ブレイディみかこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ふたつの物語が同時並行で進んでいくがわかりやすかったし、メインのミアの心にフミコが深く響いていることがとても強く感じられた。
ただ読んでいる最中は引き込まれる分、登場人物たちの深刻な状況に胸が張り裂けそうになり、なんとも言えないやるせない気持ちになったので余裕がある時に読むことをおすすめする。
自分がどれだけ恵まれているかを再認識するとともに、嫌なことがあってもどうにかできるなんとかなると思える勇気をもらえた。
(個人的に弟がいることがミアと共通点だったため、自分が同じ状況でもチャーリーを守らなきゃと必死になるなと感情移入してしまった) -
Posted by ブクログ
イギリス・ブライトンの地でイギリスの格差社会を日々綴っているブレイディみかこさんの書く小説
団地暮しで薬物依存の母と弟暮らすミアがふとある時に金子文子の自伝と出会い過去と現在から何かを感じ取る描写やクラスメイトのウィルとラップの曲を制作するという描写で何かを表現して心を形取る事でほんの少しだけでも何かが変わって欲しい気がした。
昔は良かった?現在も変わらない部分がある。そんな気持ちに自分もなっていたので読んでよかった。また関係ないけど、ブライトンで三笘薫がヒーローのようにあの土地のサッカークラブの顔になっている事が個人的には嬉しい。
そしてあれだけ聞いたRadiohead
ミアに届くことはないだろう。
個人的には西洋文学に位置付けたいと思った。 -
Posted by ブクログ
理不尽な理由でホームレス用のホステルの退去を迫られたシングルマザーたちが、使っていないショールームを占拠するという活動を描いた実話をもとにした小説です。
物語の中心となるE15ロージズの活動は、社会の片隅に追いやられた人々が自らの尊厳を守るために立ち上がる姿を描いています。
彼女たちの活動を知った記者の史奈子とその元カレ幸太もその活動に加わります。特に史奈子は日本人で、お金に困ったこともない「部外者」とも言える存在ですが、幸太の行動力や、占拠活動の現場を間近で体験することで「当事者感覚」を取り戻していきます。このあたりの流れはとても共感でき、読者にも「自分ごと」として社会問題を考えるきっかけを与えてくれます。
幸太は貧困や差別の構造をうまく説明してくれるキャラで、「政治家たちにやってもらうのを待つのではなく、自分たちでやれる」ということをアナキズムの考え方を史奈子に説明してくれるシーンが印象的でした。
やれば自分できることをできないと思い込むほど、支配者の力は強大になる。「上に任せとけばいい」と思い込ませて権力は非支配者の力を削いでいく。この構造を知るだけでも希望は湧いてくる気がしました。
物語の後半は、E 15ロージズたちの影響が大きくなることへの苦悩が描かれています。
メディアやSNSで声を上げて「自分は恵まれない階級の人間」たと訴えることは「あなたたちが差別できる対象がここにいますよ」とアピールしているようなものでもあり、ここから誹謗中傷や差別が起こる危険も孕んでいます。
しかし、敵は強靭でも諦めて口をつぐんではいけない。その行動に勇気をもらえる人はたくさんいるし、しつこく続けることでシステムが変わっていく。これは歴史も証明していると思います。 -
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子供の育つ環境が貧困や、親のドラッグ依存といった厳しい状況である場合、彼等がどの様な立場に置かれ、何にどの様に苦しめられているのか、この作者からはこれまで読んだ本からも教えられてきたが、本作でも同様であった。
本作はこれまで読んだのと違って小説ではあるが、それこそ「リアル」を感じさせる。この「リアル」については、p.181〜ミアの書いたリリックに対してウィルに「リリックが本物(リアル)なんだ。それが凄いよ」と言われ、彼女の心に刺さるのだがそれは「ミドルクラスの人たちが自分の様な環境で生きている人間の生活を指して言う言葉だと知っていたからだ」とある。作者自身ワーキングクラスの生活を体験していることもあり説得力を感じる。
終盤、ソーシャルワーカーに保護されそうになる場面で、酷い親と離れてまともな暮らしが出来る様になれば良いな、などと思って読んでいたが、ミア等子供達にとってそれは兄弟と別れさせられ、自律出来ない施設で暮らす事であって受け入れ難い事であるという事を知り、分かってないなぁ、と痛感した次第。 -
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「最近は「一年ひと昔」の時代が来たかと思うくらい政治状況の変化がめまぐるしい」と、著者が言う通り、2021年5月に出た本書(連載は2018年から2020年)を2025年の今読むと、頭の中が混乱してクラクラしそう。まさかまさかウクライナやガザで深刻な戦争が続き、安倍晋三やエリザベス女王が亡くなり、小池百合子がまだ都知事でトランプが再び大統領に返り咲く未来が来るなんて‥コロナ禍初期の当時は想像もしなかった。ため息しか出ない。それでも、こうして実在の女性の政治家の立場やふるまいを記録し伝えていくことはきっとこれからの人々の役にたつと信じたい。勇気を持って考え続けなければ。
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【目次】
珠玉の世界
バンク爺
君の名は。
ロックダウン鬱と終わりの始まり
足が痒い
オンライン面接に気をつけろ
ある雑談
野暮という言葉の意味
現時点はどこ?
