あらすじ
四ツ角高校三年二組で一番美しく人気もあった羽村更紗が突如自殺した。遺書もなくいじめもなかったが、告別式で家族はかたくなに娘の顔を見せようとしなかった。彼女の死をきっかけに、次々と女生徒が見えない力によって容姿を傷付けられていく。クラスの誰かが“あの力”を行使している――生徒達は疑心暗鬼に陥った。担任の小谷舞香は、この異変の真相を探るうちに地域に伝わる人の見た目を変えるおまじない「ユアフレンド」の存在を知り犯人を捜し出そうとする。戦慄の学園ホラーミステリー!
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Posted by ブクログ
ルッキズムとスクールカーストのお話をホラーで装飾した物語
胸が痛くて度々泣いた
自分の学生時代を思い出して、当時はスクールカーストなんて言葉はなかったしここまでのルッキズムも無かったけど、似たような空気はあった
グループの違う子とは確かに壁のようなものもあったし男子の女子に対する格付けのようなものもあったと思う
残酷すぎるよね
顔なんてタダの皮膚と皮でしかないのに美醜で品定めされてグループに分けられて順位付けされて
物語はバッドエンドだった
犯人探しやトリック、伏線もあって読み応えはあるけど、読みやすくてスラスラ読める分余計に辛かった
Posted by ブクログ
美醜とは何か、考えさせられました。
「ユアフレンドの呪い」は残酷で優しい呪い、持ち主の為だけに悲劇的な喜劇を披露するだけのもの。
ユアフレンドの真実こそが一番の呪いでした。
思春期に読みたかった一冊です。
Posted by ブクログ
美しさとは何か?
皮一枚のことだけれど、本人にとっては重大なこと。
おまじないで、それを変える事ができたら。
女子高生の願いらしい呪い。
いつもの澤村さんの作品とは違う意味で重かったです。
Posted by ブクログ
【2025年103冊目】
スクールカーストの頂点にいた女子高生、羽村更紗が自殺した。見た目も麗しく、成績も万能。彼女が自殺する理由など思い当たらず同じクラスの生徒達は動揺を隠せない。日が経つに連れ、NO.2だった野島夕菜がクラスの頂点になったが、ある日の古典の授業中、彼女の顔が腫れ上がり、血が吹き出す事態が起こって――。
美醜に纏わるミステリーホラー。読み終わってみると最初の視点から疑わなきゃいけなかったなと反省するはめになりました。学生という未成年ならではの残酷さがリアルに描かれているのと、得体の知れない呪いの怖さと、呪いの元は誰なのかというミステリーの要素が上手く絡み合って、面白く読めました。
呪いをかけている当人が、実は一番報われないという真相はなかなかパンチがきいてましたね。感想を書いていて、改めて上手いなぁという気がしています。犯人も二転三転する感じで、最後まで楽しめました。
ただ、登場人物が多く、それぞれを深堀するエピソードはそこまで書かれていないので、名前だけ出てきても「どんな子だっけ?」と思ってしまうことが多々ありました。犯人の正体を思えば、そこまで掘り下げられなかった、というのもあるかもですが。
しかし、美醜に関する問題は難しいですね。本当に、呪いそのものだと思います。
Posted by ブクログ
スクールカースト上位の中心だった美少女の自殺をきっかけに、次々と容姿を醜く変える謎の現象に襲われる生徒たち。
学校に伝わる「ユアフレンド」のおまじないを行使しているのはいったい誰なのか、二転三転するその推理のおもしろさに翻弄されながら、ルッキズムからどうしても逃れられない人のサガにもどかしくなる。
絶望する羽村にかけた「大事なのは笑顔だよ」の言葉の残酷さに戦慄。
それ以上に子どもの心を蝕む親の言葉が持つ呪いの強さと罪深さに対する怒りがやりきれないなぁ。
只々“普通”を切望する彼女たちの叶わぬ願いがせつなかった。
Posted by ブクログ
怖い。ルッキズムに支配されてる小さなコミュニティで生きることの辛さを感じる。社会に出れば見方が変わる部分もあるけど、大人でもルッキズムに縛られてる人もいるからなぁ。人は人、自分は自分。それ以上でもそれ以下でもないはずなのにね。結末も救われず辛い。