【感想・ネタバレ】リスペクト ――R・E・S・P・E・C・Tのレビュー

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Posted by ブクログ

恥ずかしながらジェントリフィケーションという言葉を初めて学んだ。シングルマザーは日本でもイギリスでも大変よね。戦うママたちがかっこよくてしびれたなあ。

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2024年06月04日

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本作は英国にて2014年に起きた公営住宅占拠事件を基にしている。何という熱さか! 「敬意」。ストレートに喰らわせてくるタイトルだ。
背水の陣である彼女たちの熱さにはとてもじゃないが敵わない。
一人の声が世論を、ひいては世界を動かす。重要なのは「つぶやき」ではなく腹の底からの「咆哮」なのだ。必読の一冊である。

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2024年04月09日

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2012年のロンドンオリンピック、緊縮政策の煽りを受け、2014年にロンドンで実際に起こった占拠事件をモデルにした小説。高級マンションに建て替えるために退去を迫られたシングルマザー達が立ち上がり、公営住宅を占拠し、空き家だらけで放置されている公営住宅があるのに、そこに住めずホームレスになるのはおかしいと訴える。

占拠拠点に多くの賛同者が集い、支援物資が集まって必要な人が自由に持ち帰り、できる人が無償で公営住宅の修繕をし、お金を介さない相互扶助、自治機能が働いたことに驚いた。多くの人に理不尽さの訴えを届けることで、自分たちの問題を自分たちで解決していく若いシングルマザー達が爽快で一気に読んだ。

ロンドンで起こった事件のことも、ジェントリフィケーションという言葉も知らなかった。都市の再開発や所得格差によって生じる問題について考えさせられた。高所得者しか住めない都市であっても、生活に密着した産業(小売、交通、育児・介護など)に従事する人は必ず必要で、概して低い給料で働いている人たちが居住できなければ都市機能が成り立たなくなってしまう。

自分をリスペクトできる行動をしていこう。始めは些細なことでも誰かの役に立って周りの世界を少しでもよい未来にできると信じて。

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2024年01月06日

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人に勧めたい本だ。最初の
『政府や自治体が権力を持っているのは、人々にのためにその力を使うためです。それを使って人を脅かしたり、人々から何かを取り上げるためじゃない』の演説から痺れた。 
そしてタイトルにもなってるリスペクト。人は誰しも尊厳を持っていて、それを失うことを恐れているし、誰もその人の尊厳を侵すことはしていけない。男性とか女性とか関係なく、そんな当たり前の事を改めて教えて貰えた気がした。
思うと『容姿』『年齢』『言動』『生活スタイル』など、相手にリスペクトを持たずに勝手に上から目線でのコメントが多いように見受けられる。
どんな相手にもリスペクトを持ち、自分自身の尊厳を『仕方ない』で諦めないように、自分の中にある薔薇を常に咲かさていきたい。色々噛み締めたい本だった。

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2024年01月02日

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突然のまったんにびっくり。アレサ・フランクリン聴いたり、サフラジェット、シルビア・パンクハーストに興味沸いたり。刺激的!

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2023年12月12日

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事実をベースに創作されたフィクション。みなさんの書評を読んでいると、小説ではなくノンフィクション(またはエッセイ)で良かったのでは、と書いている方が居たけれど、日本語の読者に、生活は政治に直結しているのだ、と「より分かりやすく」したかったためかなと思いました。それと、事実や数字だけが記録に残っていくけれども、そもそもその行動を起こした人たちの生活や、苦しみとやりがい、運動が大きくなっていき力を持つにつれて始めた当初の思いとは別の勢いに押し流されそうになる葛藤などを生々しく描くには小説という形式が良かったのかもしれません。大変読み応えがありました。作中に出てきたアナーキズムの解説に目から鱗。「無政府主義」という訳語では表しきれない、もっと広い、おおもとの考え方(生き方)なのだと分かりました。地方で暮らすということもアナーキズムの裾野の端っこの方に引っ掛かっているのだな、と思ったりしました。面白かったです。

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2023年11月24日

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こちらもリスペクトされたいものだなど思うことは色々ありますが、他者へのリスペクトを忘れずに生きていこうと思います。

