ブレイディみかこのレビュー一覧

  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    イギリスの"地べた"レポ。文章がめちゃくちゃ面白い。NHSとか緊縮財政とかEU離脱とか、楽しく本を読んでるだけで勉強になってしまった。

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    2024年11月27日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

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    この方のいままで読んだ著書をギッュとまとめた感じでした。しかしどの本よりも毒?が強く感じたけれどそれはあくまで事実なんだろうと。
    ちくまQブックスはティーン向けだと思いますがしっかり大人も勉強になると思います。

    他人の背景を考えて、一人一人の価値観やそれに附随する尊厳を尊重するかと、うっかり自己の価値観だけで人を評価してしまうことのないようにしたい。
    多様性の世界(昔からあったはずなのに無いものとしていた時代)がしっかり個人を大切にしていける時代になればなと思います。

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    2024年11月27日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の著者のブレイディみかこさんの私小説。前著でもよくでてきた「シットジョブ」がいろいろでてくる。
    ロンドンに行くための資金集めバイトから、ロンドンに来てからも移民の立場としての仕事の苦労がよくわかる。
    いわゆる海外に夢を持って憧れの国へいってハッピーエンドじゃなく、リアルな体験がフィクションとして書かれている。でもそこには「私」がかなり入っていて、実体験が多いんじゃないのかと思いつつ読ませていただいた。
    日本よりも露骨に上流と下流の格差が出てくるけど、見えにくいかどうかだけで日本にもある。形にしにくいものをよく表してくれているなと思う。

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    2024年11月25日
  • 両手にトカレフ

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    貧困、ヤングケアラー、いじめ母親のアルコール依存、薬物依存の問題にのまれながら、必死に弟を守り自分を守り戦う少女と同じように不遇の状況で必死に戦う本の中の少女の人生を追う物語。

    この話を読んで自分は何も悪くない理不尽な状況が何度も常に自分に降りかかってきたら自分はどうするだろうか。なんで自分だけなんで自分なんだ、どうせ自分はと自暴自棄に荒れるだろうなと思う。今理不尽でも何でもない、自分でコントロールできたはずの自分が招いた状況に対して我儘にそう感じているからだ。

    それに比べて2人の少女はどうだろうか。しかたがないと諦めないで、別の世界はあると信じている。弟を守るために必死に自分自身を武装し

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    2024年11月25日
  • 両手にトカレフ

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    ドラッグ依存症のシングルマザー、貧乏な家庭。
    世界と戦う女の子の物語。

    孫の中に救いを求める姿にシンパシーを感じた。
    「しかたがない」を乱用したくなる、やるせなさ。

    「自由になりたいのに、逃げたいのに、鍵をかけて閉じ籠っているしかない」という表現が印象的。
    ミアにとっての"逃げ出すしかない世界"が"自分の手で変えられる世界"になって良かった....。

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    2024年11月24日
  • 転がる珠玉のように

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    さらっと読めるエッセイ集だが、ブレイディみかこさんらしい人間的な厚みとか鋭くて深い洞察とかが滲み出ている。当たり障りのない読み心地のいいエッセイでは物足りない読者も満足させる一冊。

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    2024年11月23日
  • ヨーロッパ・コーリング・リターンズ 社会・政治時評クロニクル 2014-2021

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    当時イギリスに住んでいた身としては「そんなことあったんだ」と言うニュースがちらほらあり、興味深かった。今回も地べたを這う感じの論調で、これぞみかこ節って感じ。

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    2024年11月21日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

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    靴を脱いで絨毯に乗る。絨毯は空を飛び必要なところに連れて行ってくれる。いつか魔法は切れ、地に落ちる。学校は卒業し、職場は定年し、国も衰退する。乗っかる生き方はもうできない。自力で地べたを歩くしかない。…問いを立てて探求する力を磨く。いや、問いは立てるではなく、立ってくるもの。湧いてくる疑問で靴を履いておこう、自分の足で歩けるために。…ちくまQブックスは中高生向けのアンソロジー。関心の持てない授業はサボり続けた作者のエッセイ集を読む。大人にとって都合のよい子になるなと、セーラー服姿の彼女が仁王立ちしてる。

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    2024年11月20日
  • 転がる珠玉のように

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    ロックダウンのときの話も。
    みかこさんがコロナ感染後にブレインフォグになったことも書いてあって、そういう感じなんだ…と。

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    2024年11月20日
  • その世とこの世

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    谷川俊太郎さんも旅立たれました。
    偶然、このタイミングで手元にあったこの本。
    何かの縁かな。
    きっと「その世」にいらっしゃる頃だろうと思いながら読んだ。
    谷川さんとブレイディさんとの手紙のやり取りで出来ている本。タイムラグがかなりあるようで、噛み合っているような、いないような…
    でも、そこがいい味わいになっている。
    お互いの言葉にインスピレーションを得ながら、自分の言葉を紡いでいく。
    ジャンルは違えど、言葉に関わる人ならではの感性で、面白いなと思った。
    谷川さんの詩集も改めて読んでみようと思う。

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    2024年11月19日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    実体験を含むフィクション。デヴィッド・グレーバーの「ブルシット・ジョブ」を意識して書かれたシットジョブ。
    世の中、理不尽や矛盾や本音と建前だらけ。
    その割を喰うのは女性やマイノリティやシットジョブ階級ってこと。
    ブレイディみかこさんの著書はわかりやすいし心に刺さる。

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    2024年11月12日
  • 転がる珠玉のように

