ブレイディみかこのレビュー一覧

  • リスペクト ――R・E・S・P・E・C・T

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    当事者として本当に訴えかけたいことは何か。同情されたいわけでなく、尊厳を認めるとは。現状をクールに受け入れることこそ大人だと諦めてしまっているかも。強者側に甘んじて自分自身が熱くならないように逃げてないか反省させられる。

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    2025年08月16日
  • 両手にトカレフ

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    金子文子さんとミアの話が重なりながら進んでいって、内容としては重たい話だけど読みやすかった。文子さんもミアも、自分が今置かれている世界がすべてではないこと、そしてこの世界はその別の世界とつながっているからこそ自分で自分の世界は変えられるということに気づき、絶望の中でも希望を見出せてよかった。私自身も視点を変えるだけで得られる希望もあるんだと、絶望の隣は希望なんだと改めて感じることができた。最後のみかこさんとバービーさんの対談まで読んで、現実に起こっていることをもっと学びたいなと思った。

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    2025年08月10日
  • ヨーロッパ・コーリング・リターンズ 社会・政治時評クロニクル 2014-2021

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    資本主義が生む経済格差や英国政府の緊縮政策による貧困の拡大について「地べた」からの論考が記されている。宗教問題や移民問題に対し島国の日本は対岸の火事のごとく他人事でいることが多いように感じる。しかし、少子化が進む日本経済の労働力を補うには海外からの労働者が必要となってくるのではないだろうか。だとしたら、こういったヨーロッパの地域で起こる問題はもはや他人事でない。明日は我が身としてしっかり向き合っていく必要性を感じた。

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    2025年08月03日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

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    多様性が一様に叫ばれる現代において、何かと広がっている分断。知ることが相手を理解する第一歩だと思う。そして何を知るべきなのか?歴史から学ぶことは大いに有り、逆にそれが歴史を学ぶ意義ではないだろうか。そして、それは年号や起きた史実だけでなく、そこに確かにあった息づかいに耳を傾けることが大切であると、この本は教えてくれる。シスター達の息づかい、そして連帯に敬意を!

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    2025年07月28日
  • 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち

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    4年前に出版された(掲載時期なら5年以上前前)本だが、今回の参院選の選挙戦を見たあとに読むと、非常に通ずるものが多い。
    今回の選挙や、現在の日本の動向も、数年経って漸く言えることがあるのだろう。
    つまり、私は過去から学ぶことができ、そこから現在の行動を選ぶこともできるのだ…

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    2025年07月25日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    民主主義の国と思われがちな英国が、とんでもない階級国家であることを日常の暮らしから抉り出すブレイディさん。コロナは「シット・ジョブ」をエッセンシャル・ワーカー」と耳触りの良い言葉に置き換えて「大事な仕事」だとしたが残念ながら一過性で終わりつつある。英国ほどではないものの日本も貧富の差は広がるばかり。日々の暮らしでは目を逸らしているけど、ブレイディさんの赤裸々な指摘にハッとさせられる。「悪い人間ほどいいことをしたがるもの」「人間をケアする仕事は人間にしかできない。…双方の人間がいてポジティブな精神的電波が生まれる。この電波こそが、人間が今日まで生き延びてきた原動力になった」「タモリ・山中伸弥の!?」でみた「AIは人間を超えるか。汎用型人工知能AGI」とシンクロ。AGIが5年後に生まれても「精神的電波」は発せられないだろう。

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    2025年07月15日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    おっさん達を通してイギリスが直面している問題が見えてくる。日本もだんだん他人事ではなくなってきたなと、将来に不安を感じてあまり楽しめなかった。

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    2025年07月08日
  • 両手にトカレフ

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    ネタバレ

    金子文子が死の淵で世界の僥倖に気づきを得て(劣悪な環境は何一つ変わらぬまま)生きる希望を持つことと、
    ミアが寒さで凍てつく道端で保護されゾーイが家族になってチャーリーと引き離されずに済んだこととでは
    救われ方の種類が違うな、と思った

    弟(愛すべき、無条件に自分よりも弱い存在)を守るために生きて来たミアが、
    リリックを手にしてラップを作り上げる仲間を得たことは、本の中で最も幸福な出来事だったのかなと思う

    ミアがミア自身を生きるパートがもう少し見たかったなと思った

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    2025年07月06日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