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2024年04月08日

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ネタバレ

ジェイドが父親を思い返すところを読んで、生活保護で生活していることを恥だと自分も周りも思ってしまうおそろしさ、悲しさを感じた。日本にも当てはまると思った。必要な人に必要なものを分けあえる世界になってほしい。
リスペクトのないところに尊厳はなく、尊厳のないところで、人は生きられないというところに、強く共感した。

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2024年03月30日

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よその国のことではないような気がする。違うところは、抵抗して戦う人たちがいるかどうか。その運動が広がりを見せるかどうか。そこが全然違う気がする。そして、一部戦う人がいたとして、それに連帯する人々がいるのか。自分たちがまさに壊されようとしているというのに、それに向かって抵抗するわけでもなく、ただただ受け入れ、我慢する。それだけならまだしも闘う人たちに連帯どころか冷ややかな言動を取る。自分たちはまだまだ大丈夫と思っているのか。
ブレイディさんは「いつまでボーッとしてるんだよ、(富裕層でない)日本人」と思って、これを書かれたのではないか。

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2024年03月28日

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英国に住んでいる著者ならではの視点で英国の低所得者への緊縮財政の影響を描いた小説。ロンドンのホームレス用の公共施設で生きているシングルマザーが立ち上げた運動を軸に話しが進んでいき、「自分たちを可哀想な人」としてアピールしたいわけじゃないのにと運動が広くし周知される中で悩むシングルマザーのジェイドと女性ながら日本の新聞社のロンドン支局で働き仕事にも食べ物にも困ったことがない史奈子の対比も面白い。

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2024年03月17日

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2013年にロンドン東部で実際にあったホームレスで若いシングルマザー達による公営住宅の空家占拠・開放活動を元にしたフィクション。

長くイギリスで暮らす作者だけに、登場するシングルマザー達の怒り、悔しい思いや、彼女等の活動をサポートする昔の活動家達の応援したくなる思い、そして現地駐在の日本人若手女性新聞記者が初めは戸惑い乍も次第に理解し影響を受けていく様等が、リアリティ持って伝わってくる。

そんな事(行政に対する反対運動を繰り広げる事)したって世の中何も変わらない、という常識的諦念を突き破って社会の最下層にいる弱者たる若いシングルマザー達が裁判で勝利を掴み、更に活動を続けるという感動的ほぼ実話であるという事だけでなく、現在の行き過ぎた資本主義によって生じている社会の歪みに対して斎藤幸平さんが説く社会的コモンを充実させる事の有用性、正しさについても感じさせるストーリーであったと感じる。

それは、①記者の史奈子が占拠の現場で所有権について悩む一方で人々が修理等のサービスや物を無償でやり取りして回っている事②彼女達が占拠した公営住宅は何年も空家状態だったにも拘らず開放していなかったのだが、これは行政からすればより高く売ってジェントリフィケーションに繋げたいからであり、この発想はもう資本主義の負の面に毒されていると言え、行政が本来目指すべき「全ての住民が屋根のある場所に住める様に、手頃な家賃の住宅を提供すべき」事が出来ていないのが実態だったりする事、等から感じた。

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2024年02月22日

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ネタバレ

支配されるのは実は楽。何も考えなくっていいから。
仕事を始めてからの2年間、私はずっと支配されて生きてるなーと。それが楽だし、それで生きていけてしまうから。
それじゃだめだー自分で自分の価値を下げている!!!
と思わせてくれる本当だった

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2024年02月20日

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『自然にまっとうに自分たちでできることを、できないって思い込めば思い込むほど、支配する者たちの力は強大になる。おまえらにはトイレ一つ直せないんだから、俺らに任せとけって勝手になんでもかんでも決めるようになる。そうやって権力は、俺らが、つまり人間が本来持っている力を削いでいくんだ』

という言葉がすごく心に響きました。
できないって思い込んでいることにすら私は気づいてないのかもしれないとさえ思いました。

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2024年02月10日

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E15ロージズ、格好良い。
日本で、こういう感じないかもだけど、だんだん日本の女子もものが言えるようになっているかも。か、二極化かな。いろいろと。

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2024年01月21日

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この方の本は何冊か読んでてイギリスの現状も知ってるつもりでロックファンとしても共感する部分は多いのですが、シングルマザーとか貧困の連鎖とか身近にないし本質的な問題がどこにあるのか分からず今回はなかなか腹に落ちなくて自己嫌悪。「リスペクト」の本質って難しいです。政府の怠慢を棚に上げて「自己責任」とか「自助」とかが幅を利かせてる日本にもこんな時代が来るんですかね。と言うかもう来てるんですかね。それに人として正しく振る舞えるように、感性を磨いていたいけど。

