ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 両手にトカレフ

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    金子文子という女性の存在を、この本を読んで初めて知った。また、「ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」よりもさらに踏み込んだ形で、イギリスの貧困家庭の子どもの姿が描かれており、その境遇や思いに触れることができた。フミコやミアが十分な養育を受けられない、あるいは信頼できるはずの大人から大切なものを奪われる場面は読んでいて本当に辛かった。
    子どもが子どものままに生きられる社会をつくることが、私たち大人の責務だと強く感じた。

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    2025年08月05日
  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

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    私たちはエンパシーを使っているのか使われているのか。人のために使うのか自分のために使うのか。
    エンパシーって何?状態から読み始めたが、ブレイディみかこさんと豊富な文献を旅しながら、社会や自己に思いを巡らせることができる。

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    2025年08月01日
  • 私労働小説 ザ・シット・ジョブ

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    出かけるのを忘れそうになるくらい夢中になって読んだ。お仕事小説とブレイディみかこさんと二つの好きが並んだ。

    ストというものが日本ではほとんど見られなくなった。自分たちで取り戻さなくて、誰が助けてくれるというのか。立ち上がってこそ支持を得た。あとがきを読んで思った。

    "死んでいるときに人間がすることは金を稼ぐことだ。再び生きるための資金を得るのである。" 7ページ

    "あたしはあたしを守らなければいけないと思った。あたしがあたし自身でいるために、あたしはここから出ていかなければならない。" 79ページ

    "「人間が低くなるには、二つあるんだ

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    2025年07月31日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

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    アイルランドの女性ストライキすごい。
    また、コロナ中あんなに有名だったニュージーランドの首相もひっそりと辞めていたとは。日本にいると入ってこない情報が多い。

    自信を持つには環境というのも、納得。
    自己啓発本をいくら読んでも、他人からの称賛や、経験からじゃないと自信なんてつかない。日本は、女性が自信のつきにくい環境なんだなと。

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    2025年07月30日
  • 何とかならない時代の幸福論

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    ネタバレ

    おもしろい本だった。
    同調圧力の話が共感できた。
    昔、無意識的な同調圧力に苦しんでいたことを思い出した。
    あと世間と社会についての話も興味深かった。無意識に世間と社会に対しての行動が違っていたように思う。

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    2025年07月30日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

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    前作をつい最近読んで気に入ったので続編も購入。
    前作に引き続き、「元底辺校」やその地域の綺麗事だけではないシビアな面を知ることができた。
    そんな中でも互いを尊重し受け入れようとする息子さんの姿勢に脱帽。まだ中学生なのに立派だなあ。
    前作と比べるとなんだか息子さんが少し大人っぽくなっている気がして子どもの成長の早さに驚くばかり。
    個人的に印象に残ったのはポリコレと音楽の話。
    これは日本のSNSでも似たようなことが日々話題になっている。
    この学校での話し合いの結果は現状ちょうどいい妥協点なのではないかと思った。

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    2025年07月30日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

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    人生なんてこうやらなきゃだめ。なんてないんだから、
    私の人生やりたいことはどんどんやろうよ!!って気持ちにさせてくれた前向きになれた本です。

    日々家事育児仕事で疲弊しているのですが、グローバルな視点で書かれているので世の中まだ組織等も男性主体だったりもするけれど、女性もっとチャレンジできるわよ!!!て感じ。

    ママとは。仕事とは。型にはまらなきゃ型にはまらなきゃと堅苦しくなっていた生活だけど、もっと柔軟に行きていこうと思えました♪

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    2025年07月18日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

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    「ポリティカルになりすぎると分断や対立をもたらす。政治に無関心過ぎるとただの激励会になる」…シスターフッドのあり方は「hood」ならぬ「foot」。足もとにこだわる。タイトルありきのファッション雑誌の連載企画。「ノリ」で始まり、意味が後から追いかける。女性の運動に限らぬ考察を引き起こす。…違いを認識し目的を共有する。敵の靴も履いてみる。意見の異なる相手を糾弾するのではなく、何故その人はそう思うかを考えてみる。達成目標は何かゴールをはっきりさせ、譲れるところは譲る。多数派を形成しなければ世の中は変わらない。

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    2025年07月14日
  • 両手にトカレフ

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    薬物依存の母親のもとで8歳の弟を守りながら生きる14歳のミアが、ラップのリリックを通じて別の世界を作り出し始めるまでを描いた作品。

    本来守られる存在である子供が、安全の確保や空腹をしのぐ方法すら自分で考えなくてはいけない。
    そんな状況に、強い憤りを感じる。

    この作品は、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」でエッセイとして書けなかった存在を小説で書いたと何かで読んだ。

    ミアのような環境にいる子供がリアルにいることにやるせなさを感じるが、日本でもたくさんいるのだろうと思う。

    自分で環境を選べない子供にとって、生まれ育つ環境の違いは、そのまま生きる世界の違いになり、当然見える世界も

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    2025年07月12日
  • リスペクト ――R・E・S・P・E・C・T

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    〈本文より〉
    gentrification(ジェントリフィケーション)【名】
    都市において、低所得の人々が住んでいた地域が再開発され、おしゃれで小ぎれいな街に生まれ変わること。「都市の高級化」とも呼ばれ、住宅価格や家賃の高騰を招き、元から住んでいた貧しい人々の追い出しに繋がる。

    *****

    日本でも同じようなことは起きているけれど、唯々諾々と受け入れてしまっていないでしょうか。私は受け入れてしまっていました。だって、土地建物の所有者がそう決めたんなら、仕方なくない?

