ブレイディみかこのレビュー一覧
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ネタバレ本にも書かれていたけど、「あの英国がどうしてこんなことになっているのか…」とわたしも思うので、ブレイディみかこさんの本はリアルな英国が描かれているのが好きです。
アメリカで起こることは何年後かに日本も起こる…と言われているようですが、英国→日本もあるのでは?と思います。
社会学や政治学、経済学の専門家の分析は堅苦しくてつかれるなぁと思うときにも読める時評。時代の記録というスタンスで読んだら丁度いいのかなと思いました。
ブレイディさんの視線と精神性が、地べたやアナキーからブレないところも良いです。わたしは年収ワープア層なので、この本を読んで「日本はどうかな…」がやりやすい。
もう日本もブロークン -
Posted by ブクログ
時間、空間を超えてさまざまな現場を自由に飛び回る、おしゃべりで“しなやかな黒猫”のようなブレイディさん。それを温かな眼差しで「言葉にしか現場のないわたしは劣等感を抱いてる」と子どものような素直さで机上で紡いだ詩で応える好々爺、谷川さん。本質に迫るアプローチもアウトプットも異なるけど、表現の奥にある魂は一緒で、その“あわい”の世に引き込まれそうになるのをもんど君の挿絵が“この世」に引き戻してくれる。「うりゃ〜なんとかなる」が個人的な座標としては好きかな…。先日、再放送で観たETV特集「ぼくは死んだ」も感動したが、谷川さんのリクエストに応えたもんど君、大変だったろうなあ。
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Posted by ブクログ
ブレイディみかこ節が炸裂した、一番最近のエッセイ集。コロナ禍での生活が主だったので、いつも以上に雲がかかった物語に仕上がっている印象。彼女の物語に晴れ渡る日はくるのかな…
p.36 これからは、みんな自分が本当に好きな場所に住むようになるんだ。というか、自分が本
当に好きな人がいる場所」
いきなり照れた顔になって彼は鏡の中で微笑した。彼は、ポルトガル人の同性パートナーとの結婚式がコロナで2回も延期になっている。
「Zoomでウエディングだってできるじゃん」
意地悪く言ってやったら、速攻で彼は言った。
「それはダメだよ」
そのきっぱりした声の調子に笑いながら、初夏の真っ青な空にピンクや白の風 -
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先月逝去された谷川俊太郎さんと、個人的に大ファンなブレイディみかこさんの往復書簡。
ジャンルは異なれど物書きとして一流であるお二人、ただの読書好きである私との次元の違いを思い知らされました。
谷川さんはご自身で散文が苦手と仰っており、なるほどブレイディさんへのお返事もかみあっているのかいないのか凡人には判断が難しい部分もありますが、添えてある詩は当然ながら素晴らしいものでした。
タイトルにある「その世」とは谷川さんの詩によると
「この世とあの世のあわいに」あり
「騒々しいこの世と違ってその世は静かだが あの世の沈黙に与していない」そうです。
「その世のつかの間に人はこの世を忘れ 知らないあ -
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ブレイディみかこさんが「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」(ノンフィクション)では描けなかった、親に恵まれず貧困に苦しむ少年少女の世界をリアルに描いたフィクション。
ブレイディみかこさんのすぐ側で実際に起きている出来事であり、彼女自身の人生とも重なる部分も多分あり、本当に彼女にしか描けない世界観だと思った。
似たような境遇を持ち、子どもという牢獄に閉じ込められている少年少女とその周りの人々への、強烈なメッセージを含んでいる。
自分とは違う世界で、「リアル」を生きている他者のことなんて最初から分かるはずがない。だけど、分からない言葉の意味を、少しでも分かるために努力したい。自分が分か -
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「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の著者のブレイディみかこさんの私小説。前著でもよくでてきた「シットジョブ」がいろいろでてくる。
ロンドンに行くための資金集めバイトから、ロンドンに来てからも移民の立場としての仕事の苦労がよくわかる。
いわゆる海外に夢を持って憧れの国へいってハッピーエンドじゃなく、リアルな体験がフィクションとして書かれている。でもそこには「私」がかなり入っていて、実体験が多いんじゃないのかと思いつつ読ませていただいた。
日本よりも露骨に上流と下流の格差が出てくるけど、見えにくいかどうかだけで日本にもある。形にしにくいものをよく表してくれているなと思う。 -
Posted by ブクログ
貧困、ヤングケアラー、いじめ母親のアルコール依存、薬物依存の問題にのまれながら、必死に弟を守り自分を守り戦う少女と同じように不遇の状況で必死に戦う本の中の少女の人生を追う物語。
この話を読んで自分は何も悪くない理不尽な状況が何度も常に自分に降りかかってきたら自分はどうするだろうか。なんで自分だけなんで自分なんだ、どうせ自分はと自暴自棄に荒れるだろうなと思う。今理不尽でも何でもない、自分でコントロールできたはずの自分が招いた状況に対して我儘にそう感じているからだ。
それに比べて2人の少女はどうだろうか。しかたがないと諦めないで、別の世界はあると信じている。弟を守るために必死に自分自身を武装し