ブレイディみかこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いたたまれない物語。
主人公のミアは中学生ぐらいか。
依存症の母親のケア、次の食事、弟の迎え、学校で平然とすること、お金が足りていないこと、、、
そもそも「打つ手がない」と悩むこともできない
生命を維持することが直結する毎日。
その上、ソーシャルワーカーが来ると、ろくな目に遭わない。
偶然手にした「カネコフミコの自伝」
現実から離れるための本だったが、フミコの世界と自分が重なる。
という物語で、主人公ミアの壮絶な環境に胸が苦しくなるが、決して大袈裟ではない現実に気づかされ、惹き込まれます。
自分だったらミアを守るための手は打てたのか。自分が当事者になれるのか。ゾーイと同様、「引き取る」ことは正直難しいと腰が引ける。悩まされました。
加えて、知らなければいけないのは「金子文子」のこと。
おそらく作者もそれを伝えたいんだろう。
大正期に23歳で大逆罪で獄死した人物ということだが
いかんせん、何も知らない。
折角なので調べていこう。
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Posted by ブクログ
英国の教育システム、見習うべき点めっちゃ多い。
政治とかシティズンシップとかをきちんと学ぶことの意義、今はますます重要だと感じる。
息子さん、本当に聡明で素直で、真剣に子供らしい悩みを抱えているかと思えばときどき達観したような大人顔負けの真理をつく発言をしたり、読んでいてこっちの涙腺を刺激する場面が多々ある。
福岡のおじいちゃんとの関係性、とても素敵。
両親や友人、周りの人たちとの関わり合いのなかで“他人の靴を履く”経験をいっぱい積んだんだろうな。
いろんな立場、いろんな考え、異なるものを知らない関係ないと切り捨てず、まず知ろうとすること。
社会を信じるために何ができるか。何をするか。
あと、ちょくちょく出てくる音楽関係(演奏や歌唱、ミュージカル)の力も、改めて偉大だと思った。
人間の心を動かして、繋げていく一つのきっかけ。 -
Posted by ブクログ
NHKの「スイッチインタビュー」を書籍化したもの。
丁度、新型コロナが流行り始めた世の中の混乱ぶりあたりに出版された。
鴻上さんの、「世間」と「社会」の話しは、ウンウンと頷きながら読んだ。
身内や隣近所の狭い世間の中で、日本人はあたふたしている人種だ。
イギリスが、ボランティア活動に熱心なのは、多様性のせいもあるのだろうか。
イギリスと日本でも教育の違い、その延長上にその国の大人たち、社会ができている。
校則問題、横並び教育、同調圧力、日本独特の社会に育つ子供達。
18歳成人となった日本において、自分の頭で考える大人に育っているのか、いっぱしの大人とて、言いたいことも言えない鬱屈した生き方をしていないか。
ブレイディさんの中学生の息子さん、なんて大人なんだと、とても感心した。 -
Posted by ブクログ
素晴らしいエッセイでした。
私は彼女の物事の捉え方とそれを言語化する際の言葉のチョイスが好き。
飾らない、くだけた印象の文章なのに語彙力と表現力がすこぶる高いところも好き。
著作を通してしか知らないけれど、尊敬する女性の1人です。要するにファンです。
このエッセイにはブレイディみかこさんの魅力が詰まっていました。
ご家族など身近な方のご不幸や、パートナーの闘病などについても書かれていますが、全体として重くならないのは前述した彼女の魅力ゆえではないでしょうか。
ブレイディさんらしい大変好ましい湿度の低さと非常に深い愛情がひしひしと伝わってきました。
人におすすめしたい一冊です。
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Posted by ブクログ
今回は前作と比べて『勇気』『変化』がところどころテーマになっていると感じた。
日本人への両手を合わせてのお辞儀も、好意がある分指摘するのは妥協してしまう事が多い。しかし、『先に進む』ためには本当にそれが正しいのか、教える勇気も必要ではないか。
息子が語る「でもライフって、そんなものでしょ。後悔する日もあったり、その繰り返しが続いていくことじゃないの?」それはそうだと思った。ライフ=生活、人生が続くのは案外くるくると変わるところが飽きないからかもしれない。
勇気と変化、ライフにそれが加わったら、世界はちょっと多様性に無知では無くなるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
アイスランドの女性たちの「ウィメンズ・ストライキ」イギリスのシングルマザーたちが蜂起したスクウォッティング、bimbo…行動を起こしている女性達はいる。SNSの中で呟いてるだけでは社会を変える動きは起こせない。理不尽に立ち向かおうと行動することが、恥ずかしいこと、スマートでないことというイメージを覆さないと、日本で同じような流れはできないだろうと思う。そのような、お偉い施政者によって意図的に仕掛けられたイメージに惑わされず、他国に目を向けることができる良書。
イタリア初の女性首相について。
なんだか今の日本の状況が被る。
p73女性政治家が女性たちにとって生きやすい社会をつくりたいと言うとき、それが彼女自身のように強くて野心のある女性たち限定のシスターフッドを意味していたら、排除された女性たちにとってはかえってつらい状況になる可能性もある。
p74女性の政治リーダーは、女性というだけでロールモデルと呼ばれがちだ。だが、彼女たちが謳うシスターフッドにはエンパシーはあるだろうか?だまされないよう、ぼったくられないよう、注視し警鐘を鳴らし合おう。
p226女性にしても、移民にしても、マイノリティと呼ばれてきた人々のグループ自体がもう本当に多様性あふれるメンツになっていて、「この属性の人たちはこういうことを望んでいるはず」の思い込みでひとからげにはできない。多様性とは人を属性で括って箱に入れることではなく、個々の人間は違うという現実を認めることであり、人を属性の箱から出すことなのだ。そこから始めなければ、シスターフッドは単なる「意識高い」人たちの集まりで終わってしまい、自分たちもまた「わたしたちが納得できるフェミニズム」の箱に入った人たちのあいだでの助け合いで終わってしまうだろう。
SNSで入ってくる情報は、自分の好みに偏る。そして、同じ傾向のある人々とつながり、「私たちが正しいよね」と確かめ合う。それでは、自分と違う人の足元に目をやり、ましてや違う靴を履いてみることは難しいだろう。本を読むにしても、やっぱり自分の好みの本を選んで読んでしまうし、現実のコミュニティでの偶然的な出会いの中でしかエンパシーは育っていかないと感じた。
この本、男性は読まないのかな…