小説 - 光文社文庫作品一覧

  • 信じていたのに
    3.3
    大金を拾ったために、自己破産に向かう女……。借りた金を貸主が受け取らず、時効を目前に苛立つ女……。民法上、縁を切ったはずなのに、姑につきまとわれる女……。騙されやすい母親を詐欺から守ろうと必死になる女……。交通事故により、人生の流れが好転した女……。拾得物、債務、離婚調停――。身近な法律が照らし出す、身の回りにある恐怖。全7編を収録。
  • オワスレモノ
    3.3
    人身事故のため、停車中の通勤電車内。男は網棚付近に漂う黒い靄(もや)のようなものを目撃する。他の誰も気づかないが、禍々(まがまが)しい気配を放つ何か……。やがてそれが男に向けて迫ってきたとき、彼を襲った身の毛もよだつ出来事とは?(表題作)実話怪談の名手でもある著者が描く、日常の隙間(すきま)から立ち現れる怪異の数々! 全8編を収録。
  • やっとかめ探偵団と鬼の栖
    3.3
    夜な夜な子供の泣き声が聞こえたアパートの一室から、親子3人の姿が消えた。名古屋のミス・マープルこと波川まつ尾(74歳)の駄菓子屋に集う婆ちゃんたちは、夜逃げだ、幼児虐待だと大騒ぎ。そんな時、山深い林道から母親の死体が発見された。「どえりゃーことだがね」まつ尾の指示で、ご近所情報収集に向かう婆ちゃんたち。やがて意外な真相が……(表題作)。
  • あの日にドライブ
    3.3
    牧村伸郎、43歳。元銀行員にして現在、タクシー運転手。あるきっかけで銀行を辞めてしまった伸郎は、仕方なくタクシー運転手になるが、営業成績は上がらず、希望する転職もままならない。そんな折り、偶然、青春を過ごした街を通りかかる。もう一度、人生をやり直すことができたら。伸郎は自分が送るはずだった、もう一つの人生に思いを巡らせ始めるのだが……。
  • 美月の残香
    3.3
    遥花(はるか)は、奔放なふたごの姉・美月(みづき)に複雑な思いを抱いていた。常に比べられることへの反発――。が、二人が選んだ相手もまた、ふたごの兄弟だった。傍目(はため)には幸せなカルテットの誕生だったが、新婚間もない美月が、突然、謎の失踪(しっそう)を遂げた。後に残されたひと瓶の香水が引き起こす思わぬ愛憎劇とは? 深い内面描写にスリリングな展開。期待の俊英による書下ろし長編!
  • 憎悪の化石~鬼貫警部事件簿~
    3.3
    熱海の旅館で湯田真壁(ゆだまかべ)なる男が殺された。所持品から特定の人物を脅喝していた疑惑が浮上、湯田に恨みを持つ者を絞り込む捜査陣だが、疑いのある人物にはすべてアリバイが成立していた。捜査は行き詰まり、バトンは警視庁の鬼貫警部に委ねられた。1ダースの容疑者を相手に鬼貫の執拗(しつよう)な捜査が始まったが、その真犯人とは線。第13回日本探偵作家クラブ賞受賞作。
  • カササギたちの四季
    3.3
    リサイクルショップ・カササギは今日も賑やかだ。理屈屋の店長・華沙々木と、いつも売れない品物ばかり引き取ってくる日暮、店に入り浸る中学生の菜美。そんな三人の前で、四季を彩る4つの事件が起こる。「僕が事件を解決しよう」華沙々木が『マーフィーの法則』を片手に探偵役に乗り出すと、いつも話がこんがらがるのだ……。心がほっと温まる連作ミステリー。
  • 山内一豊の妻の推理帖
    3.3
    「ご亭主殿は、一国一城の主になるおかたです」織田家馬廻役で禄高五十石にすぎない山内一豊を内助の功で出世させた妻・千枝。「賢妻」は実は名探偵でもあったのだ! 織田、豊臣、徳川と天下人が入れ替わり、裏切りと密約が横行する戦乱の時代。次々と起こるお家の一大事を、閨の交わりの後に生まれる妻の名推理で、一豊は解決に導く。鯨流歴史ミステリの真骨頂!
  • 指哭(しこく)~強行犯刑事部屋~
    3.3
    1~2巻605円 (税込)
    西浅草署の刑事・高杉順平(たかすぎじゅんぺい)の自宅に送られてきた身元不明の人差し指。数日後、人差し指の欠けた遺体が発見され、ズボンのポケットには猿の絵が描かれた紙が。その後も続く殺人。そして、「容疑者」は次々に殺されてしまう。真犯人は誰か。そして、「指が語る」もうひとつの事件とはいったい――。当代屈指の人気時代作家の名作警察小説シリーズ第1弾、待望の文庫化!(『指が哭く』改題)
  • マナは海に向かう
    3.3
    門倉マナは漁師の祖父と2人、葉山に暮らす高校3年生。学業の傍ら、海に繰り出す日々。夏の終りのある日、1人で漁に出た祖父は戻らず、発見された船には、巨大魚との格闘の痕跡が残されていた。祖父の誇りを守るため、マナは青春を賭けた闘いに挑む! 海辺の町に暮らす人々のそれぞれの人生、ダイナミックな洋上の闘い……。いくつもの魅力に溢れた海洋青春小説。
  • 謎解きの醍醐味~ベストミステリー短編集~
    3.3
    丸高物産に勤めている曾根俊平が25歳の独身女性と情死した。曾根から、自分が「離魂病」かもしれないと相談を受けていた推理作家の杉は、その死に疑問を持ち調べ始めた――(「離魂病患者」)。短編の名手でもある鮎川哲也の傑作を集めた第2弾。鬼貫警部など有名探偵は出ないが、探偵役となる人物たちが事件の謎を見事に解く、ミステリーの醍醐味が詰まった一冊!
  • 砂の城~鬼貫警部事件簿~
    3.3
    早朝の鳥取砂丘に突き出た“足”。マネキンかと思われたその足は女性のものだった。被害者は高校の女性教師、一緒にいたはずの男は失踪していた。容疑者として浮かんだのは、かつて被害者と交際していた画家。しかし、その男には鉄壁のアリバイが。捜査は行き詰まり、名刑事・鬼貫に依頼がきた。容疑者と鬼貫の熱き攻防。真犯人は誰か。鬼貫警部シリーズの名作。
  • わるい風~鬼貫警部事件簿~
    3.3
    歯科診療所の昼の休み時間、その男は現れた。突然歯痛に襲われた急患だった。男の名前を聞いて歯科医は愕然とする。大切なひとり娘を自殺に追い込んだ新劇の演出家だったのだ。千載一遇の復讐のチャンスに、医師は男を殺害、完全犯罪を目論むが……。(「わるい風」) 控え目だが着実に事件解決に迫る名探偵・鬼貫警部の推理力と人間的魅力。傑作短編集!
  • 女学生
    3.3
    父親の会社から2千万円もの大金を持ち出し、恋人に貢(みつ)ぐ少女。女子高を舞台に、生徒と先生の禁煙競争を提案し、教師を翻弄する優等生。家出少女と勘違いされ、老紳士の豪邸で生活することになるセーラー服を着た“女優”。殺人犯に似た若い男性教師を追い詰める2人の女子中学生……。ハプニングと向きあう女学生たちの心理を鮮やかに描いたオムニバス・サスペンス。
  • ストレート・チェイサー
    3.3
    リンズィは、バーで知り合った名前も素性も知らぬ2人の女性と、トリプル交換殺人(スリーサム)の約束をさせられてしまった。酒に酔った彼女は、その対象に上司のウエインを指名するが、何と翌日、彼の自宅で他殺体が発見された――! ところが、現場は完全な密室状態。はたして、トリプル交換殺人が実行されたのか? 舞台設定、仕掛け……全てが光る新本格推理、感動傑作!
  • 彼女の深い眠り
    3.3
    結婚式を目前に控え、意識不明に陥った中野綾。ささやかな復讐心から、綾に呪いをかけてしまった先輩OL・立川美紀子は、綾が〃眠り〃に落ちてから、不眠症になった。眠れない女と眠り続ける女。目覚めに必要なのは王子様なのか? 婚約者の声にも無反応だった綾が目覚めたとき、口をついた言葉は……。おとぎ話をモチーフに、女性の深層心理を描くサスペンス。
  • 氷の靴を履く女
    3.3
    舅(しゅうと)を看取(みと)り、姑(しゅうとめ)の介護に尽くした紀子(のりこ)は、二人の義姉と夫の裏切りにあい、14年間の結婚生活に終止符(ピリオド)を打った。独りになった紀子は、週刊誌の記事に目を留めた。「シンデレラはあなた?」目の不自由な資産家が親切にしてくれた女性を捜しているという。紀子は該当する女性に心当たりがあったが……。絡み合う歪んだ愛憎を、おとぎ話を主題に描くサスペンス。
  • 残  照
    3.3
    終戦直後の混乱と貧困のなか、男たちは出会った。それぞれの道を懸命に生き抜き、人生の最晩年を迎えた彼らの目に、現在の日本は腐敗しきって見えた。そんな折り仲間の一人が病死。日本をだめにした「戦犯」6人を〃処刑〃するという彼の遺志を継ぎ、老人たちは最後の闘いを開始するが……。様々な社会問題を俎上(そじょう)に載せつつ、ミステリーとしても存分に楽しめる傑作!
  • 真理 MARI
    3.3
    亮子の悪夢のような日々は、幼なじみの森本との再会から始まった。匿名の手紙、日に何十回もの非通知の着信、食べ物に繰り返し混じる異物……。二人の仲を邪推する森本の妻・真理の仕業なのか? それにしても、理屈では説明のつかないことが多過ぎる。深夜に襲ってくるこの異様な気配はいったい? 反撃に出る亮子。だが、本当の恐怖は始まったばかりだった。
  • さえずる舌
    3.3
    産業カウンセラーとして、ヒーリングスタジオなども運営する友部真幌。スタッフに新たに加えた島岡芽衣は、知性、美貌すべてにおいて抽(ぬき)んでた存在だった。芽衣の力で売り上げも伸び、順調に見えた職場であったが、次第にスタッフ間に歪みが生まれる。歪みの真相を探る真幌は、予想すらできなかった恐るべき存在を知る! 人が持つ「病い」を鋭く抉る傑作!
  • 地下牢の女王
    3.3
    熱狂的ファンからのメールに添付された写真。その美貌に小説家の目は釘づけになった。メールのやり取りを重ね、近づいてゆく距離……。そして女の自宅へと招かれた夜。甘美な期待は、恐怖と絶望へと一変した! 女は薬で眠らせた彼を地下室に監禁したのだ。――私が発表するための小説を書きなさい。拒めば、身の毛もよだつ責め苦が待っていた。狂気の監禁劇!
  • 読書の方法~なにを、どう読むか~
    3.3
    「なにに向かって読むのか」「どう読んできたか」「なにを読んだか、なにを読むか」。偉大な思想家・詩人であり、また類まれな読書家でもある著者が、読書をとりまくさまざまな事柄について書いた、はじめての読書論集成。長年における著者の思索の軌跡、思想の背景が存分に詰まった、「知」の巨人による異色の読書論。

