ブレイディみかこのレビュー一覧
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ブレイディみかこさん、初の自伝的小説。
イギリスに渡り、シット・ジョブ(くそみたいに
報われない仕事)を幾つも経験した彼女ならではのヒリつく言葉に胸を突かれた。
一話「1985年の夏、
あたしたちはハタチだった」
年齢と美醜で判断されて、失礼な言葉や態度を許容することで、お金を貰っているあたし。
「水商売の女を彼女にしている自分」は「女子大生や昼間の仕事をしている女を彼女にしている自分」より「下」になる、という意識が男全般の中にあることをあたしたちは知っている。
三話「売って、洗って、回す」
"誰か"を演じ続ける仕事をしていると人は自分 -
Posted by ブクログ
ブルーカラーの底辺層の目線から見せるクソみたいな生活を最高に彩るパンクのエッセイ集
作者のパンク趣味とめんたいビートが文体からも生き生きとしていてその筋の愛好家なら好感を抱くに違いない
またこのエッセイに登場する人物はほとんどが最底辺で無様ではあるがどんな最低な環境下かつ状況でもしぶとくサバイバルしているので、我々日本という国(我が国もだんだん英国に近い貧富の差が開いてるが)に生きている庶民にも妙な感動と共感を覚え明日に向かって生きていく希望を見出せるのである
ただし挫折経験なく悠々自適にエリート街道を歩んだ人間には全く勧められない一作でもある -
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【目次】
邪気の「あるとない」(ブレイディみかこ)
萎れた花束(谷川俊太郎)
Flowers in the Dustbin(ブレイディみかこ)
その世(谷川俊太郎)
青空(ブレイディみかこ)
座標(谷川俊太郎)
詩とビスケット(ブレイディみかこ)
現場(谷川俊太郎)
淫らな未来(ブレイディみかこ)
気楽な現場(谷川俊太郎)
秋には幽霊がよく似合う(ブレイディみかこ)
幽霊とお化け(谷川俊太郎)
ダンスも孤独もない世界(ブレイディみかこ)
父母の書棚から(谷川俊太郎)
謎の散りばめ方(ブレイディみかこ)
笑いと臍の緒(谷川俊太郎)
ウィーンと奈良(ブレイディみかこ)
Brief Encounte -
Posted by ブクログ
この本の主題は「階級」である。
本文中に書かれているが、貧富の差はいつの時代にも、どの国にもある。
しかし、貧困から抜け出す術がないとしたら、それは「階級」である。
日本でも格差は問題になっているし、それが「階級化」しつつあるようにも思う。
貧しい家庭、養育者がなんらかの問題を抱えている家庭に生まれた子は、十分な学習環境を与えられているとは言いがたい。
逆に言えば、「いい学歴」は本人の「才能と努力」だけで勝ち取ったものではなく、生まれた家の影響が大きいのだ。
イギリスの状況はこんなものではない。
シングルマザー、障害のある親、酒やドラッグへの依存症を抱えた親。
労働党政権のころは、貧困層へ