ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    今までのノンフィクション作品の、キモみたいなものを集めてフィクションの短編集にしました、みたいなものだった。
    自身の経験に裏付けられているだろう内容。
    イギリスでは労働者階級なるものがあって、ヒエラルキーが形成されているようだが、現代にも根深く残っているんだろうか。
    日本でも介護や保育系の職種は薄給のイメージがあるが、もっと高級でもいいと常々思っている。
    一番印象的だったのは、「失礼は金になる」というワード。真理をついてるなと思った。

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    2024年02月05日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    人生綺麗なものばかりじゃないと思っているが、それがよく現れている小説。荒くて激しい。でもそれが真実。
    人間が生きていくためには、どこかで「他者のケアをする仕事」が必要になる、必ず必要な仕事なのに低く扱われてしまう、そのことを考えさせられた。

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    2024年02月03日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    ネタバレ

    なんか急に核心をついたりするので、驚いた。

    〈第三話 売って、洗って、回す〉
    何も考えず、何も感じない。
    それは全体のPIECE(欠片)になることによって得られる究極のPEACE(平和)。

    〈第五話 ソウルによくない仕事〉
    あなたが自分を愛してないのが仕事のせいなら、やめたほうがいい。自分を愛するってことは、絶えざる闘いなんだよ

    自分のソウルによくない仕事はやめるべき

    〈第六話 パンとケアと薔薇〉
    ケアというのには双方の人間が必要なんだ。ケアする方とされる方、双方の人間がいてポジティブな精神的電波が生まれる。この電波こそが、人間が今日まで生き延びてきた原動力になったというは人もいる

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    2024年02月03日
  • その世とこの世

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    谷川俊太郎さん×ブレディみかさんの対談ではなく、文通という形式が密やかな感じでよかったです。
    2人の話題は時に絡まり、時にそれぞれの方向へと向かいながら、自由に進んで行きます。
    どちらも好きな作家さんなのに、同じ日本語なのに、こんなにも違う二人の紡ぎ出す言葉を噛み締めました。

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    2024年01月24日
  • その世とこの世

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    「その世」という言葉に惹かれ書店で手に取った
    谷川俊太郎さん、ブレイディみかこさん
    お二人とも大好きだし

    往復書簡であるがそれにこだわりなく
    手紙を綴っているのが とてもいいなあ
    返信のようでもっと自由で
    それでいて相手への敬意が伝わってくる
    とてもいいなあ

    出会わず、それぞれの暮らしを背景に重ねた
    詩と文による言葉の逢瀬
    とある

    はさまれた絵がグッとくる

    ≪ 時々は あわいの世界を 訪ねたい ≫

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    2024年01月02日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    同著者ベストセラー『ぼくイエ』と表裏をなすおっさん達のペーソス。

    ブレイディみかこさんの周りの悲しくも愛すべきおっさんのドラマ+αで構成されています。

    ブレイディさんのベストセラー『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』と背中合わせ・表裏一体のような作品です。イギリスの階級社会を、学校の子どもたちを通して見つめるか、ストリートのおっさんたちを通して見るかという視点の違いがおもしろい両作ですが、今作のおっさん目線のほうが「老い」をイメージさせたり、悩みの質がより現実的だったり深刻度が高いため(子どもも子どもなりに深刻ですけど)、胸に堪えるコク深い内容になっています。『ぼくイエ』の子ども

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    2023年12月14日
  • その世とこの世

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    本のつくりが丁寧。
    それぞれの手紙の章の最後に描かれている挿絵がよい
    ブレディみかこさんの文章がいつもながらうまい。
    あと、本の中ではひとつの話題でしかないが、トランスヒューマンという考え方について衝撃をうけた。

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    2023年12月09日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    「会社勤めのホワイトカラー。客に直接接する業務でなくて、コロナ禍ではリモートワーク」。そんな人が本書を読みとくのは、シンパシーかエンパシーか。自分の仕事もなくては困るかけがえのないものと、そうと思いたい、たとえ現実は違ったとしても。…「自分だけなにか違った属性に見られている」。時々感じる職場での疎外感。”薔薇よりパン”。生活のためには稼がねばならぬ。賄ってくれる人に媚びへつらい失礼されることを売る。誰もが”シット・ジョブ”をしてる?でも、気づかねばならない。誰かを軽くみていないか?身近にいる誰かを。

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    2024年08月04日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    おっさん観察エッセイかと思ったら、読み進めるうちにブレグジットに詳しくなるという、不思議な一冊でした。

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    2023年10月21日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    英国で保育士として働く日本人の視点、ていうだけですごく特別で面白かった。こうゆう経験からブレイディみかこさんの考え方が出来上がってるんだなぁと感じた。

    ケリーのコスプレの話、バス遠足の話、日本の保育園児との差の話が印象的だった。
    大変な家庭の子が早熟だったりするのって、必然なんだなぁと感じた。託児所に行く年齢の子達が、如何に親の考え方や生活に左右されるかを考えると切なくなる。

    外国人のお母さん達の生活保護受給英国人に対する態度の話も、そりゃそうだろうなと思った。海外で働いて生活して子ども育ててくメンタリティ持つ女性たちだものねぇ。

    色々思うことはあったけど、内容が2000年代、2010年

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    2023年10月17日
  • 両手にトカレフ

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    ぼくイエを読んだからミアがどういうところにいるのか、何を考えているのかを考えると苦しくなった。ウィルが言っていたような「聞いた側も無傷ではいられない」というような感じ。
    大人を頼れない、信用できないと世界も心も閉ざされてしまうというの、よくわかる。子どもの頃に頼れる相手がいるかどうかってかなり重要だと思うし、他の道を示してくれる大人がいたら…と少しだけ自分の子どもの頃と重なった。