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  • 少女
    3.3
    「わたし、中学生かな、高校生かな」と少女は年齢も曖昧に答えた。噂に聞いた少女売春だ。彼は金がないのに欲望が動く。行為のあと、少女の隙に二万円を掠め取った。その札番号が郵便局強盗の奪った数字に一致。厳しい嫌疑を解こうと彼は少女を探し出すが、その口からは意外にも!? 「少女」を含め、逆転の妙に充ちた、魅惑の5編。

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  • 浦島太郎の真相~恐ろしい八つの昔話~
    3.3
    母一人子一人で暮らしてきた45歳の娘は75歳の母親をなぜ殺害したのか? 不明だった事件の動機を、美人大学院生・桜川東子(さくらがわはるこ)が昔話・浦島太郎の大胆な新解釈で解き明かす!(表題作) 日本酒バーで益体(やくたい)もない話を繰り広げる常連2人とマスターのヤクドシトリオ。彼らが解けない事件の謎を昔話になぞらえて次々と解決する東子の名推理。鯨ミステリーの妙技が冴える!

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  • ふたりのシンデレラ
    3.3
    「ふたりのシンデレラ」を上演するため、合宿中の劇団を襲う惨劇。主役を巡り、女優や演出家が対立する中、一人は殺され、一人は失踪、一人は重傷を負い記憶を……。シンデレラが仕掛けた罠とは何か? 事件の証人であり、犯人であり、犠牲者で、探偵役で、ワトソン役で、記録者で、容疑者で、そして共犯者でもある――一人八役の「わたし」が語る驚愕の真相とは!?