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    ネタバレ

    ブレイディみかこさんのエッセイ。
    コロナ時期でのプライベートな内容が多かった。
    お母さんとの別れのシーン「さよなら」は泣ける。
    息子くん、18才になるのか!感慨深い。
    『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ではじめてブレイディさんの本に出会い、息子くんのことも知ったけど、そこから何年もたってないと思っていたのに。よそ様の子ども成長は早いなぁ。
    連合いさん、お大事に。
    日本の介護業界についての内容もあって、ちょっと嬉しかった。

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    2024年11月05日
  • 転がる珠玉のように

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    普通の人々について書いてあるのが、好きでした。日本もイギリスも、イメージしながら読むことができました。切なくなる話もあり、涙がでました。

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    2024年11月05日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

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    10代向けの本ですが、非常に興味深く読みました。
    ブレイディさんのエッセイアンソロジーという形を取っているため、過去に読んだ本からの抜粋もあるものの何度読んでも心に刺さります。

    ブレイディさんは本作の冒頭で読み手に問いかけます。
    「あなたの足元にはどんな問いが立っている(あるいは立ってくる)?」と。
    本作を読んで私の足元に立った問いは「権利と義務」でした。ちょうど選挙があったタイミングで日本の政治についていつも以上に考えていたこともあり、もう少し勉強してみないとと思わせてもらいました。

    そのきっかけとなった文章を以下に抜粋。
    「国民は義務を果たすことで権利を買うのであり、アフォード(税金を

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    2024年11月02日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

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    ブレイディみかこが、ちくまQブックスに並ぶ!と、驚きました。(私の主観です。)と同時に、理想的な傾向だとも思いました。
    「本なんて読んで何になるんだよ」
    「こう言うジュニア向けの新書って教育的なことを書いているんでしょ」
    自分が高校生であるとして言いたいサイドからすれば、自らが社会に物言いたい子供であり自我を確立していた著者がこのちくまQブックスシリーズに執筆するとは!(くどい)

    中身の見出しも
    「ガキどもに告ぐ。」君は「生理貧困、ミー・トゥー」と言えるか。などど、期待を裏切らない過激さ。あふれる反抗心を持つ中高生の皆さん、読んでください。感想をお聞きしたいです。

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    2024年10月26日
  • 何とかならない時代の幸福論

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     どうしても日本とイギリスを比較して、イギリスの教育羨ましいとなりがちだが、まだまだ伸び代があるとも言える。コロナ禍でのブレイディさんの息子君の宿題が非常に興味深い。校則で決まっているから金髪の留学生が来ても黒髪に染めさせる、と息巻く先生がいるような学校には、絶対に子どもを通わせたくないが、少しずつ変わってきているのではないかと感じている。演劇の授業は是非日本でも取り入れてほしい。世間に優しく、社会に厳しい日本人。誰かが困っている場面に出くわすと、できない理由とやらない理由を延々と脳内で列挙し続けてしまう。そういう所だよなぁ、と反省。

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    2024年10月20日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    著者のパンク小説。
    国や社会、世間に激しく訴えかけるためか、フィクションに仕立て上げている。
    どの話もラストの文章がカッコいい。

    短編の主要登場人物は、みかこさん自身と、身近に存在する人をモデルにしたのだと想像した。

    『一九八五年の夏、あたしたちはハタチだった』
    みかこさんの実年齢、中洲のバイト体験はリアルだった。(あんみつ姫は楽しかった。私的感想)

    『ぼったくりブルース』
    ナニーやオーペアのバイト におけるEXPLOITINON =搾取=ぼったくり

    『売って、洗って、回す』
    マネキンのバイト、クリーニング工場のバイト、服のリサイクル。

    『スタッフルーム』
    保育園スタッフルームでの階

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    2024年10月17日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    ネタバレ

    いわた書店さんの「一万円選書」でご選書いただいた一冊。「英国のおっさん事情」がポップに優しく哀しく…愛情たっぷりに綴られた一冊。「EU離脱」「国民保険」など(当然だが)日本と異なるお国事情に触れることができる。心に残った一節を。「あなたの世界はあなたが残してきたすべての小さなものたちにすぎない」(P218)自分は今年51歳を迎えた。日本で言うところの「第二次団塊世代」。英国では「ジェネレーションX世代」と言われるようだ。「いい時代を生きた声のデカい世代」と「覇気のないやる気のない世代」の間に存在している世代。「政情がどうであろうと時代がどう変わろうと俺たちはただ生き延びるだけ」(P308)19

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    2024年10月16日
  • リスペクト ――R・E・S・P・E・C・T

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    個人的には★5に近い。好みは分かれそうな本。
    舞台はロンドン。宅地の価格が上がり、低所得者層には賃貸に住むこともできないような状況になっているなか、シングルマザーのジェイドたちはホームレス・シェルターを追い出されることになる。理由は土地を一括で売って富裕者層のマンションにするため。気づいたらおなかに子どもがいるような育ちで、堕ろしたくないから産んで、一人だと育児しながら働けず生活保護うけて、なのにここを追い出されたら誰一人知り合いもいないような住居費のやすい北部に行けってこと?おかしいのにおかしいって言わないからこんなことになるんじゃないの?
    実際にあった事件をモデルにした小説。運動を始めたシ

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    2024年10月11日
  • 転がる珠玉のように

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    イギリス在住の著者がコロナ禍の日常とコロナ終息後の生活を描いている
    連れ合いのガンが見つかり治療
    コロナも併発して生死を彷徨った事
    回復して日常に戻ったけど
    最後に再発の文があった
    その間に福岡の母親の死

    中でも楽しかったのは
    スカイプによる息子とじいちゃんの
    爺ちゃんバンクシーの話
    漆喰を用いて作るレリーフ
    左官職人がこてで仕上げていくもの
    まだ出来る職人さんがいるんだ
    近くの園児達がミッキーやミニーを
    見にくるとのこと
    爺ちゃんグレイト

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    2024年09月21日