    恥ずかしながら金子文子のことは知らなかった。女性のアナキストは伊藤野枝なら知っていたけど、共通して若くして亡くなっているんだね。
    ミアの物語と並行して文子の物語も進んでいったけど、あそこから刑務所に収容されるまでは

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    2025年05月22日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    コロナ禍の数年前、未来がわからない時に書かれた文章を一応社会が再び動き出した時に読む。そこには色々な気づきがあると思いました。

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    2023年10月04日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    観光でイギリスに行っていたなら、表層のキラキラしたところしか見えなかっただろう。市井のおじさんの暮らしや考え方や感じ方かみえて
    本当に新しい世界を見れた感じ。

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    2023年10月04日
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

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    『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』とはコインの裏表のような作品だった。階級社会・英国のリアルなおじさん世代の声・生活が映し出された作品。

    ・君が僕を知っている(ブレイディさんの親父さんと母を失ったスティーヴが犬で救われ、結局わんこにはかなわないという話)、

    ・ときめきトゥナイト(失業したサイモンがコンマリメソッドにハマって片付けに没頭する話)、

    ・Hear Me Roarーこの雄叫びを聞け(ジャッキーが1人でDI Yに励み、家を売りに出すが売れず、躁鬱状態になり、とんでも無い絵を描く話)、

    ・Killing Me Softlyー俺たちのNHS( NHSの待ち時間がとんでもな

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    2023年09月23日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    日本は社会を信用できていない。
    その一節がとても腑に落ちた。信用できる社会にするために、それぞれが出来ることは何か、実行可能なことから始めてみる大切さを改めて考えさせられる一節だった。
    若干情報不足を感じる部分もあって、これは他の書籍などからも比較しないとなと思う。

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    2023年08月13日
  • オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS

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    そして,今回も撃ち抜かれた.だって
    オンガクハ,セイジデアル
    だよ?
    それ,高校生のオレが周りに白い目されながら主張してたアレじゃん!(笑)
    感じ取る嗅覚が似てるならちょっと嬉しいけど,人間と社会と自分をこんなにフラットに受け止めて,愛ある表現で文章にできるなんて,遠く及ばない.
    それに,生活の全て,目に映るもの,手で触れるもの,五感で感じる全てがシームレスに政治につながっている,政治は生活のリアルで,無関係なんじゃないって事をここまで書き切れる作家さんって,他に例を知らない…

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    2023年07月20日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    世間と社会については面白かった。
    また、「ぼくはイエローで〜」にもあったが、特に教育という点でイギリスと日本の差を知った。日本の教育は遅れてるなと思わされる所が沢山あった。
    また、多様化にはエンパシーの能力を育てることが大切とのことで、そのためには演劇が有用だというのは納得できた。演じることで人の立場を考える事ができ、まさしくエンパシー(他人の靴を履く)が育むくとができる。
    他にもブルシットジョブの話も面白かった。

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    2023年07月06日
  • 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち

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    なんか小難しい本を読むより、読みやすい!身近に感じられる言葉遣いのおかげかな。ぶち上げるとかぶっ飛んだとか(笑)感覚的なもので理解しやすかった。日本は半世紀から一世紀くらい、他の国から遅れてる気がするな(もっとかな?)政治関連のわかんないと思ってた言葉が理解できた!ムスリムかぁ、フェミニズムとか左派とか右派とかやっと理解できてきた?!と思ってたけど、世界は進んでいてことはやはり複雑なんだな。読んでみたい本も出てきて幸だった。ブレディみかこさんだいすき!

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    2023年06月30日
  • THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本

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    2016年刊。書籍の題名と内容が結び付かなかったが、これは直ぐにわかる。英国保育士とは筆者の事で、日本人だが英国人と結婚し英国住まい。子供の養育環境の改善と養育の質の底上げが必須と判断した政策により英国で保育士資格を取った方。
    内容は保育に限らず、年代・性別・障害の有無など別として、政策・経済からの影響の大きさや形、国政対応の様々な方針と結果。デモや施設見学やら体験やらインタビューやら、盛り沢山の中から様々な考察が成される。
    意外と身近で見えている筈の物を見ていない自分が恥ずかしくなったり、やっぱ日本ってダメ?と思ったり、イヤイヤ全面的に駄目でもないよとか。色々知らなかった事、信じられないよう

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    2023年06月25日
  • オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS

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    高校生の頃の私はイギリスの上流階級に憧れて、紅茶を嗜んだりしていたけど、歳をとるにつれて自分はワーキングクラスなんだなと嫌でも自覚している。

    多くの日本人にとってイギリスは歴史と文化のある国で、旅行にしても住むにしてもいいんじゃないかな〜と漠然と思う場所になっているはずだ。

    ブレイディみかこの本を読むと、イギリスには階級意識というものがしっかり根付いていて、地べたの人たちはそれは酷い暮らしをしてると言うことが思い知らされる。

    でもその中でみんななんとかやっていて、毎日絶望しているわけではないけど、でもそんなに夢見る場所でもないという感じ

    Bread and rosesってどこかで聞いた

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    2023年06月22日