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  • ロコモーション
    3.3
    小さなまちで、男の目を引くからだを持て余しつつ大人になった地味な性格のアカリ。静かな生活を送りたくて大きな街に引っ越し、美容関係の仕事を見つけた。しかし、親友、奇妙な客、奇妙な彼氏との交流が彼女の心の殻を壊していく――。読む者の心をからめとる、あやうくて繊細でどこか気になる一人の女性の物語。『田村はまだか』に続く珠玉の一冊!

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  • 古傷
    3.3
    ヨイショをさせたら天下一品。人呼んで「ホウカン探偵」法間(のりま)に、街の大立者(おおだてもの)から依頼が舞い込む。「わが社の機密が漏洩しているようなので調べてくれ」というのだ。が、真の依頼は別なところにあった。物語は、一気に「日本の戦後史の闇」の告発へとつながっていく気配が……。ホウカン探偵恐るべし! ユーモラス、そして深い哀感を胸に残す、探偵小説の傑作!

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  • 立ち向かう者たち
    3.3
    娘が被害者となった傷害事件の裁判。証人として法廷に立つ父親は、いつしか加害者の男性に肩入れしている自分に気づく。(「立ち向かう者」)卑猥語(ひわいご)の連発に絡(から)み酒。最近、酔い方が酷(ひど)くなった地方局の人気アナウンサーは、内心に鬱屈(うっくつ)を抱えていた。人生の曲がり角で思い切った決断をする彼だったが……。(「悪酔い男」)ほか、人生の断片を鮮やかに切り取った傑作全七編を収録。

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  • 三毛猫ホームズの卒業論文
    3.3
    事件は教室から始まった! 杵谷淳子(きねやあつこ)は恋人の悠一(ゆういち)と卒業論文に取り組んでいた。帰宅直前、悠一が何者かに刺され……。片山晴美とともに出席した結婚式では、淳子自身も凶行に巻き込まれてしまう。2人の書いた論文が、ある殺人事件を題材にしていることが原因なのか!? 事件の謎を追う片山兄妹とホームズにも危険な罠が待ち受ける。超人気! 三毛猫ホームズシリーズ。

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  • 寝台特急あかつき殺人事件
    3.3
    刑事を辞めた田辺(たなべ)は、大阪で私立探偵を開業するが、なかなか客がこない。そこへ、娘と一緒に佐世保に行ってほしいとの母親からの依頼。美人のエスコートだ。喜んで引き受けた彼は、「あかつき」に乗り込んだ。同じ頃、佐賀市で殺人事件が発生、その容疑が田辺に! 証拠は不利。元部下のために、十津川(とつがわ)と亀井(かめい)が立ち上がる。著者のトラベルミステリーの代表的長編。

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  • 十津川警部の標的
    3.3
    殺人犯はどこへ逃げるのか? 犯人の深層心理を読む十津川警部。新宿のホステス殺しの容疑者・竹田淳(じゅん)の逃走経路を推理した十津川は、北陸・芦原(あわら)温泉の潜伏先をみごとにつきとめる。竹田を越前海岸の名勝・呼鳥門(こちょうもん)におびき寄せた十津川は、逆にライフル銃の標的となり狙撃された! 山陰・北陸の温泉郷を舞台に、難事件に挑(いど)む十津川警部の、隠された一面を描く力作。

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  • 伊豆の海に消えた女
    3.3
    東京南青山の高級マンションで、プレイボーイの青年実業家・高原雅之が刺殺された。十津川警部と亀井刑事の捜査で、五人の女の名前が浮かんだ。その一人、モデルの片山みゆきは、伊豆下田に向かったまま行方不明、石廊崎から身を投げたか、水死体で発見。さらに一人が天城峠で殺され……伊豆を舞台に次々起こる殺人。十津川警部の推理が冴えるトラベル・ミステリー。

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  • 十津川警部の逆襲
    3.3
    被害者はトラベル・ミステリーの第一人者、北川京介。白昼、観潮で有名な鳴門公園で取材中、わずか五分の隙に殺害されたのだ。さらに一週間後、調布・深大寺で女子大生・小西麻子が殺され、四国旅行の写真が消えた。この連続殺人に浮かぶ四人の容疑者。「ひかり号」を追い越すトリックとは何か? 犯人のアリバイ工作を十津川警部は逆転できるか? 胸のすく名推理!

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  • 日本海からの殺意の風~寝台特急「出雲」殺人事件~
    3.3
    昼下がりの東京・丸の内、人通りの絶えたビルの谷間で、老婆の絞殺死体が発見された。十津川警部は、被害者が山陰の漁村・豊岡から上京したことをつきとめ、現地へ急行したが、そこで新たな殺人が……。すべての謎を解く鍵(キー)は寝台特急「出雲」に隠されていた!? トラベル・ミステリーの精髄(エッセンス)を集めた待望の中編傑作集。

