ブレイディみかこのレビュー一覧
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ネタバレいわた書店さんの「一万円選書」でご選書いただいた一冊。「英国のおっさん事情」がポップに優しく哀しく…愛情たっぷりに綴られた一冊。「EU離脱」「国民保険」など(当然だが)日本と異なるお国事情に触れることができる。心に残った一節を。「あなたの世界はあなたが残してきたすべての小さなものたちにすぎない」(P218)自分は今年51歳を迎えた。日本で言うところの「第二次団塊世代」。英国では「ジェネレーションX世代」と言われるようだ。「いい時代を生きた声のデカい世代」と「覇気のないやる気のない世代」の間に存在している世代。「政情がどうであろうと時代がどう変わろうと俺たちはただ生き延びるだけ」(P308)19
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個人的には★5に近い。好みは分かれそうな本。
舞台はロンドン。宅地の価格が上がり、低所得者層には賃貸に住むこともできないような状況になっているなか、シングルマザーのジェイドたちはホームレス・シェルターを追い出されることになる。理由は土地を一括で売って富裕者層のマンションにするため。気づいたらおなかに子どもがいるような育ちで、堕ろしたくないから産んで、一人だと育児しながら働けず生活保護うけて、なのにここを追い出されたら誰一人知り合いもいないような住居費のやすい北部に行けってこと?おかしいのにおかしいって言わないからこんなことになるんじゃないの?
実際にあった事件をモデルにした小説。運動を始めたシ -
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ネタバレコロナ禍 in UK.
2021年4月~2024年3月の雑誌連載のエッセイを纏めた一冊。
公園はパンデミック関係なくちょっと危険だったり、移民が多いだけあって自分の国に帰っちゃう人が多かったり、日本とは少し違っているコロナ禍や、ご主人の闘病、息子さんの成長などブレイディさんの日常が綴られている。
「一人でもあなたの行為を受けて助かる人がいれば、それは善です」(P155)はしっかり心に留めておこう。
ブレイディさん、2021年から光村図書のベスト・エッセイに連続で選出されているだけあってどのエッセイも読みやすい上に読ませるなぁ、面白かったです。 -
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「世間」と「社会」の違いを説く鴻上さんと、「ぼくはイエローで〜」の著者のブレイディさんの対談形式の本。
イギリスの教育の紹介などを中心に、日本人が今後どう変わるべきかという方向性が示されています。
「エンパシー」という、その人の立場を想像する能力が多様性には重要という指摘や、機会平等としての「equality」など、数々の指摘が染み入ります。
やはり、子どもの教育って大切だなあと感じました。イギリスが実施している教育が全てとは思いませんが、日本の教育も教師と生徒の相互信頼の下で、自分の頭で考える機会が必要なのではと感じました。
個人的には、ブレイディさんの息子さんが言った「日本人は、社 -
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これまで触れる機会のなかったブレイディさんの家族との日常や感情に触れられて嬉しい。
「ぼくはイエローで~」シリーズでは息子さんとのことを綴られていましたが、こちらでは英国と日本の家族や著者自身のことについても知ることができました。
英国のお国事情が見えてくるのも興味深い。
ちょいちょい登場する息子くん、大きくなっただろうなぁ。
コロナ禍のロックダウンの日々は、日本にはない過酷さ。ましてやご家族の重い病気も重なって相当にお辛かっただろうなと思います。
著者の意外な一面にも触れられていたエッセイでした。
『いくつになっても、どんな状況になっても、遅すぎることはない。人を生かすのはたぶんその -
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当時は私も、深い見識もなく「英国がEU離脱!?本気なの!?」など驚いていましたが、英国の「地べたから」のリポーターであるブレイディみかこ氏の地域付き合いの範囲のインタビューを読むと、現政権に反旗を翻してEU離脱に票を投じたくなる気持ちもわかってしまった。この手の話はやっぱり、異国の人間が頭ごなしにまとめにかかる本より、実際にその地で暮らす人間の言葉を収録してくれる本の方がよく響く。
タイ人の女性と結婚生活をしている男性が、EUという線引きはおかしいと指摘するのはごもっともな気がする。
この本に出てくる人たちは、みな毎日まっとうに働いてそれに見合った報酬がほしいと望む誇り高い精神の持ち主だ。
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ネタバレ他者の靴を履くこと=「エンパシー」
エンパシーという言葉の意味をよく知らずに読みましたが、「きっとどの人にとっても何かしら思い当たる節があるだろう」というような事例が取り上げられていて、腑に落ちるものが多かったです。攻撃的な上司、政府のあり方、行き過ぎた自己責任論、差別・・・日々の生活で感じるモヤモヤの正体が少し明らかになったように思います。
同時に、今までエンパシー搾取によって自己を喪失してしまっていたことが何度あっただろうかと振り返らずにはいられませんでした。
↓ゾッとした文章の引用です。
『エンパシーを搾取されきった状態になると、人は政権に従順になり、その決定に抗う人々が他者への思い