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2016年の英国EU離脱派の勝利。海外では「下層に広がる排外主義の現れ」とされたが、英国国内では「1945年以来のピープル(労働者階級)の革命」との声も多かった。世界で最初に産業革命、労働運動が起きたイギリスでは労働者こそが民主主義を守ってきた。ブレグジットは、グローバル主義と緊縮財政でアウトサイダーにされた彼らが投じた怒りの礫だったのだ――。英国在住の注目の著者がど真ん中から現状と歴史を伝える。
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Posted by ブクログ
世界各国の人々が漠然と思っているような、brexit をトランプ現象とイコールとみなす傾向は正しいのだろうかという疑問に答えるべく、著者は文字通り勉強して書いたそうだ。そしてその成果は、米英の違いとして、ストンと腑に落ちた。離脱支持者とMAGA支持者は考え方も社会の階層も違う。トランプ支持者には中...続きを読む流以上も多いが、離脱派は緊縮財政によって生活を脅かされた労働者階級によるエスタブリッシュメントへの反逆、既得権益を持たない者たちの生存権の高らかな主張であり、決して狭量な移民に対する差別主義によるものなどではなかったという。彼女の手にかかると、英国の労働者がとても魅力的に見え、決して学のない煽られやすい愚民などではないことがわかる。すっきりして読め終えた。
労働者階級の反乱 ブレディみかこ 光文社 労働者階級の英国人と結婚した ブレディみかこが紐解くブレグジット 忌憚のないインタビューから見えてくる 移民問題や主権の実態 EUとは何か? 誰にとって有益なのか? 白人の肉体労働者階級は特に移民政策を批判するまで良いのだが 日本の状況と同じように 同病相憐...続きを読むれむことができずに 人種や宗教で仲間割れして排外主義に陥ると同時に 蜘蛛の糸のカンダタやイソップの橋の上で肉を加えた狐が川面の映る自分に吠えて肉を落とすが如くに全体を見失って 再分配や福祉に対して不満を露わにし 富裕層や貴族社会を喜ばしてしまう皮肉で悲しい現象がある
白人労働者階級の日常生活を描いた「ぼくはホワイトでイエローでちょっとブルー」が読みやすいのに奥が深い傑作だったので同じ著者の新書を読んでみました。 周りの白人労働者階級の人々を温かい目で見守りながら彼らがBrexitに賛成票を投じた理由に迫ります。 政治史のまとめを読んでようやく流れが理解出来ました...続きを読む。最高です!
「ぼくはイエローで・・・」の著者の他の作品を読む。 イギリスの労働者階級については「差別はないが区別はある」と大昔に語られ、ブレグジットを賛成し、移民排斥の急先鋒であり、フーリーガンでイングランドが勝つとイングランド旗(ユニオンジャックじゃない)を振り回して街中で大騒ぎする(実際に目撃した)という「...続きを読むステレオタイプ」の知識しかない。 本書を読んでの驚きは ・21世紀の英国には階級が厳然としてあり、階級闘争があるとは・・ ・「ゆりかごから墓場まで」の本家が社会保障切り捨てを労働党まで推進しているとは・・ ・政府がやたら緊縮・財政均衡に腐心している(日本の財務省と全く同じスタンス)こと、たとえ社会が分断しても。 第3部の労働史100年は、一気に読ませる。戦後英国史を労働者の切り口で読んだのは初めて。 この本では深く触れていない英国の経済・財政の側面からの100年史を別の書籍で探して、認識を深めたい。 この作品はわたしの欠落している認識の穴埋めをしてくれた。 いい著作でした。
ブレグジットについて、様々な報道がなされていた。離脱派は外部から見ると排外主義のように報道されていたが、本当にそうなのか。英國労働者階級が離脱票を投じた理由を、そこで生活している著者が歴史的、政治的そして経験的に考察している。 ブレグジットの背景に英国の緊縮財政政策を挙げ、ジャスティン・ゲストの著...続きを読む書を参照し、白人労働者階級の疎外感を考察している。
第三部「英国労働者階級の100年-歴史の中に現在が見える-」は、この100年間で英国労働者階級がどんな風に扱われてきてその結果今どうなのかという視点で書かれていて圧巻です。いつもの著者の時事エッセイ調よりもちょっとお堅いですが、これはすごい仕事だなー!思いました。日本の100年も著者のような肌感覚で...続きを読む文章力のある方に振り返ってもらいたいと思いました。
英国に住む英国人と結婚した著者から見たブレグジットの背景を記した一冊。著者の夫も含め、身近な英国人の友人たちなどは労働者階級に属しており、ほとんどはEU離脱に投票したとのこと。 中でも良かったのは中盤にある6人ほどの友人たちへのインタビュー記録。どのような人たちがどのような思いを持って離脱に投票し...続きを読むたのかが分かる。労働者階級にまつわる100年の歴史も簡単にまとめられていて勉強になった。 本にも書かれているように日本からニュースを見ていた時には排外主義的な思想が背景にあるのかと思っていた。そういう面もないわけではないとは思うが、これまで蔑ろにされてきた(特に白人の)労働者階級が起こした反乱だと捉えると何が起きていたのかがよく理解できた。
社会で起こっていることを、できる限り適切に理解することの重要性。 イギリスの誇り高き労働者階級について。
1970年ごろの状態は今の日本とよく似ている。労働者が立ち上がった1920年の段階にまだ、日本はなってない。その英国でもまだ、左派は勝てない。働かない人には冷たい社会。働かないと、働けないの差は大きいのに、右派はそこをいつも一緒にして、働けない人をスケープゴートにする。
イギリスのワーキングクラスの人がどんな人たちなのか何となくわかった気がする。 言いたいときは言うし、やりたい時は本気でやる。 EU離脱の国民投票がとんでもないパンドラの箱が空いてしまって今後どうなるんでしょうかね?
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労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~
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