ブレイディみかこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ブレディみかこさん初読みです。
誰にも忖度せずに自分の考えをハッキリ言う人のようですね。
1年程前にヤマザキマリ「たちどまって考える」のレビューで、コロナ禍での危機管理能力が優れている政治家を挙げたのですが、同じ名前が本書の裏表紙に書いてありました。
おそらく多くの人がそのように感じたのだと思います。
なぜ、コロナ対応がうまくいっている国のトップに女性が多いのか?
その理由は明確でした。
答えは「政治的能力が優れている」から。
ブレディみかこさんの答えに納得です。
「どうすれば支持を下げないか」という保身のための計算が必要な国はダメです。
政府への信頼がある国、つまりトップが優秀な国が成功しているといえます。
オーストラリアのように男性指導者でも成功している国もあるので、女性だから云々というのは理由になりません。
男女の比較にするとジェンダーのステレオタイプ化に繋がることを避けたとも感じます。
本書は世界の女性政治家に焦点を当てているのですが、ブレディみかこさんが日本の女性議員をどのように捉えているのかも気になっていました。
本書で取り上げられたのは、稲田朋美と小池百合子の二人です。
稲田朋美に関してはあまり評価していないですね。
日本で彼女を支持しているのは右翼ではなく、反左翼(左翼に対して攻撃を行う人達)が多いと分析しています。
稲田さんはマスコミにもバカにされている印象を持っているようでした。
小池百合子に対しては、
女性の地位が低い日本の男性支配的な政界において、日本初の女性首相候補とみなされてきた。
行動を起こすのが遅く、柔軟性に欠け、曖昧な安倍首相とは対照的である。
と、抜け目のない、やり手の政治家だと一目置いているようです。
2017年の衆院選では小池百合子党首に、希望の党公認から「排除いたします」と言われ行き場をなくした民進党の大の男たちがいました。
この様子を見て、快感を覚えた女性たちは小池を支持し続けています。
安倍政権的なもの、自民党政権的なもの、性差別的でセクハラ・パワハラの象徴になっている「おっさん」が時代遅れで野蛮な存在になっています。
稲田朋美が口にした「(党の)おじさん政治をぶっ壊す」は、自民党のおじさんに向けたうっぷん晴らしの言葉でしたが、小池百合子は黙々とおっさん潰しをしているような気もします。
ブレディみかこさんが暮らしている英国の女性政治家といえばサッチャーですが、日本人が持っているイメージとは違う見方をしていました。
何かがうまくいっていない時、うまくいっていない理由としてみんなが納得しそうな敵を設定し、それを激しく叩きまくる。
"福祉国家をぶったたく"とのスローガンでのし上がっていったのがサッチャーだそうです。
「国民は国に頼るのではなく自己責任で生きていかねば国は衰退し経済成長もしなくなる」という新自由主義の弱肉強食的な政策を取れたのは「鉄の女」だったからではなく、彼女の政策に快感を覚えて指示した女性層が一定数存在したからだと言っています。
アメリカはどうか。
アメリカのハリスは初めての女性の副大統領、初の黒人副大統領、初のアジア系副大統領なのだそうです。
では"ハリス大統領"はどうか、というアンケート調査の結果は、なるべきが28%、なるべきではないが44%と支持は得られていません。
2016年の大統領選でクリントンが負けたのは、クリントンが"女性"だったからと言われるほどアメリカは男性社会であるようです。
日本も女性の地位の低さでは世界的に有名な国ですが、コロナ禍で女性の貧困の問題が顕在化し、女性の自殺者が増えてしまいました。
「何とかして欲しい」と言っても、おっさん政治指導者たちからは「お気の毒に」「甘えるな」と言われて終わりです。
ブレディみかこさんは、日本の女性たちの怒りがもっと高まってもいいのでは、と歯がゆさを感じているようです。
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だらだらと長い、まとまりのないレビューになってしまいましたが、最後にグチを一つ。
タイトルの「ポリティクス」もそうだが、カタカナ語が多すぎる!
『ムスリム移民のミソジニー的文化が欧州の女性の自由と権利を台無しにするというナラティヴを極右が広げている』
なんて、意味が分からない!
