しかし大人になってから、2007年のロンドンのブリクストン・アカデミーでのピストルズ再結成ライブの動画を見た時に私は驚きます。タイトな着こなしができないほど相変わらずに肥えた、そして年の分だけ老けたジョニー・ロットンがそこにいるのですが、震えるくらい、目の奥が熱くなるくらい最高にかっこいいんです。勝手に抱かれたパンク幻想を皮肉でぶち壊すように、老いた姿を晒しているのがまたひねくれててシビレます。パンクロッカーとしてはToo Late Too Dieな年齢、Don't Trust over 30の倍ちかく生きて、老後を考え出す世代のオッサンが「No Future」と歌う皮肉もふくめて最高にかっこいい。老若男女パンクスですし詰めになった会場に汚く響き渡る「No Future」のシュプレヒコールに、なぜか私は涙が流れそうになりました。「夭折して伝説に…なんて、死んでもなってやんねえぞ!」とアカンベーして世界をペテンにかける態度そのものがパンクじゃんか、と大人になってわかりました。若い頃のライブの何倍も凄みがあってかっこいい!