ブレイディみかこのレビュー一覧

  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

    Posted by ブクログ

    難しい言葉ではなく平易な表現をたくさん使ってくれるおかげで、かなりとっつきやすいと思う。それでもなお奥が深い(アナーキック・)エンパシー。読んでる間は少しわかった気になって、でも日常に戻ると自分のものにしたとは言えなくて、かといって全然距離が遠いものでもなくて、本書を通じて自分の中の視座が少しだけ豊かに、エンパシーの輪郭に触れられたような気がする。

    特に視点だなあと感じたこと。
    コグニティブエンパシーは底から湧きあがるものではなく、頭から時間をかけて理解しておろすもの。トップダウン型。それはスキルであり、後天的な育成・習得が可能なもの。
    他者の靴を履いたからと言って自分の靴を見失わない。自分の靴の所在をはっきりわかっていて、それに囚われすぎない確固たる自分があるからこそ、あえてそれを脱いだり履いたりできる。
    ブルシットジョブ、ブルシットエコノミー、ブルシットソサエティーの中で頭を使わない生き方は楽かもしれないけど、それに鈍らされない。なにが大事でなにが本質なのか、ちゃんと頭で考える。
    何千の赤ん坊の命よりも優先すべき負債の支払いなど本来存在しない。単純な優先順位を見失い、決まりだからと思考放棄するならもはやゾンビと一緒。
    個人は心臓、社会は肺。心臓は肺のために存在するわけではない。肺が心臓のために酸素を供給するのであり、逆転など本来はありえちゃいけない。

    0
    2026年04月30日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    イギリスの中学生の男の子
    その視点から見る人生や世界。矛盾に満ち、不完全で、不平等で。でもそれがライフでしょ、と言いながら。
    子どもはいろんなことを見て、吸収して、自分の世界で試してみて、成長している。とても前向きな、もう少し人生の先を見てみようと思えるような作品だった。
    そして、イギリスの教育が日本と大きく違うことを知れて面白い。それぞれ良いところがあるんだとは思うけど。

    0
    2026年04月18日
  • 私労働小説 負債の重力にあらがって

    Posted by ブクログ

    近々で、仕事で非常に理不尽な思いをしたので、共感できる箇所がたくさんありました

    人の心を持たない上司って世界中に沢山いるんだろうな

    0
    2026年04月10日
  • その世とこの世

    Posted by ブクログ

    対話というよりは、お互いにセレンディピティを取りに行っているような、交差するようでしないような感じが良い。
    冒頭の谷川さんのブリティッシュ・ユーモアの返しがセンスあり過ぎる。

    0
    2026年03月28日
  • 両手にトカレフ

    Posted by ブクログ

    いたたまれない物語。
    主人公のミアは中学生ぐらいか。
    依存症の母親のケア、次の食事、弟の迎え、学校で平然とすること、お金が足りていないこと、、、
    そもそも「打つ手がない」と悩むこともできない
    生命を維持することが直結する毎日。
    その上、ソーシャルワーカーが来ると、ろくな目に遭わない。
    偶然手にした「カネコフミコの自伝」
    現実から離れるための本だったが、フミコの世界と自分が重なる。
    という物語で、主人公ミアの壮絶な環境に胸が苦しくなるが、決して大袈裟ではない現実に気づかされ、惹き込まれます。

    自分だったらミアを守るための手は打てたのか。自分が当事者になれるのか。ゾーイと同様、「引き取る」ことは正直難しいと腰が引ける。悩まされました。

    加えて、知らなければいけないのは「金子文子」のこと。
    おそらく作者もそれを伝えたいんだろう。
    大正期に23歳で大逆罪で獄死した人物ということだが
    いかんせん、何も知らない。
    折角なので調べていこう。

    0
    2026年03月25日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    1でも感じたが、息子さんの人間性に感服する。自分の幼少期と重ね合わせても比べものにならないぐらい聡明で、環境がそうさせるのか、または生まれながらそのような素質を持っているのか、今後子育てを経験するかもしれない私には考えさせられる部分であった。

