清水の次郎長の三人目の妻、お蝶が男女のもつれから死に至るまでを描いた「お蝶ごろし」など、魅力の五篇を収録。予想を快く裏切る、情感豊かな作品を厳選した傑作短篇集。「マリア観音」「預け物」「追憶列車」「虜囚の寺」「お蝶ごろし」収録。
  • ダビデの星の暗号
    3.5
    25歳の新進作家・芥川龍之介は、友人の原田宗助から相談を持ちかけられる。宗助は伊達騒動で逆臣として討ち取られた原田甲斐の子孫であり、先祖の汚名をそそぐために、事件の真相が隠された暗号を解読してほしいという。しかし間もなく、宗助は密室で死体となって発見された。彼の遺書に書かれた「すべての秘密はダビデの星に秘められている」という言葉。謎を追う龍之介を待ち受ける、国史をも揺るがす衝撃的事実とは? 若き日の文豪の推理が冴え渡る傑作歴史ミステリー!
  • 濁流(上) 企業社会・悪の連鎖
    3.5
    1~2巻594~638円 (税込)
    経済誌『帝都経済』のオーナー兼主幹の杉野良治(スギリョー)は、大物政治家とのつながりを背景に、財界を牛耳る大物フィクサー。企業の弱みにつけ込んでは、広告料などの名目で巨額のカネを集める。記事攻撃を恐れ、唯々諾々とカネを出す大企業、財界人たち。杉野から婿に、と期待されている若手幹部・田宮大二郎は、『帝都経済』をいつか一流誌に、との志を抱くが、その思いも虚しく、杉野の傍若無人ぶりはとどまることを知らなかった。日本の政財官界に澱む悪の連鎖を白日の下に曝し、企業社会の暗部を克明に描いて話題を呼んだ、長編経済小説の傑作。
  • スイート・リトル・ベイビー
    3.7
    ボランティアで児童虐待の電話相談をしている秋生。彼女自身、かつて育児ノイローゼになりかけていたところを保健婦に救われたという過去があった。人はなぜ、幼い子供を虐待しなくてはならないのか――そんな疑問を抱く秋生のもとにかかってきた一本の電話。それをきっかけに、彼女は恐ろしい出来事へと巻き込まれていく――。第6回日本ホラー大賞長編賞受賞作。
  • 人面町四丁目
    3.7
    大災害に被災し、行き場を失った男が遺体安置所で出会った不思議な女――。いっしょに来る? その言葉に導かれ、女の故郷人面町で、いつしかともに暮らし始めた男が出会うこの世のものとは思えぬ異形のものたち。そして、曖昧な記憶の糸をたぐりよせ、男がたどりついた、哀しくも酷いあの日の事実とは!? 日常のすぐそばで、ひたひたと迫る恐怖を描く逸品。
  • 雀鬼五十番勝負
    2.5
    終戦直後の東京。一面の焼け野原。巷には化け物のような麻雀打ちがゴロゴロしていた。動乱の世の中を、自らの腕と運と魂だけを頼りに生き抜く男たち。雀聖・阿佐田哲也が、戦後から昭和二十年代終わりにかけて実際に戦った忘れ得ぬ名勝負五十番を鮮やかに再現。『麻雀放浪記』など代表作のモチーフとなったエピソード満載の名作が、ファンの熱望に応えてデジタル化!
  • 自選恐怖小説集 心の旅路
    4.0
    夢遊病? 記憶喪失? 奇妙な記憶に思い悩む私だが、原因として思い当たるのは以前食べたあの……!? 心の奥底からひたひたと怖さがつのってくる表題作ほか、軽妙洒脱な筆致で知られる著者が、全作品の中から選りすぐった珠玉のホラー短編13編。
  • 新編 宮沢賢治詩集
    3.7
    花巻の自然をこよなく愛し、篤い信仰心を持ちながら農業に従事する一方、文学や音楽に情熱を傾けた賢治。生前公刊された詩集「春と修羅」や、ノート、手帳に書きつけられた膨大な量の詩から、最も魅力ある作品を厳選し収録した。今なお読み継がれ、多くの人々を魅了し続ける詩人・宮沢賢治の心のデッサン。
  • 【写真詩集】春の野原 満天の星の下
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【写真詩集】個人個人であるということを、恐怖心からでもなく、冷たい感情からでもなく、ただそのままの事実として認められる人は、とても強くてやさしい人だと思います。
  • 【写真詩集】あの空は夏の中
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【写真詩集】私は孤独である限り、詩を書き続けるでしょう――。誰もが胸に秘めている大切なものを、愛おしむようにそっとすくいあげる、親密で、密やかな写真詩集。
  • ケータイ
    3.5
    「いたいっ! いたいよー! やだ、死にたくなーい!」16歳の高校生・関口葉月のケータイに真夜中かかってきた電話は、ナイフで刺し殺される同級生の大絶叫! 女子中高生に標的を絞り、断末魔の叫び声を携帯電話越しに他人に聞かせて喜ぶ史上最悪の行為に耽る謎の連続猟奇殺人者。日本中のケータイっ子たちを恐怖のどん底に突き落とした悪魔が、ついに自分の近くまでやってきた! 葉月は親友の千春に助けを求めるが、次の生け贄はすでに葉月と定められていた!