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  • シクラメンと、見えない密室
    3.2
    扉を開けるとオジギソウが挨拶をしてくれる、花いっぱいの喫茶店。美しくミステリアスな店主(ママ)とその娘が、悩める客の持ち込む不可解な謎を、鮮やかに解き明かしてゆく。遠隔殺人、見えない密室、同時に4つの場所に出現した男……不可能を可能にする驚愕のトリックとは? さらに最終章では、とんでもない大仕掛けが明らかに――。柄刀マジックの真骨頂!
  • 火の神(アグニ)の熱い夏
    3.2
    実業家・加瀬恭治郎(かせきょうじろう)が、焼死体で発見された。刺殺された上に、部屋に火をつけられたのだ。6年前には、加瀬の妻が殺され、未解決となっていた。ふたつの事件は繋(つな)がっているのか!? 死体の傍らに落ちていた鍵、焼け跡から見つかった「もう一本のナイフ」……バラバラに見えた手がかりがひとつに収束(しゅうそく)するとき、驚愕の真相が──。名探偵・南美希風(みなみみきかぜ)の鮮やかな推理!
  • 3000年の密室
    3.2
    3000年前の密室殺人事件!? 密室状態の洞窟で発見された縄文人男性のミイラは、背中に石斧(せきふ)を突きたてられ、右腕を切断されていた。──サイモンと命名された彼は、学界に新たな発見と論争をもたらすが……。今度はサイモンの発見者が行方をくらます事件が起きる! 作家的想像力を無限に広げ、壮大な物語を紡いだ著者のデビュー作。本格推理の一到達点!
  • 密室キングダム
    3.2
    1巻1,760円 (税込)
    昭和最後の夏に、札幌で起きた密室連続殺人事件。それは、伝説的な奇術師・吝一郎の復帰公演が発端だった。吝家を覆う殺意の霧の中に浮かぶ忌まわしき宿縁――。妖艶にして華麗、絢爛という言葉さえ似合う不可能犯罪の連鎖に、若き推理の天才・南美希風が挑む。瞠目せよ!そして驚愕せよ!奇跡を現出して、読者を魅了する本格の旗手が放つ渾身の巨編1800枚!
  • ペトロフ事件
    3.2
    巨額の財産を狙った殺人か? 旧満洲、大連近郊でロシヤ人富豪イワン・ペトロフが射殺された! 容疑者は3人の甥、アントン、ニコライ、アレクサンドルとその恋人たち。が、彼らには堅牢なアリバイがあった! 鬼貫(おにつら)警部は得意のロシヤ語をあやつり、粘りづよく捜査するが……はたして、満鉄の時刻表は何を語るのか? 時刻表トリックの歴史的傑作!
  • 月と太陽の盤~碁盤師・吉井利仙の事件簿~
    3.2
    放浪の碁盤師・吉井利仙が、かつて棋士だったころの打ち回しに魅せられ、彼を先生と呼んで追いかけている若手囲碁棋士の愼。姉弟子の衣川蛍衣も巻き込みながら、囲碁を巡る数々の事件に遭遇し、棋士としても成長していく。コンゲームあり、サスペンスあり、異なる味わいを持つ物語を重ね、囲碁という宇宙に魅入られた人間を描ききった傑作ミステリ登場!
  • クリーピー クリミナルズ
    3.2
    犯罪心理学教授である高倉孝一が対峙する奇妙な「隣人」たち。大型客船での旅路で出会った夫妻、大学講師や学生、音楽家……。日常に紛れ込んだ底知れぬ悪意が生み出す犯罪を、高倉は解き明かすことができるか!? 彼が遭遇した過去の事件も収録。身の毛もよだつ5つの恐怖と衝撃があなたを襲うミステリー短編集。映画も大反響を呼んだ「クリーピー」の世界が深化する!
  • 青き犠牲(いけにえ)
    3.2
    高名な彫刻家の杉原完三が、自宅兼アトリエから姿を消した。一カ月後、完三は武蔵野の林から遺体で発見された。犯人は誰なのか。高校3年生の息子・鉄男の出生の秘密、美貌の母と鉄男の異常な関係など、杉原家の抱える歪んだ家族関係が明らかになり、容疑は息子の鉄男に向けられるが、仰天の顛末とは――。「ギリシャ悲劇」を絡めた連城三紀彦初期の傑作長編ミステリー。
  • 妖怪探偵・百目1~朱塗りの街~
    3.2
    1~3巻660~715円 (税込)
    絶世の美女にして全身に百の眼を持つ妖怪・百目。彼女の探偵事務所は、妖怪と人間が共存する〈真朱の街〉にある。請け負う事件は、すべて妖怪がらみ。依頼人は、報酬を自分の寿命で払うのが決まりだ。助手の相良邦雄は、時々百目に寿命を吸われつつ、事件解決にこき使われる日々を送るのだが……。数多のもののけたちが跳梁跋扈する、妖怪ハードボイルド第1弾!
  • 星の見える家
    3.2
    安曇野で一人暮らしをする佳代子。病気がちの弟のため、家族で引っ越し、ペンションを始めたのだが、体調が回復した弟が東京の高校に進学したことを機に、家族はゆるやかに崩壊していく。一人になった佳代子は、ペンションをやめべーカリーを始めるのだが、そこにはある秘密が……(表題作)。再び生きることを目指す女性の恐怖と感動を描く、オリジナル短編集!
  • 死びとの座
    3.2
    一人めの被害者は、芸能人のミッキー中野こと秋葉原好一(よしかず)だった! 彼は東京・中野区の公園に置かれたベンチに座っているところを、拳銃で撃ち抜かれて息絶えていた。──捜査陣は、つぎつぎに出現する容疑者に困惑する。スチュワーデス、フリーのルポライター、ライバルの同業者たち……動機を持つ人物が多すぎるのだ。鬼貫(おにつら)警部は北へ西へと奔走し、彼らのアリバイ工作を崩そうとするが……。
  • トラップ・ハウス
    3.2
    大学卒業旅行としてトレーラーハウスでの一泊のキャンプを計画した男女9人。だがドアを閉めた瞬間、トレーラーハウスは脱出不能の密室と化した。混乱のなか1人が命を落とし、悪意に満ちたメッセージが見つかる。次々と襲いかかる罠を仕掛けたのは、いったい誰か? 果たして生きてここから出られるのか? 本格ミステリーの原点に立ち返った著者の新たなる傑作!
  • なぜ絵版師に頼まなかったのか
    3.2
    葛城冬馬、13歳。明治元年生まれの髷頭の少年は、東京大學医学部教授・ベルツ宅の給仕として働くことになった。古式ゆかしき日本と日本酒をこよなく愛する教授は、比類無き名探偵でもあった。米国人水夫殺害事件、活き人形が歩き出す怪事……数々の難事件を、冬馬の調査をもとに鮮やかに解決してゆく。史実を絶妙に織り交ぜながら綴る、傑作ミステリー!
