ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 両手にトカレフ

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    『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んで、ブレイディみかこさんの本をもっと読みたくなり、小説ジャンルから本書を手にした。

    ストーリーは主人公の少女、ミアの厳しい日常と、彼女が手にして読み進める、日本の大正時代の活動家、金子文子の自伝とを交互に行き来しながら進む。どちらも貧困で、家族にも恵まれず、厳しい。そして、ミアの日常は、『僕はイエローでホワイトで…』で描かれる現代イギリスと地続きで、登場人物たちにもどこか既視感を感じる。

    ミアやウィルや、ゾーイに、『僕は…』で垣間見られた著者自身や息子さんや配偶者、近所の素朴な人たちの横顔を感じる、それだけにシングルマザーの母親が依存症や精

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    2026年07月16日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    著者の息子さんの逞しくも繊細な感受性に心打たれた。日本で住むほとんどの同じ年の子供が、ここまで他人種問題に熟考することは無いだろうなと思う。イギリスで背丈も一番小さくただでさえアジア人への差別も少なからずあるだろうに、大人が心配する上をいくような考え方で周りの子供たちと関係を築いていく姿に、心の奥で小さくガッツポーズしてしまうほどの感動を覚えた

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    2026年07月12日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    普通の中学生が生きているだけでこんなにも自分のアイデンティティや差別、シンパシーについて考える事が出来るのはある意味幸せなのかなと思った。
    けど日本でぬくぬく育った純ジャパだからこういう事言えるんだろうな~とも思うから難しい!!

    特にハーフに関して触れてるシーンが印象に残った。
    ハーフって気軽に言ってたけど、当事者からしたら半分って言われたり2倍って言われたり失礼極まりないよね。
    「外国の話」として完結させるんじゃなくてこういう所から私たちも意識を変えていかなきゃね。

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    2026年07月11日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    差別することはレッテルを貼ること。
    無知だと、知らず知らずのうちに自分も誰かにレッテルを貼ってしまっているのかもしれない。
    だから、知ろうとしなくちゃいけない。
    多様性の中で生きるということは、傷つくし傷つけられるし、誰かを傷つけているし、生きづらい。
    そりゃ多様性なんてないほうが、ラクかもしれない。だけど、たとえ生きづらくなったとしても、知ろうとすることをやめちゃいけないと思った。
    知らないことを、もっと知りたい。
    これってエンパシーですよね?

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    2026年07月07日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    多様性とか格差といった社会問題が色濃く出てはいるものの、社会派ノンフィクションというよりも、日常系エッセイという感じで、テンポよく読めた。今の英国(といっても既に7年前だが)が、こんなことになっているのかという驚きもあった。

    タイトルだけ見て、主人公に人種の問題に悩む可哀そうな少年を想像していたが、むしろ頼もしい少年であった。というより、この息子さん、人徳がすごい。日本人の僅かな価値観の違いに振り回されているようなオジサンが心配する必要など全くありませんでした。すみません。

    筆者であるお母さんの影響も大きいんだろうな、とも思う。文庫解説に「ブレイディさんは自分の息子を一人の人間として信用し

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    2026年06月29日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    すごく読みやすい。新幹線で1時間30分くらい移動している間に半分以上読めた。イギリスでの諸々の暮らしがありありと浮かんでくる文章だからかな。
    日本にずっと住んでいる自分にとって、海外の庶民の暮らしはなかなか接する機会がないから、読み応えがあった。

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    2026年06月23日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    イギリス社会の分断と人種差別が根強く残っていることに驚いた。エッセイ形式で読みやすいため、非常に良かった。何かあるたびに欧米を見習えという人にこそ陥っている。
    息子の素直さと友達が差別を受けた時の思いやりに感動した。幼い子どもとは思えないほど思いやりにあふれ、知性を感じる発言の数々。イギリスの道徳教育、みかこさんの教育の賜物だと思う。素晴らしい。
    P.43の親子のやり取り、「馬鹿と無知は違うこと」というやり取りやp.95のsympathyは可哀想な立場の人や問題を抱えた人、自分と似たような意見を持っている人々に対して人間が抱く感情のことだから、自分で努力をしなくとも自然に出て来る。だが、emp

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    2026年06月16日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    こんなに問題が多い子供社会について書いてあるにも関わらず、それを飛び越えるような軽やかさがあるので、スムーズに、でも、しっかりとテーマを理解しながら読める。
    英国の政治をマクロの視点でしか見ていなかった日本人にとって、衝撃的な内容が書かれているにもかかわらず、クスッと笑ってしまったり、心温まったり… 暗い気持ちにならず、むしろ気持ちよく読み終えることができる。

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    2026年06月03日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    自分が想像していたイギリスと現在のイギリスは全く別の世界で、とても驚いた。時々出てくる旦那さんの行動がちょっとツボ笑

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    2026年05月26日
  • 両手にトカレフ

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    いわた書店の1万円選書でチョイスされた本。

    貧困家庭で育つ14歳の少女ミアの目線で、子どもが社会から見えない存在にされていく現実を真正面から描いた小説。

    本と出会うことで「ここじゃない世界」があると気づく場面が特に印象的でした。また、富裕層でクラスの人気者でもあるウィルとの交流も強く心に残りました。こうした作品はどうしても対立構造になりがちですが、この物語では、立場も性別も違う相手とどうやって対等な関係を築くかが丁寧に描かれていて、その点がとても良かったです。

    頼れない大人たちや狭い選択肢など重苦しい物語ではありますが、少しずつミアが前向きになっていく描写もあり、暗いだけではない読後感が

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    2026年05月17日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

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    ライフってそんなものでしょ。後悔する日もあったり、後悔しない日もあったり、その繰り返しがつづいていくことじゃないの?

