ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    この著者はほんとうに偏見のない人なんだな。かと言って、他の人の偏見に鈍感なわけでもない。声高に他人の偏見を糾弾することもなく、ただ差別される人、偏見を受ける人のそばで、同じ痛みを共有している。だからあんなふうに、背景も環境も性格も全く異なる人たちの苦悩やあり様がストンと納得できる、心の琴線に触れる文章が書けるのだろう。

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    2023年11月23日
  • 両手にトカレフ

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    私はこの風景を知って
    いると思いました。

    どこかで見聞きしたの
    ではありません。

    自分の体験としてです。

    子どもだった私はその
    手に握らされた切符で、

    決められた路線の列車
    から列車に乗継ぐこと
    しか知らず、

    そこで色々な目に遭い
    すっかり臆病に。

    今まさに苦しんでいる
    子どもたちに伝えたい。

    その列車を今すぐには
    降りられないけれど、

    次の駅では広い世界に
    無数にある別の路線に
    乗り換えればいいと。

    誰かに与えられた人生
    から自分自身の人生に
    踏み出してほしい。

    本書がさまざまな言語
    に翻訳されて世界中に
    広まることを望みます。

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    2023年11月12日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    ネタバレ

    『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』と同時期に書かれたエッセイ。周囲の「おっさん」達が登場。
    最近、イギリスにハマってて、そこに生きるおっさんたちの等身大の姿が描かれていて面白かった。
    EU離脱とか、緊縮政策とか、中にいる人達の考え方に触れられて良かった。
    ちょっと日本とにてるとこもあるよね~という感じ。
    コロナ後のあとがきもとても興味深く読めた。
    出来れば、コロナ中~後のおっさん達の色々も読んでみたい。

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    2023年10月18日
  • 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち

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    著者自身は以前から一貫して左派の立場を明確にしているが、左派にも右派にも、フェミニストにもアンチにも、リベラルにもナショナリストにも反移民にも、新自由主義にも反緊縮にも、それぞれいろいろあって、いろいろくっついてるのよ、という書きぶりで、そこがクール。2010年代後半の欧米の政治状況が著者の肌感覚で分かりやすく語られている。読んでいて、そうなんだ、と思うことが多々あった。

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    2023年07月23日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    この本の主題は「階級」である。
    本文中に書かれているが、貧富の差はいつの時代にも、どの国にもある。
    しかし、貧困から抜け出す術がないとしたら、それは「階級」である。

    日本でも格差は問題になっているし、それが「階級化」しつつあるようにも思う。
    貧しい家庭、養育者がなんらかの問題を抱えている家庭に生まれた子は、十分な学習環境を与えられているとは言いがたい。
    逆に言えば、「いい学歴」は本人の「才能と努力」だけで勝ち取ったものではなく、生まれた家の影響が大きいのだ。

    イギリスの状況はこんなものではない。
    シングルマザー、障害のある親、酒やドラッグへの依存症を抱えた親。
    労働党政権のころは、貧困層へ

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    2023年08月14日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    ネタバレ

    ブレイディみかこさんと鴻上尚史さんの対談ふたつ。
    「世間と社会」「エンパシーとシンパシー」など、学びがありました。面白い対談だった…もっとお話聞いていたい。。
    日本人は、自分の周りの「世間」は関わりがあるとして考えられるけど、それより外の「社会」はそうではないから自分に関係ないものとして捉えてしまう、みたいな説はすごく腑に落ちました。政治の話が出来ないのもこれなんだな。
    政治の話してると「意識高い系」と揶揄されるのほんと意味分からないけど、うちらにはどうも出来ないこと言ってるwwwみたいなのもあるかも。歴史的に、民主主義を自力で勝ち取ってないというのもこの傾向を大きくしてると思います。大正デモ

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    2023年05月22日
  • 労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

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    白人労働者階級の日常生活を描いた「ぼくはホワイトでイエローでちょっとブルー」が読みやすいのに奥が深い傑作だったので同じ著者の新書を読んでみました。
    周りの白人労働者階級の人々を温かい目で見守りながら彼らがBrexitに賛成票を投じた理由に迫ります。
    政治史のまとめを読んでようやく流れが理解出来ました。最高です!

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    2023年05月18日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    人種差別とか貧困とか国内の問題とか、色々考えさせられます。

    差別はいけないことと頭では分かっていても、なんとなく嫌だなって感じてしまうときはあります。多様性は複雑だけど無知を無くすから良いこと とは深いなと感じました。
    最近私の会社では「心理的安全性」という言葉をよく聞きます。心理的安全性を作り出すためにも相手のことを知って理解しようとすることは大事だと思います。相手を知らないから無意識に相手が嫌がることをしてしまう。。無知って怖いですね。

    親子のやり取りも、お互いを尊重していて私の理想の関係でした。

    私はこれから親になったり、会社では若いメンバーをまとめる立場になりますが、迷った時はこ

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    2026年01月08日
  • ジンセイハ、オンガクデアル

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    底辺保育所でのエピソードが中心。
    歴史があり、紳士的で、勝手にちょっと憧れも抱いていた英国であるが、実は凄まじい階級社会であることを思い知った。
    もう同じようなキラキラした目でイギリスを旅行することなんて、できないだろうな…。

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    2023年03月21日
  • 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち

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    2018年から2020年に掲載された文章なので少し古いんだけど、今読んでも勉強になるし、その後どうなっているんだろうと知りたくなる、ためになる本。
    アーダーン首相がイスラム女性のヒジャブを被った行為のこととか、メルケルがあれだけ長く政界にいられた理由とか、とても複雑なことのはずが、この人の筆を通すととても分かりやすく楽しく読める。

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    2023年03月15日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2 無料お試し版

    購入済み

    隣人とは 多様性とは 共同体と

    隣人とは 多様性とは 共同体とは について前作以上に考えさせられる作品である。昨今 少子化対策としていみんの大量受け入れの話が何度も出ている。著者のような考えを持った人ばかりであれば、それほど顕著な問題も起きないとは思うが、多くの人々 原住民にとって どうなんだろうか?