  • 名探偵は密航中
    3.2
    昭和5年7月、豪華客船・箱根丸(はこねまる)は横濱(よこはま)港を出港、倫敦(ロンドン)へ向かった。出港早々、殺人事件の容疑者が乗船していることがわかり、大騒動に。その後も、男爵令嬢(だんしゃくれいじょう)の逃亡騒ぎ、幽霊船の出現など、奇妙な事件ばかりが起こって……。じゃじゃ馬令嬢から意外な名探偵まで、魅力的な登場人物たちが大活躍。ミステリーの楽しみがギュッと詰まった、傑作オムニバス・ストーリー!
  • ZOKUDAM
    3.2
    「この赤い方が、ゾクダム・一号機、通称、赤い稲妻だ」黒古葉博士が指さした先には全長12メートルの巨大ロボットが! 遊園地の地下にあるZOKUDAMに配属されたロミ・品川とケン・十河の任務は、このロボットに乗り込み戦士として怪獣と戦うことらしいのだが……。この様子を密かに窺う男女の姿が。対抗組織TAIGONの揖斐純弥と永良野乃の二人だった。
  • 鳥辺野にて
    3.2
    悪行を尽くしてきた男が、老いさらばえ傷つき、葬送地の草叢(くさむら)にうち棄てられていた。死を目前にした者と、死体から着物を剥(は)いで売るためにやってきた男が出会ったとき――。(表題作)。とある表具師(ひょうぐし)が語る、古びた一双の屏風絵をめぐる恐ろしくも切ない怪異譚(「墨円」)。磨き抜かれた文章が紡ぎ出す美しき夢幻の数々。書下ろし作品を含む12編を収録。
  • 巻きぞえ
    3.2
    夫、息子と幸せに暮らす宏美(ひろみ)は9年前に恋人を飛び降り自殺の巻きぞえで失っていた。しかし、時を経て浮かんできたのは、その自殺の裏に隠れていた衝撃の真相だった。(表題作「巻きぞえ」) 書下ろし「解剖実習」を含みすべて死体から始まる珠玉の短編ミステリー7編を収録。なにげない日常にこそ潜んでいる恐怖を描く「デイリーサスペンスの女王」渾身(こんしん)の短編集。
  • 降臨
    3.2
    ある朝、勤勉な主婦・文枝は何もしない女になっていた。家事一切はもちろん、パート仕事にも行かず、一日、家にいるだけ。文枝は、何もしなくてもいいという、神のお告げを受けたらしい。困った家族は、叔母の花枝に依頼し、文枝を預かってもらうのだが……。(表題作) 心の隙間に宿る闇が、人びとの日常を次第に蝕む恐怖を描く、連作小説!(『痛いひと』改題)
  • シャーロック・ホームズと賢者の石
    3.1
    引退後、燃えつき症候群による鬱状態のホームズをみかねたワトスンは、思い切ってアメリカの旅へと誘う。ときあたかも第一次大戦前夜、一触即発の状況下でホームズが出会った少年は、のちに世界一の冒険家となる(表題作)。ほか、ライヘンバッハの滝での決闘、彼が会得した体術バリツ、正典年表における空白の半年間――4つの真実に迫る傑作パスティーシュ。
  • 蚊取湖殺人事件
    3.1
    スキー場にやって来た慶子と美那。二人はゲレンデならぬ氷上で絞殺死体に遭遇してしまった。被害者の首には包帯が!? 警察は二人を疑っているらしい。そこで彼女たちは身の潔白を証明するため、スキー場で知り合った男と協力して犯人捜しを始めるが……(表題作)。「謎解き」「奇術」そして「伝統職人もの」、バラエティに富んだ泡坂マジック、巧みの世界!
  • ママの友達
    3.1
    主婦の典子(のりこ)のもとに、差出人不明のまま突然届いた中学時代の「交換日記」。その直後、メンバー4人の中でリーダー格だった長谷川淳子(はせがわじゅんこ)が殺されたというニュースが入る。彼女に何があったのか。音信不通だった残りのメンバーの人生も、事件をきっかけに大きく動き出す。40代女性の人生に起こるさまざまな事件をサスペンスタッチで描き出した感動の長編推理小説。
  • そっと覗いてみてごらん
    3.1
    石屈日和は文具メーカで働く30歳。創業者の孫ということもあり、職場では恵まれた立場だ。親戚から格安で借りた高級マンションに住み、好意を寄せてくれる男性もいる。秘かな楽しみは、刺激を求めて始めた毒舌ブログの更新だ。そんな彼女の運命が、俄に狂い始める。次々と起こるトラブル。こじれてゆく人間関係。誰かが私を陥れようとしてる? 傑作サスペンス!
  • バイター
    3.0
    伊豆半島沖の大川豆島にゾンビが大量発生!? 政府によってバイター(=他の人間を咬む者)と名付けられたゾンビは血肉を求めて人を襲い、島内は凶暴なバイターで溢れた。そんな折、相澤総理大臣の娘・彩香が島に滞在していることが判明する。絶望的な状況のなか、自衛隊と警察の混成チーム「ブラッド・セブン」が結成された。彼らに課せられた密命は「彩香の救出」。7人の精鋭は死地から彩香を救出することができるのか!?
  • 麻と鶴次郎~新川河岸ほろ酔いごよみ~
    3.0
    酒問屋「千石屋」の一人娘・麻は、その背の高さときっぷのよさで、界隈では有名人。気のいい亭主の婿養子・鶴次郎とともに、客筋からもご近所からも、なにかと頼られる存在だ。今日も、ちょっとした困りごとが持ち込まれ、解決に奔走するのだが――。市井のさまざまな人間模様を鮮やかに活写する時代連作集。
  • 二十面相 暁に死す
    3.0
    1946年、春。疎開していた少年探偵団の団員も少しずつ戻ってきたが、二十面相の暗躍はやむことがなかった。団員の羽柴くんの家には、明智探偵と小林少年の偽者まで現れたという。銀座の美術店、名古屋の映画館、私立学園の建築予定地と、神出鬼没の二十面相を、明智は追い詰めることができるのか? そして「小林少年の偽者」の正体は!? 辻真先版『怪人二十面相』第二弾!
  • 首イラズ~華族捜査局長・周防院円香(すおういんまどか)~
    3.0
    内務省に新設された華族捜査局で、警部補の来見甲子郎は局長周防院円香の指揮の下、九鬼梨伯爵家で起きた陰惨な毒殺事件の捜査を行うことに。曲者ぞろいの伯爵家一族に確執が見え隠れする中、円香の独自の捜査スタイルに甲子郎は翻弄され続ける。そして事態は首切り連続殺人に発展! 大正時代の東京を舞台に展開する陰惨で奇怪な殺人に、麗しき捜査官が挑む。
  • 傾城(けいせい) 徳川家康
    3.0
