ブレイディみかこのレビュー一覧

  • それはどこでも起こり得る 壊れゆく世界への抵抗

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    イギリスに住むブレイディみかこ氏による、極中、リマイグレーションなど最近ちらほら聴くな?というワードを解説した一冊。

    自己責任論の伸長(他方で権力者の責任は問われない)、「中道」化による左派の弱体化、リフォームUKの伸長)や、なぜ思想が全然違う政党・なぜ政策に一貫性のない政党が支持されるのか、テックジャイアントがリベラルから右派に取り込まれていった(取り入っていった)過程、"不法移民"に厳しい移民出身の政治家など、一見矛盾するように思える主題についてすごく腑に落ちる解説になっている。
    そして日本もイギリスの状況に重なることがとても多いというか、イギリスが日本の少し先を行っ

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    2026年07月28日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    ずっと小説だと思っていた…けど、英国に暮らすブレディみかこさんが、世界の縮図たる元底辺中学校に通うホワイト(父親がアイルランド人)でイエロー(母親が日本人…というかブレディさん)な息子さんの生活を綴った、エッセイに近いノンフィクションでした。なぜだろう、淡々と軽快なトーンの筆致なのに、毎話毎話の終わりに涙してしまう…名文です。ティーンの子育ても楽しみになりました!

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    2026年07月26日
  • 両手にトカレフ

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    「リアル」をかっこいいと言うウィルとそれを嫌がるミアの感覚は、黒人文化/ブラックカルチャーをかっこいいと言う白人や日本人と黒人とのそれに近いのだろうなと思った。

    どちらも純粋で、優しさゆえの想像力で傷つく。

    文子とミアの母親は毒親だったけど、彼女たちが子供を愛していて手放したくなかった気持ちもきっと嘘ではない。

    悲しく苦しい、けど希望も見出せる。まだまだ続きが読みたい作品だった。

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    2026年07月24日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    とても素敵。
    この世の中において、悩み苦しむことからは逃れられないなと思っていますが、人種だけでなく、経済的格差など多面的な視点が存在し、もはや正解というものは存在しないのかもしれない。

    人間は失敗と悩みこ試行回数、その質で成長すると思っていますが、幼少期からこの環境にいるのはなかなか得難いですよね。

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    2026年07月20日
  • 両手にトカレフ

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    『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んで、ブレイディみかこさんの本をもっと読みたくなり、小説ジャンルから本書を手にした。

    ストーリーは主人公の少女、ミアの厳しい日常と、彼女が手にして読み進める、日本の大正時代の活動家、金子文子の自伝とを交互に行き来しながら進む。どちらも貧困で、家族にも恵まれず、厳しい。そして、ミアの日常は、『僕はイエローでホワイトで…』で描かれる現代イギリスと地続きで、登場人物たちにもどこか既視感を感じる。

    ミアやウィルや、ゾーイに、『僕は…』で垣間見られた著者自身や息子さんや配偶者、近所の素朴な人たちの横顔を感じる、それだけにシングルマザーの母親が依存症や精

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    2026年07月16日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    著者の息子さんの逞しくも繊細な感受性に心打たれた。日本で住むほとんどの同じ年の子供が、ここまで他人種問題に熟考することは無いだろうなと思う。イギリスで背丈も一番小さくただでさえアジア人への差別も少なからずあるだろうに、大人が心配する上をいくような考え方で周りの子供たちと関係を築いていく姿に、心の奥で小さくガッツポーズしてしまうほどの感動を覚えた

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    2026年07月12日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    普通の中学生が生きているだけでこんなにも自分のアイデンティティや差別、シンパシーについて考える事が出来るのはある意味幸せなのかなと思った。
    けど日本でぬくぬく育った純ジャパだからこういう事言えるんだろうな~とも思うから難しい!!

    特にハーフに関して触れてるシーンが印象に残った。
    ハーフって気軽に言ってたけど、当事者からしたら半分って言われたり2倍って言われたり失礼極まりないよね。
    「外国の話」として完結させるんじゃなくてこういう所から私たちも意識を変えていかなきゃね。

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    2026年07月11日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    差別することはレッテルを貼ること。
    無知だと、知らず知らずのうちに自分も誰かにレッテルを貼ってしまっているのかもしれない。
    だから、知ろうとしなくちゃいけない。
    多様性の中で生きるということは、傷つくし傷つけられるし、誰かを傷つけているし、生きづらい。
    そりゃ多様性なんてないほうが、ラクかもしれない。だけど、たとえ生きづらくなったとしても、知ろうとすることをやめちゃいけないと思った。
    知らないことを、もっと知りたい。
    これってエンパシーですよね?

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    2026年07月07日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    多様性とか格差といった社会問題が色濃く出てはいるものの、社会派ノンフィクションというよりも、日常系エッセイという感じで、テンポよく読めた。今の英国(といっても既に7年前だが)が、こんなことになっているのかという驚きもあった。

    タイトルだけ見て、主人公に人種の問題に悩む可哀そうな少年を想像していたが、むしろ頼もしい少年であった。というより、この息子さん、人徳がすごい。日本人の僅かな価値観の違いに振り回されているようなオジサンが心配する必要など全くありませんでした。すみません。

    筆者であるお母さんの影響も大きいんだろうな、とも思う。文庫解説に「ブレイディさんは自分の息子を一人の人間として信用し

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    2026年06月29日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    すごく読みやすい。新幹線で1時間30分くらい移動している間に半分以上読めた。イギリスでの諸々の暮らしがありありと浮かんでくる文章だからかな。
    日本にずっと住んでいる自分にとって、海外の庶民の暮らしはなかなか接する機会がないから、読み応えがあった。