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2024年01月21日

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「住」を奪われようとしたシングルマザーたちが自らの「尊厳」を取り戻すために闘った実話を元に書かれた作品。閉塞した社会状況で鬱々している私たちに勇気を与えてくれる物語だ。しかしロンドンオリンピックのシンボル「アルセロール・ミッタル・オービット」をネットで確認したけど、確かに不気味な建造物だ。大阪万博のマスコット「ミャクミャク」に通づるものがあるわ。

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2024年01月20日

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「公営住宅の修繕費が嵩むから閉鎖」そこから追い出されようとしている、シングルマザーたちが立ち上がるストーリー。
私の住む宮城県でも知事が県営住宅の廃止の方針を打ち出している。こちらは年金生活の高齢者が多いのだけど、そこに住む人々をリスペクトしない行政は国が違っても同じと感じた。

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2023年12月28日

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ネタバレ

アナーキーは男の特権というのがなんかすごく刺さった。水道修理の自分でできることがあるかもの話とか。何かを伝えるのに小説を書く人もいるのだな。

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2023年12月23日

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ロンドンの占拠事件をモデルとした小説です。私と同年代のシングルマザー達が地方自治体の予算削減の為にホームレス・シェルターから退去を迫られたことに疑問を持ち声をあげる姿に感銘を受けました。
世界には家を失い故郷を追われる人々が存在する事を知ってなんともやるせない気持ちになりました。

住宅不足、家賃の高騰、世代間格差、都市部のジェントリフィケーション、女性の貧困問題、反緊縮……この本を読むまでは知らなかった(⁠+⁠_⁠+⁠)

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2023年12月22日

Posted by ブクログ

ロンドンオリンピックの影で住むところを追い出されたシングルマザー達が使われていない公営住宅を占拠し、自分達の権利を主張し戦っていく物語。
この本を読んでなかったなら知る由もなかっただろうし、凄く勉強になりました。
社会性の強い内容なのでなかなか読み進めなれないだろうなと思っていましたが、史奈子と幸太という日本のジャーナリストが登場してからは拍車が掛かったように面白くなりました。
知らず知らずのうちに自分も社会に支配されているんだなって思ったら怖くなりました。
この物語に出てくる人達の行動力にはリスペクトしかありません。

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2023年12月20日

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この本を読んで、先ずはとても勉強になったと思う。
実際にロンドンであった、公営住宅地の空き家占領・解放活動に着想を得た小説であるということだが、全く知らなかった。
『ジェントリフィケーション』『スクウォッティング』など
新しい知識が増えたことは、読んだからこそ知り得たことである。

最後に史奈子が言う「生きるために…私たちは自分を生きるために抵抗していかないといけないんだ」が心に響いた。

日本も今後、富裕層と貧困層の二極化が進んで行くのでは…と言われているが、どうなって行くのだろうか?

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2023年11月28日

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アナーキーとは何か。

特別な人たちが行なっている?
暴力的な行為?

この作品では、そうではないことが描かれている。

リアルな現場を舞台にしたフィクションで、
ノンフィクションを読むより、イメージしやすく、読みやすかった。

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2023年11月24日

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この著者らしい内容だけど、この著者らしい読みやすさだった。普段こんな危ない?活動には興味もなく縁遠い私が読んでも、メインキャラに感情移入できるのがすごいな。実際にあった話を元にしているようで、いやー人間が本気で仲間と何かを…ってあるんだなぁと。
元恋人って関係だけど今は同志という2組のカップル(と呼んで良いかわからないけど)の雰囲気がわかるような、わからないような、モヤモヤっとしつつも好きだった。

