澤村伊智のレビュー一覧
-
ネタバレ 購入済み
シリーズ二作目の短編集
これまでの作中キャラがたくさん出てきて興味深く読みました。個人的には美晴の話が良かったです。あー、あの子か、という楽しみがある作品集でした。ラストにホラーらしい嫌さがあるのはご愛嬌なのかな。今までの作品のあちこちと繋がっているのでシリーズ愛読者にはオススメです。真琴と琴子がかわいくて良かった。
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「子供を沈める」
いじめを苦にして自殺した被害者が、4人の加害者の子どもに生まれ変わってくるというお話。
被害者は、加害者の子どもに生まれ変わって何がしたかったのだろうか。初めは復讐なのかと思っていたが、最後の加害者が、他の3人の(加害者の子達)分まであなたを愛すると伝えると、微笑みを返したという形で終わっている。
被害者には、前世でいじめられた(というより、怖い事をされたという曖昧な)記憶は残っていても、母親となっている相手が、そのいじめをしていた当人だと分かっている様子はなく、反省を求めるような素振りもない。
もしかすると、加害者自身が具現化した過去の罪と自ら向き合い、それを乗り越え -
-
Posted by ブクログ
平凡な日常の一寸先に潜む闇を描くオカルトホラー掌編集。
◇
小学校高学年らしい少女が友だちを連れてニュータウンに建つマンションの階段を昇っている。このマンション・サンビレッジは自殺の名所として知られ、いろいろなところに住む人が夜間に身投げしに訪れるという。
少女は観光案内のように、人が地面に叩きつけられたときの様子や音を説明しながら、飛び降り地点に選ばれる13階と14階の間の階段踊り場まで昇ってきた。
( 第1話「名所」)※全21話。
* * * * *
実はショートショートにはさほど興味がなくて、星新一さんや阿刀田高さんなどレジェンド -
Posted by ブクログ
澤村さんの作品はやっぱり短編がいいですね!
と言ってもまだ長編は読んだことがありませんが…w
本作は全8編
『夢の行き先』『宮本くんの手』が良かったですが、一番は表題作の『ひとんち』かな
家の習慣って結構違いますよね
例えば食事もそうですが、その家独自のルールだとか、その家でしか通用しない呼び方があったりしますよね…
ちなみに我が家では、「お茶漬け」のことを「ちゃま」と言います
(奥さんと子どもたちだけで私は言いませんがw)
上の子が小さい頃、上手くお茶漬けと言えずに「ちゃま」と言っていたのが今に続いているみたいですw
家庭内ではこの呼び方でも別にいいですが、子どもたちが、もし人前で -
Posted by ブクログ
ネタバレカバーイラストは濱口真央。
■綾辻行人 「再生」 (『亀裂』、『眼球綺譚』)
中高生の頃に既読。再読。
思った以上に・・・・の「・・」で笑ってしまった。
■鈴木光司 「夢の島クルーズ」 (『仄暗い水の底から』)
中高生の頃に既読。再読。
当時はすごい大人の話だと思っていたが、マルチ勧誘というしょぼさとヨットという対比が、実に大人っぽい。
またヨット好きの作者らしい描写(専門用語)もきりっとしている。
■井上雅彦 「よけいなものが」 (『怪奇幻想短編集 異形博覧会』)★
面白いアイデア。
よく会話文が連続するときに陥りがちな混乱を逆手にとって。巧み。
■福澤徹三 「五月の陥穽」 (『怪談