    岡崎松平家の嫡男・竹千代は、人質として尾張国におかれていたが、人質交換により、三河国へ戻され、今川家監視下の生活となっていた。申楽の師となった観世十郎に手ほどきを受け、今川義元の前で舞うこととなったが――。麗しい少年となった竹千代は、宿命の敵に激しい殺意を抱きながらも裡に秘め、自らの運命を切り拓く! 破格のスケールの歴史小説登場!
  • 軽井沢迷宮 須美ちゃんは名探偵!?~浅見光彦シリーズ番外~
    3.0
    小松原育代に誘われて、商店街でもらったチラシに書かれていたクイズに挑戦した須美ちゃんこと吉田須美子。浅見光彦からのヒントもあり、見事正解、賞品であるバスツアーに当選する。目的地である軽井沢に向かう車内では、新たな問題が提示され、「謎解き旅行」が始まった! 新緑の軽井沢を舞台に、須美ちゃんが難問に知恵を絞る、シリーズ初の長編小説が登場です!
  • なぜ、そのウイスキーが謎を招いたのか
    3.0
    ここは仙台のバー。坂本には酒と一緒に飲み干したい一つの疑問があった。バーテンダーの安藤がその思いに気づき問いかけると、中学時代の女友達が一年前にかけてきた電話から始まる一件について語り出した。夫が亡くなり、コレクションのウイスキーを売りたい、と彼女は言うのだが……。(「何故、フォア・ローゼズの天使の分け前がなくなったのか?」) 話を聞いた安藤が解き明かす真相とは!
  • 三つのアリバイ~女子大生桜川東子の推理~
    3.0
    バー〈森へ抜ける道〉の近くで久しぶりの宝石窃盗事件が発生。工藤と山内に不審の目が注がれるなか、酔いどれ推理談義が始まった。例によって散々遠回りしながらもたどり着いた容疑者には“アリバイ崩しの東子”最後の事件にふさわしい鉄壁のアリバイが。そしてヤクドシトリオに隠された仰天必至の秘密とは? 笑えて泣ける好評バー・ミステリついに完結!
  • マスグレイヴ館の島
    3.0
    英国・シャーロック・ホームズ・ソサエティーに、世界有数の財閥から招待状が届いた。ある孤島の館で盛大なクイズ・イベントを行う。与えられた謎を解いた者には、巨額の賞金が出るというのだ。ところが参加した女性メンバーたちを待っていたのは、現実の、あまりにも奇怪な殺人事件の数々だった! 驚愕の大トリック! 奇想とロマン溢れる本格推理の傑作。
  • 風水火那子の冒険
    3.0
    7軒がひしめくラーメン横町で、料理評論家の田岡が殺害された。その日、全店を取材する予定だった彼は、奇妙なダイイング・メッセージを残していた……。死の間際、ある店ではトッピングのみを口にし、ある店では一口も食べなかったりと、不可解な行動をとっていたというが……。(「麺とスープと殺人と」)新聞配達員にして名探偵。美少女探偵の華麗なる推理4編。
  • せつないいきもの~牧場智久の雑役~
    3.0
    武藤類子は明峰寺学園高校の二年生。剣道部のエースにして、学園の有名人だ。自身の才覚もさることながら、彼女は天才囲碁棋士・牧場智久の恋人であり、カリスマ的な人気を誇るミュージシャン・速水果月の想い人なのだ。そんな彼女が遭遇する三つの不思議な事件を、智久が鮮やかな推理で解き明かしてゆく。ユーモアと魅力的な謎に彩られた連作本格ミステリ!
  • 妖霧の舌
    3.0
    連日の異常気象、多発する少女誘拐未遂事件……と、不穏な空気が漂う東京都世田谷区。ある日、パソコン売場のモニターに「悪魔の警告!!」から始まる予告文めいた怪文書が現われた。翌日、若き天才囲碁棋士・牧場智久の対局相手・桃井四段が失踪。さらに、「十二歳」の少女たちが次々と殺されて!? 牧場智久&武藤類子コンビの推理やいかに。驚愕の本格推理!
  • 凶区の爪
    3.0
    会津地方一の名家・四条家で惨劇が起きた! ――17歳で史上最年少の囲碁・本因坊となった牧場智久たちが、四条家に招かれた翌朝だった。蔵の白壁に首なしのバラバラ死体が埋め込まれていたのだ。さらに翌日、蔵の中に、狂女の面をかぶった長女・石蕗の惨殺死体が! 村に伝わる陰惨な言い伝えどおりに起きた連続殺人 ――鬼才が放つ、本格推理の力作!
  • 翼のある依頼人~慶子さんとお仲間探偵団~
    3.0
    結婚相手が松坂姓だったため、思いがけずも某有名女優と同じ名前になってしまった慶子さん。筋金入りの推理好きで、実際の事件でもその能力は抜群。睡眠発作という持病と幼い息子・大輔を抱える彼女が、少し風変わりなシャーロッキアン仲間とともに、不思議な事件の意外な真相を解き明かす。希代のトリックメーカー・柄刀一による極上のライトミステリー連作集。
  • リインカーネイション~恋愛輪廻~
    3.0
    もう一度「あの人」に巡り逢ったとき、二人の間には何が芽生えるのか。初恋の人、別れてしまった最愛の恋人……。時を経て、二人が再び出逢って思いもかけないドラマが始まる。『ブラッディ・マンデイ』『金田一少年の事件簿』『神の雫』をはじめ、ヒット作多数の漫画原作者が、初めて本名で発表した恋愛小説集。『女性自身』で連載された3編を含む「4つの愛の物語」。
  • 潮首岬(しおくびみさき)に郭公(かっこう)の鳴く
    3.0
    函館で有名な岩倉家の美人三姉妹。その三女が行方不明になった。海岸で見つかった遺留品のそばに落ちていたのは、血糊のついた鷹のブロンズ像。凶器と思われたこの置き物は、姉妹の家に飾られていた物だったのだが……。手がかりが得られないまま事件は新たな展開を見せ、捜査は更に行き詰まってしまう。驚愕の結末を迎える、本格ミステリの傑作!
  • 北辰群盗録
    3.0
    戊辰戦争終結から五年。開拓が進む北海道各地で共和国騎兵隊を名乗る盗賊が跋扈し始める。頭領の兵頭俊作は榎本武楊の下、新政府軍と戦った士官。彼の戦いは終わっていなかったのだ。討伐隊に送り込まれたのは元幕臣の矢島従太郎だった。兵頭と矢島は五稜郭で理想郷「共和国」を夢見てともに戦った同志。敵として相対することになった二人を待つ壮絶な運命とは? 『武揚伝』に連なる長編歴史活劇!
  • 永代橋~隅田川御用日記(二)~
    3.0
    縁切寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」に、上方から出てきた酒問屋の内儀が駆け込んできた。その翌日、橘屋の主・塙十四郎は、永代寺門前町で絡まれていた若い女を救うことになる。しかし、その女は……(表題作)。殺された兄の敵討ちを誓って江戸に出てきた女剣士の悲痛な覚悟など、藤原緋沙子でしか書けない物語を収録。代表作「隅田川御用帳」を継ぐ新シリーズ第二弾。