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    ブレイディみかこさん、「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」が読みかけのまま積読…でも、グローバルな視点満載なエッセイの様なので手に。

    「地べたから考える」という表題は、彼女が幼少の頃もイギリスに住んでいる現在も下層の人間だからなのだそうで、地べたから考えたことを書き記したそうだ。
    彼女は環境としては確かに地べたに暮らしていたのかもしれない。けれども地べたに住む人だからといって彼女の周りの住人のように、生きることに投げやりだったり、保護された暮らしではなく、しっかりと地に足を着けて生活されている。

    そんな彼女が地べたから見た世界…
    「キャピタリズムは悪い意味でのアナキズムだ」という言葉を引用しつつ、下層にアナーキーを感じると言っている。つまり、どんなに頑張っても決して上層には行くことのできない世界。

    それでも彼女はエンパシーという「他人の靴を履いてみる」能力、つまり「他人の感情や経験などを理解する能力」をイギリスではきちんと学んでいることを強調する。

    しかし、日本は他人どころか自分の靴さえ履けずに絨毯の上にいると彼女は言う。
    他人に迷惑をかけないように、みんなで一緒に靴を脱いでいればよいという考え方だ。

    自分の靴を形作るのは、自分の足元に立ち上がってくる問い。それを探求することで自分の靴が履けるのだ、とも…

    他人の靴を履く前に自分の靴も履けていない日本…
    自分の足元にどんな問いが立っているのか。
    多くの日本人はそれに気づこうともしていない。
    センス・オブ・ワンダーの概念こそが、まず自分自身の靴を履くことであり、他人の靴を履けるようになることに繋がる。
    暗記や計算をこなし、関心のない教科も満遍なく点数を取れるようにするための勉強。
    それでは、自分の足元の問いさえ浮かばない。
    自然やリアルな社会に触れ、新たな発見をする機会こそが子ども達に必要だ。
    それこそが、日本の教育の課題なのだろう。

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    2025年06月21日
  • 転がる珠玉のように

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    タイトルに惹かれ手に取る。
    ブレイディみかこ氏、今の自分にとって必要な作家。出会うべくして出会った。

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    2025年05月29日
  • 転がる珠玉のように

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    最近エッセイばっかり読んでるな〜……
    一編が短いから子育ての合間に読むのにちょうどいいんですよね
    「今いいところだから!」ってなりにくい

    帯の息子さんの言葉、「母ちゃんは、物事がうまくいってないときに俄然生き生きしてくるね」
    わかる!私もそうだし、常にそうでありたい
    「諦めたくない!」とかそういう熱血タイプではないけれど、「まあ、そうだよね、諦めて足掻いてやるよ」ぐらいで生きていきたいな

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    2025年05月21日
  • その世とこの世

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    谷川さんがブレイディさんの手紙に応えていないという指摘を第三者から受けていたのはちょっと笑った。

    あと人間は体があるから飢えや貧困が発生して苦しい、体を無くしてデータ化することで争いを無くししあわせになれるという考え方が英国の若者の間で流行っているとのことで、かなり極端で宗教っぽいな…と驚きました。

    音楽を聴いている時など、自分がこの世から少し離れた感覚になるのを「その世」と表現している。
    「あの」「この」は英訳できないけど「その」はできない(あのと同じthatになるか、別の表現になる)。

    日本語の複雑さ、寛容さ…言葉について考えさせられました。
    普段詩に触れることが無いのでよい感覚を味わえました。

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    2025年05月16日
  • 両手にトカレフ

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    ネタバレ

    金子文子さんの少女時代と、現代のイギリスを生きるミアの生活が絶妙にリンクして、時代や国が変わっても、貧困や無責任な大人の下で苦しむのはいつも子供達であるということは変わらないのだとあらためて思う。
    ふたりの少女の話が交互に進むのでミアの感情が分かりやすかった。
    逃げ惑いながらも弟を守ろうとするミアの姿に胸が苦しくなった。



    それは驚くべきことだった。そこにあるのはNOではなく、YESだったからだ。
    ここにあった世界には存在しなかった言葉が、ここにある世界には存在し始めている。
    ミアはゆっくりとあたりを見回した。
    私の、私たちの、世界はここにある。

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    2025年05月16日
  • 転がる珠玉のように

