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-1868年に出版された本書は、現代ミステリの最初の試みと見なされている。T・S・エリオットは「英国で最初に発表された最も優れたミステリ長編」と書き、ドロシー・セイヤーズは「おそらくこれまでに書かれた最もすばらしいミステリだ」と記した。黄色のダイヤといわれたインドの秘宝「月長石」は、不思議な経緯をへてイギリスへ。ある晩、「月長石」は持ち主ヴェリンダー家から忽然と消失する。同家の依頼を受けたロンドン警視庁のカフ部長刑事は万全な体制で捜査にあたったが、手がかりは乏しい。果たして犯人はどこに? 意外性とサスペンスあふれる展開で読者を飽きさせない不朽の名作。コリンズはディケンズと互いに影響を与えあった。
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-プロシア・フランス戦争(1870-71)の敗北によるアルザス・ロレーヌのドイツへの割譲、パリ・コミューン政府の樹立と、あっという間のその瓦解をへての第三共和政の成立(1871)、王党派と共和派のその後も長引いた確執……こうした激動の時代に傷つき疲弊した市井の人びとの苦労や悲しみの種々相を、あくまでも静かな共感をもって描いた小品集。第一部の巻頭におかれた「最後の授業」はなかでもいちばん有名な作品。
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-紫式部は平安時代の藤原氏一門の全盛時、京都に生きていた女流作家です。当時の日本は、中国の先進文明と我国の風習とを巧みに調和させた、前後にも類のないような優美繊細な文化を作りあげていました。『源氏物語』の完成に生涯をかけた紫式部はまさに天才で、この物語のなかに、いわば彼女の生きた時代そのものを、全て封じこめてしまおうという野心を抱き、それを実現させてしまったのです。だから、この物語のなかには、数百人の様々な男女が、それぞれの出身階級や家庭やの考え方、感じ方をもって登場します。特に人間生活の永遠の主題というべき愛欲に喜んだり苦しんだりする姿は、私たちにも、ありありと感じられるように見事に描かれています。『源氏物語』は私たち日本人にとって、最大の魂の故郷であり、また己れを写す鏡というべき作品です。しかし、一方で、千年前の貴族の女性の言葉で書かれたこの作品には、言葉の違いという厄介なものがあります。私はまず、この複雑極まりない内容を持つ大ロマンを、近代的な小説として読めるようにしようと思いました。そうして、物語の中心をくっきりと浮き上らせるように試みました。…中村氏はこう述べています。
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-編者仁賀克雄氏はこう述べる。「第一のポイントは、1950年代を中心として、既訳の作品のなかから、これはと思われる[幻想味]や[怪奇色]のあるものを選んだ。もう一つのポイントは、読者にとって面白い作品を提供しようと努めたことである。本書はマニアを対象としたものではない。私が考える面白さというのは、昔の見世物にあった「お化け屋敷」の面白さである」本巻①にはハイスミスの「すっぽん」ほか5編を収めた。
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-「自分の力をもてあましている青年たちは、これをジャーナリズムや党派争いや文学芸術にうちこんだが、そればかりでなく、もっとも奇怪な放蕩にも乱費していた。若きフランスには、それほどありあまる精力過剰があったのだ。これらの青年はみんな活動的で、権力と快楽をもとめた。芸術家肌の者は富を欲し、無為の者は情欲をもっぱら刺激しようとした。なんとかして地位にありつこうとけんめいだった。が、政治は、どこでもそれをあたえなかった。多くの者がりっぱな才能をもっていたが、ある者は刺激の多い生活でその天賦の才を失い、ある者たちはなんとか生活にたえていた」……。
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-未成年シャボーとデルフォスはキャバレー「ゲー・ムーラン」で閉店まで遊び、売上金を盗もうと隠れていた。だが、二人は客の一人が死んでいるのを発見し、泡を食って逃げる。翌日の夕刊は、この男が柳行李詰めの死体として発見されたと報じた。ジャンは思いを寄せる踊子の部屋に行き、そこで昨夜の客が持っていたはずのシガレットケースを見つけて真っ青になる。外に出たジャンは大柄の男につけられていた…。「三文酒場」の舞台はパリとその郊外だ。メグレはサンテ監獄で、死刑が翌日に迫ったジャン・ルノワールという男と面会する。そしてまだ捕まっていない彼の共犯者が、三文酒場なるところの常連であると明かされる。メグレは《三文酒場》を探そうとするが…。