  • お見合い
    3.6
    大好きな史也と結婚する前に、一度だけ「お見合い」というものをしてみたい。満たされた恋で幸せな毎日を送る滝真由子にとって、それは余裕の気持ちが産み出したほんの遊び心。恋人の史也も、笑って賛成してくれた。そして真由子は、親戚からきた見合いの話に、ふざけ半分で応じることにした。だが、お見合い相手の男は真剣だった。真由子の魅力に一目惚れをした彼は、思いつめた表情でこう言った。「私はガムテープ男です。一度くっついたら離れません」
  • イレブン殺人事件
    2.5
    二十五歳になる中西は、官庁に勤めている平凡な独身男だ。彼の唯一の趣味は、ひとり旅だ。今回は京都に行くのに、奮発してグリーン車にしたところ、隣に二十七、八歳の素晴らしい美人が座った。うまくいく時はうまくいくもので、京都駅に降りる頃には、二人はすっかり恋人気分だった。だが、二人で泊ったホテルで思わぬ出来事が……。「危険な道づれ」他、嫉妬深い女のたくらみ、平凡な男の変身願望、突然声の出なくなった女性歌手などを描いた、切れ味鋭い華麗な十一のサスペンス。
  • あたしのマブイ見ませんでしたか
    3.7
    カジマイの季節。オバァ初枝のもとに一人の少女が訪れる。冷たい肌をした少女はこのあたりでは見かけない顔。つかの間の沖縄の冬、少女との交流を通じてオバァの見たものは……。寓話と現代文学が美しく融合した作品「カジマイ」。みずみずしい感性が紡ぐ、切ない八つの物語。著者初の短編集。
  • とりつくしま
    4.0
    死んだあなたに「とりつくしま係」が問いかける。この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ、と。そうして母は息子のロージンバッグに、娘は母の補聴器に、夫は妻の日記になった……。すでに失われた人生がフラッシュバックのように現れる珠玉の短篇小説集。
  • 初体験物語
    4.0
    かの兼好法師が“よろづのことも始め終りこそをかしけれ”と宣うように、古来より物事ははじめと終りがおもしろいものなのである。はじめて痩せクリームを購入し、塗りたくったあげく腹を無意味にかぶれさせてみたり、はじめて見た生ダリの絵に興奮し、力強いくしゃみ〈唾液含む〉をあびせかけてしまったり……。剃刀のような感性と宇宙規模の知性を誇るカオルコヒメノが満を持して綴る現代の徒然草。
  • 白鳥の王子 ヤマトタケル 西戦の巻(上)
    4.3
    1~2巻616円 (税込)
    大和王朝の王子であり、勇猛にして心優しき英雄、倭男具那。彼は女王・倭姫王の託宣に従い、熊襲と呼ばれ、九州で猛威をふるう狗奴国との戦いに出陣することを決心する。西を目指す男具那、その途には、狗奴国の勢力の北上にともなって各地で蜂起する賊たちが立ちはだかる。そして、女人剣士・羽女らを軍に加え、宇沙地方を跋扈する賊・鼻垂との壮絶な戦の幕は開いた――。日本最古の英雄、ヤマトタケルの生涯を描く歴史叙事詩、待望の第二弾!
