澤村伊智のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
現代最高峰のホラー作家が共演。身の毛もよだつ現代の怪談全6篇。
現代を代表するホラー作家さんの最恐アンソロジー。
正直、「最恐」というほど怖いかと言われるとそこまででもないんですが、面白さで問われると期待通り。怪異からヒトコワ、実話怪談、ファンタジー味のある話までバラエティ豊かでどれもそれぞれ面白いです。
とくに不気味だったのは、栗原ちひろ『余った家』言葉は通じるのに会話が通じない人が一番怖い。ラストも何だか落ち込んでしまう……。
はやせやすひろ×クダマツヒロシ『警察が認めた<最恐心霊物件>』も、リアリティと、実話怪談ならではのオチのふわっとした感じがそわそわします。
逆に、梨『恐怖症店』は、ファンタジー味のある不思議で優しい話。オチも綺麗で、アンソロジーの締めくくりにふさわしい後味の良さ。怖くはないですが。
他の話もどれも面白くておすすめです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ背筋「オシャレ大好き」
先頭の羊に何も考えずついていく人たちの話。
澤村伊智「鶏」
メントールのタバコを吸ってもしその人が鶏になったとしても、タバコを人からもらったその人がいけないだけで、何であげた人に責任被せるような言い方するのか不明だけど、お話はちょっと面白い。
コウイチ「金曜日のミッドナイト」
結局金庫を開けたことがまずかったの?セーラームーンの格好のおばさんは金庫の中身と戦ってたの?
はやせやすひろ×クダマツヒロシ「警察が認めた〈最恐心霊物件〉」
最初の話と随分違うのは置いといて、腹立つよね、関係ない人に怖い思いさせるって。結局何だったの?本当に霊ではなく人が侵入してきてるならそこは解決しないといけない問題では?
余った家/栗原ちひろ
家(血縁)が嫌なら近づかなければいいのに。どうして理解してもらおうとか思っちゃうんだろう?無理なんだし、無駄な努力なんだから自分は自分で生きていけばいいのに。この話だけ全然意味が分からなかった。
梨「恐怖症店」
一番よかったかも。とても優しいお話だった。恐怖症を売るだけでなく買うこともあるので、少し混乱する場面はあったけれど。「店主」は冷酷なようでいて情のある人(人ではないか)だな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ比嘉姉妹はいつもボロボロになって痛々しい、その原点になったといってもいい話。真琴ちゃんがあんなに自罰的で自己卑下が激しいのは(他の兄弟が不幸なことになってることも関係なくないけど)姉の背中を見てきたからなんだろう。だけど琴子があれだけストイックになるのも無理はない。
「ししりば」は造語なんだけど、獣感ある語感だし、弱点から原形はカモシカかな、と思った。
砂はなんとなく崖からパラパラ落ちる小石のイメージ?一番最初の怪異が実はただの◯◯だった、というオチはなかなかだった。
ただ、ぼぎわんのときも感じたけど、クライマックスから終幕までのボリュームがもう少しあってもいいかなぁ、と思う。読んでて「え、この量で決着つくの!?」と心配になる。
そして今回もヒロインの旦那さんがアッサリと絶命してしまう。
霊異とか怪異に男性性って弱いのかな。そんなことはないじゃないかと思うけど、どうなんだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて読む作家さん。他の読書アプリで話題になっていたので、興味を持っていた。ひとつひとつが短いので進みが早い。怪談、というより、都市伝説?みたいに感じた。昔、夢中になって読んだ「新耳袋」を思い出した。
「名所」 なるほど、こうきたか。人間が怖い、というオチだな。
「みぞ」 少し閉所恐怖症のところがあるので、とても怖い。人物入れ替わりについては不思議な感じしかしない。
「せんせいあのね」子どもが純粋っていうのは思い込みだと思う。
「君島くん」洒落怖で有名になった「コトリバコ」に関連した話で、昔は持ち回りで集落で回していたものがあった、という話がちょっと出てきたことがある。そんなことを思い出した。
「保護者各位」この本で一番食いついたのがこの話。間違い探しのように前回との違いを探した。「かにく」がなんなのかは分からないけれど、ブルーノ・マーズとコラボしている「APT」のリズムで「かーにく、かにく」と頭の中で回ってしまった。
「血」怖いというより、エロより。
「かみさまとにんげん」信じる人がいなくなれば神も死ぬのか、と考えてしまう。
「ねぼすけオットセイQ町店301号室のノート」 すべてに意味があるわけではないのだろうけれど、すべてに意味づけを考えてしまいがちなる。
「さきのばし」オチはなんとなく、途中から気づいたけれど、その前まではギャグなのか?と思ってしまった。矢島さんがいい人過ぎる。
「深夜長距離バス」ひょっとしたら実話かも、なんて思える話。
「内見」…いったい誰なんだろう。その意味も含めて怖い。
「満員電車」顔見知りじゃないけれど、顔を知っている関係。体験した人は多いと思う。でもこれは迷惑千万。
「空白」後のほうの話でもあるが、見栄を張る、という話がいくつかある。そして受け入れられないことを記憶から抹消する。哀しい。
「はしのした」えーっと、頭がこんがらがってきた。息子は本当の息子?
