あらすじ
四ツ角高校三年二組で一番美しく人気もあった羽村更紗が突如自殺した。遺書もなくいじめもなかったが、告別式で家族はかたくなに娘の顔を見せようとしなかった。彼女の死をきっかけに、次々と女生徒が見えない力によって容姿を傷付けられていく。クラスの誰かが“あの力”を行使している――生徒達は疑心暗鬼に陥った。担任の小谷舞香は、この異変の真相を探るうちに地域に伝わる人の見た目を変えるおまじない「ユアフレンド」の存在を知り犯人を捜し出そうとする。戦慄の学園ホラーミステリー!
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Posted by ブクログ
ルッキズムとスクールカーストのお話をホラーで装飾した物語
胸が痛くて度々泣いた
自分の学生時代を思い出して、当時はスクールカーストなんて言葉はなかったしここまでのルッキズムも無かったけど、似たような空気はあった
グループの違う子とは確かに壁のようなものもあったし男子の女子に対する格付けのようなものもあったと思う
残酷すぎるよね
顔なんてタダの皮膚と皮でしかないのに美醜で品定めされてグループに分けられて順位付けされて
物語はバッドエンドだった
犯人探しやトリック、伏線もあって読み応えはあるけど、読みやすくてスラスラ読める分余計に辛かった
Posted by ブクログ
美醜とは何か、考えさせられました。
「ユアフレンドの呪い」は残酷で優しい呪い、持ち主の為だけに悲劇的な喜劇を披露するだけのもの。
ユアフレンドの真実こそが一番の呪いでした。
思春期に読みたかった一冊です。
Posted by ブクログ
見えないけどそこにある。触れられないけどそこにある。音もしない。匂いもない。でも、そこにある。本当にある。
1番怖い。
スクールカーストとルッキズムの恐ろしい作用。
あの子はあの子の理解の中ではとても人に優しい子だったのだろう。優しくしようと心がけてはいたはず。でもその優しさは自分の理解の中だけのもの。
持たざる者が聞けば彼女の励ましはただ傲慢なだけの言葉になる。
なんとまあ怖い話だろう。
大好物。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった!!!!
都市伝説好きにはたまらない!!!!
ホラーでありつつも学園小説であり、思春期のルッキズムが痛々しいほど鮮明に描かれています。
ミステリー要素もあり、誰が呪いの犯人なのか最後まで分かりませんでした。
何度も「え!?どゆこと!?」ってなりました笑
すごくすごーーーく面白かった!
誰だって美しい人に嫉妬することはあると思います。
もし、あの美しい同級生が醜く変貌してしまったら...?
そんな仄暗い願いを叶えてくれる「おまじない」に振り回される人々の物語です。
やっぱり澤村伊智先生の本にハズレ無し!
Posted by ブクログ
ユアフレンドは悪魔の呪具
家族から容姿をけなされて、それが心の棘になって傷ついて縛られてしまう
ましてや若い女性なら尚更ですね
誰がこの呪具を使って、可愛い子を醜くしたのか?
二転三転して読むのが止まらなかった
そしておまじないをかけた者がどうなるか、真の意味も最後にわかる
切なくて面白い
相反する感情を読書後に味わう
Posted by ブクログ
すごい本。
人の心理をこんなにも、事細かに書けるなんて。
みんな、多からず少なからず人に操られて生きていて。 それは毒が強すぎると、殺人にまで至る。
何者でもある作者に、ひたすら脱帽。
Posted by ブクログ
美貌格差って言うヤツやな…
一皮剥けば、みんな骸骨や〜!って言ってもね…
こんな雑誌現れて、好きに出来るって言われたら、美人さんをめちゃくちゃしたる!って気持ちは分からなくてはない。
でも、それで、自分がどうなる訳やないし止めときや!としか言えん。
結局、罪の意識とかに苛まれるだけ。
「人を呪わば穴二つ」って言うやろ!
どうせなら、美人さんに変身させたらええのに!多分、大きい目で見れば、これの方が堪えるような気もする。
あかんで〜!
