ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

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    エンパシーとシンパシーの違いは理解出来たと思う
    テーマがあっちこっちと変わるので何の話だっけとなる事があった

    エンパシーのデメリットの話が面白かった
    他人の立場に立ち過ぎると自分の考えがなくなるというのは鋭い指摘

    エンパシーを全ての人間に対して適用して良いのかという線引きは難しい
    論理がなく異常な思考の持ち主とかの立場に立っても疲弊するだけだろうし
    また凶悪犯に対してもどこまで入り込んで良いのかも考えもの

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    2025年10月06日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    シット·ジョブ。英国で店員、作業員、ケアワーカー等、低賃金の労働者が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉。
    「くそみたいに報われない仕事」
    強い言葉に驚いてこの本を読みました。

    最後あとがきで、英国ではコロナ禍以降エッセンシャルワーカーの待遇が変わっていきそうな風潮を感じる、とありましたが、日本では悪くなる一方ですね。

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    2025年10月05日
  • 両手にトカレフ

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    読み始めて10日以上掛かってしまった。
    イギリスの貧困層の厳しい現実と、日本の戦前の似たような境遇の小説が並行して交互に出てくるので読みづらかった。
    薬物中毒の母親と、一人では行動できない弟を抱えた少女のミア。生活保護を受け、次々と男を変えて行く母親。悲惨な少女が救われるのは、同じような境遇の日本人の小説を読むときだけ。
    彼女の魂の叫びを聞いた少年が勧めるのはラップ。「両手にトカレフ」もその叫びから生まれたもの。
    母親と弟を抱えたヤングケアラー。誰にも相談できずに抱え込む姿が悲惨すぎて、どんどん読む気持ちが重くなっていった。最後まで読んで、やっと陽が当たって来たというところだろうか?

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    2025年09月22日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    息子の聡明さを持つ姿に憧れた。
    多様性と言う言葉はいまの社会だとありふれたワードだと思う。その多様性がテーマの作品で、どんなに気にして生きていても相手の脳みそにならない限り地雷を踏んでしまう可能性があるのが人間だと思う。
    プラスの言葉が相手にとってはマイナスだったりする。
    ただ、そんなことを気にしていたら会話できなくなってくる。だからお互いに自分自身の多様性を自覚して伝え合うことが大切だと思う。
    無自覚の多様性は才能だと思っておこう。

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    2025年09月09日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

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    女性たちが自分たちらしく普通に生きることの難しさとお互い認め合って助け合うこと,そして少しずつでもより良い社会の実現に向かうこと.大切なことが語られている.
    しかし,女性もだけど,男性の意識改革はどうなってるんだろうと腹立たしい.

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    2025年09月07日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    ネタバレ

    2019年にノンフィクション本大賞を受賞した作品。話題になった頃から気になっていたものの、ようやく読めた。ノンフィクションというかエッセイみたいな感覚で読みやすい。元底辺中学校に通う「ぼく」とその「母ちゃん」たちのイギリス生活からたくさんの問題が見えて考えさせられた。どこでも問題は尽きないが、知ろうとすることや考えることは大事だと思う。理解し尊重するためには知らないとできない。中学生なりに悩み、乗り越える僕も成長しているけど、それを見守る母ちゃんもまた成長しているように感じた。人生は常に勉強だ…!

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    2025年09月06日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

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    ネタバレ

    足元から始めろ。

    シスターフッドと言うが、それってどういうことか考えたことはあるか。エンパシーという言葉を日本に広めた(と私は思っている)著者が書く、フェミニズム。

    女性が、移民が、貧しい人が、と言ってその属性を持つすべての人が同じように考えるわけではない。99%が望んでいたとして、1%の反対をなかったことにしてはいけない。誰かを排除するための闘いではない。知らないで、知ったふりで、行動するのではなく、まずは自分から、自分のリアルにつながるところから。著者の指摘はハッとさせられる。自分と同じことを言う人だけではなくて、異なる意見の人をも排除しない社会、そして運動が求められているのだ。それが

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    2025年08月22日
  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

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    『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』は、英国在住の著者ブレイディみかこ氏が「エンパシー(他者の感情や経験を理解する能力)」について深く考察した書籍です。この本では、エンパシーの重要性やその限界、そして社会における役割について、多角的な視点から論じられています。

    主な内容とポイント:

    エンパシーとシンパシーの違い:

    エンパシー:意見や背景が異なる他者の立場に立ち、その感情や経験を理解しようとする知的能力。

    シンパシー:他者に対する同情や共感といった感情的な反応。

    著者は、エンパシーは訓練によって身につけることができるスキルであり、シンパシーとは異なると述べています。

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    2025年08月19日
  • リスペクト ――R・E・S・P・E・C・T

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    当事者として本当に訴えかけたいことは何か。同情されたいわけでなく、尊厳を認めるとは。現状をクールに受け入れることこそ大人だと諦めてしまっているかも。強者側に甘んじて自分自身が熱くならないように逃げてないか反省させられる。

