ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

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    イギリス人と結婚し、イギリスに住む著者が描く、イギリスEU離脱投票の背景。

    実際に離脱に投票した知人へのインタビューや、現地のテレビ番組、新聞記事、論説などが多数引用されており、臨場感のある本。

    外国人を排斥して、知性の低い、エゴイスティックな過激な人たちが離脱票を入れた と外側からは解釈されがちであるが、実際にイギリス人として自国がどんどん移民を受け入れグローバル化、ボーダーレス化する中、下手すれば自分の仕事も奪われ、社会福祉も彼らに持っていかれるとなれば、誰しも寛容ではいられないだろう。

    インサイダーからの実感こもったボヤキには共感も覚える。


    また、歴史的な概観理解のために添え

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    2019年07月31日
  • 花の命はノー・フューチャー ──DELUXE EDITION

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    読売書評を見て購入。ちょっとだけ読んでみているところだけど、なんて小気味のよい文章!
    視点が違うと見えてくるものが違う。こんなイギリスの姿初めて知る驚き。

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    2019年07月03日
  • 街場の平成論

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    それぞれの先生の平成論を読み、自分自身が個人的にあまりにも暗いので、なんだかますます暗くなった。
    そして、そんなつもりはなかったのに、私にとっての平成を振り返り、「なぜこんなことになってしまったのか」「30年前にはまさかこんなことになるとは思わなかった」と同じことを感じて暗くなった。
    救いは、鷲田清一さんが引用されている橋本治さんの、失われたものを数えるのではなく、失われてれていないもの、残されているものの数を数える、というところだろうか。同じことを別の本で内田先生がおっしゃっていたのも思い出す。
    私と日本と世界と…

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    2019年06月29日
  • 労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

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    ブレグジットで揺れるイギリスで、なぜ多くの労働者階級がブレグジットに賛意を表明したかという背景にあったのは、緊縮財政による経済的な問題であった。
    労働者階級が歴史的に果たしてきた役割を明らかにしながら、今もある意味ではエスタブリッシュメントに搾取されつつある労働者階級の現状を、移民との関わりも視野に入れつつ考察した著作である。

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    2019年03月14日
  • 保育園を呼ぶ声が聞こえる

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     前期高齢者の男性が読んで、何だか暗澹としてくる現場の報告です。

     自分の子供たちのことをきちんと考えなかったし、ましてや保育園とかについて実質的行動を何もしなかった「子育て」だったことに対して、まず振り返らないと、というのが一つ。

     今、目の前の、お孫さんたちや、その母親、父親の置かれている社会的現実に対してというのが二つ目。

     話し合っていらっしゃる、三人の、なんというか、態度に好感を持ちました。国分さんの本はファンですが、残りの二人の本を読むことから、はじめようか、そんな感じです。

     自分の中で何かが始まるといいなと思っています。

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    2019年03月09日
  • 労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

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    2章のインタビューだけでも本書を読む価値がある。

    教養の低いと見られがちな労働者階級の人々がどれだけ確固とした自分の意見を持っていることか。

    これを読んでしまうと、ハードブレギジットもやむを得ないと思えてくる。

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    2019年02月05日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    「リベラルは自由や平等や人権を訴える金持ち。レフトは自由と平等と人権を求める貧乏人」とは著者の一人の英国人の夫が息子に言った言葉らしいが、支配層であるリベラルの意識がレフトから乖離し、経済成長に気を配らなくなったことが特に欧州の経済停滞の原因だというのが、著者たちの共通認識だ。

    経済政策を初め、安倍政権の政策に理由も示さず否定的コメントをするところはいかがかと思うが、それ以外は、欧州の実例を踏まえつつ、経済政策の変遷をまとめていて、参考になるし、ブレグジットやトランプ支持の背景がよくわかる。

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    2018年12月06日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    3人の論者が「反緊縮派」という立場から日本の取るべき経済政策について、議論した本。現代政治経に関心はあるけど知識がない私にとっては格好の入門書だった。現代の国際政治では何が起きているのか、旧民主党系のどこが問題なのか、安倍政権の長期化の要因とその問題とは何か、など現代政治の様々な問題について経済政策の観点から一定の見識が得られるし、彼ら「反緊縮派」の主張には説得力もある。ただし、現代政治経済の入門になるとはいっても著者たちの議論が、「反緊縮派」という特定の政治的立場に立ったものであることには注意が必要ではある。いずれにしても、この本は現代政治に関心のある人に真っ先に勧めたい良書である。

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    2018年11月14日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    「無駄遣いヤメろ」も良いんだけど,それしか言うことないのかよ⁈
    どうやったら豊かになれるのか,明日のメシにも困り,1年後の身分保障もままならない不安から抜け出せるのか⁈
    何でそれを大声で言わないんだよ⁈
    観念的な綺麗事ばっかり並べてんじゃねーよ!
    って思うから,左派は信じられないんだ〜って,ずーっと思ってきた.

    この本には,左派がそこから脱却するヒントが溢れていると思う.今までの左派の歩みに対する論評もなるほどと膝を打つものばかり.

    願わくば,同じ内容で右派,特に虐げられてるにもかかわらず,安倍政権を熱烈に支持しているような人達が手に取るようなタイトルと切り口で再編して出版して欲しい.