「フェミニズム」「プラグマティック」「ブレグジット」「ミソジニー」「バックラッシュ」
「ポピュリズム」「レームダック」「エスタブリッシュメント」「プログレッシブ」「レイシズム」
「レペゼン」「レトリック」「プロパガンダ」「イスラモフォビア」「ムスリム」「マチズモ」
「アイコニック」「アイロニック」「アファーマティブ・アクション」「エスタブリッシュメント」
のようなカタカナ語の意味を調べながら読みました。 -
Posted by ブクログ
一読するにはいいかな。ただ時間が過ぎた時には必要なのかな。
イギリス在住の保育士が2015年日本へ取材滞在し書き上げる。労働者階級に棲み分けているという作者から見た日本の労働者、階級、政治、貧困や人権。
冷静な切り口は面白い。
また保育の話は色々比較されていて気付かされることが多かった。病児保育はそもそも必要か?弱った時は大切な人がそばにいるべきと考える英国と、たらい回しにされる病児の日本…
親の労働条件が改善されない限り子どもの状況も改善されない。
過酷な労働条件に慣れてしまった親は子どもの環境劣化に気づかない…
階級なんて存在しない、格差はあるが自分たちはみんな同質だと言い続けてきた国は息苦しい、奇跡のような場所で閉塞に穴が開いている。251
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Posted by ブクログ
2020年夏に刊行された本。コロナ後の社会の変化について。 人間、生命、歴史、国家、くらしと文化をテーマに21人の知性が語る。
インタビューと寄稿された文で構成されている。コロナが蔓延し拡大していた頃の見解なので、現在の視点で読むとやや違和感がある意見もあるけれど、総じてコロナをきっかけに、今後社会が大きく変化すること、先が見通せない不安がつきまとうことで一致している。コロナ発生から1年が経って、ワクチン接種が進んでいるが、なかなか終息しないのが心配。 経済活動は悪化しているが、でもマクロレベルでの指標と実態の乖離は、それほど危機的ではないように思う。 影響が出てくるとすれば社会構造の変化、人間の付き合い方の問題だろう。 この本は、賞味期限が短いと思うので、読むなら早めがよい。 5年から10年経って、彼らの予想がどうだったのか検証には使えるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ左派と呼ばれる人たちは人権問題や環境問題等は取り上げるが、経済問題に真剣に取り組んできていなかったが、今政治の実権を握っている人たちに対抗して人間らしい暮らしをみんながしていけるためには、これからの暮らしを経済の観点からどう変えていくのかを語らないと人心を掴むことはできないということを語った本。
北田さんと松尾さんの話が高度すぎてたまについていけなくなるんだけど、ブレイディさんが庶民的な目線で理解したことを話してくれるので助かった。
ここでいう左派というのは平等主義とか平和主義とかではなく、稼いだものをきちんと分配して、働いたらきちんと食べていける世の中を作ろうと言っているにすぎないというのも大切なんだと思う。
現代の奴隷制度みたいなものを作り出し、脱税しまくってる企業が闊歩する世の中は、やはりどこかねじ曲がっているように感じるので、それを是正できるのは行政なのではないかと。 -
Posted by ブクログ
ブレイディみかこさんの作品が好きで何冊か読んでます。
そんなに読んでいませんが、他の作品に比べると歴史関係が多く、あまりイギリスの歴史に詳しくないと読み進めるのが難しかったです。
ただ、労働者会級の方々がなぜ離脱に投票したのか(定住する移民はいいが、出稼ぎのためにきて、低賃金で働いてある程度お金を貯めたらでていくのはどうかとか)を知ることができ、ブリジットへの理解が深まった気がします。
また、緊縮前のイギリスと現在の日本は似ているかなと思いました。日本も現在は低所得者への優遇策をしているが、今後は緊縮に進む可能性があるだろうなと思いました。政府に左右されずに自分で生きる力を身につけていきたいと思いました。 -
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ラジオ「荻上チキセッション」が夕方に移ってから聞くようになり、荻上チキさんとはどういう人かと探していて行きあたった本。読みたいと思った人の章のみ読みました。