  • 潜在光景
    3.6
    20年ぶりに再会した泰子に溺れれていく私は、同時に彼女の幼い息子の不信な目に怯えていた(「潜在光景」)。借金苦で自殺した社長はなぜ80通もの遺書を残していたのか(「八十通の遺書」)。わが子をさりげなく殺そうと気を配っている父親の言動。しかし息子はそれを察知していた(「鬼畜」)。日常のちょっとした躓きがその後の運命を大きく変えた、世にも怖ろしい6つの結末。人間の闇に分け入った傑作短篇集。
  • 玩具修理者
    3.8
    玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも……死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く……。現実なのか妄想なのか。生きているのか死んでいるのか――その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。
  • かっぽん屋
    3.7
    1巻616円 (税込)
    15歳。頭の中にあることといったらただ一つ、かっぽん――。憧れと妄想に身を持て余す思春期の少年たちの、ひたすらな性への関心をユーモラスに描いて、もどかしい青春の痛みを鮮やかに蘇らせた表題作のほか、デビュー間もない時期に書き下ろされた奇想天外な物語など、全8編を収録。作家・重松清のバラエティと軌跡が存分に味わえる、著者初のオリジナル短編集を電子化!
  • 過去を殺せ
    -
    「彫像」という名を刻まれた男・新坂五郎。渡仏して15年。かつてフルート奏者を目指し留学した彼の人生を狂わせたのはたった53枚の賭け札。あの夜以来、「沈黙」との勝負に負けて以来、賭事とは縁を切った。パリの裏町で未来を喪くし、盗品を売り捌く故買屋の身となった。ただ、絶望と孤独とを友に生きた。まるで、ひっそりと佇む彫像のように。ある日、大きな仕事が舞いこんだ。そして、「彫像」は偶然、「沈黙」に再会する……。
  • タクシー
    3.5
    タクシードライバーの蛭間正は、深夜、一人の女を乗せる。だが、彼女は「佐賀県に連れて行って」という言葉を遺し、車内で死亡。女は何者かに胸を刺されていた……。女性の名前は香月雅代。しかも、雅代の遺族の懇願で、蛭間は死体を乗客として、タクシーを走らせることに――。東京から佐賀までの道程で発生する凄まじい豪雨、突然の落石、そして、正体不明の追跡者。タクシードライバーが未曾有の困難に挑む戦慄のサスペンス。
  • 少女七竈と七人の可愛そうな大人
    4.0
    「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竈は、群がる男達を軽蔑し、鉄道模型と幼馴染みの雪風だけを友として孤高の青春を送っていた。だが、可愛そうな大人たちは彼女を放っておいてくれない。実父を名乗る東堂、芸能マネージャーの梅木、そして出奔を繰り返す母の優奈――誰もが七竈に、抱えきれない何かを置いてゆく。そんな中、雪風と七竈の間柄にも変化が――。雪の街旭川を舞台に繰り広げられる、痛切でやさしい愛の物語。
  • 急行もがみ殺人事件
    2.8
    十津川の部下の清水刑事が見合い結婚した。新婦の征子との新婚旅行は、東北の鳴子温泉から最上川下り、さらに日本海の温泉を回るルートを選んだ。その旅行の途中、同じルートをたどる、もう一組の新婚カップルを見かけた。だが、観光名所、お湯の噴き出る〈かんけつ泉〉では、相手の夫が別の女と一緒にいた。その後、征子は何者かに襲われ、問題の女性も急行「もがみ一号」の車内で殺された!? 清水から報告を受けた十津川警部も捜査に乗り出したが……。トラベルミステリー。
  • 沈黙のアイドル
    4.0
    林亜紀、18歳。声優を志すものの、なかなか仕事にありつけない女の子。そんな彼女の運命を、唯一の特技である「トップアイドル・小沼エリンの物真似」が一変させる。喉の不調を訴えるエリンの「声の代役」に抜擢され、スイスに行くことになったのだ。有頂天になる亜紀。まさか旅先でエリンの死体を発見し、殺人の濡れ衣を着せられた挙げ句に命を狙われるとも知らず――。華やかな世界を舞台に繰り広げられるドラマチック・ミステリ。
  • 尾瀬の墓標 顔のない刑事・単独行
    3.3
    冬の白い眠りから目覚めた晩春の尾瀬で、拳銃で撃ち抜かれた男女の死体が発見された。男は現職の刑事、女は水商売に従事していた。2人は心中か、それとも……。捜査一課長の特命を受けた香月功は、ただちに捜査を開始。やがて女の背後に暴力団の存在が浮かび上がるが、直後、行方を追っていた容疑者の男が熱海で死体で発見された!事件に巨大な陰謀を感じ取る香月。警察手帳(オフダ)を持たない“顔のない刑事”の捜査の行方は? 大人気警察小説シリーズ第2弾!