    0
    2026年02月05日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    英国の教育システム、見習うべき点めっちゃ多い。
    政治とかシティズンシップとかをきちんと学ぶことの意義、今はますます重要だと感じる。

    息子さん、本当に聡明で素直で、真剣に子供らしい悩みを抱えているかと思えばときどき達観したような大人顔負けの真理をつく発言をしたり、読んでいてこっちの涙腺を刺激する場面が多々ある。
    福岡のおじいちゃんとの関係性、とても素敵。
    両親や友人、周りの人たちとの関わり合いのなかで“他人の靴を履く”経験をいっぱい積んだんだろうな。

    いろんな立場、いろんな考え、異なるものを知らない関係ないと切り捨てず、まず知ろうとすること。
    社会を信じるために何ができるか。何をするか。

    あと、ちょくちょく出てくる音楽関係(演奏や歌唱、ミュージカル)の力も、改めて偉大だと思った。
    人間の心を動かして、繋げていく一つのきっかけ。

    0
    2026年01月28日
  • 何とかならない時代の幸福論

    Posted by ブクログ

    NHKの「スイッチインタビュー」を書籍化したもの。
    丁度、新型コロナが流行り始めた世の中の混乱ぶりあたりに出版された。

    鴻上さんの、「世間」と「社会」の話しは、ウンウンと頷きながら読んだ。
    身内や隣近所の狭い世間の中で、日本人はあたふたしている人種だ。
    イギリスが、ボランティア活動に熱心なのは、多様性のせいもあるのだろうか。

    イギリスと日本でも教育の違い、その延長上にその国の大人たち、社会ができている。
    校則問題、横並び教育、同調圧力、日本独特の社会に育つ子供達。
    18歳成人となった日本において、自分の頭で考える大人に育っているのか、いっぱしの大人とて、言いたいことも言えない鬱屈した生き方をしていないか。

    ブレイディさんの中学生の息子さん、なんて大人なんだと、とても感心した。

    0
    2026年01月27日
  • 転がる珠玉のように

    Posted by ブクログ

    素晴らしいエッセイでした。

    私は彼女の物事の捉え方とそれを言語化する際の言葉のチョイスが好き。
    飾らない、くだけた印象の文章なのに語彙力と表現力がすこぶる高いところも好き。
    著作を通してしか知らないけれど、尊敬する女性の1人です。要するにファンです。

    このエッセイにはブレイディみかこさんの魅力が詰まっていました。
    ご家族など身近な方のご不幸や、パートナーの闘病などについても書かれていますが、全体として重くならないのは前述した彼女の魅力ゆえではないでしょうか。
    ブレイディさんらしい大変好ましい湿度の低さと非常に深い愛情がひしひしと伝わってきました。

    人におすすめしたい一冊です。

    0
    2026年01月19日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

    Posted by ブクログ

    自分に自信を持てば道は切り開ける、という成功した女性たちからの一般女性たちへのメッセージは、時に自分たちの自信のなさが、社会の構造的問題によるものではなく全て個人の内面的資質の問題によるものだという自己責任論へ結びついてしまう。女性の自信を育てるのに最も重要なものは、失敗を許し合えるコミュニティなのに。
    イギリスに長年暮らしている著者だからこそ見える、フェミニズムの世界の潮流と考察。難しい話ではなく、日常の生活の中で感じた違和感やニュースなどから感じたエンパシーを、気楽に面白くそして鋭く書き留めたものです。

    0
    2026年01月18日
  • 転がる珠玉のように

    Posted by ブクログ

    この人のスタンスが気持ち良くてかっこイイ。
    連合い、息子、父親、母親、ママ友、同僚…人との距離のとり方が思慮深く、かつ自分の気持ちに正直であろうとする姿勢が伝わってくる。
    コロナ禍での窮屈な生活、自身の体調不良、連合いの病気、母親の他界、と辛い時期の文章が続く。
    生活全般において客観的であろうとし、自由を求め、他者に伝える際には言葉に正確であろうとする。
    保育士時代の仕事や今も続けるボランティア活動の中での自身の行動が誰かに響いていたと知ったエピソードには泣けるような温かさを感じる。