アニバーサリー(命日)
カミング・ホーム狂騒曲
そしてわたしは辞書を引く
通訳はつらいよ
パートナーの呼称
ギャン泣きプリンセス
お達者ブラフ
ふつうの風邪を恐れよ
街の本屋さん
ダウンの終わりはアップの始まり
検査キットを求めて三千里
濡れた脱脂綿
ライフは続くよ
圧倒されるにいたらない日々
ある増殖とその連鎖
遅すぎることはない
「そんなものだ」ホラー
味覚は人の記憶を強烈に呼び覚ます
偶然は怖くない
パスポート狂騒曲
できるかな。久々の帰省
これが近未来だとすれば
「あの列」は何だったのか
リズたちのはなし
しゃもじとパン
少しずつ、少しずつでも
いつもと違うクリスマス
取り散らかった日常
ほろ酔いの人たち
日本の介護スゴイ
カウントダウン
家族ミステリー
あいつらは知ったかぶる
迷惑とコスパとタイパ
サード・パーソン
世界の終わりとブレインフォグ・ワンダーランド
道化と王冠
心配すべきでしょうか
つながらない権利
巻き込まれるスキル
バーベキュー・パーティ
トラベル・トラブル
民と民とのおつきあい
夏の終わりと黄金の犬
顔見知りがいなくなる町で
子育てサイトの闇
15秒の名声
フェスティヴ・スピリット
フーテンの猫さん
「さよなら!」――あとがきにかえて―― -
Posted by ブクログ
母はアル中のシングルマザー、8歳の弟・チャーリーを抱えて生きるヤングケアラーの14歳のミア。
カネコフミコの自伝を偶然借りたミア。
自分と同じように、恵まれない幼少期を過ごしたカネコフミコ。
フミコに共感すりミア。
ミアの苦境は続く…
ミアの一番の恐れは、母が育児をできないと判断され、ミアとチャーリーがバラバラになること…
イギリスの貧困層のリアル。
胸が痛い…
ソーシャルワーカーの介入は本当に良いのか…と考えさせられてしまう…
最後には希望が見えたが…
ミアとチャーリーのようにゾーイたちのようにいい大人に出会うケースは少ないだろう…
それを思うと胸が痛い…
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Posted by ブクログ
ネタバレ本にも書かれていたけど、「あの英国がどうしてこんなことになっているのか…」とわたしも思うので、ブレイディみかこさんの本はリアルな英国が描かれているのが好きです。
アメリカで起こることは何年後かに日本も起こる…と言われているようですが、英国→日本もあるのでは?と思います。
社会学や政治学、経済学の専門家の分析は堅苦しくてつかれるなぁと思うときにも読める時評。時代の記録というスタンスで読んだら丁度いいのかなと思いました。
ブレイディさんの視線と精神性が、地べたやアナキーからブレないところも良いです。わたしは年収ワープア層なので、この本を読んで「日本はどうかな…」がやりやすい。
もう日本もブロークンしてるなぁという日々ですが憂国しすぎずいこう。キャンセルカルチャーより、インターネットをキャンセルすべきなんじゃないかとも思う、はつくづくそう!!