  • 青山娼館
    3.7
    「恋は御法度よ」会員制娼館のマダム塔子は言った。娘と親友を亡くす不幸のどん底から、高級娼婦という仕事に行き着いた奈月(32)。青山に佇むその旧い館には、白檀の香りと真に拮抗する男女の関係があった。身体をぶつけ合い、生の実感を取り戻す奈月は、やがてマダム塔子の過去を知ることになる――。怒りと悲しみに満ちた人生が交錯し、身体から再生していく日日を描いた全く新しい衝撃作。
  • 野望のラビリンス
    3.5
    フランス国籍を持ち、パリに住む邦人探偵・鈴切信吾。ある日、彼のもとへ奇妙な依頼が舞いこんだ――「猫を探して頂きたいのです」。だが彼を待っていたのは猫を預かったまま失踪した男の死体であった。一体誰が、何のために? 男の過去を手繰る他はなかった。やがて鈴切は第二の殺人事件の渦中に巻きこまれ、パリの裏街に潜む深遠なる情念の迷宮に迷い込む――。爛熟の都を舞台に綴る本格ハードボイルド。気鋭の冒険作家による記念碑的デビュー作。
  • 南十字星
    4.0
    20歳の自称“うら若き乙女”奈々子がアルバイトする喫茶店〈南十字星〉を、しっとりとした美人・美貴が訪れた。美貴は新婚旅行先のドイツで夫が蒸発し不幸のドン底。事件に関心を持った奈々子は、なぜか命を狙われ、店は大爆破! しかし運良く助かり、美貴、ドジ探偵の森田らと、ドイツへ捜査の旅にでるが、最大の危機が迫る……。パワフル・アルバイター奈々子の海外初体験、ハラハラドキドキ、大活躍の青春ミステリー!
  • 魔少年
    4.5
    何一つ不自由のない家庭に育った子供が起こした「いたずら」。そこには恐ろしい意味が隠されていた――。ホラー短編の最高傑作『魔少年』をはじめ、“顔のない男”に日夜悩まされる『空白の凶相』。女の執念の憎悪を描く『雪の絶唱』。共犯であるはずの男から脅迫される『死を運ぶ天敵』など、人間の心の暗部を映す、現実的ホラー短編集。〈七つの恐怖〉
  • 花夜叉
    4.4
    能の名門藤代流の若き後継者・篠芙。神懸かった舞の才能と、たぐい稀なる美貌を持つ彼は、稚い頃より、観月の四長老にその身を捧げ、一度廃絶した藤代流を復興させるための贄となってきた。だが、藤代は異母弟の明煌が襲ぐことになり、篠芙の運命は大きく変わってゆく。男たちに弄ばれ、支配されてきた篠芙が、華麗なる舞の裡に秘めた想いとは――。狂おしい官能の美を描いた至極の愛の物語。
  • ハグルマ
    3.0
    男がテストプレイを頼まれたゲーム。それは、とてつもなく生々しくリアルなものだった。ゲーム世界に、のめり込んでいくに従い、現実との境目がどんどん曖昧になっていく男。彼の中で、何かが徐々に狂い始めていた。時を同じくして、男の妻が怪しげな会合に参加するようになる。ゲーム、謎の団体……全てに関わる『ハグルマ』とは!?『ドグラ・マグラ』的狂気の宴がここに!!
  • 特急「白鳥」十四時間
    3.0
    十津川警部の片腕で、捜査一課のベテラン刑事亀井は、気は優しく真面目で、通称“カメさん”の愛称で誰からも親しまれていた。その亀井に何者かによって懸賞金がかけられた。〈死亡に限り一千万円〉亀井に対する私怨か、警察に対する挑戦か?出張で大阪にいた亀井は自ら囮になることを決意し、叔母のいる青森までを走る「白鳥3号」に乗り込み、犯人をおびきだそうとするが……。青森まで十四時間の長い旅が始まった!