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-パリ、一月十三日。夜の六時半に、ボーマルシェ大通りとパ・ド・ラ・ミュール通りの角で、フェリックス・アラールという四十九歳の本屋の店員が、交通事故に遭った。小犬を革ひもで曳いて歩道を歩いていた彼が、車道に降りたとき、後ろからバスに引き倒され、文字どおり頭を押しつぶされた。小犬は奇蹟的に無事で、野良犬の収容施設に送られた。…この小さな三面記事の、刑期を終えて出所したばかりの当人は、死の二カ月前から克明な手記を綴っていた。そこには孤独な男の数奇な人生の軌跡と悲しみが記されていた。
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-「工芸の諸問題はまだ処女地として残る。不思議にも工芸の意義に関する深い叡智や正しい見通しは未だに語られていない。ほとんどすべては断片的であって整理せられた体系がなく、かつ内面的意味に乏しい。まだ耕して培(つちか)わねばならぬ個所が限りなく拡がる。その土地の性質や何がそこに生い立つかについても見残され、また見誤られたものがはなはだ多い。しかし早晩誰かが出てこの未墾の地に鋤(すき)を入れねばならぬ。それが耕すに足りる天然の沃野であるということに疑いはない。私はここに最初の難多き準備の仕事に身を置いたのである。すべての開墾者がなすように、私も雑草を抜き去り、石を除き、土塊(つちくれ)を砕き、畑を整えようと努めたのである」…この序言が語るとおりの、柳の「工芸・民芸」論の到達点!
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-濃霧のロンドンを疾走する一台の車。だがハンドルを握っていたのは喉を切られた黒人運転手の死体であった……17世紀イギリスの首切り役人の名刺を持つ男が出没し、今はなき幻の「破滅の街」が忽然と現われる。そこには不気味な絞首台が立っていた。怪奇と魔術と残虐恐怖をガラス絵のような色彩で描く、カーの初期作品を代表する雄編。
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-井原西鶴の処女作であり、当時のベストセラーになった出世作。好色一代男とは、色道の探求に生涯を賭けて悔いなき男という意味だ。その主人公である一代男こと世之介は、巨万の富を擁する上方町人の二世として生まれ、七歳にして恋を知り、六十歳には女護島遠征に船出したまま行方知れずになるが、それまでの五四年間を、一年を一章にする構成で五四章にまとめた好色一代記である。世之介は地方も含めてさまざまな場所に出向き、さまざまな遍歴をするが、主要な舞台は公許の廓(くるわ)で、粋(すい)という「遊興の美学」を描くことが西鶴の意図であった。巻末には西鶴全集の翻訳で知られる暉峻康隆氏による「解説」を収めた。なお「プライム」とは「グリンプス」とは異なり、古典のほぼ全巻の現代語訳を言う。
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-「あなたは幸福ですか? 幸福でないかたは、 パーカー・パイン氏にご相談ください」と新聞に広告を出し、この通りの文句を入れた名刺を持ち歩くパーカー・パイン氏。だがこれは慈善事業ではなく、正真正銘のビジネスなのだ。さまざまな悩みを抱えた人物が訪れる。氏はたちどころに核心をつく質問をして、直ちに処方箋を見つけて提案する。これこれの金額でいついつまでにあなたを幸福にしてあげますと言い切るのである。むろん前金でいただく。だがもし失敗すれば返金しますと申し添える。氏は有能な専属スタッフを使って、直ちに「幸福を手配する」…氏は有能な素人探偵でもある。
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-「イギリスの田舎に生まれたこの牧師の娘の小説の世界は、たしかに狭いもので、それは十八世紀後半の田舎紳士階級の世界である。しかしその小宇宙の中に、なんという緊張、なんという葛藤が行われていることか!」(レイモンほか)…冒頭のベネット氏夫妻の会話はすでに、この日常的な緊張をはらんでいる。皮肉の達人といわれるオースティンの代表作。
