ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    小説だけど「私」が入っているし、中洲のガールズパブや、ナニーとして働いたイギリス上流家庭、クリーニング工場、保育園などで起こったことはどれも本当に近いのではないかと思う。
    ケン・ローチの「この自由な世界で」では、イギリスの労働者階級が東欧や中東の不法移民を働かせて儲けていたけど、見た目はほとんど違わない東欧の人ですらあの扱いだもの、差別意識のある中産階級以上の人のアジア人労働者の扱いは、そうなんだろうなと悲しく怒りつつも納得した。息をするように自然に差別しているのだ。子どもでさえ。
    だから『日の名残り』や『黒後家蜘蛛の会』なんかは強烈な皮肉なのだ。
    モンティパイソンや「ジーヴス」なんかでもさん

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    2024年03月17日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    イギリスと日本の空気感、暮らし、教育の違いが分かりやすく興味深かった。
    プレイディーさんの著書を読んでいたので、解像度上がった気がする。
    幸福論という点では明文化されているわけではないけれど、政府や世間の目を気にしてただ流されて生きていくことは幸福ではないと改めて感じた。
    当たり前に行われてきたことに疑問を持ち、自分なりの考えを持ち、できれば発信もしていく、そうありたいと感じた。
    結末にも記載があったけれど、コロナは大変なパンデミックであるけれど、情報に疑問を持ち自分たちで考え行動するキッカケになったのは感じる。
    劇的に良くならなくとも少しずつ社会が良くなるよう小さな一歩を踏み出していくことが

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    2024年03月06日
  • その世とこの世

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     本書は、「図書」連載「言葉のほとり」(2022年3月号~2023年8月号、岩波書店)に、奥村門土さん描きおろしの挿画を加えて書籍化した、谷川俊太郎さんとブレイディみかこさん、お二人の往復書簡を収録したものになります。

     とは書いたものの、私、ブレイディみかこさんの著書を読むのは初めてで、タイトルはよくお見かけするから知っているのですが、中々、読んでみようという気にまでならなくて、本書については、猫丸さんのおすすめがあったことと、谷川さんと往復書簡するのだから、さぞ凄い方なのだろうなと思っていたら、その通りでした(笑)。

     ということで、まずはブレイディさんについて、書いていこうと思います

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    2024年02月25日
  • その世とこの世

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    ネタバレ

    ページの余白や行間が多くとってあるため文量は少なく、かつ、非常に読みやすい日本語なので、サッと読める。

    ブレイディさんが書いた手紙を谷川さんが受け取り、谷川さんは受け取った手紙の一部からとあるテーマへと話題が広がる返信&詩を送る。
    それを受け取ってブレイディさんがまた別の話題へと展開する手紙を書く、といったやりとりで、往復書簡だけれども、明確に返事しあってないところが興味深い。
    詩というものは私にはあいまいで、メッセージを伝えたいのか、情景を描いているのか、それとも気持ちの吐露なのか、よくわからない(谷川俊太郎さんは好き。PEANUTSの翻訳が最高)。
    にも関わらず、この書籍を読んで

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    2024年02月24日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    自伝を含めての私小説。
    読んでいると本当にブレイディさんが経験されてきたことなんじゃないかなと思うくらい惹き込まれた。

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    2024年02月24日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    自伝的要素たっぷりのフィクションだそうだ。ブレイディみかこさんがどんなふうにシットジョブで働いてきたのかがよく分かる。ライターという才能があったからこそ、そこに光をあて、こんな僕にも知ることができ、言語化された世界が見ることができた。ブレイディみかこさんはイギリスに行かなかったとしても、たぶん日本でもそんな人たちの側にたって応援する人になっていただろうと感じる。

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    2024年02月22日
  • その世とこの世

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    「静かだが、沈黙に与していない」…日々過ごしていることは命の果てに近づくことでもある。寿命が尽きたその後は、「この世」に自分はいなくなる。「あの世」に行きつくその前に、”That”でも”This”でもなく、「その世」がある。とどまることのできない、つかの間の時間。視覚も触覚も使えない。聴覚だけが働く。音楽が大気に包まれて統治している。…半世紀と少し生きてきた「散文の人」が問いかけると、一世紀近く生きてる「詩人」が詩を送る。ウィーンのヒトラーの話を持ち掛けると、「他人だらけ」と応答し、二人は書簡を終える。

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    2024年02月17日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    NHKで放送された時も見ていたけど、こうやって本になって文章で読めるなんてたまりません。
    面白かった。こういうがっつり真面目な話を聞いたり読んだりするのが好きです。

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    2024年02月12日
  • その世とこの世

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    谷川俊太郎さん×ブレディみかさんの対談ではなく、文通という形式が密やかな感じでよかったです。
    2人の話題は時に絡まり、時にそれぞれの方向へと向かいながら、自由に進んで行きます。
    どちらも好きな作家さんなのに、同じ日本語なのに、こんなにも違う二人の紡ぎ出す言葉を噛み締めました。

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    2024年01月24日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    同著者ベストセラー『ぼくイエ』と表裏をなすおっさん達のペーソス。

