ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    感想
    子供を助ける魔法の方法。それは存在しない。きっと財源は不足し、不平等を訴える声が出てくる。だからと言って議論しないわけにはいかない。

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    2023年06月06日
  • 女たちのテロル

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    読み終わった後
    表紙の花に囲まれた少女が
    金子文子さんなのだ
    と しみじみ 見つめてしまいました

    そして
    帯文の「生きる主権は我にありー百年前にあった未来」
    の一文を なぁるほどなぁ
    と しみじみ 考えさせらました

    少し前のイギリスの映画「未来を花束にして」(2015年)を当然のことながら思い起こしていました

    そして、
    金子文子、エミリー・デイヴィソン、マーガレット・スキニダー、の三人を こういう形で紡ぎ合わせて
    綴っていく ブレディみかこさん に
    あらためて たいしたものだなぁ
    と 思いました

    ちなみに
    いま 並行して 
    「アレクシェーヴィチとの対話」を読んでいるのですが
    なにか 

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    2023年05月10日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
    この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そんな時期の発言だ。そのような意味では、更に数年後、コロナ禍を振り返るための格好の史料となりうると思った。
    この本の中で多くの識者たちが言及していたと思うが、人間にとって一番厄介なのは、人間の心の中に生じる差別、偏見、批判なのだ。どのような状況下にあっても生じるこの心の動きに、私たちはどのように打ち勝

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    2023年04月28日
  • 女たちのテロル

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    英国支配からの独立のため、女性参政権のため、自分自身を生きるため。日英愛。壮絶に生き、そして戦った100年前の女性たち。恩赦・釈放・帰国許可。当時の社会もそれなりに寛容だった。しかし、彼女たちはそれでよしとしなかった。3つの物語は交互に進む。歴史上無関係な出来事が近づいていく。願いは成就しなかった。イースター蜂起は失敗し、女性参政権はサフラジェットでは叶わず戦争がもたらした。金子文子は23歳で逝く。忖度しない、先の展開を憂いしない。無謀な自己犠牲は直情の赴くまま。「生き物の死にざま」は後生を残すために。

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    2023年04月19日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    面白かった。
    今の野党に経済政策を仕込むより現政権に社会保障制度を手厚くさせるほうがハードル低いような気がする。保守支持層も読むべき。

    2023年4月現在の物価高が始まっている環境でどこまで緩和政策が続けられるのか、緊縮が始まったタイミングが野党の攻め時。

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    2023年04月05日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    買って2年ほど本棚で眠っていだ本。コロナ禍真っ最中の時に書かれたものだ。

    どの国でも新自由主義のヤバさに気づき始めた現代に、日本だけが、自助が大事と言う。日本社会の遅れ具合がよくわかる。

    イギリスと日本との違いが浮き彫りになる本。何が違うって、まずは市民の力。しかも演劇力が違うらしい。
    若い黒人の男の子が酔って「フェミニズムはナンセンスだ、ファック・フェミニズム」とか叫んでいる時に、黒人のウーピー・ゴールドバーグみたいな恰幅のいい女性が腰に手を当てて、「黒人の命は大切だが、女性の命も大切」と説教した話で、イギリスには必ずそういう人が登場する、それは国民に演劇教育が下地にあるのではないか、と

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    2023年04月03日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    ブレイディみかこさんと鴻上尚史さん、お二人とも著作などで常日頃勉強させてもらってるので、その二人の対談というのが興味があった。ちょっと意外な組み合わせであったが、ブレイディさんからの指名らしい。

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    2023年03月21日
  • 女たちのテロル

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    ネタバレ

    100年前のパンクス。

    金子文子、エミリー・デイヴィソン、マーガレット・スキニダー
    3人が国を越えて共鳴しているような展開にワクワクしてくる。
    そして、その呼びかけに時代を越えて誘われた著者のエッセンスも相まって、一世紀以上前の不条理や理不尽と戦い、自身の存在意義を示し通した女性たちの歴史を知れただけでなく、現代にも、現代だからこそ良くも悪くも響くことがたくさんあった。

    【本文抜粋】
    ”金子文子の凄みは、書物で学ばなくとも、誰かにイデオロギーを教わらなくとも、経験と心情を通して思想を肉体で読解していくところだ。思想はストリートに落ちている。”

    ”道徳とは、強者が弱者を支配するためのツール

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    2023年03月13日
  • 女たちのテロル

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    金子文子、エミリー・ディヴィソン、マーガレット・スキニダー、3人の女たちの生き様。
    破壊力のある文章でえがかれた、まさに生き様。
    章末の文章のキーワードが、次の章の初めに生かされていて、別の人の話なのに、まるで一つの話であるかのようだった。

    エミリーが、馬のレースに飛び込んだ時の衝撃は、すごかった。それまでも壮絶な留置所生活を、送っていて、それでも立ち上がり前に向かう姿は、エネルギーそのものだと思った。

    しかし、時代とはいえ昔の人はえげつないなと感じてしまった。このような時代を経て今の世界が存在する。今の私たちも未来のために、正しいことは正しいと思って生きていきたいと思った。

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    2023年03月12日
  • オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS

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    前編『ジンセイハ、オンガクデアル』よりも政治・音楽の話がさらにひとつながりのように感じられて、それだけ音楽と政治は切っても切れないというか、良くも悪くもお互いの要素を含んでいるんだなと感じた。

    この作品に限ったことではないし、宣伝で謳われてもいることだけど、著者の作品を読むたびに日本と英国の共通点が増してきて、時代の前後が違うだけで対岸の火事ではないような感覚が芽生えてくる。