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-物語は、上流階級の賈(か)氏一族の坊っちゃん賈宝玉(かほうぎょく)を主人公とし、繊細でプライドの高い美少女の林黛玉(りんたいぎょく)、良妻賢母型の薛宝釵(せつほうさ)の三人の関係を主軸として展開する。同時に、清朝の上流階級の生活が克明に描きだされる。賈家の豪華奢侈の日々、間断なくもよおされる宴会の場面、主人公の男女たちの室内における起居、かれらにかしずく無数の女中・下男らの立ちいふるまい、それらが、ありのままに写される。そして大家族の共同生活にはつきものの種々のいざこざ、はては閨中の秘事まで、すべてがありありと鏡のように写し出される。その一方で、主人公たちは儒教道徳や官僚の腐敗、不正に対する痛烈な批判も口にし、当時の社会に対する諷刺・批判的色彩も帯びている。
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-「黒死荘」と呼ばれるまがまがしい因縁つきの邸宅を舞台にしての心霊実験…その主催者が密室のなかで惨殺死体となって発見される。扉にはかんぬきがかかり、窓には鉄格子がはめられ、雨夜のため、外には足跡も残されていなかった。唯一残されていたのは博物館から盗まれた短剣だ。怪奇・陰惨な犯罪に挑むヘンリー・メルヴェール卿を初めて登場させ、一躍「密室もの」で名を売ったカーター・ディクスンの代表作。
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5.0「わたしはかつて例のなかった、そして今後も模倣する者はないと思う、仕事をくわだてる。自分と同じ人間仲間に、ひとりの人間をその自然のままの真実において見せてやりたい。そして、その人間というのは、わたしである」…こんな書き出しで始まる「告白」は、無数の「自叙伝」のうちで最も傑出した作品といわれる。主権在民や平等思想など近代社会思想の先駆者であり、フランス革命の父であるルソーのこの作品は、近代小説の先駆ともなった。
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-舞台はジョージア州のうらぶれた工場町。人々は無気力な状態にある。主人公の唖(おし)で聾(つんぼ)のシンガーは、同じく唖のアントナープロスと共同生活をおくり、思慕を寄せるが報われない。そのシンガーに、多感な少女ミックはほのかな思いを寄せるが、当のシンガーは少女の思慕に気づかない。またそのミックに、ニューヨーク・カフェの主人ビフ・ブラノンは年甲斐もなく愛情を感じているが、ミックは彼を気味悪く思うばかり。作中人物はそれぞれが《報われざる愛》の連鎖関係のなかに生き、そこに解決はない……魂の孤立を透徹するまなざしで描ききった20世紀アメリカ文学の代表的古典。
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-ホメロスの「イリアス」に魅せられた少年の心は、終生かわることはなかった。事業で成功した彼は、私財をなげうって後半生を幻の「トロイア」の発掘に邁進した。今では乱暴と一蹴されてしまうような方法で、彼は大規模な発掘を敢行、数多くの遺跡を発見して、考古学や美術史に多大な貢献をすることになった。本書は、そうした彼の生涯と事業の概要を知るための好著であり、最も劇的な発見物語でもある。
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-フィリップ・マーロウはサンバーナディオの湖の別荘を訪れた。澄んだ湖水、明るい陽光…だが、緑がかった水底に発見されたのは、目も口もなくなった女の死体だった。これが化粧品会社社長の失踪した妻クリスタルなのか? そうではなかった。クリスタルの情夫を再訪したマーロウは、元気だった情夫の射殺体と対面させられる。難解な事件に奔走するマーロウ。
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-「芝浜」「火事息子」「唐茄子(とうなす)屋政談」「景清(かげきよ)」「子別れ(上中下)」「梅若礼三郎(れいざぶろう)」「お若伊之助」「淀五郎」「紺屋高尾」「文七元結(ぶんしちもっとい)」「ちきり伊勢屋」の13編を収録した「人情ばなし」の傑作選。
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-「女護(にょうご)が島」「おさがり」「赤貝猫」「金箔屋」「建礼門院」「茶漬け間男」「からくり医者」「揚子江」「松茸」「張形(はりがた)」など24編の上方艶笑落語の傑作が勢ぞろい。
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-戦前から戦後まもないころにかけての落語の全盛期、速記によってまとめられた「落語全集」が底本で、全154編を上中下の3巻にまとめて収録した決定版。このため独特の「古風な味わい」の残る語り口が身上となっている貴重な遺産です。