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    2026年06月23日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    イギリス社会の分断と人種差別が根強く残っていることに驚いた。エッセイ形式で読みやすいため、非常に良かった。何かあるたびに欧米を見習えという人にこそ陥っている。
    息子の素直さと友達が差別を受けた時の思いやりに感動した。幼い子どもとは思えないほど思いやりにあふれ、知性を感じる発言の数々。イギリスの道徳教育、みかこさんの教育の賜物だと思う。素晴らしい。
    P.43の親子のやり取り、「馬鹿と無知は違うこと」というやり取りやp.95のsympathyは可哀想な立場の人や問題を抱えた人、自分と似たような意見を持っている人々に対して人間が抱く感情のことだから、自分で努力をしなくとも自然に出て来る。だが、emp

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    2026年06月16日
  • 両手にトカレフ

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    いわた書店の1万円選書でチョイスされた本。

    貧困家庭で育つ14歳の少女ミアの目線で、子どもが社会から見えない存在にされていく現実を真正面から描いた小説。

    本と出会うことで「ここじゃない世界」があると気づく場面が特に印象的でした。また、富裕層でクラスの人気者でもあるウィルとの交流も強く心に残りました。こうした作品はどうしても対立構造になりがちですが、この物語では、立場も性別も違う相手とどうやって対等な関係を築くかが丁寧に描かれていて、その点がとても良かったです。

    頼れない大人たちや狭い選択肢など重苦しい物語ではありますが、少しずつミアが前向きになっていく描写もあり、暗いだけではない読後感が

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    2026年05月17日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

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    ライフってそんなものでしょ。後悔する日もあったり、後悔しない日もあったり、その繰り返しがつづいていくことじゃないの?

    誰もがみなそうだった事を忘れて、自分のライフの辛さばかり考えていた、息子くんはこの年齢でこんな風に考えられる事に尊敬した。

    自分のライフをその時その時で受け止めていこうと思った。
    そして歌を歌いたくなった。
    この本もまた愛すべき一冊になりました。

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    2026年05月16日
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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    ネタバレ

    イギリスで保育士として働いてきたブレイディみかこさんが、保育士ならではの視点でイギリスの社会保障政策をぶった切る。非常に興味深かった。
    著者が勤めているのは、貧困層が子どもを預ける託児所。母親がドラッグ依存だったり、次から次に父親のちがう子どもを生んだり。
    いわゆる「底辺」の子どもたちや、母親の生活を保育士として見つめながら、おのずと政治に関心を高めていく著者。特にイギリスは、移民が多く(著者自身も移民だ)、状況は複雑だ。移民の方がイギリス人より貧困かというとそうでもなく、今は貧困でも努力して生活水準をあげようとする一方、親の世代からずっと貧困で、国家の福祉(生活保護)に頼り切っており、生活水

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    2026年05月09日
  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

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    難しい言葉ではなく平易な表現をたくさん使ってくれるおかげで、かなりとっつきやすいと思う。それでもなお奥が深い(アナーキック・)エンパシー。読んでる間は少しわかった気になって、でも日常に戻ると自分のものにしたとは言えなくて、かといって全然距離が遠いものでもなくて、本書を通じて自分の中の視座が少しだけ豊かに、エンパシーの輪郭に触れられたような気がする。

    特に視点だなあと感じたこと。
    コグニティブエンパシーは底から湧きあがるものではなく、頭から時間をかけて理解しておろすもの。トップダウン型。それはスキルであり、後天的な育成・習得が可能なもの。
    他者の靴を履いたからと言って自分の靴を見失わない。自分

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    2026年04月30日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

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    イギリスの中学生の男の子
    その視点から見る人生や世界。矛盾に満ち、不完全で、不平等で。でもそれがライフでしょ、と言いながら。
    子どもはいろんなことを見て、吸収して、自分の世界で試してみて、成長している。とても前向きな、もう少し人生の先を見てみようと思えるような作品だった。
    そして、イギリスの教育が日本と大きく違うことを知れて面白い。それぞれ良いところがあるんだとは思うけど。

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    2026年04月18日
  • 私労働小説 負債の重力にあらがって

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    近々で、仕事で非常に理不尽な思いをしたので、共感できる箇所がたくさんありました

    人の心を持たない上司って世界中に沢山いるんだろうな

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    2026年04月10日
  • その世とこの世

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    対話というよりは、お互いにセレンディピティを取りに行っているような、交差するようでしないような感じが良い。
    冒頭の谷川さんのブリティッシュ・ユーモアの返しがセンスあり過ぎる。

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    2026年03月28日
  • 両手にトカレフ

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    いたたまれない物語。
    主人公のミアは中学生ぐらいか。
    依存症の母親のケア、次の食事、弟の迎え、学校で平然とすること、お金が足りていないこと、、、
    そもそも「打つ手がない」と悩むこともできない
    生命を維持することが直結する毎日。
    その上、ソーシャルワーカーが来ると、ろくな目に遭わない。
    偶然手にした「カネコフミコの自伝」
    現実から離れるための本だったが、フミコの世界と自分が重なる。
    という物語で、主人公ミアの壮絶な環境に胸が苦しくなるが、決して大袈裟ではない現実に気づかされ、惹き込まれます。

    自分だったらミアを守るための手は打てたのか。自分が当事者になれるのか。ゾーイと同様、「引き取る」ことは

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    2026年03月25日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

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    1でも感じたが、息子さんの人間性に感服する。自分の幼少期と重ね合わせても比べものにならないぐらい聡明で、環境がそうさせるのか、または生まれながらそのような素質を持っているのか、今後子育てを経験するかもしれない私には考えさせられる部分であった。

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    2026年02月05日