    英国の音楽や政治のバックボーンを詳しく知らないから理解の深さや繋がりへの鮮烈さを十分に感じられていないところもあるけれども、それらを抜きにしても伝わってくる、音楽と政治を飛び越えた人生や人間に対する普遍性が存分にある

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    2023年03月05日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    世間というかつて完璧だった秩序が綻び出して、これからどうなっていくのだろうと感じている人にオススメの一冊です。
    これまでの在り方から社会と関係を繋いでいくための教育、コミュニケートの方法を考えるきっかけになりました。子育て世代としてはまさに、イギリスの教育の良いところを取り入れて欲しいと願うばかりです。(何かしら働きかけたいとは思っていますが)
    平和で安全な国、日本から考える力をつけてそれを伝えられる人が増えていってほしいと感じる本でした。

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    2023年03月03日
  • オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS

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    UK音楽と政治のネタ。UK音楽に詳しい方ならより楽しめそう。

    移民政策は違えど、日本も将来は英国みたいになってしまうかもと思えた。

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    2023年02月26日
  • ジンセイハ、オンガクデアル

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    知らなかった一面とより鋭い切れ味。

    自分にあまり馴染みがないってのもあるけど、第2章の海外を中心とした映画・本・音楽の評は、今までの作品では深く知ることはできなかった、著者のそれらの分野に対する造詣の深さというか、作品の深掘りの仕方や他の事象へとの結びつけ方が見事だった。むしろ本来はこっちが本当の姿なのかもしれないけど。

    順番逆になったけど、第1章の「底辺託児所」編は、昔の文章ってこともあるけど、さらに遠慮のない文章というか、何も着せなず抜き身のまま綴っている感じがして面白かった。それは著者の日常世界に、オブラートに包めないハードさが至る所にあるからだろうけど。
    そしてその紛れもない現実か

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    2023年02月23日
  • ジンセイハ、オンガクデアル

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    ネタバレ

    前半のエッセイがとにかく良かった。
    英国ブライトンの空気感まで伝わってきそうなディテール。人々がどんな風に生活しているのか頭に描いて楽しんだ。
    特に「底辺託児所」と著者が呼んでいる無料託児所で働く日々は、自由すぎて暴力的な個性を持った幼児たちにどんどん愛着が湧いていった。良くも悪くも日本でこんな光景は見ないか、例が少ないのではないかな。
    著者は子ども嫌いだったとのことだが、一人の人間対人間として接しているように見える。まだ危なっかしい幼児ばかりではあるが、あくまで一人の人間として尊重する姿勢が正しいと思う。著者に預けられた子どもたちが、どんな風に成長していったのか。その後もきっと強く生きている

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    2023年02月16日
  • オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS

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    10年ほど前のことが書かれている。イギリス ブライトンでの土着の生活がわかってとてもおもしろい。イギリスの音楽文化にも絡められており、とても興味深かった。

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    2023年02月15日
  • 花の命はノー・フューチャー ──DELUXE EDITION

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    自身でも書かれている通り、攻撃的~。
    相変わらず痛快だ。ブラジル人美女の友達が面白い。
    酒強い、ってどのくらい飲むのかな…ドキドキ。
    ブライトン、行ってみたい……かな?!

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    2023年02月01日
  • オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS

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    音楽と政治の関連性については古くから言及されている。そもそも音楽、特にロックとは政治的なモノであるからだ。
    著者は特にパンク以降のイギリスのロックから強く影響を受けており、音楽のみならず思想も濃く反映されている。その切り口が素晴らしい。
    階級に対して疑問を唱えることはパンクの根源的意義であり、脈々と受け継がれてきた強い意志である。
    リアルタイムでイギリスとイギリスの音楽を観てきた著者が放つ言葉はユーモアかつシニックで小気味いい。
    ビートルズを始め、ピストルズ、スミス、ローゼズ、オアシス全てアイルランド移民のフロントマンが率いていることはイギリスという国の素晴らしさであり同時に闇でもある。 

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    2023年01月02日
  • オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS

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    2010年代の英国のリアルがわかる書。音楽事情や詳細な政治事情と絡めて書いてあるので、疎い私には少し難しい部分も多かったが、日本と似通った部分もあって皮肉的だ。

    p.49 ロンドン北部の公営住宅で育ったAは、「彼は人を幸福にはしないが、人生における選択肢を与える。その選択肢の有無が、階級と呼ばれているものの本質だ」と言ったことがある。同じような境遇から出てきて、世界のありとあらゆるものを呪詛したジョニー・ロットンに若き日のAは強い共感を覚えたらしい。

    p.96 が、唐突に、しかしさりげなく「Never mind the idiots」と言うだみ声が降車する彼女の背後から聞こえてきた。

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    2022年12月17日
  • 女たちのテロル

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    金子文子を中心にした話。両手にトカレフ、を読んだあとにこちらも手に取った。

    書きっぷりが面白く、重いテーマにかかわらず最後まで楽しみつつ読めた。

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    2022年10月23日
  • ヨーロッパ・コーリング・リターンズ 社会・政治時評クロニクル 2014-2021

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     2014年〜2021年にかけての混迷するイギリスの状況を、労働者の生活から鮮明に捉えた鋭い考察と社会批評。

     この時期のイギリス国内を表す事柄として、ブレグジットをはじめ、緊縮財政下における広がる格差や子どもの貧困、徹底的な自由市場化で能力主義礼賛による社会の屋台骨を支える労働者の軽視など、日本のメディアではあまり知ることができない現状が、著者のブレディみかこ氏が普段の生活で直面するリアルなものとして書かれている。

     もちろんこういった流れはイギリスだけではなく他の先進国でも見られる問題で、日本でも少なからず同じような現象は起こりつつあると思った。

     緊縮財政がイギリスの社会にもたらし

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    2022年10月21日