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-「黙想なさい。孤独を求めなさい……哲理を考えるにはなによりも自省することが必要です……一人でいても退屈しないことを学びなさい。人は孤独に生きると、ますます人間がすきになるものです」と書いたルソー晩年の自我探求の書。
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-すでになくなって久しい子供たちの「遊び」の淵源を幅広くたずねて、見すごされがちな小さい世界に大切な文化の歴史を探る好著。なにげない日常の諸相の中に多くの問題意識と解明の手段とをさぐりだす柳田民俗学の方法を知るための平易な入門書でもある。「鹿・鹿・角・何本」「あてもの遊び」「かごめ・かごめ」「中の中の小仏」「地蔵遊び」「鉤(かぎ)占いの話」「ベロベロの神」など40編からなる。
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-カリブ海の島国ハイチを舞台に、黒人奴隷、ブードゥー教の祭司マッカンダル、独裁者アンリ・クリストフによる、それぞれの革命と統治、その終焉を、黒人奴隷のティ・ノエルの視点から描いている。次々と繰り出される神話的・驚異的現実の数々がマジック・リアリズムの夢幻的な語りとして披瀝される。キューバのカルペンティエルは、アルゼンチンのボルヘス、グアテマラのアストゥリアスらと並ぶ現代ラテンアメリカ文学の先駆者の一人だ。
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-ヴォルサイ人との戦いで都コリオライを陥落させたローマの将軍ケイヤス・マーシャスは、コリオレーナスの尊称を与えられる。だが、執政官に推薦されても市民に媚びるような慣例を拒み、ローマを追放される。かつての英雄は、ヴォルサイ人の将軍で宿敵のオフィーディアスと手を結び、祖国ローマに侵攻する。だが、この企てを知った母ヴォラームニアの泣き落としのまえに、独断で和平をむすぶ……シェイクスピア最後の悲劇。
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-みずから両眼をえぐって盲目となったオイディプスは、しばらくはテーバイに止まることを許されたが、のち追放されて、姉娘アンティゴネーに助けられつつ、諸国を流浪し、結局アテナイの郊外コロノスに辿りつく。このコロノスで、オイディプスはその最初に足を止めた所がエウメニデス女神達(復讐の魔女)の聖域であることを知って、神託による自己の終焉の地に来たことを悟る。ソポクレス最晩年の作。
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-パリのうらぶれた一画にある、うらぶれた下宿屋ヴォーケル館にうごめく人たち。自分はしみったれた暮らしを送りながら、嫁いだ二人の娘の言うままになって全財産をつぎこむゴリオ、いつの日か、社交界に打って出るか、学位をとって出世しようと、野望をたくましくする田舎出の青年ラスティニャック、反社会的な言辞をろうする得体の知れない四十がらみの大男ヴォートラン……徹底したエゴと妄執を描くバルザックの「人間喜劇」の代表作のひとつ。
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-ポワロは、フランス滞在中の大富豪ルノールから「警察の力を借りたくない、助力を頼む」という手紙を受け取る。急ぎフランスの小さな町メルランビーユへ飛んだポワロを待ち受けていたのは、建設中のゴルフ場の一画で刺殺された富豪の死体だった。パリ警察の派遣した探偵ジローとの捜査の知恵くらべが進展するなか、富豪とは関係のなさそうに思われる浮浪者が同じ凶器の犠牲に…クリスティのポワロもの長編第2作。
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5.0
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-ふらりと立ち寄った町が気に入ったエラリーは土地の有力者ライツ家の持ち家を借りた。その家はライツ家の当主が次女ノーラとジム・ハイトとの結婚後に住む家として用意したものだったが、二人は喧嘩別れして、ジムは姿を消していた。それからすでに三年たつが、突然ジムが戻り、二人はよりを戻して結婚する。新婚早々、ノーラは偶然ジムが妹宛てに書いた3通の手紙を見つける。そこには、まがまがしい予告とも受け取れる出来事が書いてあった。やがてジムの妹ローズマリーが招かれてやってきた。そして感謝祭、クリスマスと、手紙の中味に符合するような事件がノーラの身に起こり、新年にはついに、ローズマリーが毒酒で死ぬ事件が起こる。ことの成り行きからジムが逮捕された……アメリカの架空の田舎町を舞台に繰り広げられる家族ドラマ。クイーン中期の代表作として名高い。