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    2025年08月16日
  • 両手にトカレフ

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    金子文子さんとミアの話が重なりながら進んでいって、内容としては重たい話だけど読みやすかった。文子さんもミアも、自分が今置かれている世界がすべてではないこと、そしてこの世界はその別の世界とつながっているからこそ自分で自分の世界は変えられるということに気づき、絶望の中でも希望を見出せてよかった。私自身も視点を変えるだけで得られる希望もあるんだと、絶望の隣は希望なんだと改めて感じることができた。最後のみかこさんとバービーさんの対談まで読んで、現実に起こっていることをもっと学びたいなと思った。

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    2025年08月10日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

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    ブレイディみかこさんの息子さん、いい子ですね。優しくて穏やかな感じ。 イギリスの中学校については、自分で考えて自分の意見を述べることができるようになるようになる工夫があって羨ましいと思いました。日本も、もっと自分の意見を言える人を育てるような教育に力をいれて欲しいと思います。

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    2025年08月03日
  • ヨーロッパ・コーリング・リターンズ 社会・政治時評クロニクル 2014-2021

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    資本主義が生む経済格差や英国政府の緊縮政策による貧困の拡大について「地べた」からの論考が記されている。宗教問題や移民問題に対し島国の日本は対岸の火事のごとく他人事でいることが多いように感じる。しかし、少子化が進む日本経済の労働力を補うには海外からの労働者が必要となってくるのではないだろうか。だとしたら、こういったヨーロッパの地域で起こる問題はもはや他人事でない。明日は我が身としてしっかり向き合っていく必要性を感じた。

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    2025年08月03日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

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    多様性が一様に叫ばれる現代において、何かと広がっている分断。知ることが相手を理解する第一歩だと思う。そして何を知るべきなのか?歴史から学ぶことは大いに有り、逆にそれが歴史を学ぶ意義ではないだろうか。そして、それは年号や起きた史実だけでなく、そこに確かにあった息づかいに耳を傾けることが大切であると、この本は教えてくれる。シスター達の息づかい、そして連帯に敬意を!

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    2025年07月28日
  • 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち

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    4年前に出版された(掲載時期なら5年以上前前)本だが、今回の参院選の選挙戦を見たあとに読むと、非常に通ずるものが多い。
    今回の選挙や、現在の日本の動向も、数年経って漸く言えることがあるのだろう。
    つまり、私は過去から学ぶことができ、そこから現在の行動を選ぶこともできるのだ…

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    2025年07月25日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    民主主義の国と思われがちな英国が、とんでもない階級国家であることを日常の暮らしから抉り出すブレイディさん。コロナは「シット・ジョブ」をエッセンシャル・ワーカー」と耳触りの良い言葉に置き換えて「大事な仕事」だとしたが残念ながら一過性で終わりつつある。英国ほどではないものの日本も貧富の差は広がるばかり。日々の暮らしでは目を逸らしているけど、ブレイディさんの赤裸々な指摘にハッとさせられる。「悪い人間ほどいいことをしたがるもの」「人間をケアする仕事は人間にしかできない。…双方の人間がいてポジティブな精神的電波が生まれる。この電波こそが、人間が今日まで生き延びてきた原動力になった」「タモリ・山中伸弥の!

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    2025年07月15日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

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    読んだらちょっと元気になった。
    自分はSNSでほとんど発信したり投稿したりしない人間なので、ハッシュタグで発展した運動、など、世界での動きを知ることができて良かったかな。
    どうしても受け身な私にとっては、一種諦めというか、闘うより回避の仕方への思考に陥ってしまうところがあるので、闘っていくことはすごく体力がいることだと思ってしまうけど、自分が買い物だったりで何かを選択するときには、正しい選択ができる人間でありたいと思った。
    たくましい足を持つシスターの話がすごく好きだった。

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    2025年07月13日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    おっさん達を通してイギリスが直面している問題が見えてくる。日本もだんだん他人事ではなくなってきたなと、将来に不安を感じてあまり楽しめなかった。

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    2025年07月08日
  • 両手にトカレフ

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    ネタバレ

    金子文子が死の淵で世界の僥倖に気づきを得て(劣悪な環境は何一つ変わらぬまま)生きる希望を持つことと、
    ミアが寒さで凍てつく道端で保護されゾーイが家族になってチャーリーと引き離されずに済んだこととでは
    救われ方の種類が違うな、と思った

    弟(愛すべき、無条件に自分よりも弱い存在)を守るために生きて来たミアが、
    リリックを手にしてラップを作り上げる仲間を得たことは、本の中で最も幸福な出来事だったのかなと思う

    ミアがミア自身を生きるパートがもう少し見たかったなと思った

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    2025年07月06日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

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    ブレイディみかこさん、「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」が読みかけのまま積読…でも、グローバルな視点満載なエッセイの様なので手に。

    「地べたから考える」という表題は、彼女が幼少の頃もイギリスに住んでいる現在も下層の人間だからなのだそうで、地べたから考えたことを書き記したそうだ。
    彼女は環境としては確かに地べたに暮らしていたのかもしれない。けれども地べたに住む人だからといって彼女の周りの住人のように、生きることに投げやりだったり、保護された暮らしではなく、しっかりと地に足を着けて生活されている。

    そんな彼女が地べたから見た世界…
    「キャピタリズムは悪い意味でのアナキズムだ」という言

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    2025年06月21日
  • 転がる珠玉のように

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    タイトルに惹かれ手に取る。
    ブレイディみかこ氏、今の自分にとって必要な作家。出会うべくして出会った。

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    2025年05月29日