ブレイディみかこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
10代向けの本ですが、非常に興味深く読みました。
ブレイディさんのエッセイアンソロジーという形を取っているため、過去に読んだ本からの抜粋もあるものの何度読んでも心に刺さります。
ブレイディさんは本作の冒頭で読み手に問いかけます。
「あなたの足元にはどんな問いが立っている(あるいは立ってくる)?」と。
本作を読んで私の足元に立った問いは「権利と義務」でした。ちょうど選挙があったタイミングで日本の政治についていつも以上に考えていたこともあり、もう少し勉強してみないとと思わせてもらいました。
そのきっかけとなった文章を以下に抜粋。
「国民は義務を果たすことで権利を買うのであり、アフォード(税金を支払う能力がある)できなければ、権利は要求してはならず、そんなことをする人間は恥知らずだと判断される(このような社会では、国家はさまざまな権利を国民に販売する小売店くらいの役割しか果たさない)。
例えば英国では『権利』といえば普通は国民の側にあるのを指し、『義務』は国家ぎ持つものだが、日本ではその両方を持つのは国民で、国家と国民の役割分担がなされていない。」
恥ずかしながら心に引っ掛かったこの文章、まだアウトプットできるほど自分の中で消化できていません。こういったことに係る本を読んで学び、私なりの考えをまとめていきたいところ。
その他印象に残ったことはブレイディさんの他の本のタイトルにもなっている「他社の靴を履く」関連。
レビューでうまく説明できないのですが、これが子どもが関わる社会に対するモヤモヤを晴らしてくれるのです。
とは言え実世界でどう対処するかの答えはまだ持ち合わせていない私。
今後もブレイディさんの本は読み続けていきたいと思いました。
中高生だけではなく、大人にもオススメできる多くの気付きを与えてくれる一冊です。
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Posted by ブクログ
ブレイディみかこが、ちくまQブックスに並ぶ!と、驚きました。(私の主観です。)と同時に、理想的な傾向だとも思いました。
「本なんて読んで何になるんだよ」
「こう言うジュニア向けの新書って教育的なことを書いているんでしょ」
自分が高校生であるとして言いたいサイドからすれば、自らが社会に物言いたい子供であり自我を確立していた著者がこのちくまQブックスシリーズに執筆するとは!(くどい)
中身の見出しも
「ガキどもに告ぐ。」君は「生理貧困、ミー・トゥー」と言えるか。などど、期待を裏切らない過激さ。あふれる反抗心を持つ中高生の皆さん、読んでください。感想をお聞きしたいです。 -
Posted by ブクログ
著者のパンク小説。
国や社会、世間に激しく訴えかけるためか、フィクションに仕立て上げている。
どの話もラストの文章がカッコいい。
短編の主要登場人物は、みかこさん自身と、身近に存在する人をモデルにしたのだと想像した。
『一九八五年の夏、あたしたちはハタチだった』
みかこさんの実年齢、中洲のバイト体験はリアルだった。(あんみつ姫は楽しかった。私的感想)
『ぼったくりブルース』
ナニーやオーペアのバイト におけるEXPLOITINON =搾取=ぼったくり
『売って、洗って、回す』
マネキンのバイト、クリーニング工場のバイト、服のリサイクル。
『スタッフルーム』
保育園スタッフルームでの階級差別。
『ソウルによくない仕事』
日本食スーパー店まかないの仕事。
『パンとケアと薔薇』
看護師の友人、介護士の母、病院ボランティアをする弁護士。エッセンシャルワーカーのストライキ。
#仕事小説#階級差別#労働者 -
Posted by ブクログ
ネタバレいわた書店さんの「一万円選書」でご選書いただいた一冊。「英国のおっさん事情」がポップに優しく哀しく…愛情たっぷりに綴られた一冊。「EU離脱」「国民保険」など(当然だが)日本と異なるお国事情に触れることができる。心に残った一節を。「あなたの世界はあなたが残してきたすべての小さなものたちにすぎない」(P218)自分は今年51歳を迎えた。日本で言うところの「第二次団塊世代」。英国では「ジェネレーションX世代」と言われるようだ。「いい時代を生きた声のデカい世代」と「覇気のないやる気のない世代」の間に存在している世代。「政情がどうであろうと時代がどう変わろうと俺たちはただ生き延びるだけ」(P308)1973年に生をこの世に受けた者同士、一緒に何とか生きていきたい。
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Posted by ブクログ
個人的には★5に近い。好みは分かれそうな本。
舞台はロンドン。宅地の価格が上がり、低所得者層には賃貸に住むこともできないような状況になっているなか、シングルマザーのジェイドたちはホームレス・シェルターを追い出されることになる。理由は土地を一括で売って富裕者層のマンションにするため。気づいたらおなかに子どもがいるような育ちで、堕ろしたくないから産んで、一人だと育児しながら働けず生活保護うけて、なのにここを追い出されたら誰一人知り合いもいないような住居費のやすい北部に行けってこと?おかしいのにおかしいって言わないからこんなことになるんじゃないの?
