ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 夜更けのおつまみ

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    31人の人気作家さんたちがそれぞれの夜更けのおつまみ語るというなんとも豪華でお腹が空きまくるエッセイアンソロジー。
    私はお酒は飲めないけど酒の肴と呼ばれるものが何より大好き。
    それぞれの作家さんの私だけのおつまみが沢山詰まっていて最高だったー✨
    共感できるおつまみもあれば初めて知るおつまみやお酒もあって面白い。
    この本を片手に晩酌するのも最高のおつまみになりそう

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    2025年02月24日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    「地べたから見るポリティクス」が彼女の心情なのだが、それに至ったのは保育園での子どもたち、その家族、スタッフとの数々の出会いだったことが明かされる本。みすず書房の本を読むのは久しぶりで、読めるか最初は少し不安だったが、読んでみるとブレイディさんのなめらかな文体はこの本でも健在で、澱みなく読み進むことができた。統計的な資料にもしっかり支えられていてさすがと唸らされる。出会いと豊富な読書量が彼女を強くしている。そして連帯は古き良き時代のカッコ悪いものでなく、今こそ必要で、静かにそれを望みたいと思った。

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    2025年02月19日
  • 両手にトカレフ

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    ブレイディみかこ、らしく英国の貧困に焦点を当てた小説。
    貧困家庭の少女が、金子文子という実在した日本人女性の自伝に書かれている少女と、自分を照らし合わせながら日々を懸命に生きていく話。
    主人公の少女がクールで非常にカッコ良い。

    本作はフィクションだが、主人公の少女を取り巻く環境はおそらく事実に基づいていることが多いと思われる。
    ブレイディさんの貧困をテーマにした本はいつも非常に解像度が高い。
    中流階級で生きる人からの、善意や褒める言葉が結果的に貧困階級の人を傷つけてしまうといったような、生きる階級が違うことによる隔たりが巧みに描かれている。

    とても面白い小説でお勧め。個人的には黄白青より面

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    2025年02月18日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    この本はすごくいい本です。みんなに勧めたい。
    ブレイディみかこさんの本は初めてです。軽妙に書かれてます。個性的で素直なおっさんがたくさん出てきて楽しい、みんな生きているんだ、友達なんだと、ばかりに。
    でも、実は硬派な社会学的レポートの面もある。ブレグジットや、緊縮財政によって、いかに彼らがたいへんだが、しぶとく生活しているのか、とても勉強になりました。世代、階級の話も、勉強になりました。日本もアメリカも、同じような側面がある。
    私も、ほっつき歩きたくなりました。

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    2025年02月03日
  • 両手にトカレフ

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    一気に読んでしまった。
    日本でも今では「ヤングケアラー」と言う言葉がよく聞かれるようになってきた。
    自身がまだ子供であるミアが、弟を食べさせるために自分が食べるのを我慢したり、世話をしたり。
    でも、チャーリーがいたからこそ、死んではいけない生きなければ、と思ったり。
    すごく苦しかった。
    ゾーイやレイチェルなど、信じていい頼っていい大人が近くにいるということ、まだミアの世界は変わっていけること、私も信じたい。

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    2025年02月01日
  • 両手にトカレフ

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    一気読みしてしまった。
    これでもかとキツくなる状況に胸が苦しくなる。
    福祉と大人と繋がれる機会があっても、福祉や大人に裏切られる傷つけられてきた過去がそれを選ぶことを出来なくさせる。

    大人として、エンパシーをもってこの小説を受け取りたい。
    そして今同じように苦しんでいる子どもにとって、この小説は救いになるかもしれない。ミアにとってのフミコのように。

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    2025年01月19日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    私には政治的見解がありません。いくつになっても、自分の意見を語ることが苦手だし、そもそも意見がない。
    成績は良かったしテストはできたし、受験に失敗もしなかった。なのに、なぜなんだろうという長年の疑問にやっと、解決の糸口を見つけた気がした。
    今からでも、自分の考えを語れるようになりたい。ブレイディさんの見た、イギリスで必ず出てくるカウンターのような人に。そのためには、知るべきことがたくさんある。