  • 天職にします!
    3.0
    1~2巻770円 (税込)
    ハローワーク吾妻に新卒採用された間宮璃子は絶賛研修中。そんな彼女の元に、それぞれの事情を抱えた求職者がやってくる。借金返済のため住み込みの家政婦の仕事を探している女性、定年退職した父を働かせたいという娘、重い病気のために大手の内定を取り消された女の子……。求職者のために奮闘するリコの成長を通して“働くこと”の意味を問う傑作長編!
  • 神奈川宿 雷屋(いかずちや)
    3.0
    お実乃が奉公する神奈川宿の茶屋・雷屋は、二階でもぐりの旅籠もやっていて宿賃は割高。客もわけありで癖の強い連中ばかりで、お実乃はしょっちゅう振り回されている。ある日、それまで元気そうにしていた客の老婆が、突然、夕餉のあとで謎の死を遂げる。厄介事を嫌い、「病死だ」と言い張る主人の仁八に不信感を抱いたお実乃は、真相をさぐろうとするが……。
  • 夢屋台なみだ通り
    3.0
    時は文政。本所相生町の河岸の裏通りに並ぶのは、蕎麦に寿司、天麩羅におでんと、とりどりの屋台だ。哀しい過去を持つあるじたちはみな情に厚く、いつしかなみだ通りと名がついた。元締めの善太郎の悩みの種は、腰の据わらない跡取り息子だ。その小太郎が、賭場で大きな借金をこしらえてしまったのだが……。人情と江戸の味に心癒される新シリーズ開幕!
  • 或るエジプト十字架の謎
    3.0
    カメラマンの南美樹風は、大学の後輩たち五人を連れ、山間部のコテージへと夏合宿にやってきた。翌朝、中央広場のT字形の案内板に磔にされた首なし死体が発見される! 被害者は合宿に参加していなかった学生と判明。死体に異様な演出を施した犯人の目的やいかに?(表題作) 名探偵・南美希風が四つの怪事件に挑む、柄刀版《国名シリーズ》第一弾!。
  • 飯田線・愛と殺人と
    3.0
    十津川警部の部下・北条早苗刑事の友人で旅行会社に勤める野田花世が殺害された。彼女は、飯田線ツアーの企画を作る際に知り合ったアイヌの青年・金子太郎と愛を育んでいたらしい。一方、飯田線をめぐる歴史と神話を勉強していた花世に、偏執的につきまとう人物がいたことが浮上して……。十津川は、復讐心を燃やす金子をとめ、異常な犯人を逮捕できるのか!?
  • 白い陥穽~鮎川哲也のチェックメイト~
    3.0
    信用金庫の支店長をつとめる花井は、浮気をネタに高額な金を強請られていた。会社の実力者の入り婿となり、将来を約束されていた彼にとって、妻の不興を買うのは避けなければならず、恐喝者を抹殺する以外に道はなかった。綿密な計画のもとに殺人を実行した花井だったが……(「暗い穽」)。人気テレビドラマの原案となった巨匠の倒叙推理アンソロジー第2弾!
  • 黒い蹉跌~鮎川哲也のチェックメイト~
    3.0
    探偵や刑事が推理や捜査を重ねて、殺人の真犯人を探したり、殺害方法を解明するだけがミステリーではない。反対に、犯人の立場から殺人を描いたのが“倒叙もの”と呼ばれるミステリーである。本書は1978年にテレビ放映されてヒットした倒叙推理ドラマ「チェックメイト78」の原案となった本格ミステリーの巨匠の選りすぐりの短編を収めたアンソロジー!
  • 消える密室の殺人~猫探偵 正太郎上京~
    3.0
    同居人・桜川ひとみの突発的な行動によって、正太郎が連れてこられたのは、東京のS出版。猫モデルたちの撮影が行われているプレハブ小屋で、正太郎は一夜を過ごすことに。そこで、友だちになったばかりのアビシニアンのデビッドが、カメラマンの高畑とともに死体となって発見される! 事件の真相を究明しようと、猫仲間とともに正太郎が奔走する冒険譚。
  • 黒い手帳~探偵くらぶ~
    3.0
    男は父の命令でイギリスに留学し、巴里に移ったところで陸軍士官と決闘する羽目になる。撃たれた顔は異様な有様となった。帰国後、湯治に訪れた箱根で出会った少女に一目惚れするが、その思いを隠して結婚したために、二人の気持ちはすれ違ったまま。ついには――。(「湖畔」)多彩なジャンルに縦横無尽の活躍を見せた作家の、奇想天外なミステリ作品集が登場!
  • 白霧学舎 探偵小説倶楽部
    3.0
    昭和20年。戦況が悪化の一途をたどる中、美作宗八郎は山間の集落に疎開し、名門白霧学舎に転入することになった。破天荒な学友たちに誘われ、探偵小説倶楽部に入部させられた宗八郎は、本物の連続殺人事件の目撃者となる。徴兵に戦死、食糧不足、墜落した米軍機の処理。そんな戦時下の日常に出現した奇怪にして異常な猟奇事件に、旧制中学の少年、少女が挑む。
  • 逢う時は死人~昭和ミステリールネサンス~
    3.0
    探偵社に入社間もない私の仕事は、面倒な客の依頼を断ることだった。ある日の客は見とれるほどの美しい女性で、会社の金を横領して自殺したとされる弟の事件を再調査してほしいという。警察の捜査を蒸し返すのはタブーだが、女の頼みを断り切れない私は、個人的に依頼を受けることに……。(表題作) 独特のユーモアと巧緻なレトリックで魅了する中短編を8話収録!
  • 日本・マラソン列車殺人号
    3.0
    瓜生竜は、トラベルライターの父・慎の代理で三良旅行社の最後のツアーに同行する。その名も日本マラソン列車! 九州の宮崎をスタート、日本海沿いに列車を乗り継ぎ、北海道・函館まで辿り着く。指定の路線でゴールすると合計一億円のギャラが出る破格の企画に二組四人が参加した。出発早々旅行社の債権者の死体が福島で発見され、慎に探偵役が回ってくる。
  • 宗谷・望郷列車殺人号
    3.0
    サハリンを望む稚内の海岸線に戦時中、建てられた監視哨から人間の白骨が見つかった! 密室状態にあった監視哨の所有者・小幡作治はなぜか失踪中。作治の古くからの友人だった義父からの依頼を受け、トラベルライター・瓜生慎は、事件の解決に乗り出すが……。彼らを乗せた“スーパー宗谷”には次々と妖しい人物が! トラベルミステリの魅力満載!
  • ひまつぶしの殺人 新装版
