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「わたしの政治への関心は、ぜんぶ託児所からはじまった。」英国の地べたを肌感覚で知り、貧困問題や欧州の政治情勢へのユニークな鑑識眼をもつ書き手として注目を集めた著者が、保育の現場から格差と分断の情景をミクロスコピックに描き出す。2008年に著者が保育士として飛び込んだのは、英国で「平均収入、失業率、疾病率が全国最悪の水準」と言われる地区にある無料の託児所。「底辺託児所」とあだ名されたそこは、貧しいけれど混沌としたエネルギーに溢れ、社会のアナキーな底力を体現していた。この託児所に集まる子どもたちや大...続きを読む
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Posted by ブクログ 2023年11月23日
この著者はほんとうに偏見のない人なんだな。かと言って、他の人の偏見に鈍感なわけでもない。声高に他人の偏見を糾弾することもなく、ただ差別される人、偏見を受ける人のそばで、同じ痛みを共有している。だからあんなふうに、背景も環境も性格も全く異なる人たちの苦悩やあり様がストンと納得できる、心の琴線に触れる文...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月04日
この本の主題は「階級」である。
本文中に書かれているが、貧富の差はいつの時代にも、どの国にもある。
しかし、貧困から抜け出す術がないとしたら、それは「階級」である。
日本でも格差は問題になっているし、それが「階級化」しつつあるようにも思う。
貧しい家庭、養育者がなんらかの問題を抱えている家庭に生ま...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年10月09日
地べたで生きてきた人間が、インテリ層にも届く表現力と議論の力を持っているのはとても強いな。
クレバーでチャーミングな反骨心。著者はそんな印象です。
著者が連発する「底辺」というのは、外側から見た軽蔑や、あるいは自身のコンプレックスの裏返しなどではなくて、
実感と、一筋縄ではいかない情なのだと思います...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月02日
良書。
まず何をさておいても著者は文章力がすこぶる高いと思います。
底辺託児所に来る子どもとその親の暮らしは文字通り底辺なのでしょう。
けれど著者はその描写に同情や憐憫の感情を全く忍ばせません。
かといって、冷めているわけでも距離を置いているのでもありません。
保育士としての距離感は保ちつつも、言...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月21日
事実は小説より奇なり。みたいな本
障がいや病気や犯罪を、深刻に薄暗く描くのはきまってそれらを身近に体験していない人に多い。
身近に体験してると、それは只々当たり前の日常で、ブレイディ氏のように面白おかしくも書けて、薄暗い気分にもならない。
だけどそこにはリアルな人生が書かれていることを知れる。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月03日
始めは横文字が多く、難しそうに感じましたが、読みすすめていくと興味深くとても面白かったです。
英国は階級で貧富の差がかなりあること、話し方で出自がわかってしまうこと、貧富で住むエリアが分断されていることに驚きました。
また政府の方針で、人を生かしたり殺したりすることがこの本で実感でき、今までより政治...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月08日
みかこさんの最近の著書を結構読んでいたのだが、彼女の原点となる体験がわかる本。底辺保育所で始めた仕事を経て、富裕層の保育園から再び底辺へ。だが底辺も以前と同じではなく、社会保障の削減の煽りを受けて移民受け入れの施設になり、ついには閉鎖されてしまったという。政府の方針や予算配分がここまで如実に低所得層...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年11月16日
問題を抱え拠り所を失った親。その子供が行きつくところ・・底辺と呼ぶ託児所。保育士をしていれば、それはそれはいろいろな境遇に巡り合う・・はず。労働党政権の手厚い保障下での底辺託児所。アナキストにチャヴに外国人のパラレルワールド。福祉カットの保守党政権下。底辺託児所は緊縮託児所に。唯一補助金が出る外国人...続きを読む