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2024年05月14日

Posted by ブクログ

ジェントリフィケーション、ソーシャル・クレンジングあまり聞いたことがない単語
住む家を無くしたシングルマザー。
格差を感じ、複雑な気分になった。



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2024年04月13日

Posted by ブクログ

2014年のロンドン。
ジェントリフィケーションと戦うシングルマザーたちの、シスターフッドとアナーキズム。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【あらすじ】
やれるか、やるべきか、じゃない。やるしかないときがある。2014年にロンドンで実際に起きた占拠運動をモデルとした小説。ホームレス・シェルターに住んでいたシングルマザーたちが、地方自治体の予算削減のために退去を迫られる。人種や世代を超えて女性たちが連帯して立ち上がり、公営住宅を占拠。一方、日本の新聞社ロンドン支局記者の史奈子がふと占拠地を訪れ、元恋人でアナキストの幸太もロンドンに来て現地の人々とどんどん交流し……。「自分たちでやってやれ」という精神(DIY)と、相互扶助(助け合い)と、シスターフッドの物語。

【感想】
こういう出来事があった事は知らず、改めて海外でのこういった運動の影響力と強さを感じた。
日本だと何となく諦めていたり、目を瞑ってしまうような事も多いと感じるが、数人の想いや行動がここまで世間を動かしていくのがすごいと感じた。
個人的には史奈子の視点が日本人の目線感として描かれているのかなと感じ、E15ロージズのメンバーの行動力や幸太のようなフレンドリーさやコミュニケーション力がとても羨ましく感じ、そういう風に生きていきたいなと。
ジェイドの活動が良くも悪くも周りに影響を与え、本人の想いとは違う部分で悪い影響が出てしまったり勘違いされる事に世間の難しさというか人の目に触れるのが増えていくにつれ伝わりづらくなったり、本質が見えなくなってしまうのがもどかしい。
ロブとローズのエピローグも渋かったし、エピローグもとてもよかったです。

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2024年02月01日

Posted by ブクログ

こんな運動があったことを初めて知った。声をあげること、そしてそれを継続していく事は、大きなエネルギーが要る。生きるために抗う、戦う権利について考えさせられた。自己責任という言葉に誤魔化されてはいけない。

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2024年01月31日

Posted by ブクログ

ジェントリフィケーションという言葉を初めて知りました。ブレイディみかこさんの作品を読むと、初めて目にする言葉が毎度あります。その後はよく耳にするようになる気がしますが、知らなかっただけで情報を受け取ることができていなかったのだと思います。
リアルな社会問題の描写も軽妙な語りなので、スルッと入ってきます。

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2024年01月14日

Posted by ブクログ

ロンドンの街はこれから高く売れる土地になるので、地方自治体は、そこに住むホームレスシェルターの住民たちを「北部に住むところを用意したから撤退しろ」と迫られるところから始まります。
そこに住むホームレスは働いても家賃が払えない低所得者で、事情によりシングルマザーが多く、オリンピック後、再開発途中で空き家のたくさんある中、使われていないシェルターに無断で住みつき始めた仲間のお話しです。

法的には不法侵入罪などで所有権のない人が空き家に住み着くのは一般的な日本人には理解できない人もいると思いますが、そこをどうストーリー仕立てで、肯定的に表現できるかがポイントだったと思います。
わたしは斎藤幸平さんの本や、ここでも登場したデヴィッドクローバー(デヴィッドグレーバー)さんのブルシットジョブの本を読んでいたせいか、納得できる訴えだったと思います。
人間本来の姿だと思うし、近い将来の東京23区、大阪市、札幌市、博多市、名古屋市も同じことが起きてもおかしくないと思いました。

面白かったのは、そこを取材したい新聞社の志奈子に対して上司とのやり取りです。
新聞を読んでいるのは高齢者ばかりだから、新しい情報より今まで通り肯定的だったり共感的な安心させる記事でいいからと。当たり障りない平成時代の日本社会にそっくりでビックリしました。(大企業はもしかしてまだ続いているかも、、)

あと百年前からある「パンと薔薇を」という労働者のフレーズが素敵ですね。
パンは動物的で、薔薇は人間的に思えて、どちらも必要なことを訴えていました。
でも日本では「薔薇はいらないから、その分パンを2倍に!」と言う人が多いかもしれませんね。

本を読むのは、薔薇だよね?

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2023年12月28日

Posted by ブクログ

いかに自分に正直に生きるかがテーマかな
能力はあるのに日本のシステムの中に
埋没して生きる女性
シングルマザーで住みかを追い出されようになった
イギリス女性が行政にもの申し
それは多くの人を巻き込んでついには裁判にも
勝利し住みかを得る
待遇はいろいろだったけど
住みかは個人の尊厳といい
運動を小さくなってもやり抜いていく
そんな行動力のある女性達の物語

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2023年11月15日

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