ブレイディみかこのレビュー一覧
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10代向けの本ですが、非常に興味深く読みました。
ブレイディさんのエッセイアンソロジーという形を取っているため、過去に読んだ本からの抜粋もあるものの何度読んでも心に刺さります。
ブレイディさんは本作の冒頭で読み手に問いかけます。
「あなたの足元にはどんな問いが立っている(あるいは立ってくる)?」と。
本作を読んで私の足元に立った問いは「権利と義務」でした。ちょうど選挙があったタイミングで日本の政治についていつも以上に考えていたこともあり、もう少し勉強してみないとと思わせてもらいました。
そのきっかけとなった文章を以下に抜粋。
「国民は義務を果たすことで権利を買うのであり、アフォード(税金を -
Posted by ブクログ
ブレイディみかこが、ちくまQブックスに並ぶ!と、驚きました。(私の主観です。)と同時に、理想的な傾向だとも思いました。
「本なんて読んで何になるんだよ」
「こう言うジュニア向けの新書って教育的なことを書いているんでしょ」
自分が高校生であるとして言いたいサイドからすれば、自らが社会に物言いたい子供であり自我を確立していた著者がこのちくまQブックスシリーズに執筆するとは!(くどい)
中身の見出しも
「ガキどもに告ぐ。」君は「生理貧困、ミー・トゥー」と言えるか。などど、期待を裏切らない過激さ。あふれる反抗心を持つ中高生の皆さん、読んでください。感想をお聞きしたいです。 -
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著者のパンク小説。
国や社会、世間に激しく訴えかけるためか、フィクションに仕立て上げている。
どの話もラストの文章がカッコいい。
短編の主要登場人物は、みかこさん自身と、身近に存在する人をモデルにしたのだと想像した。
『一九八五年の夏、あたしたちはハタチだった』
みかこさんの実年齢、中洲のバイト体験はリアルだった。(あんみつ姫は楽しかった。私的感想)
『ぼったくりブルース』
ナニーやオーペアのバイト におけるEXPLOITINON =搾取=ぼったくり
『売って、洗って、回す』
マネキンのバイト、クリーニング工場のバイト、服のリサイクル。
『スタッフルーム』
保育園スタッフルームでの階 -
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ネタバレいわた書店さんの「一万円選書」でご選書いただいた一冊。「英国のおっさん事情」がポップに優しく哀しく…愛情たっぷりに綴られた一冊。「EU離脱」「国民保険」など(当然だが)日本と異なるお国事情に触れることができる。心に残った一節を。「あなたの世界はあなたが残してきたすべての小さなものたちにすぎない」(P218)自分は今年51歳を迎えた。日本で言うところの「第二次団塊世代」。英国では「ジェネレーションX世代」と言われるようだ。「いい時代を生きた声のデカい世代」と「覇気のないやる気のない世代」の間に存在している世代。「政情がどうであろうと時代がどう変わろうと俺たちはただ生き延びるだけ」(P308)19
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個人的には★5に近い。好みは分かれそうな本。
舞台はロンドン。宅地の価格が上がり、低所得者層には賃貸に住むこともできないような状況になっているなか、シングルマザーのジェイドたちはホームレス・シェルターを追い出されることになる。理由は土地を一括で売って富裕者層のマンションにするため。気づいたらおなかに子どもがいるような育ちで、堕ろしたくないから産んで、一人だと育児しながら働けず生活保護うけて、なのにここを追い出されたら誰一人知り合いもいないような住居費のやすい北部に行けってこと?おかしいのにおかしいって言わないからこんなことになるんじゃないの?
実際にあった事件をモデルにした小説。運動を始めたシ -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナ禍 in UK.
2021年4月~2024年3月の雑誌連載のエッセイを纏めた一冊。
公園はパンデミック関係なくちょっと危険だったり、移民が多いだけあって自分の国に帰っちゃう人が多かったり、日本とは少し違っているコロナ禍や、ご主人の闘病、息子さんの成長などブレイディさんの日常が綴られている。
「一人でもあなたの行為を受けて助かる人がいれば、それは善です」(P155)はしっかり心に留めておこう。
ブレイディさん、2021年から光村図書のベスト・エッセイに連続で選出されているだけあってどのエッセイも読みやすい上に読ませるなぁ、面白かったです。 -
Posted by ブクログ
「世間」と「社会」の違いを説く鴻上さんと、「ぼくはイエローで〜」の著者のブレイディさんの対談形式の本。
イギリスの教育の紹介などを中心に、日本人が今後どう変わるべきかという方向性が示されています。
「エンパシー」という、その人の立場を想像する能力が多様性には重要という指摘や、機会平等としての「equality」など、数々の指摘が染み入ります。
やはり、子どもの教育って大切だなあと感じました。イギリスが実施している教育が全てとは思いませんが、日本の教育も教師と生徒の相互信頼の下で、自分の頭で考える機会が必要なのではと感じました。
個人的には、ブレイディさんの息子さんが言った「日本人は、社