「青黒き死の仮面」新郎新婦だけが害されるのだったらいいけど、他の人にも影響与えすぎ。
「通夜の帰り」人には親切にしようと心から思いました。馬鹿にしちゃいけない。
「喫茶店の窓から」自分が見ているものに自信がなくなる、のはこういう時。
「無題」奥さんが無事だったのか、教えて欲しい…
「夢殺」これは、怖い。本人の立場になると、めちゃめちゃ怖い。
「冷たい時間」くみたんの境遇はなんとなく予測できたけれど、ヤノッチとタケル君は予想外。まさかの両方ともクズ。しおりんはどうして死んだ、と聞くが、死にたくなる気持ちは分かるように思う。それでも未練があるんだよなあ。しおりんの特殊能力?は身近な人に働くと辛かろうなあ。
「残された日記」人の不幸せばかり追いかけて嗤っても、自分が幸せになるわけじゃないよなあ。それに気づけないと不幸になる。
ひょっとしたら、分かってないオチがあるのかもしれないけれど、まずまず面白かった。 -
Posted by ブクログ
幽霊、怪奇現象、人怖、モキュメンタリーなど、様々なホラーの掌編が集められた作品集でした。短いのでサクッと読めます。
今作の中で一番好きだったのは『さきのばし』という話です。
トロくてなかなか言いたいことを言えない肥後ちゃんという女性が出てきます。
肥後ちゃんは、中一のときのテストの採点ミスを先生に言おうとしながら、やっと言えたのが中三の卒業式だった…という、とんでもなくトロい性格です。主人公は最初は肥後ちゃんになんとか親切にしようとしますが、とあるきっかけで、肥後ちゃんのあまりのトロさに怒りが爆発してしまいます。ここまでは、まさにコントのような展開なのですが、油断して笑っていると、ラストに向けて急転直下ホラーになるのです。予想外のラスト。そして、笑いから恐怖へと転落するその落差にゾクっとしました。 -
Posted by ブクログ
澤村さんの ホラーのネタはどこから溢れてくるのかしらというぐらい、怖さに幅と引き出しがあります。
「ひとんち」
ひとんちとじぶんちでは、ちょっと話がズレることがあります。仕方ないです。
でも、そのズレの中に、誰かの家の「当たり前」が潜んでいる。そしてその「当たり前」が、ある日ふと、自分の家の常識を脅かしてくる。
「夢の行き先」
僕らの夢の行き先。
二つの夢が 出会った先に起こったトラブル。
「闇の花園」
学校の先生もいろんな家庭があって大変ですね。
闇が深すぎると、手が出せません。
守ったはずの子供の闇は深い。
「ありふれた映像」
ありふれた映像の中に、何か見つけてしまったら―それは怖い。
「手のんく本宮」
身体の小さなバグって、気になりだすと止まらない。確かに、バグっているところが無くなれば、バグらない。でも、それは“治った”と言えるのだろうか。
「シュマシラ」
澤村さんは、音から感じる言葉を創り出すのが上手いなあと思う。適当に作っていそうで、たぶん音に意味を持たせているんじゃないのかなあ。
響きだけで、もう世界が立ち上がっている
「死神」
「不幸の手紙」を回したことはないけれど、
知らない人の貴金属を身につけるのは、少し怖いなあ。最近はリサイクルが盛んだけれど
あまりその方向のホラーが出てこないのは
不思議な感じ。
澤村伊智の「死神」は、そんな継承の恐怖。
「じぶんち」
「ひとんち」への呼応として書き下ろされた
「じぶんち」。
タイトルだけが対になっていて、
怖さは、圧倒的に“じぶんち”に軍配。
他人の家より、自分の家のほうが、よほど怖いし
怖いと悲しい。