    3.0
    早川一家は母が泥棒、兄が殺し屋、妹が詐欺師で弟が警察官、そして唯一みなの秘密を知る圭介が弁護士、という奇想天外な家族だ。あるとき、謎の石油王・橘源一郎が世界有数のダイヤコレクションとともに帰国したことで、一家は騒然。それぞれの目的のため橘の元へ向かう。家族の犯罪を阻止したい圭介は頭を抱えてあとを追うが……!? ドタバタ早川一家シリーズ第一巻!
  • 古典文学の秘密
    3.0
    1巻550円 (税込)
    『古事記』『土佐日記』『源氏物語』『徒然草』『古今和歌集』……。かの有名な日本文学の古典には、学校では教えてくれない「秘密」があった。それはエロティシズムだ。おなじみリンボウ先生が誰もが知る有名な作品の数々から色事溢れる場面を抽出し、面白おかしく解釈を披露。つまらなかった古典がこんなに艶っぽいものとは!「目からウロコ」のリンボウ流「特別課外講義」。(『本当はとてもえっちな古典文学』改題)
  • 悪漢記者
    3.0
    1~3巻715~880円 (税込)
    週刊誌の編集部で働いていた佐久間はある記事が原因で他部署に異動になった。3年ぶりに編集部に戻る前日、ネタ元の全国紙記者と会っているところを暴力団員に襲われた佐久間は、そのネタを手土産に復帰する。若い女性の連続殺人事件と自分が編集部を追われることになった記事はどうつながるのか!? かつて「バズーカ」と業界で恐れられた男は真実に迫れるのか――。
  • 洗濯屋(クリーニングや)三十次郎(みそじろう)
    3.0
    中島三十次郎は、海外へ渡る兄に代わってクリーニング店を継いだ。腕利き職人・荷山長門はちょっと(だいぶ)頼りない店長に不安を隠せない。ある日ナコという少女が、ケチャップ汚れだけを落とし、ついている灰はそのままにしてほしいとブラウスを持ち込んできた。――誰もが心に染みを抱えている――。喜びも、やり切れなさも優しく包む物語をお届けします。
  • 未来を、11秒だけ
    3.0
    早紀は、眠っている間に未来を見ることができるという男・ジョージと出会う。彼の営むシェアハウスで起きた失踪事件に、物の記憶を夢に見る能力を持つ司と協力し、挑むことに。やがて背後に蠢く犯罪組織の存在や、住人たちの秘密が明らかになり――。特殊な力を持つ面々が、大切な現在と仲間のために奔走する。不思議でビターで心地よい、新感覚のミステリー!
  • 能登花嫁列車殺人事件
    3.0
    能登半島七尾市で、白無垢姿の女性が喉を切って死んでいるのが発見された! 15年前の映画で注目されながら、姿を消した女優。悲恋の末に自害する姫君を演じていたが、それをなぞるような死は自殺なのか? それとも――。捜査が進む中、女優の娘を主役に再映画化の話が持ち上がる。背後に見え隠れする大物政治家の影。十津川警部は執念の捜査を続ける!
  • 悪魔の剃刀
    3.0
    「故萬田氏よ、お前を許さん」不気味な言葉を残し、失踪中の日本WHM社課長代理・安芸一弘が、死体で発見された。事件の真相を探る海老沢四郎。さらに安芸を慕う女性の白骨死体。苦闘する海老沢の前に、「萬田」と名乗る美貌の女性が現われた! 衝撃の真相! 非情な企業の論理! 先端企業の暗部に潜む病巣に、鋭いメスを入れた長編推理、野心作。
  • カスバの女
    3.0
    日本商船の三笠山丸は、モロッコよりの帰途、中東動乱でスエズ運河が閉鎖されたため、カスバで足止めを喰っていた。船医の春日は、そこで地元の女性の出産に立ち会った。貧民窟(ひんみんくつ)に暮らすその女は、なんと日本人で、東小路公爵(あずまこうじこうしゃく)の一人娘である、と明かした……!? 海外の日本人をテーマに、直木賞作家が綴る傑作トラベル・ロマン!
  • 冥府神(アヌビス)の産声
    3.0
    新宿中央公園で、帝都大学の教授・吉井原義(よしいみなよし)が刺殺された! 医学界のリーダーがなぜ!? ルポライター・相馬研一郎は、吉井の研究室を去った男を追う。その男・九条昭彦は新宿の浮浪者街にいた。彼を慕う不思議な少女・トウトとともに……。九条が以前行った禁断の実験とは? 瀕死の吉井がとった不可解な行動の意味は? ――鮎川哲也賞受賞者による衝撃作!
  • 隅田川御用日記 雁(かり)もどる
    3.0
    縁切寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」に、浪人の妻・工藤美帆が駆け込んできた。橘屋の主であり白河藩士となった塙十四郎が顔を合わせたところ、自分が以前にいた築山藩賄い方の娘だった。夫が悪に手を染めており、吐いてはならぬ一言を妻に放ったことで離縁したいという美帆の夫を調べてみるのだが……。代表作「隅田川御用帳」を継ぐ著者渾身の新シリーズ第一巻。
  • 境内ではお静かに 七夕祭りの事件帖
    3.0
    横浜にある、縁結びのご利益で評判の源神社で、壮馬は将来に迷いつつも、見習いの雑用係を続けている。年下の巫女・雫へ恋心を伝えることは、まだできていない。そんな中、壮馬は元カノの佳奈に頼まれ、学習塾を手伝うことに。そこに謎の男・上水流が現れて……。神社の年中行事、七夕祭りが迫る中、壮馬と雫の凸凹コンビによる推理と、二人の恋の行方は?
  • 三毛猫ホームズの裁きの日
    3.0
    片山たちは、目の前で起きた一家心中から浜中美咲という少女を助け出すが、美咲は「私たち一家を死なせた人たちに仕返しする」と書き置きを残し、行方をくらます。美咲の父は、勤務先の不正を告発し、裏切り者として報復を受けていたのだ。そんな中、美咲の父を追い込んだ上司・室田の不倫相手が殺され、室田が逃亡を始める……。国民的ミステリーの第53弾!
  • 姫島殺人事件 新装版
    3.0
    雑誌の取材で大分の姫島に向かう空港で浅見光彦は、何度か一緒に仕事をしたカメラマン、浦本智文に会った。彼は射爆場問題に揺れる日出生台に行くという。無事に取材を終えて東京に戻っていた浅見に、姫島滞在時に絡んできた男が殺されたという連絡が入る。事件の捜査は遅々として進まない様子だったが、突然、浦本が「会いたい」と連絡をしてきた――。

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