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    2023年03月06日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 無料お試し版

    購入済み

    語り口がいい

    イギリスにおける中学生の子育ての状況を、平易な語り口で描きあげている。楽しい話、面白い話、興味深い話、そして深刻な話もあるのだが、妙に力を入れたりせず日常会話的な語り方でかきあげているところが実いよい。

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    2023年03月06日
  • 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち

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    イスラム教徒の女性移民を批判する、ナショナリズムとフェミニズムの話になるほどとなった。女性同士が連帯するのは難しい。政治家には家父長制の奴隷である力ある女性や、取り込まれた女性も多いから。(これはリーンインフェミニズム的でもある)

    私は女性の政治家であればとにかく応援したいと考えているのだけど(まず今の日本には女性の政治家、起業家、経営者、管理職の数を増やしていくべき。今は選べる段階にないと思う)、小池百合子や高市早苗なんかを見ると、むしろ毒とも思う。

    そんな「どうなの?」という視点を解説してくれていてわかりやすい本だった。

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    2023年01月02日
  • 両手にトカレフ

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    イギリスの貧困層の家庭を描いた作品。作者が見てきたリアルをフィクションという形で書いた内容。
    ドラッグに溺れるシングルマザー、弟の面倒を見るヤングケアラーの姉、学校でいじめられている弟。
    読んでいて辛くなる現実が描かれている。
    作中に出てきた物語のもう一つの軸となった金子文子も今作で知ることができたので、読んでみようと思った。

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    2025年05月28日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    equalityとsameness。平等とは、結果に対して求めるものではなく、選択する権利に平等であること!
    日本は、結果を求めすぎている。
    当たり前だけど、一人一人の個性をどこまで尊重できるか。その大前提が言論の自由なのかなと思った。
    他国との比較ができてとても面白かった。

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    2022年12月14日
  • 両手にトカレフ

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    ネタバレ

    「小説でしか描けない子供たちのリアル」…舞台は現代の英国。交互に流れる100年前の日本人”フミコ”の少女時代。その救いのなさに主人公ミアが自らを重ねる。自分には愛情も友情もあり、福祉制度もある。それでも、追い込まれあきらめざるを得ない運命は同じなのだと。登場人物の人間関係は複雑でもなく、展開は入り組んでもいない。淡々と語られるが、起きているのはとんでもない出来事。終盤に訪れるクライマックスに強く心を揺さぶられる。ほっとする結末にしたのは、そうであって欲しい願望に過ぎぬかもしれぬ。物語は終わるが現実は続く。

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    2025年03月16日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    ネタバレ

    「レイシズムはやめましょう」「人類みな兄弟」とプラカードを掲げていくら叫んでもできることはたかが知れている。社会が本当に変わるということは地べたが変わるということだ。地べたを生きるリアルな人々が日常の中で外国人と出会い、怖れ、触れ合い、衝突し、ハグし合って共生することに慣れていくという、その経験こそが社会を前進させる。

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    2022年10月30日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    地べたで生きてきた人間が、インテリ層にも届く表現力と議論の力を持っているのはとても強いな。
    クレバーでチャーミングな反骨心。著者はそんな印象です。
    著者が連発する「底辺」というのは、外側から見た軽蔑や、あるいは自身のコンプレックスの裏返しなどではなくて、
    実感と、一筋縄ではいかない情なのだと思います。

    みかこさんの文章は私には水が合うみたいで、いつも面白く読んでいます。

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    2022年10月09日
  • 労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~

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    「ぼくはイエローで・・・」の著者の他の作品を読む。
    イギリスの労働者階級については「差別はないが区別はある」と大昔に語られ、ブレグジットを賛成し、移民排斥の急先鋒であり、フーリーガンでイングランドが勝つとイングランド旗(ユニオンジャックじゃない)を振り回して街中で大騒ぎする(実際に目撃した)という「ステレオタイプ」の知識しかない。

    本書を読んでの驚きは
    ・21世紀の英国には階級が厳然としてあり、階級闘争があるとは・・
    ・「ゆりかごから墓場まで」の本家が社会保障切り捨てを労働党まで推進しているとは・・
    ・政府がやたら緊縮・財政均衡に腐心している(日本の財務省と全く同じスタンス)こと、たとえ社会

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    2022年10月05日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    良書。

    まず何をさておいても著者は文章力がすこぶる高いと思います。
    底辺託児所に来る子どもとその親の暮らしは文字通り底辺なのでしょう。
    けれど著者はその描写に同情や憐憫の感情を全く忍ばせません。
    かといって、冷めているわけでも距離を置いているのでもありません。
    保育士としての距離感は保ちつつも、言葉では言い表せないほど子どもたちを愛し、こんな状況を作り出した原因でもある社会と政治を厳しい視点で監視し、分析し続けていることが感じられます。

    底辺託児所に来る子どもたちは、劣悪な環境で育っている事が多いため、暴力をふるったり暴言を吐いたり、一筋縄ではいきません。
    そんな子どもたちをある時は「ガキ

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    2022年09月02日