ブレイディみかこのレビュー一覧
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愛と毒は正反対じゃありません。
著者のベストセラー、「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」は2019年発表。わたしはそれで著者・ブレイディみかこさんを知ったけれども、本作収録のエッセイは古いものは2003年にかかれていて、「ぼくイエ」とは違う若い文体を楽しめます。あえて軽薄で粗暴で露悪的な言い回しと「◯◯かしら」といった上品で古風な言い回しをミックスさせるおかしみを狙ったり、なんというかトガッた文体で、ワンセンテンスの中にフックのあるフレーズを何個も差し込んでくるような、「思いついた言い回しは全部書かなきゃ気が済まない」というエネルギーが微笑ましい。彼女の精神的な柱である「英国パンク」然 -
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デヴィッドグレーバーのブルシットジョブではホワイトカラーの高収入でもやりがいを感じない、なくてもいい仕事ばかりを取り上げたお話しでしたが、こちらのシットジョブは、低賃金の労働を語るときにイギリス人が「シット(くそ)みたいな時給しかもらえない」「シット(くそ)みたいにきつい」「シット(くそ)みたいに扱われる」などと口にする言葉からタイトルを付けたようです。
そんなイギリスでの労働、住み込みベビーシッター、洋服屋の店員、洋服リサイクル回収のボランティア団体、保育園、日本人向け社食の調理人、病院のボランティア活動など高収入ではない仕事ばかりを取り上げたフィクションとしてのお話しのようです。
でも当本 -
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ロンドンでの生活を目的とするか手段とするか。
国が描いたシナリオ通りに進めば、弱いものは
住む場所を追われ地方へ移ることが自然となります。
国からは無言の圧力が突きつけられ、恐らく多数は
それに従って都会を離れることを余儀なくされたでしょう。
生活保護で支援を受けていつつ、国からの要望を
聞き分けることもなく、自分の要求を最大化させようとする
ジェイド他のシングルマザーの考えは自分には分かりません。
それがわからない、というのは自分が恐らく底抜けに幸せで、
生まれた時から背負った宿命がとんでもなく違うからです。
貧困は人から知性を奪い、知らずのうちにそれが
無知なものの集う環境を作ります -
Posted by ブクログ
生理を取り巻くスティグマ(恥辱)の為に学校を辞めるリスク(危険)に晒されています 大前提として、ゲリラ戦やテロルは、メインストリーム側からは決行出来ないものなのである。レフトな思想の表現メソッド(方法)は、もしかして時代の変化について行けてないのではなかろうか。 ポリティカル・コレクトネス(政治的妥当性) 「不道徳」という点でユナイト(結合)している 詰まるところ、エモジというのは、剥き出しの感情をぶつけて他者を困惑させないように、感情のエッジを除去するものとして使われているのだろうか。 人心もシュリンク(縮小)したこの時代 予算はシュリンク(縮小)し 帰属のポリティクス(政治学) 坂上香監督
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「人間が低くなるには、二つあるんだ。一つ目は、他人に低く見なされるから自分が低い者になったように思える時。これは闘うべきだし、どちらかといえば簡単な闘い。もう一つは、本当に自分自身が低くなっていくように思えるとき。こういうときは、その場からできるだけ早く離れるべき」
「自分を愛するってことは、絶えざる闘いなんだよ」
「自分のソウルによくない仕事はやめるべき」
ケアする仕事=賃金が安い=シットジョブ
働いている当人がクソみたいな仕事と思っているということ。
人種や職種で他者を上だの下だのと決めるのは、なんとも愚かな行いかと思うのだけれど、自分でも気づかないくらい心の奥底にそれは確実に -