  • 調子のいい女
    4.0
    銀座の高級クラブで男を騙し、懸命に貯めた金でアメリカ留学した加納美和子は、ボストンの英語学校で嘘つき女・波江と出会う。顔は整形、学歴は詐称、人を蹴落とし欲しいものを次々手に入れてゆく波江に、利用され、振り回されながら、美和子はなぜかその手をふりほどけない。野心を抱いた二人の女の恋、人生、セックスを軸に、夜の銀座の舞台裏をダイナミックに描いた仰天のデビュー作! 第六回小説新潮長篇新人賞受賞作。
  • 招待客
    3.6
    高谷美由紀は、結婚を間近に控えた27歳。彼女には幼い頃、増水した川で溺れかかっていたところを通りすがりの男子高校生に助けられたという過去があった。その話を知った友人たちは、その「命の恩人」を結婚披露パーティに招待するよう美由紀にすすめる。当時の新聞記事を頼りに、恩人・井口貴明の住所を探し出し、招待状を送った美由紀だったが……。かつての「恩人」はひそかに豹変していた――。傑作サスペンス・ホラー。
  • 【写真詩集】これもすべて同じ一日
    4.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【写真詩集】私が私の願いをみつめるように、あなたがあなたの願いをみつめてると、(たとえそれが無意識でも)遠くから信じることができれば、それこそがたったひとつの私の愛。
  • 【写真詩集】君はおりこう みんな知らないけど
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【写真詩集】人の心はよくわからない。人は変わるのだろうか。人の心はそれぞれだ。人はどうやって人の中で自分を知るのだろう。
  • 警視庁公安部
    3.5
    “死の商社”との疑惑があるリンツグループの日本法人には、警視庁公安部から特務捜査員が密かに送り込まれていた。広報室の加納係長、この男こそ公安当局へ極秘情報を流す警視庁警部補だった。その加納に柳沢警視から連絡が。去年の秋、環境事業部長が視察に行ったヨーロッパはカムフラージュで、本来の目的は中東訪問にあったという。追跡調査を命じられた矢先、ショッキングなニュースが……。元警視庁警部補の実力派が描くベールに包まれた警視庁公安部の実態。
  • 消えたエース
    2.5
    ペナントレース終盤、京神ハンターズは、巨人、広島と共に激しい首位争いを演じていた。18年ぶりの優勝のチャンスに、ファンは湧いていた。だが、優勝を懸けての対巨人4連戦に、京神ハンターズのリリーフエース江島が、突然失踪した。その翌日、江島の愛人で京都祇園のクラブホステスが殺害された。警察は江島の行方を追うが…。京神ハンターズの困惑をよそに、天下分け目の戦いの火ぶたは切って落された!長編サスペンス推理。
  • 怪奇博物館
    4.0
    大学教授、35歳の令子と、その助手を務める27歳の哲平は恋人同士。8歳も年下となると、令子には、哲平は可愛くてしょうがないという存在、一方、彼はそれがちょっと不満――とはいっても、実生活でも、哲平は彼女の助手(?)をするはめに……。ある日、発生した狼男の仕業といわれる殺人事件。でもそんなものが信じられない名コンビ、さっそく事件に首を突っ込んだ! 研究をやめて、けんかもやめて、二人が一致協力して取り組む名探偵の数々、ホラーな味つけの傑作集。
  • アンバランスな放課後
    -
    生徒会長といえば校内一の人気者。でもその選挙に知らぬ間に立候補させられたら? 転校したてでそんな災難に見舞われたのが、前の学校で“ミス元気”だった、芝奈々子。対立候補は、学園の女王として君臨する矢神貴子。戸惑っていた奈々子も友だちが傷つけられたことから矢神に戦いを挑むが……。体育館への放火や奈々子が車に轢かれそうになったり、不可解なことが相次ぐのは矢神の仕業? 女子高生奈々子の放課後はいつもドキドキ、ちょっぴりアンバランスな青春ミステリー!
  • 愛読者
    3.3
    駆け出しのミステリー作家・仁科美里のもとに、読者からのファンレターが二通届けられた。片方の差出人は、中学を卒業してから音信不通だった友人・柚子。そしてもう一通は「愛読者」と名乗る謎の男からの不気味な手紙……。この二通の手紙をきっかけに、美里の生活は大きく変わっていく。美里に近づいてきた柚子の真意は、そして「愛読者」の正体は? 驚愕のラストへ向けて読者を誘う、傑作サスペンス・ホラー!