    ・世間とは、知り合い、近所付き合い、同じ会社など、謎ルールで縛られる人たち。私が社会と信じていたもの。
    ・シンパシーとは、かわいそうだと同情すること。
    エンパシーとは、もっとフラットな気持ちで他人の立

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    2025年01月15日
  • 両手にトカレフ

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    弟を守るために、心を病んだ母親から、そして貧困から逃げずに頑張る中学生ミア。今日の食事にも困る中でも、弟のために頑張る姿が健気ですが傷ましい。
    そして青い表紙の本のフミコの自伝とミアの日常が重ねられながら進んでいく物語がハラハラしっぱなしでした。でもいつの場面でも心折れることなく弟のためにまっすぐに全力に頑張るミアは、痛々しくも応援せずにはいられません。何より自分で考え、自分をしっかり持っているミアが羨ましい。
    舞台がイギリスとはいえ、これは日本でも現在進行形だと思う。声を上げられない子供たちは今もどこかで闘ってる。
    「見ないふりをせずに、言い訳をせずに、何かをしなくてはいけないのは大人たちの

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    2025年01月13日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

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    【目次】

    はじめに
    プロローグ:花の命はノー・フューチャー

    1.子どもの情景

    子どもであるという大罪
    ガキどもに告ぐ。こいのぼりを破壊せよ
    RISE 出世・アンガー・蜂起

    2.地べたからみた社会

    石で出来ている
    君は「生理貧困,ミー・トゥー!」と言えるか

    3.英国という鏡

    ヨイトマケとジェイク・バグ
    どん底の手前の人々

    4.地べたからみた世界

    キャピタリズムとは
    ウーバーとブラックキャブとブレアの亡霊
    歴史とは

    5.他者の靴を履いてみること

    誰かの靴を履いてみること
    エンパシーの達人,金子文子
    自分を手離さない

    エピローグ:おりません、知りません、わかりません
    おわりに

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    2025年01月11日
  • 転がる珠玉のように

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    この人のエッセイはいつも心の一部分をギュッとつかんでくる。不思議。
    同じ地球の上で同じように子を産み育てたくらいの共通点しかないんだけど、環境も見えてるモノも全然違うと思うのに、刺さってくるし、面白い。
    むかし、田辺聖子さんとか山田詠美さんのエッセイに巡り合ったときのことを思い出した。

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    2025年01月05日
  • 両手にトカレフ

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    ぬるま湯的な生活にいて気楽に手に取って読むと、横っ面を殴られるような衝撃を受ける本。
    裕福な人もミドルクラスも、男性だって、理不尽に耐えたり悩み苦しんだり、それぞれの立場で精一杯生きているのだろうとは思う。けれど、女性、それよりも子供が弱い立場にいること、自助の手段も力も持ちにくいことを改めて思い知る。
    諦めてしまうことと、別の世界に一歩踏み出せるきっかけを掴むことは本当に紙一重。格差や貧困の問題が取り沙汰される昨今、単なる同情や見て見ぬ振りや気まぐれな慈善行為では解決できないことをどうするのか。なかなかにヘヴィーな内容で読んでいて辛くなるようなところもあるが、多くの人にぜひ読んでほしい一冊。

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    2025年01月02日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

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    中学生・高校生向けの本らしいが、中学生には少し難しいのではないかと感じた。ただ、内容は非常に興味深く、筆者が住んでいる英国での経済状況や教育に触れた内容で、日本との相違点や同じ部分を分かりやすく説明していた。

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    2024年12月25日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

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    ブレイディみかこさんが今まで書いたエッセイからの抜粋集。自らの足元から問いを立てること、そこから見えてくるものについて。思索の端緒となるような本で、上手く言えないけどなんかモヤモヤするっ!という人にオススメ。