実際にあった事件をモデルにした小説。運動を始めたシングルマザーと、英国に派遣されたエリート新聞記者である史奈子の二つ目線から語られるのだけど、どちらにも共感できるところがあってよかった。ジェイドの悲惨であっただろう人生がそれほど語られず、今の生き方に焦点があたっていたのも良かった。お台場のオリンピック跡地マンションが住む人のためではなく、転売目的の購入になっている現状を思い出したりしました。日本も都心部の土地は高い!どんな街にもいろいろな人が働かないと暮らしは立ち行かないのに、現状がおかしいというのに激しく共感です。民間でも、今、経営的には所有は無駄という考え方で、社宅や公務員住宅がなくなってます。でも、そういう無駄は社会には必要なのではないか、でも経営を圧迫するならどんな構造が必要なのかと考えさせられました。
内容が少し難しいので高校生以上くらいが向いてます。中学生から大丈夫。 -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナ禍 in UK.
2021年4月~2024年3月の雑誌連載のエッセイを纏めた一冊。
公園はパンデミック関係なくちょっと危険だったり、移民が多いだけあって自分の国に帰っちゃう人が多かったり、日本とは少し違っているコロナ禍や、ご主人の闘病、息子さんの成長などブレイディさんの日常が綴られている。
「一人でもあなたの行為を受けて助かる人がいれば、それは善です」(P155)はしっかり心に留めておこう。
ブレイディさん、2021年から光村図書のベスト・エッセイに連続で選出されているだけあってどのエッセイも読みやすい上に読ませるなぁ、面白かったです。 -
Posted by ブクログ
「世間」と「社会」の違いを説く鴻上さんと、「ぼくはイエローで〜」の著者のブレイディさんの対談形式の本。
イギリスの教育の紹介などを中心に、日本人が今後どう変わるべきかという方向性が示されています。
「エンパシー」という、その人の立場を想像する能力が多様性には重要という指摘や、機会平等としての「equality」など、数々の指摘が染み入ります。
やはり、子どもの教育って大切だなあと感じました。イギリスが実施している教育が全てとは思いませんが、日本の教育も教師と生徒の相互信頼の下で、自分の頭で考える機会が必要なのではと感じました。
個人的には、ブレイディさんの息子さんが言った「日本人は、社会に対する信頼が足りないんじゃないか」という言葉に、考えさせられました。 -
Posted by ブクログ
時間はかかったけど、面白かった。
シンパシーと、エンパシーの違い。
日本的な同情、共感はシンパシーの方で。
なんというか他者を想像するスキルを身につけるというのが、エンパシーのようだ。
他者理解という時、感性だけに頼ってしまうと、それをどう学べばいいんだろうと思うことがある。
けれど、人の姿と対話を通じて実践するとき、確かにそれは学べるものなのかもしれない。
多様性を尊重すると言いながら、私の思う、私たちの範囲は、自分が共感し得る相手なのだと思う。
けれども、あらゆる人の生き方を、肯定できないまでも、認めることで、私は自分に課している何かを緩めることができる、かもしれない。 -
Posted by ブクログ
当時は私も、深い見識もなく「英国がEU離脱!?本気なの!?」など驚いていましたが、英国の「地べたから」のリポーターであるブレイディみかこ氏の地域付き合いの範囲のインタビューを読むと、現政権に反旗を翻してEU離脱に票を投じたくなる気持ちもわかってしまった。この手の話はやっぱり、異国の人間が頭ごなしにまとめにかかる本より、実際にその地で暮らす人間の言葉を収録してくれる本の方がよく響く。
タイ人の女性と結婚生活をしている男性が、EUという線引きはおかしいと指摘するのはごもっともな気がする。
この本に出てくる人たちは、みな毎日まっとうに働いてそれに見合った報酬がほしいと望む誇り高い精神の持ち主だ。
「社会主義とか平等主義とか唱えるのは、だいたい腹を空かしたことのない階級の奴らよ」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ他者の靴を履くこと=「エンパシー」
エンパシーという言葉の意味をよく知らずに読みましたが、「きっとどの人にとっても何かしら思い当たる節があるだろう」というような事例が取り上げられていて、腑に落ちるものが多かったです。攻撃的な上司、政府のあり方、行き過ぎた自己責任論、差別・・・日々の生活で感じるモヤモヤの正体が少し明らかになったように思います。
同時に、今までエンパシー搾取によって自己を喪失してしまっていたことが何度あっただろうかと振り返らずにはいられませんでした。
↓ゾッとした文章の引用です。
『エンパシーを搾取されきった状態になると、人は政権に従順になり、その決定に抗う人々が他者への思いやりのない「邪悪な人」に見えてくる。それがエスカレートすると自警団のようなやり方で「邪悪な人」たちを攻撃さえするようになるのかもしれない。彼らはもはや自己を喪失し、政権を握る人々を映す鏡となっているのだ。』
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