そんな事。反省m(_ _)m
別に善人でもないんで、もっと人を陥れずに楽しめんのかな?
どうせ、貰った呪具やし。
何かで、お金儲けするとか……
あかんな…多分、地獄見るな…(^◇^;)
こういうのは、神社に奉納やな。
相変わらず、ミステリー仕立てのホラーで楽しませてくれました〜
このおまじないは、見た目の価値なんて全部まぼろしだ、くだらないことで迷うな、悩むなと教え、救うためのもの。
悟りの道は長く遠い…
Posted by ブクログ
続きが気になって寝不足になりました…
学園ホラーミステリーというのでしょうか。
メンタルにくる話で、うわーと思いながらも先を読まずにはいられない。
見た目の美しさ、醜さにまつわる呪いの話。
結局この呪いって何だったのか、そう考えた時に、じっとりと嫌な気分になる。
私も知らずに誰かに呪いをかけてしまっているかもしれない。かけられてるかもしれない。
そして突然一瞬唐突に古典的少女漫画キュンッ展開があって不意打ちで「あらやだすてき…」ってなったりならなかったり笑
「うるはしみにくし あなたのともだち」
語呂がいいよなぁ。
澤村伊智さんの作品はタイトルがなんだか頭から離れなくなるものが多い気がします!
とっても面白かったです!!
Posted by ブクログ
学校でのおまなじないが現実に起こってしまう、誰が犯人が分からないまま疑心暗鬼になっていく。
澤村さんの作風、少しだけテイスト異なる印象でしたが、面白くて一気読みしました。
Posted by ブクログ
美しさとは何か?
皮一枚のことだけれど、本人にとっては重大なこと。
おまじないで、それを変える事ができたら。
女子高生の願いらしい呪い。
いつもの澤村さんの作品とは違う意味で重かったです。
Posted by ブクログ
【2025年103冊目】
スクールカーストの頂点にいた女子高生、羽村更紗が自殺した。見た目も麗しく、成績も万能。彼女が自殺する理由など思い当たらず同じクラスの生徒達は動揺を隠せない。日が経つに連れ、NO.2だった野島夕菜がクラスの頂点になったが、ある日の古典の授業中、彼女の顔が腫れ上がり、血が吹き出す事態が起こって――。
美醜に纏わるミステリーホラー。読み終わってみると最初の視点から疑わなきゃいけなかったなと反省するはめになりました。学生という未成年ならではの残酷さがリアルに描かれているのと、得体の知れない呪いの怖さと、呪いの元は誰なのかというミステリーの要素が上手く絡み合って、面白く読めました。
呪いをかけている当人が、実は一番報われないという真相はなかなかパンチがきいてましたね。感想を書いていて、改めて上手いなぁという気がしています。犯人も二転三転する感じで、最後まで楽しめました。
ただ、登場人物が多く、それぞれを深堀するエピソードはそこまで書かれていないので、名前だけ出てきても「どんな子だっけ?」と思ってしまうことが多々ありました。犯人の正体を思えば、そこまで掘り下げられなかった、というのもあるかもですが。
しかし、美醜に関する問題は難しいですね。本当に、呪いそのものだと思います。
Posted by ブクログ
おまじないを使って、クラスメイトを醜く変えてしまい、自殺に追い込む。その呪いをかけているクラスメイトを探す。
そんなお話なんですが、何と言って表現したらいいのか、読んでいるとずっと不安になる。最後の最後まで、その生徒を見付けることが私には出来なかった。ミステリーとしてもかなり、楽しめました。
Posted by ブクログ
強烈なルッキズムと絶対的なスクールカーストが主軸となったホラーミステリー
他人の美しさと醜さを自由に操れてしまうある呪いの話
若いときのあのルッキズムってなんなんでしょうね〜?(いい大人でもルッキズムの人は結構いますが…)
美しさとは絶対的なものでもあるし、相対的なものでもあるなと思った
ホラーミステリーの本作、最後の最後まで本当に犯人が分からなくて、読み終えてわ、わあ〜ッ!!となりました
澤村先生は話の引き込みと構成がどの本も面白すぎるので、ページをめくる手が止まらず、ついつい一気読みしてしまうな
登場人物が結構多いのでしばしばこれ何の人だったっけ…?となりながら読んだ
Posted by ブクログ
澤村氏は本当に無慈悲な作家さんですね。(賞賛)
ほんの少し、光が見えたかなぁ…と思うと容赦なく暗闇に突き落とすから、本当に参る。
所謂スクールカーストって言うのは、いつの時代にも存在する。リーダー格の美人と、その取り巻き。とはいえ、私の経験則から思うのはこう言う花形グループの絆は、腐りきった大黒柱くらい脆い。なにかの弾みで、簡単に崩れて醜い仲間割れが始まる。言わずもがな、本書の中でにもそんな場面が登場する。
