ブレイディみかこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シット・ジョブ。「くそみたいに報われない仕事」と、その仕事をしている人が自らの仕事を卑下して言う言葉らしい。
英国ではエッセンシャルワーカーなど人の世話をする職がシット・ジョブと言われがちだったとのこと。
本書に出てくる登場人物たちも、住み込みで子どもの世話をしていたり、スーパー従業員のまかないだったり、低賃金且つ大変な仕事に就いている。
読んでいると、鬱鬱としてくる。給金は入るものの、まるで一人の人間として尊重されていないような扱いを受けて、それでも文句も言えない状況が書かれているのだから。
「職業貴賤はない」などと言われているけれど、そうは言っても皆、口に出さないだけで、意識的に「あの仕事は底辺だ」と思っているのではないだろうか。そして、底辺と思われている仕事ほど、世の中に必要だったりする(私の思い込みかもしれない)。
自分の仕事をシット・ジョブと言いながらも、少しでもその仕事に誇りを持つことが出来れば良いのだが、出来ないなら、確かに即辞めた方が良い。
人生の大半の時間は仕事で費やすことになると思うと、その間ずっと自分を卑下し続けるのは辛すぎる。 -
Posted by ブクログ
前作を5年前に読んで面白かったので2も買って、だいぶ積んでいたがようやく読んだ。もちろん一長一短あるんだろうけど、スピーチのテストやビジネスの授業があるイギリスの教育うらやましいなあと思った。スピーチのテーマも抽象的で明確な答えのないもので、設定された答えにたどり着けていないんじゃないかと怖がりながらスピーチする必要もないんだろうなあと思った。私は今大人になったから、子供の頃こういう教育を受けてたらなあと思うけれど、子供の頃に実際にあったらめっちゃ嫌だったと思う。でも、子供のころからこういう教育を受けていたら、そもそもそういうマインドにもならなかったのかも? とも思う。
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Posted by ブクログ
読み始めて10日以上掛かってしまった。
イギリスの貧困層の厳しい現実と、日本の戦前の似たような境遇の小説が並行して交互に出てくるので読みづらかった。
薬物中毒の母親と、一人では行動できない弟を抱えた少女のミア。生活保護を受け、次々と男を変えて行く母親。悲惨な少女が救われるのは、同じような境遇の日本人の小説を読むときだけ。
彼女の魂の叫びを聞いた少年が勧めるのはラップ。「両手にトカレフ」もその叫びから生まれたもの。
母親と弟を抱えたヤングケアラー。誰にも相談できずに抱え込む姿が悲惨すぎて、どんどん読む気持ちが重くなっていった。最後まで読んで、やっと陽が当たって来たというところだろうか? -
Posted by ブクログ
ネタバレ足元から始めろ。
シスターフッドと言うが、それってどういうことか考えたことはあるか。エンパシーという言葉を日本に広めた(と私は思っている)著者が書く、フェミニズム。
女性が、移民が、貧しい人が、と言ってその属性を持つすべての人が同じように考えるわけではない。99%が望んでいたとして、1%の反対をなかったことにしてはいけない。誰かを排除するための闘いではない。知らないで、知ったふりで、行動するのではなく、まずは自分から、自分のリアルにつながるところから。著者の指摘はハッとさせられる。自分と同じことを言う人だけではなくて、異なる意見の人をも排除しない社会、そして運動が求められているのだ。それが本当の誰も取り残さない社会だ。
最近のイギリスを知る意味でも面白い。特に政治的状況とか。 -
Posted by ブクログ
『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』は、英国在住の著者ブレイディみかこ氏が「エンパシー(他者の感情や経験を理解する能力)」について深く考察した書籍です。この本では、エンパシーの重要性やその限界、そして社会における役割について、多角的な視点から論じられています。
主な内容とポイント:
エンパシーとシンパシーの違い:
エンパシー:意見や背景が異なる他者の立場に立ち、その感情や経験を理解しようとする知的能力。
シンパシー:他者に対する同情や共感といった感情的な反応。
著者は、エンパシーは訓練によって身につけることができるスキルであり、シンパシーとは異なると述べています。
朝日新聞デジタルブック
エンパシーの光と影:
ポジティブな側面:他者の立場を理解することで、社会的な対立を和らげ、協力関係を築く基盤となる。
ネガティブな側面:過度なエンパシーは自己喪失を招く可能性があり、相手に感情移入しすぎることで自分自身の価値観や立場を見失う危険性がある。
ノート
アナーキック・エンパシーの提唱:
アナーキー(無政府主義):権威や支配から自由であること、自らを統治することを意味する。
アナーキック・エンパシー:他者を理解しつつも、自分自身の価値観や立場をしっかりと持ち、相互理解と自己統治を両立させる姿勢。
Q-B
著者は、エンパシーとアナーキーは相互補完的であり、他者を理解しつつも自分を見失わないバランスが重要であると述べています。
エンパシーの社会的意義:
エンパシーは民主主義社会の基盤であり、多様な意見や背景を持つ人々が共存するために不可欠な能力である。
教育現場でのエンパシー育成の重要性が指摘されており、英国では幼少期から他者の感情を理解する訓練が行われている。
朝日新聞デジタルブック
本書は、他者を理解することの大切さと、その際に自分自身を見失わないための指針を示しています。多様性が求められる現代社会において、エンパシーと自己のバランスを保つことの重要性を再認識させてくれる一冊です。