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-「きんとうん」に乗り、如意金箍棒《にょいきんこぼう》をふるい、七十二とおりの変化《へんげ》の術を使って大活躍をする孫悟空、通称八戒《はっかい》として知られ、大食漢で好色家で、少し知恵が足りない猪悟能、宝杖《ほうじょう》をふるって活躍する寡黙な沙悟浄、竜の化身であり、よく人語を解す白馬…これら4名が守護する三蔵法師。おなじみの中国四大奇書の一「西遊記」を、原本の雰囲気を巧みに生かしながら、冗長なところをカットした作家檀一雄の名訳本。古典ファンタジーの大傑作。
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-田舎町の開業医ビクリーは妻のジュリアの抹殺を決意する。周到完璧と思われる殺害計画にもとづく実際の犯行、捜査警察官との虚々実々のやりとり、緊迫感あふれる法廷での尋問、そして意想外な結末……倒叙形式ミステリの最高傑作のひとつであり、推理サスペンスの頂点をなす代表作。フランシス・アイルズという名は「毒入りチョコレート事件」で有名な英国を代表するミステリ作家アンソニー・バークレーの別名である。
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-探偵劇「鼠と海狸(ビーヴァ)」のクライマックスでは、ガードナーとライヴァルの俳優サーボネイジアが激しく言い争う。ガードナーは台本どおりにアーサーに拳銃を付きつけて発射した。だが、弾が込められていないはずの拳銃からは実弾が発射され、アーサーは即死した…新聞記者のナイゼルとアレン警部はガードナーから招待され、目の前でその事件を見たのだった。「マーシュ女史の作品はどの一場面を取り出しても脚色する必要もなくすぐにそのまま舞台で上演し、映画化することができる」これは有名な評論家ヘイクラフトの言葉だが、演劇通マーシュ女史ならではの機智に富んだ会話でスピーディに展開されていく本格推理長編。マーシュはクリスティ、セイヤーズ、アリンガムと並ぶ黄金期の四大女流作家のひとりである。
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-アーチー顔見知りの理髪店のクローク係と女のマニキュア師が訪ねてくる。二人は夫婦で、その朝警官が店を訪れ、二人の身元や昨晩の行動を聞かれたとき、不法入国を問われる危険を察知して、すぐさま逃げ出してアーチーを頼ったのだった。アーチーが店を訪ねると、なんとそのときの警官がマニキュア室で背中に鋏を突き立てられて死んでいた!(「警官殺し」)。新任の某国大使の希望で、石油王の山荘にコックとして雇われたウルフ。みんなで釣った名物の鱒の調理を頼まれたのだ。釣師5人はそれぞれが割り当てられた釣り場で腕を競ったが、国務長官補佐リースンの帰りが遅い。遅れて釣りに出たアーチーはリースンの死体を発見した(「殺人免除」)。…ネロ・ウルフ中編傑作2編。
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-ときは戦国。安房国(千葉県)を領する里見義実《よしざね》は安西景連《かげつら》に攻められる苦戦のなかで、たわむれに犬の八房《やつふさ》に向かい、「景連の首をとってくれば娘の伏姫《ふせひめ》を与えよう」といった。この冗談が現実となったばかりか、八房はほんとうに伏姫を欲しがる。伏姫は犬を殺そうとする父を制して、八房と一緒に出奔する。二年後、義実は娘の救出にむかい、犬と一緒にあやまって娘をも銃で撃ってしまう。伏姫は死ぬまぎわに妊娠していることを告げるが、けっして八房に身を汚されたことはないと誓い、身の潔白のあかしに切腹する…と、白煙があがり、伏姫の「仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌」の八字を彫った数珠が天空にのぼって光を放って飛び散った。その後、各地に八つの玉のそれぞれ一つを持った八人の犬士が生まれる。本巻には「仁の巻」と「義の巻」を収める。早くも四人の珠の所有者があきらかになる。