  • ミッドウェイ
    -
    ミッドウェイの空に交錯する非情の運命の糸――。昭和17年、太平洋に暗い戦雲が迫りくるなか、日米二人の青年は、自ら国家の命運を担い、空の戦士となった。だが二人には共に愛を寄せる美しき女性がいた……。歴史の巨大な魔力に翻弄される無念の青春。引き裂かれた想い。「戦争」と「人間」を考える、森村文学記念碑的叙事大作。
  • 訪問者
    4.0
    夫の出張で、七か月の息子と二人きりの周子の家に、強盗殺人犯の男が侵入、立てこもった。隙をみて外部と連絡をとろうとする周子。それらの行為に苛立ちをつのらせていく「訪問者」。さらに、夫の浮気をほのめかす突然の電話が周子の神経を揺さぶる……。〈家〉という密室の中で、追いつめられた女に芽生えてゆく感情とは? 女性心理を描く名手が送る、傑作サイコ・サスペンス。
  • 偶人館の殺人
    3.3
    からくり展のポスター制作を依頼するため、国際的デザイナー矢的遥を訪ねた広告代理店の池上佐和子。矢的と共にからくり人形について調べるうちに「べんきちはゆるさないぞ」という謎の脅迫文を人形から発見して……。からくりマニアの加島大治、才色兼備の研究者・多野百合亜、双子の兄でロックミュージシャンの露麻夫、女優の浮田美洋、一癖も二癖もある登場人物たち。はたして真犯人は? そして犯人の狙いは?! ことわざ好きの探偵・矢的が活躍する高橋ミステリーの傑作。
  • イリュミナシオン ランボオ詩集
    5.0
    20歳までに詩才のすべてを燃焼させ灼熱の砂漠へ消えていった早熟な天才詩人ランボオ。だれもひらいたことのない岩穴の宝庫をひらき、幻想的な感覚の世界を表現した彼の作品は、今なお光り輝き、年月を重ねるごとに新鮮な衝撃を与え続けている。本詩集には『イリュミナシオン』『酔っぱらいの舟』を含む代表作を網羅した。
  • 雨はあした晴れるだろう
    3.7
    恋愛に憧れ、義兄とボーイフレンドの間で揺れる多感な少女を通して、人を愛することの意味を問う表題作。父が五十二歳の時に生まれたことを恥じている主人公が、自分の誕生に至るまで、父がいかに苛酷な半生を送ったかを知る「この重きバトンを」他一編を収録。『氷点』でデビュー以後、作家活動の初期に発表されながら、二十年もの間、散逸していた三作を収めた幻の作品集。
  • ソウルズ
    3.5
    音楽だけでは食べてゆけないフォルクローレ・デュオの僕ら。クリスマスイブにコンサートの仕事が入った。場所は浜松の病院。ギターとケーナとチャランゴと、浜松ならばうなぎくらい出るのではないかという小さな下心とともに会場へ向かうと、そこには思わぬ観客たちが待っていた……。たとえすれちがっても、人は何かでつながっている。魂が、様々な色彩であなたを包む珠玉の短編集。
  • ステーシーズ 少女再殺全談
    4.0
    近未来、いかなる存在の意志によるものか? 15歳から17歳までの少女たちが突然、世界中で狂死を始めた。少女の屍は立ち上がり、人肉を求めてさすらう無数の大群と化す。屍少女“ステーシー”殲滅のために完全武装の再殺部隊が組織されるが、戦いは血まみれ、泥沼の様相を呈し、涙は枯れ、心は凍りついていく……。大槻ケンヂの音楽も含めた全作品の中でも、最も狂気性に満ちた名作に、外伝2編を加えた完全決定版。
  • ジュリエットの悲鳴
    3.6
    人気絶頂のロックバンドの歌に忍び込む、謎めいた女の悲鳴。ヴォーカリストが語りはじめる悲劇の真相とは……。(『ジュリエットの悲鳴』)夜、列車に揺られる男の脳裏をよぎる、夜汽車をめぐる過去の情景。我に返ったとき、男は自らにじわじわと迫る危機に気づく……。(『夜汽車は走る』)スタンダードなアリバイ・トリックからギャグ・ミステリまで、バラエティに富んだ短編とショートショート十二作品を収録し、有栖川有栖の魅力の全貌を伝える傑作ミステリ集!
  • 棟居刑事の復讐
    4.3
    警視庁捜査一課の横渡刑事は帰宅途中、暴漢に襲われた女性を助けようとして男と格闘し無念にも刃物で刺殺された。一方、襲われた女性も死体で発見される。殉職の訃報を聞いた棟居刑事は激しい怒りを覚え、「仇はおれがとる」と亡き横渡の面影に復讐を誓う。そして、女性被害者の身辺を調査中、遺品から28年前に起きた棄児事件を報道した古い新聞記事が見つかった……。燃える刑事魂が巨悪と対決する「棟居刑事シリーズ」第一弾!!
