ブレイディみかこのレビュー一覧
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イギリスに住むブレイディみかこ氏による、極中、リマイグレーションなど最近ちらほら聴くな?というワードを解説した一冊。
自己責任論の伸長(他方で権力者の責任は問われない)、「中道」化による左派の弱体化、リフォームUKの伸長)や、なぜ思想が全然違う政党・なぜ政策に一貫性のない政党が支持されるのか、テックジャイアントがリベラルから右派に取り込まれていった(取り入っていった)過程、"不法移民"に厳しい移民出身の政治家など、一見矛盾するように思える主題についてすごく腑に落ちる解説になっている。
そして日本もイギリスの状況に重なることがとても多いというか、イギリスが日本の少し先を行っ -
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『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んで、ブレイディみかこさんの本をもっと読みたくなり、小説ジャンルから本書を手にした。
ストーリーは主人公の少女、ミアの厳しい日常と、彼女が手にして読み進める、日本の大正時代の活動家、金子文子の自伝とを交互に行き来しながら進む。どちらも貧困で、家族にも恵まれず、厳しい。そして、ミアの日常は、『僕はイエローでホワイトで…』で描かれる現代イギリスと地続きで、登場人物たちにもどこか既視感を感じる。
ミアやウィルや、ゾーイに、『僕は…』で垣間見られた著者自身や息子さんや配偶者、近所の素朴な人たちの横顔を感じる、それだけにシングルマザーの母親が依存症や精 -
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多様性とか格差といった社会問題が色濃く出てはいるものの、社会派ノンフィクションというよりも、日常系エッセイという感じで、テンポよく読めた。今の英国(といっても既に7年前だが)が、こんなことになっているのかという驚きもあった。
タイトルだけ見て、主人公に人種の問題に悩む可哀そうな少年を想像していたが、むしろ頼もしい少年であった。というより、この息子さん、人徳がすごい。日本人の僅かな価値観の違いに振り回されているようなオジサンが心配する必要など全くありませんでした。すみません。
筆者であるお母さんの影響も大きいんだろうな、とも思う。文庫解説に「ブレイディさんは自分の息子を一人の人間として信用し -
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イギリス社会の分断と人種差別が根強く残っていることに驚いた。エッセイ形式で読みやすいため、非常に良かった。何かあるたびに欧米を見習えという人にこそ陥っている。
息子の素直さと友達が差別を受けた時の思いやりに感動した。幼い子どもとは思えないほど思いやりにあふれ、知性を感じる発言の数々。イギリスの道徳教育、みかこさんの教育の賜物だと思う。素晴らしい。
P.43の親子のやり取り、「馬鹿と無知は違うこと」というやり取りやp.95のsympathyは可哀想な立場の人や問題を抱えた人、自分と似たような意見を持っている人々に対して人間が抱く感情のことだから、自分で努力をしなくとも自然に出て来る。だが、emp -
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いわた書店の1万円選書でチョイスされた本。
貧困家庭で育つ14歳の少女ミアの目線で、子どもが社会から見えない存在にされていく現実を真正面から描いた小説。
本と出会うことで「ここじゃない世界」があると気づく場面が特に印象的でした。また、富裕層でクラスの人気者でもあるウィルとの交流も強く心に残りました。こうした作品はどうしても対立構造になりがちですが、この物語では、立場も性別も違う相手とどうやって対等な関係を築くかが丁寧に描かれていて、その点がとても良かったです。
頼れない大人たちや狭い選択肢など重苦しい物語ではありますが、少しずつミアが前向きになっていく描写もあり、暗いだけではない読後感が -
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ネタバレイギリスで保育士として働いてきたブレイディみかこさんが、保育士ならではの視点でイギリスの社会保障政策をぶった切る。非常に興味深かった。
著者が勤めているのは、貧困層が子どもを預ける託児所。母親がドラッグ依存だったり、次から次に父親のちがう子どもを生んだり。
いわゆる「底辺」の子どもたちや、母親の生活を保育士として見つめながら、おのずと政治に関心を高めていく著者。特にイギリスは、移民が多く(著者自身も移民だ)、状況は複雑だ。移民の方がイギリス人より貧困かというとそうでもなく、今は貧困でも努力して生活水準をあげようとする一方、親の世代からずっと貧困で、国家の福祉(生活保護)に頼り切っており、生活水 -
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難しい言葉ではなく平易な表現をたくさん使ってくれるおかげで、かなりとっつきやすいと思う。それでもなお奥が深い(アナーキック・)エンパシー。読んでる間は少しわかった気になって、でも日常に戻ると自分のものにしたとは言えなくて、かといって全然距離が遠いものでもなくて、本書を通じて自分の中の視座が少しだけ豊かに、エンパシーの輪郭に触れられたような気がする。
特に視点だなあと感じたこと。
コグニティブエンパシーは底から湧きあがるものではなく、頭から時間をかけて理解しておろすもの。トップダウン型。それはスキルであり、後天的な育成・習得が可能なもの。
他者の靴を履いたからと言って自分の靴を見失わない。自分 -
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いたたまれない物語。
主人公のミアは中学生ぐらいか。
依存症の母親のケア、次の食事、弟の迎え、学校で平然とすること、お金が足りていないこと、、、
そもそも「打つ手がない」と悩むこともできない
生命を維持することが直結する毎日。
その上、ソーシャルワーカーが来ると、ろくな目に遭わない。
偶然手にした「カネコフミコの自伝」
現実から離れるための本だったが、フミコの世界と自分が重なる。
という物語で、主人公ミアの壮絶な環境に胸が苦しくなるが、決して大袈裟ではない現実に気づかされ、惹き込まれます。
自分だったらミアを守るための手は打てたのか。自分が当事者になれるのか。ゾーイと同様、「引き取る」ことは