ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 何とかならない時代の幸福論

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    ネタバレ

    ブレイディみかこさんと鴻上尚史さんの対談ふたつ。
    「世間と社会」「エンパシーとシンパシー」など、学びがありました。面白い対談だった…もっとお話聞いていたい。。
    日本人は、自分の周りの「世間」は関わりがあるとして考えられるけど、それより外の「社会」はそうではないから自分に関係ないものとして捉えてしまう、みたいな説はすごく腑に落ちました。政治の話が出来ないのもこれなんだな。
    政治の話してると「意識高い系」と揶揄されるのほんと意味分からないけど、うちらにはどうも出来ないこと言ってるwwwみたいなのもあるかも。歴史的に、民主主義を自力で勝ち取ってないというのもこの傾向を大きくしてると思います。大正デモ

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    2023年05月22日
  • 労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

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    白人労働者階級の日常生活を描いた「ぼくはホワイトでイエローでちょっとブルー」が読みやすいのに奥が深い傑作だったので同じ著者の新書を読んでみました。
    周りの白人労働者階級の人々を温かい目で見守りながら彼らがBrexitに賛成票を投じた理由に迫ります。
    政治史のまとめを読んでようやく流れが理解出来ました。最高です!

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    2023年05月18日
  • ジンセイハ、オンガクデアル

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    底辺保育所でのエピソードが中心。
    歴史があり、紳士的で、勝手にちょっと憧れも抱いていた英国であるが、実は凄まじい階級社会であることを思い知った。
    もう同じようなキラキラした目でイギリスを旅行することなんて、できないだろうな…。

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    2023年03月21日
  • 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち

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    2018年から2020年に掲載された文章なので少し古いんだけど、今読んでも勉強になるし、その後どうなっているんだろうと知りたくなる、ためになる本。
    アーダーン首相がイスラム女性のヒジャブを被った行為のこととか、メルケルがあれだけ長く政界にいられた理由とか、とても複雑なことのはずが、この人の筆を通すととても分かりやすく楽しく読める。

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    2023年03月15日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2 無料お試し版

    購入済み

    隣人とは 多様性とは 共同体と

    隣人とは 多様性とは 共同体とは について前作以上に考えさせられる作品である。昨今 少子化対策としていみんの大量受け入れの話が何度も出ている。著者のような考えを持った人ばかりであれば、それほど顕著な問題も起きないとは思うが、多くの人々 原住民にとって どうなんだろうか?

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    2023年03月06日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 無料お試し版

    購入済み

    語り口がいい

    イギリスにおける中学生の子育ての状況を、平易な語り口で描きあげている。楽しい話、面白い話、興味深い話、そして深刻な話もあるのだが、妙に力を入れたりせず日常会話的な語り方でかきあげているところが実いよい。

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    2023年03月06日
  • 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち

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    イスラム教徒の女性移民を批判する、ナショナリズムとフェミニズムの話になるほどとなった。女性同士が連帯するのは難しい。政治家には家父長制の奴隷である力ある女性や、取り込まれた女性も多いから。(これはリーンインフェミニズム的でもある)

    私は女性の政治家であればとにかく応援したいと考えているのだけど(まず今の日本には女性の政治家、起業家、経営者、管理職の数を増やしていくべき。今は選べる段階にないと思う)、小池百合子や高市早苗なんかを見ると、むしろ毒とも思う。

    そんな「どうなの?」という視点を解説してくれていてわかりやすい本だった。

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    2023年01月02日
  • 両手にトカレフ

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    イギリスの貧困層の家庭を描いた作品。作者が見てきたリアルをフィクションという形で書いた内容。
    ドラッグに溺れるシングルマザー、弟の面倒を見るヤングケアラーの姉、学校でいじめられている弟。
    読んでいて辛くなる現実が描かれている。
    作中に出てきた物語のもう一つの軸となった金子文子も今作で知ることができたので、読んでみようと思った。

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    2025年05月28日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    equalityとsameness。平等とは、結果に対して求めるものではなく、選択する権利に平等であること!
    日本は、結果を求めすぎている。
    当たり前だけど、一人一人の個性をどこまで尊重できるか。その大前提が言論の自由なのかなと思った。
    他国との比較ができてとても面白かった。

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    2022年12月14日
  • 両手にトカレフ

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    ネタバレ

    「小説でしか描けない子供たちのリアル」…舞台は現代の英国。交互に流れる100年前の日本人”フミコ”の少女時代。その救いのなさに主人公ミアが自らを重ねる。自分には愛情も友情もあり、福祉制度もある。それでも、追い込まれあきらめざるを得ない運命は同じなのだと。登場人物の人間関係は複雑でもなく、展開は入り組んでもいない。淡々と語られるが、起きているのはとんでもない出来事。終盤に訪れるクライマックスに強く心を揺さぶられる。ほっとする結末にしたのは、そうであって欲しい願望に過ぎぬかもしれぬ。物語は終わるが現実は続く。

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    2025年03月16日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    ネタバレ

    「レイシズムはやめましょう」「人類みな兄弟」とプラカードを掲げていくら叫んでもできることはたかが知れている。社会が本当に変わるということは地べたが変わるということだ。地べたを生きるリアルな人々が日常の中で外国人と出会い、怖れ、触れ合い、衝突し、ハグし合って共生することに慣れていくという、その経験こそが社会を前進させる。