    誰もがみなそうだった事を忘れて、自分のライフの辛さばかり考えていた、息子くんはこの年齢でこんな風に考えられる事に尊敬した。

    自分のライフをその時その時で受け止めていこうと思った。
    そして歌を歌いたくなった。
    この本もまた愛すべき一冊になりました。

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    2026年05月16日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    ネタバレ

    イギリスで保育士として働いてきたブレイディみかこさんが、保育士ならではの視点でイギリスの社会保障政策をぶった切る。非常に興味深かった。
    著者が勤めているのは、貧困層が子どもを預ける託児所。母親がドラッグ依存だったり、次から次に父親のちがう子どもを生んだり。
    いわゆる「底辺」の子どもたちや、母親の生活を保育士として見つめながら、おのずと政治に関心を高めていく著者。特にイギリスは、移民が多く(著者自身も移民だ)、状況は複雑だ。移民の方がイギリス人より貧困かというとそうでもなく、今は貧困でも努力して生活水準をあげようとする一方、親の世代からずっと貧困で、国家の福祉(生活保護)に頼り切っており、生活水

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    2026年05月09日
  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

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    難しい言葉ではなく平易な表現をたくさん使ってくれるおかげで、かなりとっつきやすいと思う。それでもなお奥が深い(アナーキック・)エンパシー。読んでる間は少しわかった気になって、でも日常に戻ると自分のものにしたとは言えなくて、かといって全然距離が遠いものでもなくて、本書を通じて自分の中の視座が少しだけ豊かに、エンパシーの輪郭に触れられたような気がする。

    特に視点だなあと感じたこと。
    コグニティブエンパシーは底から湧きあがるものではなく、頭から時間をかけて理解しておろすもの。トップダウン型。それはスキルであり、後天的な育成・習得が可能なもの。
    他者の靴を履いたからと言って自分の靴を見失わない。自分

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    2026年04月30日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

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    イギリスの中学生の男の子
    その視点から見る人生や世界。矛盾に満ち、不完全で、不平等で。でもそれがライフでしょ、と言いながら。
    子どもはいろんなことを見て、吸収して、自分の世界で試してみて、成長している。とても前向きな、もう少し人生の先を見てみようと思えるような作品だった。
    そして、イギリスの教育が日本と大きく違うことを知れて面白い。それぞれ良いところがあるんだとは思うけど。

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    2026年04月18日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    以前、話題になっていたので存在は知っていたが未読だった。勝手に、小説だと思っていた。
    イギリスで子育てをする著者の、ノンフィクション作品。息子はアイルランド人と日本人のハーフで、英国の品のいいカトリック小学校から、元底辺中学校に進学。人種差別や貧困、ジェンダー問題などに直面しながら成長する様子がリアルに描かれていて、とても心に響いた。息子くんの視点で表現される世界の面白さは、俵万智さんの子育て短歌に通じるものを感じる。子どもの視点や発想は、そのままの鮮度で作品になる。そしてタイトルの良さも格別。
    英国と日本の教育の違いも、知らないことばかりで面白い。ところ変われば常識もこんなに変わる。しかし英

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    2026年04月14日
  • 私労働小説 負債の重力にあらがって

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    近々で、仕事で非常に理不尽な思いをしたので、共感できる箇所がたくさんありました

    人の心を持たない上司って世界中に沢山いるんだろうな

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    2026年04月10日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    言わずと知れた大ヒット作品を、今さらながら初読み。これは賞を獲るべくして獲った、と納得。
    海外生活のエッセイは数多くあれど、考察の深さと幅広さは、やはり単なるエッセイの枠にはとどまらない。
    子どもの進学先選びなど、国は違っても親として悩むポイントは同じだったりするのも興味深いけど、自らが「外国人」の立場で感じる差別、子どもが「ハーフ」(この呼び方は異論もあるだろうが)の立場で感じる差別の違いなど、イギリスに住んだこともなければ行ったことさえない私にも、ある程度リアルに想像できて、ものすごく考えさせられた。
    しかし何より、この息子さんが素晴らしい。リアルにこんないい子がいるなんて……! どんな大

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    2026年03月29日
  • その世とこの世

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    対話というよりは、お互いにセレンディピティを取りに行っているような、交差するようでしないような感じが良い。
    冒頭の谷川さんのブリティッシュ・ユーモアの返しがセンスあり過ぎる。

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    2026年03月28日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    作者の目線を通して語られるイギリス社会の有り様はとてもポップに面白く書かれていて読んでて飽きない。それはたくさんのエピソードが合わさった構成だから、というのもあるが、日本とは異なる世界を通じて、時に作者の息子をきっかけにしてたくさんの学びを得られるからかもしれない。

    特に印象に残ったのは、「分断とはそのどれか一つを他者にまとわせ、自分の方が上にいるのだと思えるアイデンティティを選んで身にまとうとき起きるものなのかもしれない」の一節だ。
    自分の優位な立場に立って、相手を下に見ることが、自分の価値観を相手に押し付けることを意味し、それが分断につながるということだ。
    非常に納得である。
    相手へのリ

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    2026年03月27日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    これは本当に面白くて一気読み。そして色々な人におすすめしています。

    多様性、もっというと差別や偏見というヘビーなテーマを、中1男子ママ(というか、おかん)が軽やかに、コミカルにそしてロックに描いていて、テンポよく読めます。
    自分の知ってる「多様性」ってめちゃくちゃ浅い認識だったんだとびっくりしました。

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    2026年03月27日