    ブレイディみかこさんの周りの悲しくも愛すべきおっさんのドラマ+αで構成されています。

    ブレイディさんのベストセラー『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』と背中合わせ・表裏一体のような作品です。イギリスの階級社会を、学校の子どもたちを通して見つめるか、ストリートのおっさんたちを通して見るかという視点の違いがおもしろい両作ですが、今作のおっさん目線のほうが「老い」をイメージさせたり、悩みの質がより現実的だったり深刻度が高いため(子どもも子どもなりに深刻ですけど)、胸に堪えるコク深い内容になっています。『ぼくイエ』の子ども

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    2024年01月10日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    「会社勤めのホワイトカラー。客に直接接する業務でなくて、コロナ禍ではリモートワーク」。そんな人が本書を読みとくのは、シンパシーかエンパシーか。自分の仕事もなくては困るかけがえのないものと、そうと思いたい、たとえ現実は違ったとしても。…「自分だけなにか違った属性に見られている」。時々感じる職場での疎外感。”薔薇よりパン”。生活のためには稼がねばならぬ。賄ってくれる人に媚びへつらい失礼されることを売る。誰もが”シット・ジョブ”をしてる?でも、気づかねばならない。誰かを軽くみていないか?身近にいる誰かを。

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    2024年08月04日
  • リスペクト ――R・E・S・P・E・C・T

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    声をあげなきゃ駄目なんだ 人は潜在的に支配されたがっている。特に日本人は考えることを学習してこなかつたのでその傾向が強い。
    立ち上がれ、日本!

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    2026年01月03日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    おっさん観察エッセイかと思ったら、読み進めるうちにブレグジットに詳しくなるという、不思議な一冊でした。

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    2023年10月21日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    英国で保育士として働く日本人の視点、ていうだけですごく特別で面白かった。こうゆう経験からブレイディみかこさんの考え方が出来上がってるんだなぁと感じた。

    ケリーのコスプレの話、バス遠足の話、日本の保育園児との差の話が印象的だった。
    大変な家庭の子が早熟だったりするのって、必然なんだなぁと感じた。託児所に行く年齢の子達が、如何に親の考え方や生活に左右されるかを考えると切なくなる。

    外国人のお母さん達の生活保護受給英国人に対する態度の話も、そりゃそうだろうなと思った。海外で働いて生活して子ども育ててくメンタリティ持つ女性たちだものねぇ。

    色々思うことはあったけど、内容が2000年代、2010年

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    2023年10月17日
  • 両手にトカレフ

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    ぼくイエを読んだからミアがどういうところにいるのか、何を考えているのかを考えると苦しくなった。ウィルが言っていたような「聞いた側も無傷ではいられない」というような感じ。
    大人を頼れない、信用できないと世界も心も閉ざされてしまうというの、よくわかる。子どもの頃に頼れる相手がいるかどうかってかなり重要だと思うし、他の道を示してくれる大人がいたら…と少しだけ自分の子どもの頃と重なった。

    恥ずかしながら金子文子のことは知らなかった。女性のアナキストは伊藤野枝なら知っていたけど、共通して若くして亡くなっているんだね。
    ミアの物語と並行して文子の物語も進んでいったけど、あそこから刑務所に収容されるまでは

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    2025年05月22日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    コロナ禍の数年前、未来がわからない時に書かれた文章を一応社会が再び動き出した時に読む。そこには色々な気づきがあると思いました。

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    2023年10月04日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    観光でイギリスに行っていたなら、表層のキラキラしたところしか見えなかっただろう。市井のおじさんの暮らしや考え方や感じ方かみえて
    本当に新しい世界を見れた感じ。

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    2023年10月04日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』とはコインの裏表のような作品だった。階級社会・英国のリアルなおじさん世代の声・生活が映し出された作品。

    ・君が僕を知っている(ブレイディさんの親父さんと母を失ったスティーヴが犬で救われ、結局わんこにはかなわないという話)、

    ・ときめきトゥナイト(失業したサイモンがコンマリメソッドにハマって片付けに没頭する話)、

    ・Hear Me Roarーこの雄叫びを聞け(ジャッキーが1人でDI Yに励み、家を売りに出すが売れず、躁鬱状態になり、とんでも無い絵を描く話)、

    ・Killing Me Softlyー俺たちのNHS( NHSの待ち時間がとんでもな

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    2023年09月23日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    日本は社会を信用できていない。
    その一節がとても腑に落ちた。信用できる社会にするために、それぞれが出来ることは何か、実行可能なことから始めてみる大切さを改めて考えさせられる一節だった。
    若干情報不足を感じる部分もあって、これは他の書籍などからも比較しないとなと思う。

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    2023年08月13日
  • オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS

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    そして,今回も撃ち抜かれた.だって
    オンガクハ,セイジデアル
    だよ?
    それ,高校生のオレが周りに白い目されながら主張してたアレじゃん!(笑)
    感じ取る嗅覚が似てるならちょっと嬉しいけど,人間と社会と自分をこんなにフラットに受け止めて,愛ある表現で文章にできるなんて,遠く及ばない.
    それに,生活の全て,目に映るもの,手で触れるもの,五感で感じる全てがシームレスに政治につながっている,政治は生活のリアルで,無関係なんじゃないって事をここまで書き切れる作家さんって,他に例を知らない…

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    2023年07月20日