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    2024年12月22日
  • 転がる珠玉のように

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    世の中は珠玉だらけってわけ。世界は珠玉でできている。
    さよなら!が行かないでではない優しさということもある。
    珠玉は人間のことでなく、むしろ私たちの日常に転がっている一つ一つのシーンなのかもしれない。

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    2024年12月13日
  • その世とこの世

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    谷川俊太郎さんとブレイディさんの交換書簡。
    それぞれ人柄が表れていて面白かった。
    谷川俊太郎さん、ご冥福をお祈りします。

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    2024年11月22日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

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    どの著作もキレが良くてステキだが、中でも特にキレッキレの文章を中高生のために集めたものなので、読みやすくて学びが多い。
    本当にいい本だ。
    中高生だけに読ませるのはもったいない。もちろん中高生には読んでほしいけど。

    「はじめに」で、中高生のための文章なんてクソ食らえ!と思ってた生意気な子だった私なのに、こんな本を出して…と書いてあり、ブレイディみかこならさもありなんと笑った。

    イギリスでの、ヒリヒリするような剥き出しの格差を、現場から(しかも地べたから)発信されると、日本なんてまだまだましかなと思う。
    けれど、キリスト教に裏付けされた、「誰もが存在するだけで価値がある」という価値観がしっかり

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    2024年11月16日
  • 転がる珠玉のように

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    切ないし、心あったまるしで泣けた。

    ブレイディみかこさんのことが
    もっと大好きになるエッセイだった。

    エッセイ集なのだけど、
    どの話も気持ちの良いオチのある終わりで
    すっきりと読めるし、
    暗い題材も明るくしてしまうお人柄と文章。

    「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」
    もそうだけど、
    イギリスの雰囲気が好き&
    ブレイディ家のみんなが大好きなので、
    自分もホームステイさせてもらってる
    かのような気持ちになれるのが本当に嬉しい。

    辛い時や苦しい時も、
    ブレイディみかこさんのことを
    思い出して乗り越えられそう。

    そんな逞しさのある
    ブレイディさんに出会えたことが嬉しい。

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    2024年11月07日
  • その世とこの世

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    谷川俊太郎さんとブレイディみかこさんの一年半に及ぶ往復書簡

    みかこさんの散文に、谷川さんが短めの文章と詩でお返事する。
    といったスタイルでしょうか?

    とは言え、みかこさんからの問いはあまり気にせず、好きに返事を書く谷川さん。
    自由で軽快なやりとりのおかげで、こちらも肩の力を抜いて文章を楽しめる。
    しかし、あくまでも〝手紙〟なので当然だが相手に向けて書かれた文章で、そこには敬意が感じ取れるのが素敵。



    谷川さんの詩より

    「この世とあの世のあわいに
     その世はある」
       ──【その世】より一部抜粋──


    「この世は他人だらけである
     他人でないのは自分だけだと思うと
     寂しい」
      

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    2024年11月05日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    この本で語られていることの重大さに、今更ながらに気づく、というか、刊行当時に読んでおくべきだったと強く思った。今現在も尚、不況にあえぐ日本にとって、どこか変換点だったのかがよく分かるし、左派に対して何が足りないのか、もっと言えば民主党政権時代に、何が圧倒的に欠如していたのかがよく理解できた。刊行から年数は経っているし、世界情勢は今まさに大きく変動している中、今の日本に必要な経済に対する考え方が詰まっている。左派はあまりに経済に対して無頓着であったかを自らを含めて痛感させられた。

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    2024年10月13日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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     フィクションとは言え、留学先や仕事での壁や矛盾がリアルで、その時々で感じとったことや今、起きていることへの分析に、考えさせられるものがあった。特に、『ぼったくられブルース』は、上流階級のホームステイ先で使用人のように扱われるのだが、その仕打ちを 「人間の主体性の搾取」と切り捨てる。言葉のチョイスが絶妙で、清々しく感じた。

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    2024年10月02日