    0
    2026年01月18日
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから

    Posted by ブクログ

    問いを持つということは、それについて調べたくなり、知りたくなることだ。本気で探求したくなる問いは、誰かに言われて無理やり立てたものじゃない。むしろ、あなたがいま本当に関心を持っているもの、つまり、もうあなたの足元に立っている問いだろう。
    生きるための問いは立てるものではなく、立ってくるものであり、すでに立っているもののことだ。

    0
    2026年01月18日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今回は前作と比べて『勇気』『変化』がところどころテーマになっていると感じた。
    日本人への両手を合わせてのお辞儀も、好意がある分指摘するのは妥協してしまう事が多い。しかし、『先に進む』ためには本当にそれが正しいのか、教える勇気も必要ではないか。
    息子が語る「でもライフって、そんなものでしょ。後悔する日もあったり、その繰り返しが続いていくことじゃないの?」それはそうだと思った。ライフ=生活、人生が続くのは案外くるくると変わるところが飽きないからかもしれない。
    勇気と変化、ライフにそれが加わったら、世界はちょっと多様性に無知では無くなるかもしれない。

    0
    2026年01月09日
  • 両手にトカレフ

    Posted by ブクログ

    ノンフィクション…の部分があるよね…。つらいよね。本当に。
    対等に接することを意識して、仕事をしていきたいと思った。
    金子文子も気になる…

    0
    2026年01月08日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    彼はもうすぐ成人する。
    2019年に中2なら、今は大学生だろうか。
    どんな子になっているだろう?
    彼はどんな思春期を送り、母ちゃんと父ちゃんはどんな風に彼に関わったんだろう。
    隣に越してきて、母子家庭になった2人や、元隣家のお母さん、友達のティムやソウルクイーンはどうなったのかな…

    大変な時代だけど、僕の言葉が沁みる。
    読んで良かった。

    0
    2026年01月05日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

    Posted by ブクログ

    『むずかしい女性が変えてきた』『焼き芋とドーナツ』気になる。ドラマ「2034 今そこにある未来」も気になるのに配信もDVDもないなんて…!

    0
    2025年12月15日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「ぼく」が考える世界の様々な事象は、非常に複雑で難解だが、それらに対してとても誠実に向き合っている。作中で『「その問題について考えるのをやめてはいけない」というありきたりな結論になった』という旨の言葉があるが、私はそのありきたりなことを放棄してしまわないよう、日々を意識したいと感じた。

    0
    2025年11月24日
  • 転がる珠玉のように

    Posted by ブクログ

    普段ほとんどエッセイは読まないのですが、ブレイディみかこさんの本は何故かスイスイ読めて、面白いので好きです。この本はたまに連載時にWebで読んだので、いくつか読んだことがある話がありました。改めて考えてみると重たい話が結構多いのですが、それを感じさせない、軽やかに読ませてくれるのはさすがで、今回も楽しく読むことができました。あの息子くんがもう家を出る歳なのかと思うとしんみりしますね。お連合いさんも、早く健康を取り戻して穏やかに過ごせますように。

    0
    2025年11月24日
  • 何とかならない時代の幸福論

    Posted by ブクログ

    日本とイギリスの違いを社会学の目線から分析するのが面白かった。
    キーワード

    世間と社会、アナキズム、エンパシーとシンパシー、同調圧力、

    0
    2025年11月20日
  • SISTER “FOOT” EMPATHY

    Posted by ブクログ

    読んだ直後は★4つ。でも日々の出来事の中で、ああこういうの、この本にはなんて書いてあったっけな、と読み返すことが何度かありました。高市総理を批判するフェミニストを見たときとか。

    0
    2025年11月18日