  • 麻雀放浪記(一) 青春編
    4.1
    1~4巻671円 (税込)
    終戦後まもない昭和二十年十月、東京。坊や哲(哲也)の物語はここから始まる――。職にあぶれ街をさまよう哲は、麻雀の主のような男出目徳に出会い、徐々に技(イカサマ)を駆使した高レートの麻雀に惹かれていく。出目徳の下でイカサマ技術を覚えた哲は、長年のライバルドサ健のみならず出目徳すらも凌駕しようと、上野下車坂の「喜楽荘」で勝負を挑む。有り金全てを賭けた真剣勝負の勝者は……!? 麻雀史のみならず小説史にその名を残す金字塔「麻雀放浪記」の第一弾。
  • 幸福な遊戯
    3.4
    ハルオと立人と私。恋人でもなく家族でもない三人が始めた共同生活。この生活の唯一の禁止事項は「同居人同士の不純異性行為」――本当の家族が壊れてしまった私にとって、ここでの生活は奇妙に温かくて幸せなものだった。いつまでも、この居心地いい空間に浸っていたかったのに……。表題作「幸福な遊戯」(「海燕」新人文学賞受賞作)の他、「無愁天使」「銭湯」の2編を収録。今もっとも注目を集める作家、角田光代の原点がここにある。記念碑的デビュー作!
  • 原子力船むつ消失事件
    2.5
    原子力船「むつ」は佐世保での修理を終え、新母港の下北半島関根浜へ向った。八丈島近くに大型台風が接近してはいたが、航海は順調だった。だが、(新潟沖100キロを航行中、全員元気)の無線を最後に、「むつ」は消息を絶った―――。やがて、尖閣湾沖で大量の魚の死骸が発見され、近海が放射能に汚染されていることが判明する…。事件の意外な真相を追って、日本海からアラブ海へ展開する壮大なサスペンス推理。
  • ロッキン・ホース・バレリーナ
    4.3
    十八歳で夏でバカだった! バイト暮らしの耕助は、仲間のザジ、バンとパンクバンド「野原」を組み、生まれて初めてのライブツアーへ出かけた。行く先々でグルーピーを引っかける予定が、謎のゴスロリ娘のヒッチハイクで旅は思わぬ方向へ。彼女、七曲町子の正体は? ツアーファイナルは成功するのか? 耕助と町子の恋の行方は? 爆笑と感動、大槻ケンヂの青春ロック長編小説。忘れることなんて絶対にできない最高に熱かったあの季節。
  • 棟居刑事の凶存凶栄
    3.0
    文芸誌の新人賞を受賞した香山は舞い上がった。早速会社を辞め作家へと転身するが、第2作すら発表できず苦悩の日々を送っていた。ある日、路上で自作小説を売る男・青空から作品を買う。文芸誌に発表したその作品は圧倒的反響を呼び、一躍人気作家になった香山は青空の作品を買い占めた。事情を知った青空は徐々に要求を増してゆくが…。心の闇と不条理が生む7つの完全犯罪を警視庁捜査一課棟居刑事が解く、傑作短編集。
  • 夏化粧
    5.0
    島の豆腐屋で働く津奈美はシングルマザー。産婆のオバァのかけたまじないのせいで、息子の姿を他人に見えなくさせられてしまった。まじないを解くためには、息子にかけた七つの願いを他人から奪わなければならないと知り、津奈美は決死の覚悟で陰の世界に飛び込んでいく。願いを奪うとはどういうことなのか。息子にかけた最後の願いとは何か? 石垣島の自然と島の伝承を舞台に、若き母親が孤軍奮闘する壮絶な愛の物語。
  • カウンセラー 完全版
    3.8
    カリスマ音楽教師を突然の惨劇が襲う。一家4人が惨殺されたのだ! 犯人は13歳の少年だった……。法で裁かれぬ少年への憎悪を抑えられない彼女の胸に、一匹の怪物が宿る。一線を超えた時、怪物は心を食い尽くす!臨床心理士・嵯峨敏也は犯罪の奈落に堕ちた彼女を、そして凶行の連鎖を止められるのか!!大ヒットシリーズ「催眠」の第2弾。徹底したリアリズムで書かれるサイコサスペンスの大傑作が、待望の完全版で登場!
  • フォックスの死劇
    3.5
    「ハモノハラ」という謎の言葉を残し死んだ映画監督。その墓の塔婆が、近所のカラオケボックスの屋上に突き立てられた! 監督の妻から調査依頼を受けた探偵・紅門は、奇妙な連続殺人事件に巻き込まれていく。関係者がバラバラ死体で発見され、現場にはキツネの面、油揚げ、赤い鳥居などが残されていた…。日本映画界を“キツネ”色に彩る怪事件を紅門は解明できるか? 本格ミステリ史上に妖しく煌めく問題が、満を持して登場!
