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スキー場にやって来た慶子と美那。二人はゲレンデならぬ氷上で絞殺死体に遭遇してしまった。被害者の首には包帯が!? 警察は二人を疑っているらしい。そこで彼女たちは身の潔白を証明するため、スキー場で知り合った男と協力して犯人捜しを始めるが……(表題作)。「謎解き」「奇術」そして「伝統職人もの」、バラエティに富んだ泡坂マジック、巧みの世界!
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Posted by ブクログ
2002年から2004年にかけて発表された作品を収録した短編集。推理ものと、奇術もの職人ものからなる。 収録作品は、雪の絵画教室/えへんの守/念力時計/蚊取湖殺人事件/銀の靴殺人事件/秘宝館の秘密/紋の神様。 本格ミステリー短編として面白い作品に加えて、「えへんの守」「念力時計」には奇術愛好家とし...続きを読むての、「えへんの守」「紋の神様」には紋章上絵師としての著者の来歴が反映されていて興味深い。
3+ タイトルだけを見て買ったので、てっきりミステリばかりの短編集かと思ったが、「奇術もの」「職人もの」などの非ミステリも収められている。これらは謎解きを期待して読むと拍子抜けするが、最初から非ミステリだと思って読めばなかなか味わい深いものが感じられる。 「雪の絵画教室」の中盤で、いきなりTV大...続きを読む好き刑事と鑑識の斧さんが登場して吹き出してしまった。少し前に『煙の殺意』を読んだのだが、この2人は特に印象的だっただけに、思いがけず再開できて嬉しい。
ミステリあり、奇術あり、更に紋章上絵の世界まで垣間見えて、バラエティ豊かと呼ぶに相応しい短編集です。キャラやトリックが時々ぶっ飛んでいる泡坂節にニヤリ。
職人、奇術、トリックのお馴染みの短編集。 うーん。泡坂を読みすぎたのかもしれない。トリックが伏線からだいたい分かるようになってしまったので、楽しみが少ない。しかし、お馴染みのテレビ狂の刑事・望月と死体フェチ(?)の鑑識係・斧コンビや機功堂の社家さん、医者の渡里先生、青瀬さんというメンバーが登場する...続きを読むので、にやにやしながら読むのはマニアになったみたいな楽しみがある。
ミステリ半分、奇術や文様師の小話半分。泡坂さんのミステリの登場人物は一癖も二癖もある人ばかり。そして名前が不思議な感じ。
短編集なので話自体に厚みはないが、シンプルであっさりな仕上がりなのでさくさく読める。バラエティに富んだ一冊だが、それぞれに要点を押さえてあるのはさすが。
好きな作家は多々いるが,最も好きな作家は,やはり泡坂妻夫である。どの作品も,文章も肌に合うし,世界観,キャラクター,設定などもいつも感心してしまう。もう読み尽くしていたと思っていたが,古本屋で見たことがない文庫を見つけたので購入。蚊取湖殺人事件は別のアンソロジーかなにかで読んだことがあり,ミステリと...続きを読むはいえない作品もあった。「雪の絵画教室」と「銀の靴殺人事件」,「秘宝館の秘密」が初めて読む泡坂妻夫のミステリだった。三つ読めれば十分かな。泡坂妻夫ということだけでも★3は確定。 ○ 雪の絵画教室 渡辺恒という画家のアトリエでミケランジェロ六郎というテレビでも人気の画家が殺害される。田中裳所という女性の視点から事件が描かれるが,田中裳所という女性の設定も,その彼氏役の野川幸久という男の設定もなかなか味がある。とはいえ,これらの設定が生かしきれていないのは難点。犯人が馬野順吉という大量殺人事件の犯人で,動機がミケランジェロがテレビで書いた風景画から,自分の秘密がバレるのを防ぐためという真相はぶっとんでいる。文章の上手さはさすがだけど,ミステリとしてのできはイマイチか。 ○ えへんの守 マジックをテーマとしたちょっといい話。文章のうまさはさすがだけど,やはり泡坂妻夫の作品であれば,気の利いたミステリが読みたいとおもってしまう。 ○ 念力時計 世にも奇妙な物語系の作品。ショートショートとしては及第点のようにも思えるけど,やはりミステリが読みたい…。 ○ 蚊取湖殺人事件 犯人当て形式の作品。登場事物の造形やトリックなどは泡坂妻夫らしさが発揮されている。フーダニットだけど,鍵はアリバイ。湖の氷が動いて,犯行現場が変わってしまい,アリバイができたというもの。大掛かりな物理トリックで,昭和っぽい作品 ○ 銀の靴殺人事件 泡坂妻夫らしいキャラクターが繰りなすミステリ。18人のダンサーが一人少なくなっても誰も気付かないというチェスタートンみたいなトリック。このトリックをなかなかの短篇に仕上げてしまう泡坂妻夫の手腕に脱帽 ○ 秘宝館の秘密 心中したと思っていた女性の死体が見つかったという話。女性もの靴を履いて,後ろ歩きで戻ったというトリックはバカミスといってもいいが,きっちり読める短篇に仕上げる手腕はさすが。盗んだお金をモアイ像の中に隠すというトリックも…バカミスか。 ○ 紋の神様 ミステリではなく,ちょっといい話。文章の上手さはさすがだが,やはりミステリが読みたい。
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