ブレイディみかこのレビュー一覧
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勉強になった。 まさに勉強になった、という本。 現在の英国を理解するには、すごく大切な本。
「僕はイエローで…」からひかれてすっかりはまってしまったみかこさんなのですが、なるほどなるほど、パンクな生きざまと明確な主張、そして社会起業家的に社会を変えようと行動していらっしゃる方、というそんな中で、さらに勉強家?というか研究者?というか、なるほどなるほど、やはり自分の考え方のベースで共感できる点が多く大好きな著者である。
これまでの英国保育士とか、自らの労働者環境(今回は「ワイルドサイド…」で出てきたメンバーへのEU離脱投票に対するヒアリングもあった)という「地べた」の感覚から反緊縮に対する明 -
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Posted by ブクログ
経済、つまりどうやって食べていくか、がまず大事なことなのだということを考えさせてくれる。グラスルーツとか地べたというけどさ、理念うんぬんよりもまず食べていく不安をどうするのか。ナチスが支持率では決して高いわけじゃなかったにもかかわらず、強くなったのは、食べていくことへの不安になんとかしてくれるという信頼を勝ち得たからだ、という。そしてそれは現代においても、見られる話でね。
右とか左とかわかんないけど、面白かったな。自分が右か左かなんて、わかんないし、どうでもいい。ただ、生活していかなくてはいけない以上、いろいろ考えることは必要だよな。
ふだん見過ごされているような人たちに対して、何を求めて -
Posted by ブクログ
ネタバレ2016年6月24日、イギリスはEU離脱投票で離脱派が勝利、
先日EUからイギリスが正式に離脱(ブレグジット=
Brexit)したところで読んでみました。
イギリスでは現在、白人労働者階級という立ち位置に
いる人々がマイノリティになっている。白人なら
人種差別もないから自力で上がれ、といわれるためである。
第1章はイギリスにおけるブレグジットについての
簡単な説明と残留派と離脱派の女性がそれぞれの家庭を
取り替えるというイギリスのテレビ番組の放送内容を
紹介している。
第2章は著者の身近な労働者階級の人々のインタビューと
ニュー・マイノリティーの説明、第3章は労働者階級の
100年の歴史が -
Posted by ブクログ
金子文子のことは映画「金子文子と朴烈」の予告編を見るまで知らなかった。「誰なんだろ、この人」と思いつつ、調べもしなかったところへ、初めてのブレイディみかこさんの本に登場して、こんな凄い人がいたんだと知った。映画も見たい。
エミリー・デイヴィソンに関して、気にはなっていたが見ていない映画「未来を花束にして」を見ようと思った。
扉に「100年前の彼女たちから、100年後を生きるあなたへ」とある。しかと受け取った。
"実際、その生涯を通じて、こうした文子の楽天性は、どん詰まりで返すきびすのような、砂が下に落ちきった砂時計がひっくり返る時のような、起死回生の裏返りを見せる。" -