    でも、この本を読んだら、考えが変わります、きっと。少なくとも、公の団体が利を求めて弱者を追い出そうとするのは間違ってる‼︎

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    2025年07月05日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

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    この本は人類をエンパワメントする本だ。。。というと書きすぎかもしれないが、古今東西の女性達の社会運動を取り上げ、現代の構造的欠陥に触れ、どうすればこの絶望的な状況を打破できるのか記している。社会派のエッセイストであるブレイディみかこらしい作風となっている。

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    2025年06月29日
  • 夜更けのおつまみ

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    久々にアンソロジーを読んだ。お酒が好きな人も下戸の人にもおすすめ。居酒屋のおつまみや家飲みのおつまみが好きなので参考になるメニューがあった。自分で作るだけでなく、コンビニのおすすめおつまみなどで書いてる人もいて、それも面白かった。

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    2025年06月21日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

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    ネタバレ

    息子が良いこと言う すごく冷静に物事を捉えていい視点をくれる
    この作品は、イギリスという場所で生まれながらも日本人の血を有し、いろんなアイデンティティを有した息子の学生生活で起こる様々な出来事にリアルに描いている
    今回の続編は息子の学生生活以外でも隣家のことやみかこさん自身が学校のイベントに参加して感じたこと等一作目とはまた違った角度でも話が展開されていて、面白かった
    読むほどに新しい学びをくれる作品

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    2025年06月18日
  • 両手にトカレフ

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    06月-08。4.0点。
    イギリスの14歳の少女、母親はドラッグ・アル中。幼い弟を護りながら生活する。。。

    凄い小説。まさに魂を揺さぶられるような物語だった。

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    2025年06月13日
  • 転がる珠玉のように

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    鬱になりかけとあったようにコラムも陰気さがあって前2作より楽しんで読むことができなかったが前のは児童図書で借りたので今回は大人向けなのかも知れない。AIの著者のプロフィールには笑い分からないなりにAIは考えたのだろう。そしてコロナ禍でのダンナの癌やコロナ感染など大変だったと思うがそう感じさせない文章だった。でもだから陰気と感じたのかも。
    そう考えると私も毎日楽しく生きているんじゃなくて大変な時もあるんだよ。その生活の中で楽しい事を見つけて発信しているんだよって元気づけてくれているのかも知れない。
    自己啓発本読んだ後だったから特にそう感じるのかも知れないが。

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    2025年06月04日
  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

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    ●2024年5月18日、東大【第97回】五月祭。東京大学・書籍部にあった。

    ●2025年6月13日、猫丸さんからいいねがついて、この本を思い出した。というか登録した記憶すらない。すごくレビュー増えてて、かつレビューにいいねも多いので注目されてるようす。

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    2025年06月13日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

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     前作に引き続き、”元底辺中学校”での学校生活を通して親子の成長の軌跡を描いたノンフィクションエッセイ。相変わらず学校や地域では、ヘビーな出来事がいろいろともち上がっている。 
     移民の人々と地域住民のいざこざ、緊縮財政がNHS(国民保健サービス)やコミュニティ・センター等の地域に及ぼす影響、LGBTQやジェンダー、過去の名曲の歌詞とPC(ポリティカル・コレクトネス)等々。

     そうした合間に、子どもがテストで失敗して、叱る父親、一くさり説教した後に「頼むから、俺みたいにはなるな」と父は語る。その言葉を聞いて涙する息子、といった実に切ない情景が挟まれる。

     こうした難しい問題を一つ一つ経験し

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    2025年05月21日
  • 転がる珠玉のように

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    いやー忘れてたー

    もうあれよね
    この歳になってくると学校で習ったことなんてだいぶ忘れちゃうよね
    法則とか定理とか
    もうしょうがない
    これはしょうがない
    忘れてました
    「好きな作家さんのエッセイはだいたい面白いの法則」って何学校で習ったんだよ!( ゚д゚ )クワッ!!
    あとだいたいかよ!

    うん、他のも読まなきゃと思った

    「ちょっと変わった考えを持った人が、ちょっと変わった場所で、ちょっと変わった状況の中、ちょっと変わった人たちと繰り広げる、ちょっと変わった日常を、ちょっと変わった表現で綴るエッセイはだいたい面白いの定理」って長いわ!( ゚д゚ )クワッ!!あとまただいたいかよ!

    それにし

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    2025年05月17日
  • 両手にトカレフ

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    ふたつの物語が同時並行で進んでいくがわかりやすかったし、メインのミアの心にフミコが深く響いていることがとても強く感じられた。
    ただ読んでいる最中は引き込まれる分、登場人物たちの深刻な状況に胸が張り裂けそうになり、なんとも言えないやるせない気持ちになったので余裕がある時に読むことをおすすめする。
    自分がどれだけ恵まれているかを再認識するとともに、嫌なことがあってもどうにかできるなんとかなると思える勇気をもらえた。
    (個人的に弟がいることがミアと共通点だったため、自分が同じ状況でもチャーリーを守らなきゃと必死になるなと感情移入してしまった)

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    2025年05月11日
  • 両手にトカレフ

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    イギリス・ブライトンの地でイギリスの格差社会を日々綴っているブレイディみかこさんの書く小説

    団地暮しで薬物依存の母と弟暮らすミアがふとある時に金子文子の自伝と出会い過去と現在から何かを感じ取る描写やクラスメイトのウィルとラップの曲を制作するという描写で何かを表現して心を形取る事でほんの少しだけでも何かが変わって欲しい気がした。

    昔は良かった?現在も変わらない部分がある。そんな気持ちに自分もなっていたので読んでよかった。また関係ないけど、ブライトンで三笘薫がヒーローのようにあの土地のサッカークラブの顔になっている事が個人的には嬉しい。

    そしてあれだけ聞いたRadiohead
    ミアに届くこと

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    2025年05月08日