香織の「羨ましいんでしょ?みんな綺麗で、青春を謳歌してる私たちが」という台詞に思わず鼻で笑ってしまったが、真実の「親友ごっこに必死な同調圧力の奴隷みたいで哀れ」という趣旨の台詞が続く。よく言った、その通り。この場面だけでもスカッとできる箇所が本書にあって本当に良かった…本当に。
でも、それほどまでにルッキズム社会なのである。学校という世界は。生徒だけじゃない、教師からの目も然り。真摯と言われる男性教師も見た目でやはり態度を変える。酒宴の場面は、不快感極まりないが教師も人間。そこが本音であろう。
いじりといじめの境界線も本書においてよく考えたい点である。見た目を笑いの種にして良い理由は、例え愛のあるいじりだとしてもない。現に、バラエティ番組なので見られる女性コメディアンに対する外見弄りも大概観ていて不愉快になるので、もうここ数年テレビはまともに観ていない。
ユアフレンド。蔑まれ貶され、せめて普通になりたいと願い(思うに作中で醜いとされている女子生徒達は周囲によって必要以上に自己肯定感を下げられた結果だと思うが)縋ったその呪いが、余りに悲しい結末へ。これは単なる恐怖物語ではない。ルッキズムの暴走に対する警告のような側面がある。
この救いのなさは、やはり澤村節。
Posted by ブクログ
ほとんど読まない学園もので生徒たちの名前も覚え難いなぁと思いながら、読み始めました。下の名前で通すわけでもなく苗字だけで書かれていたりして、誰だっけ?と敢えて混乱させるように書いているのか、法則わからず読み進めました。
学校の七不思議「おまじない」で、不幸に見舞われる生徒たち。途中までは犯人は一体誰なのか、テンポよく面白いです。
ラストまで展開もスリリングでありながら、すっと物語が終わるのも虚しさや悲しみが余韻に残って良かったです。
今はSNSで想いを吐きだす時代なので、トリックや犯人の心情をネットで見つけてしまえば、名探偵が登場しなくても事件が解決してしまう時代なんだなとか、考えてしまいました。
Posted by ブクログ
澤村伊智さんの作品初めて読んだが面白い。
続きが気になり一気読み。
容姿についての悩み、誰もが持つコンプレックス。
そんなところをついた作品だった。
Posted by ブクログ
ズシンと心が重くなるようなストーリー。他人の顔を自由に操ることができるおまじないを巡る学園ストーリー。決して面白くないわけではありませんが、読んでいて明るい気持ちになれず、最後の結末も後味の悪いものに。人を見た目で判断し、それに踊らされるのは、日常的にあることですが、何だかなあと思わせられるストーリーでした。
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自分の容姿、他人の容姿についての価値観というのは、いつの時代も一定数の人の生活を脅かす。
他人の容姿にとやかく言う人は、とても不用意。
本の内容はとても面白かった。
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著者は、「比嘉姉妹シリーズ」を代表に、現在のジャパニーズ・ホラー・ノベル界の一線で活躍する作家・澤村伊智。著者のファンではあるが、本作はまだ読めていなかったので、文庫化のタイミングで手に取ってみた。
四ツ角高校三年二組、クラスで一番の美しい容姿を持つ羽村更紗が、突如自殺する。告別式では、家族が断固として彼女の顔を見せようとしない。その翌週、羽村の次にクラスで美人と言われていた野島夕菜が・・・。不可解な状況の中で噂されるのは、人の容姿を"美しく/醜く"変えてしまえる「ユアフレンド」のまじない。担任の小谷舞香は、クラスで起こっている異変を探るが―――。
誰もが持つ「美醜の"呪い"」をテーマにした、学園ホラーミステリー。容姿によって序列が決まると言っても過言ではない学校生活。クラスの美人が醜くされる。下位カーストと言われる"ブス"の、妬み憎みによる呪いなのか?次は自分が狙われるかもしれないと怯えるクラスの女子たちに対し安全圏から、時に好奇心を抑えず、高みの見物をする男子や外の教師たち。人のドロドロとした部分を露にする呪いの正体、その真相とは―――。
"まじない"という超常的な恐怖と、"人の醜さ"という遍在する恐怖を交えて描いた、著者の十八番とも言える作品。読者を「あっ」と言わせるミステリとしての伏線や展開もあり、読後の何とも言えない虚しさもさすがのもの。やっぱり澤村伊智は長編が良いね!
