【感想・ネタバレ】ブロークン・ブリテンに聞け 社会・政治時評クロニクル2018-2023のレビュー

あらすじ

EU離脱、コロナ禍、エリザベス女王逝去。混迷する「五年一昔」の記録

ポスト・ブレグジットの英国もどうなるかわからないが、ポスト・エリザベス女王の英国も同じくらい不透明ーーそう記してから3年。EU離脱、女王逝去を経た「今」を伝える時評を文庫化に際し数多く収録。多様性とともに分断が進み、転換点を迎えつつある英国の姿が日本にも重なる、「地べたの社会学」決定版!

果たしてこれでいいのか、と誰もが思っている。
ではどうすればいいのか、と共に思考する一冊。
武田砂鉄(ライター)

英国の地べたから世界を見つめる傑作時評集、増補決定版!

「何かが壊れている」とみんな思っている。
この国が「ブロークン」の元凶に手をつける方向に動き出すとすれば、2024年はブリテンの修復が始まる年になるかもしれない。
英国だけでなく、世界が「ブロークン」の状態から抜け出すために、この記録が何らかのヒントになればと願っている。(本書より)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本にも書かれていたけど、「あの英国がどうしてこんなことになっているのか…」とわたしも思うので、ブレイディみかこさんの本はリアルな英国が描かれているのが好きです。
アメリカで起こることは何年後かに日本も起こる…と言われているようですが、英国→日本もあるのでは?と思います。
社会学や政治学、経済学の専門家の分析は堅苦しくてつかれるなぁと思うときにも読める時評。時代の記録というスタンスで読んだら丁度いいのかなと思いました。
ブレイディさんの視線と精神性が、地べたやアナキーからブレないところも良いです。わたしは年収ワープア層なので、この本を読んで「日本はどうかな…」がやりやすい。
もう日本もブロークンしてるなぁという日々ですが憂国しすぎずいこう。キャンセルカルチャーより、インターネットをキャンセルすべきなんじゃないかとも思う、はつくづくそう!!

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2025年01月21日

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ネタバレ

単行本の出版が2020年。3年分のエッセイが追加された文庫本。パンデミックはしばし継続し、脱却した。ロシアがウクライナに侵攻、エリザベス女王が逝去された。ボリスジョンソンは退任し、短命のトラスを経由し、スナクが政権を握る。財政再建の表明で支持を失う保守党。政権交代で積極財政転換を期待したいが、労働党も緊縮に傾いている。日常生活を麻痺しかねないキーワーカーのストライキが支持されるほど、壊れてしまっている英国。それでも、GDPはプラス成長。我が国を振り返ると…。ブロークンできる方がまだましなのかもしれない。

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2019年~からのエッセイ等をまとめた一冊。
英国国内の経済や政治などに関する内容が多かった。
自分の知識不足で、ちょっとわからない部分もあったんだけど、興味深かった。
最近、イギリス好きなので、特に面白く感じた。
イギリスではなく「英国」と訳せ。というのは知らなかった!面白い。
ストが多発してるのか。
ちょこちょこ日本の状況と似通っている部分もあるのなぁ。

BBCの話題もチラホラ出てたので、ジャニーズ系の事も出てくるかと思ってたら、ちょこっとだけ触れらていた。

同じような内容のエッセイもあって(媒体違いで内容が重複している)そこは、ちともったいなかった。

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2024年04月18日

Posted by ブクログ

2018年から2023年にかけての時事エッセイ集。2020年に出版された本が文庫本化されたときに2023年までのエッセイが追加されてます。日本にいると報道から入ってくるイギリス情報は王室の話題やブレグジット関連が多く、「そうはいっても新自由主義の勝ち組」のイメージがありますが、著者の「下から」のスタンスは一貫してますね。というか、イギリスは階級社会と言われていますが労働者階級のしたたかさ、が伝わってきます。株価が上がる一方で実質賃金が下がり続けている日本の未来を考える上でも参考になりました。

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2024年03月26日

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日本以上にイギリスは格差社会でいつだって著者がキーワーカー(ロックダウンになっても働かなくてはいけない労働階級の人たち)の味方だ。

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2024年11月22日

Posted by ブクログ

以前著者の「労働者階級の反乱」という本を読んだ。

その中に「第Ⅲ部 英国労働者階級の100年」という部があり、内容の偏りを感じたが、本書は全体的に同じ匂いを感じた。労組機関誌への寄稿が多いのでむべなるかな、ではあるが、60・70年前の革新系論調を換骨奪胎している様な口調が目立ったのは残念だった。

著者は時評よりルポ(イデオロギーが前面に出て来ない、という意味で)の方が良さが出てくると思う。

虎谷誠々堂書店にて購入。

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2024年08月23日

Posted by ブクログ

生理を取り巻くスティグマ(恥辱)の為に学校を辞めるリスク(危険)に晒されています 大前提として、ゲリラ戦やテロルは、メインストリーム側からは決行出来ないものなのである。レフトな思想の表現メソッド(方法)は、もしかして時代の変化について行けてないのではなかろうか。 ポリティカル・コレクトネス(政治的妥当性) 「不道徳」という点でユナイト(結合)している 詰まるところ、エモジというのは、剥き出しの感情をぶつけて他者を困惑させないように、感情のエッジを除去するものとして使われているのだろうか。 人心もシュリンク(縮小)したこの時代 予算はシュリンク(縮小)し 帰属のポリティクス(政治学) 坂上香監督の『プリズン・サークル』 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 人の肉声として人に語られた「言」が何かを瓦解させた瞬間に見えた 使い古されたナラティブ(物語)を復活させた 環境問題はこれまで左派のアジェンダ(行動指針)だったので それをやってみたのが映画『ぼくたちの哲学教室』に出てくるエルヴィス・プレスリー好きの校長先生だ 北アイルランドでは独立派のカトリック系と英残留派のプロテスタント系の紛争が絶えず、各地でテロが横行するようになる。 時代の暗さを嘆く材料には事欠かない時節に 

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2024年05月02日

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