澤村伊智のレビュー一覧
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気鋭の若手からベテランまでが一堂に会した「最恐」の物件怪談アンソロジー。
家や土地をテーマにしたホラーアンソロジーです。
作家陣が豪華で、個人的には外れなしでした。どれを読んでもじっとりと湿度のある話が楽しめます。
珍しい方だと、事故物件検索サイト「大島てる」の管理人・大島てるさんのお話なんかも掲載されています。サイト自体は見たことがありますが、文章も書いているとは初めて知りました。
実際に届いたメールや、自身が本を出すための取材で回った際に見聞きしたものについて書いているお話や、伝染する呪いを扱ったような作品も多く、虚構と現実が曖昧になる感覚がしてそれもまた良かったです。現実に侵食して -
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7人の作家によるホラーアンソロジー。
編者の三津田信三が、それぞれのテーマで「自分が最も怖いと思う怪談を書いて下さい」とお願いして出来上がった一冊。
澤村伊智「霊能者怪談」
加門七海「実話系怪談」
名梁和泉「異界系怪談」
菊地秀行「時代劇怪談」
霜島ケイ「民俗学怪談」
福澤徹三「社会系怪談」
三津田信三「建物系怪談」
霜島ケイ「魔々」と名梁和泉「燃頭のいた町」が面白かった。
「魔々」田舎の古い家に一時的に住むことになった主人公が夜な夜な天井や壁からの異音に悩まされ、リフォーム業者に調べてもらうと、塗りつぶされた壁の向こうに階段があり、屋根裏には白い布が被さった神棚が…怪しさ満点。民俗学怪談好き -
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物件、つまり家や土地にまつわる怪談集。
表紙に並んだ著者名を見てほしい。
どれもこれも怪談の名手じゃないか!
一作品既読があるだけで、他は全て初めて。
なんだよー全然怖くない、なんて思っていたが、やっぱり夕暮れ時から夜にかけて思い出したり読んだりするとぞわぞわする。
「牢家」は、座敷牢というキーワードに引っかかってしまうと、最後にひっくり返される。
そして、ホラーにはお決まりの(作中でも言及されているが)地元の老人が「はいっちゃいかん!止めろ!」という。
もう絶望しか無いフラグが立つ。
そしておそらくその通りになる。
が、みなまで言わず余韻を残すところは作者の技量。
大島てるの「旧居の記 -
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ネタバレ以下、印象的作品。
◆東川篤哉『陽奇館』。予想外の結末でびっくりしました。まさか探偵が死ぬなんて。
◆一肇『銀とクスノキ』。館はあくまで舞台装置という印象。(そういう意味では、澤村さんの作品の方がまさにその舞台って感じかな。)メインは一人の女の子の心を救うお話。罪善くんのキャラ良かったなー。
◆周木律『煙突館の実験的殺人』。一番びっくりしたのがこれ。急に世界が、スケールが大きくなったな。
◆六作共通して言えるのは、登場人物の名前が特徴的。あと、なぜ「白」なのかはよく分からない。
唯一はまれなかったのが古野さんの『文化会館の殺人』。登場人物、特に探偵役の言葉使いとか、改行の感じとかかな~。その