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    2018年11月11日
  • 花の命はノー・フューチャー ──DELUXE EDITION

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    著者がブログ上で2004年から2005年に掲載したエッセイに、その後にやはりブログ上に掲載した2006年までのエッセイと、書下ろし原稿を加えた「デラックスエディション」。現在著者は英国在住の保育士という立場をベースに広くサブカルチャーから政治経済まで語ってくれているが、この本に収録された頃、彼女はまだ保育士でもなく、子どももおらず、職業として評論家のようなこともしていない。それでも彼女が友人や知り合いを見る眼差しから、英国社会が浮かび上がってくる。英国というのは階級社会というから政治的な社会なのが、外国人が見ることで政治性が明らかになるのだろうか。
    とはいえ、本書のエッセイの中身は、現在の活動

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    2018年10月28日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    レフト3.0…いい響きだ(^-^)
    小生もリベラルではなく、レフトを名乗ろう(^o^)/

    もっと早く本書を読んでおけば良かった、と後悔。対談形式なので、分かりやすい、けど難しい議論もあり、という感じで、ボブの知的好奇心をくすぐってくれる。
    経済学の再々々勉強をしなくては…と考えるわけだが…(^^;;

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    2018年09月21日
  • 労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

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    英国労働者階級に身を置く著書がブリグジットの中心となった彼らの思いを掘り下げてトランプ現象と違いを語ります。「離脱派と残留派のように全く違う見解や信条を持った人の中でもオープンにそれを語り合う。「英国的」というのは、まさにそういうことだ。」との一節がとても印象的でした。
    ちなみに、著者はトランプ現象を「ヒルビリー・エレジー」などで語られている貧しい労働者がトランプを支持したのではないと解説してます。
    また、終章での「英国労働者階級の100年」は世界で最も早く労働者が登場した国だけあって読み応えがあります。

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    2018年07月08日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    経済運営で何とかいっている安倍政権。ただ、消費増税圧力に抗うことは難しく、東京五輪後の景気後退に対処できないとの予測は明快。では、対抗勢力は何をすべきなのか――という一考に値する内容。

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    2018年06月05日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    左派が語るべき経済のあり方を学ぼうとすると期待外れ。そういう話題になると不思議と話がそれて、断片的にしか把握できない。対談本に書いてする必要があったかなーとも思う。対談をもとにもうすこしまとまりのある構成をとれたのではないか。反緊縮ってとこやケインズ的に需要を作り出すべきってあたりかな、せいぜい把握できたのは。需要が不足していたというのはアベノミクスによろしくという本でも学んでいたため、すとんと腹に落ちた。
    左派が経済を語る必要性を啓蒙するための本としては、優れている。左派思想史としても鋭い分析が随所にある見られ、目を開かされる。過去の左派の思想へのツッコミは的確だし、新たな時代の左派像にも共

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    2018年06月01日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    英国に住む作者とその息子さんの話。
    息子さんの考え方が小学生とは思えないぐらいしっかりしててすごい。

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    2025年12月06日
  • 私労働小説 負債の重力にあらがって

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    様々な職場を舞台とした短編集
    血は繋がっていないが、従業員を徐々にファミリーに引き込んでしまうママがいる日本のスナック
    従業員は取り締まるが、万引きは許す店長がいるイギリスのスーパー
    目先の利益だけ追ってサービスがおざなりになってしまうアジアンテイストのイギリスのレストラン
    外国の掃除人を信用しないアイルランド人
    自分の出世しか考えず、部下から嫌われているアイルランド量販店の店長
    警察官気取りで働いている福岡の貸金業者
    貸金業者で働きながら、貸金業者から借金していた親を思い返す作者

    労働はまさに人生だと感じさせられた

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    2025年12月04日
  • 花の命はノー・フューチャー ──DELUXE EDITION

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    こういう感覚の人、友達に欲しいwww 大好きな英国に暮らす庶民(貧民?)としてのリアルな事柄を興味深く読ませてもらった

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    2025年12月03日
  • 私労働小説 負債の重力にあらがって

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    前作のシットジョブたち以外にもまだこんなに様々なシットな労働を経験してきたのか…
    やりきれない読後感は前作と同様で、様々な差別とかハラスメントとか、不条理的で少し残酷でモヤモヤする。
    様々なシットジョブたちを経て、時系列的にぼくはイエローでホワイトでちょっとブルーの話に流れつくのかな。

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    2025年11月23日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    日本とイギリスそれぞれの在住者による自国のメリット、デメリットや課題が赤裸々に語られており勉強になった。
    日本の世間は大事にするが社会には無関心という考え方は共感出来たしこれからの課題になると思う。
    コロナ禍の対談だったので自粛警察やPCR検査など懐かしい思い出が蘇り当時に思いを馳せながら今の現状に感謝したい気持ちになれた。

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    2025年11月23日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

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    13歳の息子は、もう日々のあれやこれやを話してくれないのか…という所にショックを受けつつ。
    親子で考えたい、話してみたいトピック満載の続編。わが子が読んだら何と言うのだろう?

    コロナ禍、コロナ後の様子も是非読んでみたい。

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    2025年11月04日