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-太閤秀吉の使いの紀伊守は利休にむかい「娘を差し出せ、そなたにも、娘にも、誓って悪いようにはからわぬ」という秀吉の言葉を繰り返した。利休は答えた。「大名衆では、何とお言いなされているか存ぜぬが、町人の世界では、利得を目的として物を人に渡すを売ると申す。娘を殿下に差出すことは、拙者の利得となり申す。されば、これは売るのでござる。売買を本業とする町人の世界でも、娘を売るは恥ずべきことと致しております。平に御辞退……あの人々は、詮(せん)ずるところ、ただの大名衆。百年の後、二百年の後、三百年の後、名前の残る人々ではござらぬが、拙者は芸道に生きる者、自ら申すもおこがましくはござるが、いつの世までも名の残る者でござる」……大坂城を舞台に、秀吉と利休、淀(お茶々)殿と北政所、利休の娘お吟、石田光成、小西行長ら武将たちがくりひろげる虚々実々の人間模様を描く海音寺潮五郎の初期の代表傑作。
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-第一次世界大戦中、中東の砂漠を舞台に対トルコ・ゲリラ戦を指導して「アラビアのロレンス」の異名をとったT・E・ロレンスの自伝。アラブ独立の大義をめざしながらの歓喜と懊悩をつづったこの回想録は、人間の内面のすぐれたヒューマン・ドキュメントでもある。原題は「智慧の七つの柱」。
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-スウェーデン生まれのスウェン・ヘディンは1890年代から回数にして5度の中央アジア探検を試み、40年以上にわたって中央アジアの地理学的疑問の解明に取り組んだ。なかでも、インダス、ブラマプトラ両大河の源流をつきとめ、ヒマラヤ山脈とコンロン山脈の間に横たわるトランス・ヒマラヤ山脈を発見したこと、シルクロードに横たわる楼蘭の遺跡を見つけたことは最も重要な業績に数えられる。だが同時に、タクラマカン砂漠東方に位置するロプ湖の地理学上の謎を解くことは彼の長年の夢であった。「さまよえる湖」は幸運にも自らの目でそれを確認することができたときの、稀有の探検の記録である。
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-「柴錬立川文庫」は、時代小説の第一人者が、数々の伝説上あるいは歴史上の有名人物を「あっと驚くような視点から」面白く再現した約50編からなる大好評シリーズ。一読、やめられなくなる痛快読み物! 「猿飛佐助」はその最初のシリーズ「真田十勇士」の巻頭の一編。佐助は武田勝頼の落し子で、戸沢白雲斎に育てられた忍者で、のちに真田幸村の家臣となって活躍したという、奇想天外・荒唐無稽の人物。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らが戦国の覇を競った時代が、虚実とりまぜて生き生きとよみがえる。本巻には他に「霧隠才蔵」「三好清海入道」」「柳生新三郎」「百々地三太夫」「豊臣小太郎」「淀君」「岩見重太郎」の7編を収めた。
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-判事の娘で女子学生のテンプルは、男友だちに連れられて、酒の密造所に連れ込まれ、恐怖の一夜を明かした朝、性的不能者のポパイに、トウモロコシの軸で犯される。そのおり彼女を守ろうとした仲間のひとりがポパイに射殺され、家主のグッドウィンが容疑者として裁判にかけられるが、テンプルの偽証で犯人に仕立てられ、群衆から火あぶりのリンチを受ける。ポパイは町の売春宿にテンプルを監禁して男を当てがうが、この男にそむかれて殺害し、のち自分自身も覚えのない殺人事件の容疑を問われて無実のまま断罪されてしまう。救いようのない性と暴力の残虐物語だが、この渦中に耐えて生きてゆくグッドウィンの妻を配して、救いを設けている。
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-一商船の船長が、インドネシア方面の海中で、山椒魚に似た奇妙な動物を発見する。彼は、この動物が人になれるうえに利口なことを知って、真珠採取に利用することを思いつく。そして、この仕事の企業化を、ある実業家にもちかける。山椒魚は、まず単純な海中作業に利用されるが、やがて、人間はさまざまな技術を教え、言葉までさずけて、彼らを高度な仕事につけはじめる。知識と技術を獲得した山椒魚はいろいろな権利を主張しはじめる。そして……。痛烈なSF的諷刺によって、政治的・経済的・技術的・文化的な激動の時代を皮肉ってみせたチェコの奇才チャペックの代表作。
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-フランスのリシュリュー時代を舞台に、アトス、ポルトス、アラミスの三銃士と堅い友情で結ばれたダルタニャンとが、陰謀と権謀術数の渦巻くなかを泳ぎ渡ってゆく痛快、汗握るデュマならではの冒険活劇。スリルと波乱、雄大なスケールで、決して読者をあきさせない最高級のエンターテイメント!
