ブレイディみかこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「2016年2月の東京を記録する」ために本書は書かれた。
自分のことを「地べたの保育士」で「無学な人間」とおっしゃる、在英のブレイディみかこさん。もとより何らかの「日本の問題点」を探り出し突破口を見つけるなんて、大それたことは想定していない、と。
けれど、この本にはその「大それたこと」に関するヒントがたくさん詰まっている気がしてならない。自分の身の回りのこと、ミクロ(地べた)とマクロ(政治)は直結している。繋がり、声をあげよう。動こう。「実際に自分の目で見たものだけを信用する」ジャック・ロンドンを紹介し、自分もそうありたいとの著者の決意を尊敬し、共感する。今の日本(と世界)を理解するための必読 -
Posted by ブクログ
著者の文章はスっと頭に入ってくるし、ありのままを書いているというか嫌味や驕りがなくて気持ちが良い。
息子さん、13歳だか14歳だかの年齢にしては明らかに大人びている感じがするし、考えることも私が同じくらいの年齢だったときと比べてスケールがだいぶ大きい。私のレベルが低かっただけかもしれないが。
でも、ノンバイナリーとかホームレス避難所拒否の問題から自分なりに考える姿勢、本当に素晴らしいと思う。
で、そんな息子さんのことを褒めそやすでもなく、「息子はこう感じている」等の等身大の文章で、飾らずに書いてくれるところが良いのだ。
息子、すごいなと思ったのは、冒頭のリサイクルの話だった。
「リサイクルす -
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「ファクトリーウーマン」
「リトルパンプキンの怪文書」
『焼き芋とドーナツ』
『むずかしい女性がかえてきた あたらしいフェミニズム史』
『ducks 仕事』
p.53 言うと、彼女はきりっとした顔つきになってこう言ったことがあった。
「運だけじゃない。自分をオープンにしていたからです。自分を開くと未来のほうからこっちにやってくる。若くてどん底にいたときは、生き延びるために自分を開くしかなかったから、あの頃のわたしは最強だった」
もし彼女が80代だったとしたら、このわらしべ長者ストーリーは1950年代後半から60年代ぐらいの話だ。わたしが若い頃、日本でバイトを掛け持ちしてお金を貯めては渡英し -
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日本にいると気づかない事が多くて驚く。
文句ばっか言ってないで皆んなで力を合わせて女性の環境を変えなずっと変わらん、と思わされた。
具体的にどうやったらいいのかはわからんけど…
以下、印象的だった箇所を自分用の備忘録として記録。
◯エンパシーとは見たいものだけを見たり想像したりすることではなく過酷な現実にも目を向けなければいけない。知ることで視野が広がり目を見開かされる。
◯歴史は男性目線や男性が主人公の事が多い。(確かにそう)
それを支えた女性や草の根活動、変革を起こした人もいるはずなのに描かれていない。
声無き声を無いものとしてはならない。
描かれてないことの方が多い。
◯AIは事 -
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ネタバレコロナの頃だし物価もまだ上がってない時代の出版なので噛み合わないところもあったが面白く読んだ
以下引用↓
鴻上
小学生の飲料補給は先生が許可した時のみ
お茶か水でスポドリはダメ
勝手に飲むな!飲みたかったら飲んでいいのか!と言う引率の先生すごい
鴻上さんの悩み相談…経済的に発展してる時は悩みも割とたいしたことないって笑い飛ばせる。“絆”“つながり”という言葉が出てくるときは不況。高度経済成長のときは今よりもいろんな意味で縛りが強かったけどどうせ未来は良くなるんだからと楽天的になって、破天荒な人間も多かった気がする。
でも今はみんな出口の見えない中にいるから悩みがどんどん深刻化して内向化してい -
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殺菌洗浄されていない女性たち
→よい言葉、誰もが間違うし、偉人だってやばい面がある、でもそれと功績は共存する
女性の指導者であることと政策は別
彼女たちのフェミニズムが強くて野心のある彼女たちのような女性だけを受け入れるなら、結局差別だよな
ブラザー(男性たち)フット
→人間は助け合いが根底にある生き物だと最近どこかで読んだ
SNSにおけるミソジニーが「女叩きをした方が盛り上がって儲かるから(=炎上商法?)」が起点になってるということは、我々がいくら呼びかけても無駄ってことか
お金儲けに利用されて苦しい思いをするなんて悲しすぎる
「あんまりお互いを不自由にすることを言わないようにしよ