養老孟司:「不要不急とは」という、今回もまた若干ずれた感のある内容なのだが、この用語への同氏の違和感は、医者でありながら現場ではなく解剖をやっている自分、また現在の老人で公職にもない自分の存在は不要不急なのではという根本から生まれている。そこからさらに、人間自体不要不急なのではという話。この辺りは、前回読んだ氏のインタビューで、老人はコロナ禍を乗り切ったところで生き甲斐はあるのかという疑問と相反するようで通じるところがあり、面白いなあと思った。それにしても毎回若干ずれてるのに毎回養老先生が出てくるのは、よっぽど好かれているということなんだろうなあ。
五味太郎:絵本作家だからなのか子供にあたたかい視点。そもそもの教育が、子供の権利のはずなのに子供に失礼だというところから発し、不安だったのはコロナ禍のせいなのか、収束して非日常から戻った際の「日常」は(特に子供にとって)そもそもよかったのかという議論。学校はありがたいけれど、現行の教育に対する疑問や批判が帳消しにされるべきではないということなのだろう。これまたコロナ云々を超えた根本的議論。
荻上チキ:検察庁法改正(定年延長)が見送られたことに見る世論の動きの分析。良くも悪くも議論が単純化されることで世論が盛り上がるというところに、なるほどなと思った。
ブレイディみかこ:息子が受けた、コロナ禍でのアジア人蔑視発言から、各人が自分のなかにある偏見に気づくきっかけになったという話。分析する息子さんも、その発言を注意した級友も、なんとも冷静ですごいなあと思う。またキーワーカーへの拍手の要不要論も、それが次世代に残すであろう影響から反対はできないというブレイディさん、現在がそうこうで終わらせずコロナ後に続いていく、次世代を育てていくという先を見据えた視点にハッとした。
(お名前を失念):会うことが暴力という言葉になるほどなあと思った。だから「あつ森」のように会わなくて良い平和なゲームが人気になると。裏を返せば、会うことの暴力に対峙できない人の中に、その分の暴力をネット上で振るう人がいるのではないかと思わないでもなかったが、生身とバーチャルの違い=暴力・重力という視点が面白いと思った。 -
Posted by ブクログ
鼎談形式ではあるが、内容はかなり高度。それだけに議論が錯綜し、わかりづらい印象がある。しかし、本書の主張は一貫しており、左派(リベラル)も反緊縮経済政策を訴えよう、というのもである。日本の左派は、人権などの問題と経済とを別問題と考える傾向がある。それをあらためようという主張。社会福祉へ財政を投入すればそれが雇用を創出し、経済も活性化する。要は経済の舵の切り方を右派と違う方向に切ることで、経済を発展させ、かつ福祉も充実させようというとする試み。魅力的な考え方ではあるが、はたして本当に債務超過に陥っている日本で、財政出動を積極的に続けることができるのか、不安がぬぐえない。もっと、勉強をしないといけないと思わせる1冊である。
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Posted by ブクログ
英国に渡り保育士となった主婦が主には貧困問題に対して、日本滞在時代に行った取材を基に書かれたノンフィクション。ここ数年話題作を世に送り出しているため、興味をもちまずは、一冊読んでみた。
貧困問題、格差社会、人権などの社会的課題について、支援の現場に入り込んで実体験して、飾らない言葉で自身の考えが紹介されている。
労働者階級の目線で、各国の緊縮財政路線が悪の根源であるとばかりに再三批判しているものの、借金まみれの日本で財政健全化の視点を欠くとそのしわ寄せがどこに来るのか、未来の世代につけがまわるのは自明の理であると思うので、著者の主張の極端さは否めないと思った。
ただ視点は面白くまた読みやすくもあり、一気読みで完読。著者の作品をもう何冊か読んでみよう。
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Posted by ブクログ
これからは左派も経済について語ろうというお話。現在の左翼の凋落は経済無策が招いたことの反省です。ここで語られる経済政策は、右派である私にとっても違和感のないものです。というか、現在のデフレ下では当然の政策ばかりです。驚いたのは欧州では反緊縮が左派(リベラル)の専売特許になっていることでした。日本では右派と目されている経済学者が反緊縮を主張してますね。マルクスとケインズがつながるという解説は目新しかったです。経済政策については著者たちに合意できるけど、その以上の思想はやはり私とは違うなあと思いました。この本はコロナ禍以前に出版されたものです。今は、さらに反緊縮が必要な時期です。