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-イブン・バットゥータはマルコ・ポーロより50年ほどおくれて生まれ、これと並び称せられているイスラム世界の大旅行家である。生地もマルコのふるさとヴェネチアからそれほど遠くない、地中海の入口モロッコのタンジャ(タンジール)であった。彼は青春時代から中年に至るまで、実に29年を旅にすごし、晩年にその思い出を口述して本書を完成した。イブン・バットゥータの見たのはイスラムの世界が中心であった。アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)がイスラム世界を夢幻的に表現したものとすれば、この旅行記は、実世界をありのままに描き、まさにマルコと同時代のイスラム世界の『東方見聞録』となった。
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-大川端で夜鷹を蹴落として手に入れた百両に満悦のていのお嬢吉三(おじょうきちさ)、だがそれを見ていたお坊吉三(おぼうきちさ)はその金をよこせと横車、二人はたちまち立ち回りを演じる。その間に割って入ったのが和尚吉三(おしょうきちさ)、いずれも腕一本に生きる無頼の徒、たちまち意気投合して血盃(ちさかずき)をかわすが…
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-「シカゴ・ブルース」に続くエド・ハンター・シリーズ第2弾。エドとアム伯父の二人が身を寄せるサーカスで、身元不明の「こびと」の死体が見つかる。ついでチンパンジーの溺死体が見つかり、さらにダンスに才のある少年が死体となっているのが発見される。この3つの死の関係はなにか。旅興業を続ける中で、エドは踊り子に振り回されながら、事件の解明に奮闘する。
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-田舎の古い屋敷を遺産として受けついだ若夫婦は、慣れない下宿屋を開業した。予約した4人の客は大雪のなか、なんとか宿にたどりつく。その翌朝だった、警察から電話があって、殺人狂がまぎれこんだ可能性が高いという。やがて若い刑事がスキーでやってきた。だが、「三匹の盲目のねずみ」のマザーグースの歌とともに、殺人はやはり起きた。1952年にロンドンで初演されて以来、2012年11月に60周年をむかえ 、世界一のロングラン記録を樹立した戯曲「ねずみとり」の原作!
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-メグレ警視シリーズ。ベルギーに出張中のメグレはぶらりと入ったブリュッセルのカフェで、いかにも失業中という男が3万フランもの大金をポケットから取り出し、くすんだ紙に包むのを見る。男はそれをパリ宛てに書籍小包で送った。メグレは気まぐれ心も動き、男が買ったのと同じ旅行かばんを買って、跡を追う。そして、すきをみてかばんを取り替える。だが、かばんがなくなったと知った男は、やにわにピストルを取り出してホテルの部屋で自殺した! 男のかばんには、一着の古着がはいっていただけだった。
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-ダンディな元舞台俳優が海辺の邸宅で催したパーティで、招かれた土地の牧師がカクテルを飲んだとたんに急死した。招待客の一人だったポワロにも「事件」とは思われなかった。だが悲劇には第二幕が。まったく同じような状況での同じような急死が……灰色の脳細胞が活動を開始する。クリスティ中期の代表作。
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-ロンドンの大泥棒メッキは当地の乞食界を牛耳る大物ピーチャムの一人娘ポリーとひそかに結婚する。ピーチャム夫婦はメッキを葬ろうと画策し、警視総監ブラウンをけしかける。だが、ブラウンとメッキは裏でつながる仲だった。メッキは売春婦の裏切りで入獄するも、ブラウンの娘ルーシーの助けで脱走、だが再び売春婦の裏切りで捕まり絞首台へ。最後の土壇場でメッキは国王の恩赦で釈放、貴族に列せられる。英国のジョン・ゲイの「乞食オペラ」をもとに作曲家クルト・ヴァイルとの協力で完成したこの作品で、ブレヒトの名は一躍世界に知られることになった。この翻訳は現代の生きた日本語を駆使してつくられた現代を反映する新訳である。
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-南米アルゼンチンの自分の農場から久しぶりにロンドンへ戻ってきたヘイスティングスは、なにはともあれ、まず旧友ポワロを訪問した。ところがなんと、ポワロはアメリカの石鹸王の依頼を受けて、ブラジルのリオへと旅立つところだった! そのときである。一人の憔悴した男が窓から寝室へとはいったのであろうか、ポワロの前にあらわれた。男は失語症にでもなったように「ファラウェイ街十四番地、エルキュール・ポワロ氏」としか言わない。だが医師のすすめで紙と鉛筆を渡すと、男は「4」という数字を12回も書きなぐった……国際犯罪組織を相手のアクションとサスペンス、ポワロの魅力全開の痛快編。
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-「ハムレット」「オセロー」「リア王」「マクベス」のシェイクスピア四大悲劇をまとめたお徳版。充実した解説・年譜つき。