ブレイディみかこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
イギリス人と結婚し、イギリスに住む著者が描く、イギリスEU離脱投票の背景。
実際に離脱に投票した知人へのインタビューや、現地のテレビ番組、新聞記事、論説などが多数引用されており、臨場感のある本。
外国人を排斥して、知性の低い、エゴイスティックな過激な人たちが離脱票を入れた と外側からは解釈されがちであるが、実際にイギリス人として自国がどんどん移民を受け入れグローバル化、ボーダーレス化する中、下手すれば自分の仕事も奪われ、社会福祉も彼らに持っていかれるとなれば、誰しも寛容ではいられないだろう。
インサイダーからの実感こもったボヤキには共感も覚える。
また、歴史的な概観理解のために添え -
-
Posted by ブクログ
3人の論者が「反緊縮派」という立場から日本の取るべき経済政策について、議論した本。現代政治経に関心はあるけど知識がない私にとっては格好の入門書だった。現代の国際政治では何が起きているのか、旧民主党系のどこが問題なのか、安倍政権の長期化の要因とその問題とは何か、など現代政治の様々な問題について経済政策の観点から一定の見識が得られるし、彼ら「反緊縮派」の主張には説得力もある。ただし、現代政治経済の入門になるとはいっても著者たちの議論が、「反緊縮派」という特定の政治的立場に立ったものであることには注意が必要ではある。いずれにしても、この本は現代政治に関心のある人に真っ先に勧めたい良書である。
-
Posted by ブクログ
「無駄遣いヤメろ」も良いんだけど,それしか言うことないのかよ⁈
どうやったら豊かになれるのか,明日のメシにも困り,1年後の身分保障もままならない不安から抜け出せるのか⁈
何でそれを大声で言わないんだよ⁈
観念的な綺麗事ばっかり並べてんじゃねーよ!
って思うから,左派は信じられないんだ〜って,ずーっと思ってきた.
この本には,左派がそこから脱却するヒントが溢れていると思う.今までの左派の歩みに対する論評もなるほどと膝を打つものばかり.
願わくば,同じ内容で右派,特に虐げられてるにもかかわらず,安倍政権を熱烈に支持しているような人達が手に取るようなタイトルと切り口で再編して出版して欲しい. -
Posted by ブクログ
著者がブログ上で2004年から2005年に掲載したエッセイに、その後にやはりブログ上に掲載した2006年までのエッセイと、書下ろし原稿を加えた「デラックスエディション」。現在著者は英国在住の保育士という立場をベースに広くサブカルチャーから政治経済まで語ってくれているが、この本に収録された頃、彼女はまだ保育士でもなく、子どももおらず、職業として評論家のようなこともしていない。それでも彼女が友人や知り合いを見る眼差しから、英国社会が浮かび上がってくる。英国というのは階級社会というから政治的な社会なのが、外国人が見ることで政治性が明らかになるのだろうか。
とはいえ、本書のエッセイの中身は、現在の活動 -
Posted by ブクログ
左派が語るべき経済のあり方を学ぼうとすると期待外れ。そういう話題になると不思議と話がそれて、断片的にしか把握できない。対談本に書いてする必要があったかなーとも思う。対談をもとにもうすこしまとまりのある構成をとれたのではないか。反緊縮ってとこやケインズ的に需要を作り出すべきってあたりかな、せいぜい把握できたのは。需要が不足していたというのはアベノミクスによろしくという本でも学んでいたため、すとんと腹に落ちた。
左派が経済を語る必要性を啓蒙するための本としては、優れている。左派思想史としても鋭い分析が随所にある見られ、目を開かされる。過去の左派の思想へのツッコミは的確だし、新たな時代の左派像にも共