  • ファントム・ケーブル
    3.7
    「ヒトゴロシ」。吉住にかかってきた電話。それは一方的な罵りだった。彼は身に覚えのない中傷に怒り、表示された番号に掛け直すのだが、それは使われていないものだった……。その電話がきっかけで吉住は一つの事件を思い出していた。自分が紡がなければならないもの、闇に魅入られてしまった者たちの物語のことを――。常識のように、現実を浸食していく異形の恐怖を描いた傑作短編集。
  • 翼に日の丸(上) 双戦篇
    4.0
    1~3巻682円 (税込)
    厳しい訓練に耐え、憧れの戦闘機搭乗員となった風間。漢口基地でソ連機を相手に辛くも初陣を飾った彼は、無敵の零戦とともに大陸の空を翔る。だが歴史は日米開戦という怒濤の時代を迎えた。決意も新たな風間は、南方で米英の強敵と相見える。しかし突然の帰還命令が――。実は内地では、零戦を双発化した新鋭機「双戦」の操縦席が彼を待ち受けていたのだ。太平洋の大空を舞台に、もう一つの歴史を生きた若きパイロットを描く、傑作空戦ロマン。
  • 中空
    3.5
    何十年に一度、開花するという竹の花。その撮影のために鳶山と猫田は、大隅半島の南端に近い竹茂村を訪れた。そこは老荘思想を規範に暮らすひなびた七世帯の村だった。村人は二十年前に起きた連続殺人事件の、再来におびえながら過ごしていた。そして、怖れていた忌まわしい殺人事件が次々と起こる!! 閉鎖された村の異質な人間関係の中に潜む犯人とは!? 横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞の本格ミステリ。
  • スイッチ
    3.3
    怨念の遺書をしたため自殺をはかった八木沢奈美絵は、予定外の火災に巻き込まれ黒焦げの死体となって発見された。遺書も燃え尽き、彼女の糾弾は失敗したかにみえたが、浮かばれぬ死霊となった奈美絵は、憎き女、杉浦茉莉に再び復讐しようと、睡眠中に彼女の体を乗っ取ってしまう。深夜、別人にスイッチした恋人の異様な姿を目撃した竹下旭は、数々の幻覚に脅かされながらも、奇怪な出来事の原因を探りはじめるが……。ラストの大どんでん返しが、読者を待つ!
  • 新装版 風果つる街
    4.2
    1巻682円 (税込)
    その老人はみごとな銀髪をしていた。その瞳は異様な光を帯び、ノラ犬を思わせた。加倉文吉、人はその男のことを「真剣師」を呼ぶ。賭け将棋のみで生活をしているもののことである。旅から旅へ、俗世間のしがらみをすべて断ち切って、ただただ強い相手を求めて文吉は生きる。夢を諦めて師匠の妻と駆け落ちした男、父の敵を追い求める女、プロ棋士になり損ねた天才……。将棋に取り憑かれた男と女。その凄絶かつ濃密な闘いを描ききった連作集。★
  • 海のある奈良に死す
    3.5
    半年がかりで書き上げた長編が、やっと見本になった! 推理作家・有栖川有栖は、この一瞬を味わうために神田神保町の珀友社にやってきた。会議室に通され見本を心待ちにしていると、同業者の赤星学が大きなバッグを肩に現れた。久しぶりの再会で雑談に花を咲かせた後、「行ってくる。『海のある奈良』へ」と言い残して赤星は会議室を後にした。翌日、福井の古都・小浜で赤星が死体で発見された。赤星と最後に話した関係者として、有栖は友人・火村英生と共に調査を開始するが――!?
  • 無印結婚物語
    3.6
    母親との結束が異様に強い夫、老後の面倒をみるからと実家に甘える妻、フリフリの洋服を押しつける勘違いの義母etc……。有利なチャンスをつかもうと挑んだお見合い結婚、“愛の力”を信じて決断した恋愛結婚――それぞれの夢を欲をふくらませた結婚生活が、「こんなもんか」と思えるまでの、12のドラマチック・ストーリー。大ベスト・大ロングセラーを更新する超人気本!
  • 神谷美恵子日記
    4.6
    人は何のために生きるのか。苦しみと悲しみの極にあるとき、人はどのように生きる意味を見出せばよいのか。人間の「生きがい」について深いまなざしを注いだ精神科医・神谷美恵子。彼女自身も様々な苦悩や葛藤のなか、生涯をかけて自らの生きがいを懸命に追い続けていた。その日記にはときに自分らしい生への熱く激しい渇望が、ときに日常にひそむ人生の静かな喜びが、いきいきと語られている。人が本当に生きるとはどういうことなのか、読む者の心に深く問いかける真摯な魂の記録。

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