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    2022年10月30日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    地べたで生きてきた人間が、インテリ層にも届く表現力と議論の力を持っているのはとても強いな。
    クレバーでチャーミングな反骨心。著者はそんな印象です。
    著者が連発する「底辺」というのは、外側から見た軽蔑や、あるいは自身のコンプレックスの裏返しなどではなくて、
    実感と、一筋縄ではいかない情なのだと思います。

    みかこさんの文章は私には水が合うみたいで、いつも面白く読んでいます。

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    2022年10月09日
  • 労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

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    「ぼくはイエローで・・・」の著者の他の作品を読む。
    イギリスの労働者階級については「差別はないが区別はある」と大昔に語られ、ブレグジットを賛成し、移民排斥の急先鋒であり、フーリーガンでイングランドが勝つとイングランド旗(ユニオンジャックじゃない)を振り回して街中で大騒ぎする(実際に目撃した)という「ステレオタイプ」の知識しかない。

    本書を読んでの驚きは
    ・21世紀の英国には階級が厳然としてあり、階級闘争があるとは・・
    ・「ゆりかごから墓場まで」の本家が社会保障切り捨てを労働党まで推進しているとは・・
    ・政府がやたら緊縮・財政均衡に腐心している(日本の財務省と全く同じスタンス)こと、たとえ社会

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    2022年10月05日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    良書。

    まず何をさておいても著者は文章力がすこぶる高いと思います。
    底辺託児所に来る子どもとその親の暮らしは文字通り底辺なのでしょう。
    けれど著者はその描写に同情や憐憫の感情を全く忍ばせません。
    かといって、冷めているわけでも距離を置いているのでもありません。
    保育士としての距離感は保ちつつも、言葉では言い表せないほど子どもたちを愛し、こんな状況を作り出した原因でもある社会と政治を厳しい視点で監視し、分析し続けていることが感じられます。

    底辺託児所に来る子どもたちは、劣悪な環境で育っている事が多いため、暴力をふるったり暴言を吐いたり、一筋縄ではいきません。
    そんな子どもたちをある時は「ガキ

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    2022年09月02日
  • 女たちのテロル

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    主に女性の選挙権もしくは参政権についての話
    先人達がどのような苦労を乗り越えて
    それを手に入れたのかがわかる本
    女性である自分に繋がるお話

    これを読んだら、なんとなく投票しない 
    なんて事はできない
    選挙では必ず投票してきたが
    選挙券を握りしめる手の力がより強くなる

    金子文子について知りたい人にも、おすすめ
    しかし、少々痛々しい表現も含まれているので
    注意が必要です

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    2022年08月25日
  • 夜更けのおつまみ

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    少しずつそれぞれの作家さんのお話がいただける、まさに「おつまみ」な本。
    読み進めていると、缶ビールが2本、空の状態で目の前にありました。

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    2022年07月24日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    事実は小説より奇なり。みたいな本
    障がいや病気や犯罪を、深刻に薄暗く描くのはきまってそれらを身近に体験していない人に多い。

    身近に体験してると、それは只々当たり前の日常で、ブレイディ氏のように面白おかしくも書けて、薄暗い気分にもならない。

    だけどそこにはリアルな人生が書かれていることを知れる。
    こんな世界や、こんな人生、生き方をしてる人間もいるということをたくさんの人に知ってもらえる良書だと思う。


    ブレイディさんの著書は、私達と同じ目線から感じたことを素直に書かれているので、小難しくなく、それでいて大切な事実はを知ることができるので大好きです。

    いち保育士だとご本人は言われてますが、

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    2022年07月21日
  • 労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

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    ブレグジットについて、様々な報道がなされていた。離脱派は外部から見ると排外主義のように報道されていたが、本当にそうなのか。英國労働者階級が離脱票を投じた理由を、そこで生活している著者が歴史的、政治的そして経験的に考察している。

    ブレグジットの背景に英国の緊縮財政政策を挙げ、ジャスティン・ゲストの著書を参照し、白人労働者階級の疎外感を考察している。

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    2022年06月26日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    「僕はホワイトでイエローで・・・」を読んだ後に読みました。ティーンを育てる母親世代です。外国人も多く、いわゆる多様性の高めの地域に住んでいます。

    やっぱりこの作品でもキーワードはエンパシー。私も持ち合わせいるかは自信がない能力で、これからの人生少しづつ伸ばしていきたい部分です。







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    2022年06月25日
  • 女たちのテロル

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    究極に自立?自律?していた金子文子の記録です。
    他にあと2人、武闘派サフラジェット、エミリー・デイヴィソンと
    イースター蜂起のスナイパー、マーガレット・スキニダーが出てきますが、
    もう金子文子しか心に残らなかったです。

    彼女が死なないでいたら、どんな仕事を残しただろう。
    少なくとも今よりは、日本の女性の地位はマシだったんじゃないか。
    男に従属するようなことは、無くなってたんじゃないか。

    もっと彼女のことを知りたい、と思った。

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    2022年06月09日