「<(自分が)美しくなりたい>と願うことと、<(誰かを)醜くしたい>と願うことは、表裏一体ではない。」普通に考えるとそのとおりなのだが、本作を読んでいる最中、それが表裏一体であるとつい考えてしまっていた自分に気付く。なんとも見事に誘導されてしまったものだ。いやはや、感服しました。でもやっぱり、可愛い子が酷い目に遭うのh・・・(これ以上はいけない)。
匿名
ホラーと言うよりなかなか謎が解けないミステリーです。誰もかれもが怪しく犯人がわかりませんでした。
幼少期特に身近な人からかけられる酷い言葉は残酷です。自分は醜いと思い込んでしまい人との付き合いも上手くいかない。その言葉のせいで人格にも影響を受けて育ってしまう
Posted by ブクログ
スクールカースト上位の中心だった美少女の自殺をきっかけに、次々と容姿を醜く変える謎の現象に襲われる生徒たち。
学校に伝わる「ユアフレンド」のおまじないを行使しているのはいったい誰なのか、二転三転するその推理のおもしろさに翻弄されながら、ルッキズムからどうしても逃れられない人のサガにもどかしくなる。
絶望する羽村にかけた「大事なのは笑顔だよ」の言葉の残酷さに戦慄。
それ以上に子どもの心を蝕む親の言葉が持つ呪いの強さと罪深さに対する怒りがやりきれないなぁ。
只々“普通”を切望する彼女たちの叶わぬ願いがせつなかった。
Posted by ブクログ
まさに澤村伊智の、人の嫌な部分盛り盛りのホラーミステリ、最後まで何が起こっているのかよくわからない展開。学校が舞台なだけあって登場人物が多く、ボリュームもなかなかあって読み応えがあった。グロ以外でもとても胸糞の悪くなる描写があり、心当たりあるよね的な訴えにもなっていて読んでるこちらも痛いところ。締めは意外とあっさりなのでもうちょい欲しかったが、それまでの過程が描きたかった本編なんだろうと思う。
Posted by ブクログ
怖い。ルッキズムに支配されてる小さなコミュニティで生きることの辛さを感じる。社会に出れば見方が変わる部分もあるけど、大人でもルッキズムに縛られてる人もいるからなぁ。人は人、自分は自分。それ以上でもそれ以下でもないはずなのにね。結末も救われず辛い。
Posted by ブクログ
ルッキズムという言葉を頻繁に見かけるようになりました。私ももっと可愛く生まれたかったな〜とは思うけど、そんなのどうでもよい歳にもなりました(笑)。
もしも自分がこんな力を使えるなら、身近にいる美人がブスになりますようにと祈るでしょうか。それとも、自分が美人になりますようにと祈るでしょうか。きっと後者だけど、それは叶わないというルールだなんて。
終盤までいったい誰が犯人かわからず、引っ張られます。わかってみると、そんなもんかという思い。途中まで凄く面白かったけど、最後はちょっと無理くりの感が否めません。(^^;