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    いつものエッセイよりも暗い話が多かったような。 
    けど人生とはそういうものだよね、 
    生きていれば色んな事があるし悲しい話も増えるよね。 
    コロナ禍のイギリスの様子とかも知れたし読み応えもありましたが、やっぱり私息子さんの話が好きだなぁー

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    2025年05月09日
  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

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    エンパシーがメインで論じられている本だと思っていたが、アナキズムも副題として存在感を放っていた。
    客観性を保ちながら、自分の意見もしっかり言えるような人間性を育てることと、それを受け入れることができる社会が必要的なことかな?
    章が多く、一つ一つ要は何が言いたいの?と目的が見えなくなる書き方なので、最後考えをまとめるのに少し苦慮した。

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    2025年05月02日
  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

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    難しい言い回しは使われないが、聞きなじみのない用語はかなり多く出てくる。また、(社会派)エッセイとしてみれば、とても読みやすい。冒頭は必ず、自身の具体的な観察、行動、日常から始まり、気づきを提示して、考察を深めていく。このあたりは技術の確かさだと感じた。
    さらに、著者の読書量の多さには驚いた。

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    2025年03月15日
  • 転がる珠玉のように

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    どのエッセイも4ページ前後で書かれており、内容もすごく読みやすい。

    コロナ禍での英国の様子がよく分かる。
    コロナ禍の英国のロックダウンは日本よりも、厳しくてしんどかったんだろうなと思った。ただ、私もコロナの引きこもり生活が身体に合わず、仕事ばっかりして鬱病を発症したのがまだ記憶に新しいので、個人的に他人のコロナしんどい体験を楽しく読めるようになるには、もう少し時間がかかりそうだなと思った。

    特に今の自分に刺さったのは、『「そんなものだ」ホラー』というエッセイ。
    「「そんなものだ」がホラーである所以は、状況を前向きに捉えて自分を納得させているうち、その状況を前向きに捉えられない人々の声を押さえつける側に回っていることが往々にしてあるということだ。」
    「「そんなものだ」が怖いのは、そう考えるようにしているうちに本気でそう考えるようになっているということである。」

    ブレイディみかこさんは、コロナ禍や戦争による影響、物価高等に対して、上記のような文章を書いているが、仕事や日常生活でも本当に今の自分に当てはまると感じた。
    自分の周りに「そんなものだ」と理屈で考えることを放棄して自分を納得させないと、どう考えても納得できないことが多すぎて、最近の自分は考えることを放棄してはいないか…?と、はっとさせられた。周りに説明するときも理屈よりも先に「それがルールだから」で押し切っていたことを反省した。

    「そうじゃなくない…?」と思える感覚を大事にしたいということと、すぐに納得や説明できないことでも自分の頭で考えることを辞めてはいけないよなあと思った。

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    2025年03月06日
  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

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    2025年3冊目。
    去年12月に買ってた本。インスタの書評に惹かれて買ってみた。
    にしてもこれ難しいな笑
    「他者の靴を履く」ってフレーズ、どこかで聞き覚えあるなておもてたけど読んで思い出した。同じ著者ブレイディみかこさんの、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の中で使われてたわ。
    相手の立場に立って考える 的な意味やと捉えてるんやけど、その、「エンパシー」について丸々1冊書いた本。
    理解出来へんところが多かったという意味で☆は3つ。

    ワガママに自分の靴だけ履いてってことをせず、分かるかどうかは置いといて一旦他人の靴も履いて、それで判断する(judge)みたいなプロセス。
    頭では分かっても実践できるかはまた別で意識してこって思いました。

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    2025年02月11日
  • その世とこの世

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    谷川さんとブレイディみかこさんのてがみのやりとり。

    谷川さんの手紙には詩がかいてある。

    一年半にわたる記録。

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    2025年02月08日
  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

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    エンパシーは学習と訓練で身につけられるスキルである。他者の経験を想像し一緒に体験することで新たな世界を知り、複合的な視点を持てるようになり、ある瞬間の過去・未来・代替を想像できる。自由な個人が自由に協働するアナーキーな話し合いに必要不可欠なスキルである。

    エンパシーの識別からはじまり、教育や経済など多面的に語られていて、必ずしもエンパシー=善というわけではない、ということもわかりました。

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    2024年12月01日