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  • ルーマニア日記
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    ルーマニア日記

    小説・文芸
    -
    1巻440円 (税込)
    一九一六年十月から十二月にかけての、第一次世界大戦の従軍日記で、カロッサは大隊付き志願軍医として、僻地のルーマニア山岳地帯の戦闘に従軍する。さいわい人を殺すことを強いられなかったせいもあって、激しい戦闘の脅威にさらされながらも、カロッサはついに平常心を失うことがなかった。悲痛な身ぶりや、大げさな叫びもなく、ひたすらに危険と暗黒の中に挺身して、そこにやむこともなく響いている声に耳を傾ける。独自の地位を占める作品。
  • シャベール大佐
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    シャベール大佐

    小説・文芸
    -
    1巻440円 (税込)
    パリの代訴人デルヴィルの事務所を訪れた男は、シャベール大佐と名乗った。彼はナポレオン戦争で死んだと報じられたが、かろうじて生き延び、いまはフェロー伯爵夫人となっている昔の妻と、昔の財産を取り戻したいのだと言った。デルヴィルは助力を約束し、そのために活動する。最終的には示談で解決を図ったが、元妻の側の策略もあって…。「シャベールが果たしてどうなるかという単一の筋を追って、興味をこの一点につなぐ構成が面白く、フェロー伯爵夫人との出会いをクライマックスとする描写も、引き締まって力強く、小傑作と呼んでしかるべきであろう」訳者はこう述べる。
  • ディア・ベイビー
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    ディア・ベイビー

    小説・文芸
    -
    1巻550円 (税込)
    「自転車泥棒」「懐中電灯」「ハチドリ」など、少年の物語があり、もう少し歳の行った思春期の少年や若者を扱った「ディア・ベイビー」「チェサピークの舟遊び」「刃のように花のように」「空中ブランコに乗った若者」「ハリー」「十七歳」などがある。淡々とした語り口で、思春期あるいは青年期の男の残酷さ、滑稽でぎごちない痛々しさを読む者に伝えてくるサローヤンの魅力あふれる短編集。
  • リトル・チルドレン
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    リトル・チルドレン

    小説・文芸
    -
    1巻550円 (税込)
    私は徹夜を続けながら、訳の正確さや、きめこまかさに欠けるでしょうが、10日で17篇を訳しました。あまりじっくり時間をかけていると、少年のバイオリズムが脱け出していってしまいそうに感じたからです。訳し終わっても、まだ私の身体の中に、感受性の鋭い、あたまのいい、ちょっとエキセントリックな、でも限りなくやさしい少年のバイブレーションが残っていました。ここに登場する少年、彼を取り巻くまわりの風景や人々、それはサローヤン自身であり、彼の体験の中で観察し、感じた少年時代を描いたものでしょう。…訳者の言葉です。
  • ロウソクの科学
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    ロウソクの科学

    ビジネス・実用
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    1巻660円 (税込)
    一九世紀英国の大科学者であったファラデーは、毎年クリスマスの時期に科学に関する興味深い題材を選び「若者たちのためのクリスマス講演」を行った。その中から「ロウソクの科学」と題する六つの話を収めた本書は、一本のロウソクを通して科学の深奥を解き明かした入門書として不朽の名著である。優れた研究者は優れた科学教育者であることが手に取るようにわかる。巻末には訳者による詳しい解説を付した。
  • われら
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    われら

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    今から約1000年後、勝利した都市国家の「単一国」は、野蛮で無秩序な人間社会に訣別し、「緑の壁」にかこまれた理想社会を築いていた。そこには「私」はなく、あるのは「われら」だけであった。「住人」は、ガラス・シルクの制服を着、数字と文字を組み合せた国民番号で区別されている。生活の隅々までが「時間律法」に規制され、むろん性にも自由はなく、性生活は性規制局が決める相手と予定表にしたがって行なわれる。単一国は、目下建造中の宇宙船「積分号」によって、他の惑星へ「幸福」をもたらすために出かけようとしている。本書はその宇宙船の製作担当官D五〇三号の詳細な「手記」として記録されている。DはI三三〇号という女性との禁断の「恋」に悩まされ、最後には…。1920年代初頭にロシアで書かれたディストピア小説の先駆的名著。
  • 拠点
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    拠点

    ヴァン・ヴォクトほど、壮大で劇的な、SF的ムードを持っている作家も珍しい。それは、彼の作品に、SFのあらゆるシャンが渾然一体をなして結晶しているからにほかならない。本書には、レアルテス第三惑星をめぐる地球人対ラル人の宇宙戦争を描いた「拠点」を巻頭に、恐怖と苦痛に泣きながら宇宙船の床を這う無定形の怪物の話「野獣の地下牢」、原始の地球に根をおろし、果てしない時を待ち続ける巨木の話「地には平和を」、セールスマンの記憶喪失を発端に、時間と空間を貫く謎を追う「消されし時を求めて」など、ヴォクトの傑作短編6編を収めてある。
  • ボズの素描集
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    ボズの素描集

    「この本には、天才の溌剌とした最初の躍動が疑いもなく感じられる…どこを開いても、のびやかに、完全な技巧でもって題材が扱われている。全編を通して示される観察力は驚異としか言いようがない」とディケンズの親友は書いた。本作は豊かな想像力、鋭い観察眼、ユーモア、特異な人物描写、語りの面白さ、さらには深刻な社会認識といった、ディケンズ文学のあらゆる要素をはらんでいると同時に、一八三〇年代の社会生活の貴重な記録として、独自の地歩を保っている。通常誰もが気にとめることのないありふれた対象は、ディケンズの想像力によって豊かな色どりを付与され、笑いや涙や怒り、さらには恐怖心を呼び起こすものへと変貌する。ディケンズ24歳のとき、まとめられた処女作!
  • 七つの時計
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    七つの時計

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    クリスティが売り出した頃の傑作のひとつで、チムニーズ館が、背景として使われている。鋼鉄王サー・オズワルド・クート氏によってチムニーズ館にまねかれた4人の青年達のうち、外務省官吏ジェラルド・ウェイドが、睡眠剤を飲んで死んでいた。その部屋のマントルピース上には、七つの目覚まし時計が並び、時を刻んでいた。八つの時計をベッドの下に置いた、いたずらだったはずなのに…。チムニーズ館の持ち主ケイタラム卿の娘バンドルは謎の解明に乗り出すが、またも次の犠牲者が…セヴン・ダイアルズ・クラブとは、この事件にいったいどういう関わりをもつのか。スコットランド・ヤードのバトル警視、親友の死に心を傷めるビル・エヴァズレー、ビルの友人テシジャなどの活躍のなかで、謎は謎をよび、混迷を深めてゆく。
  • チムニーズ館の秘密
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    チムニーズ館の秘密

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    本書は本格探偵もので知られるクリスティにしては珍しい、毛色の変った異色作品だ。バルカン地方の架空の一小国ヘルツォスロヴァキアを背景に、霧深きロンドン、靜かな湖のほとりにあるチムニーズ館を舞台に物語は展開する。ヘルツォスロヴァキアの王位継承問題にからんで、同国で発掘された石油の利権を得んものと互いに国王候補を押し立てる英米両国代表、チムニーズ館に隱された名宝ダイア「コイヌール」を狙う怪盗ヴィクター王、ヘルツォスロヴァキア国の王政復古を阻止せんとする革命派赤手組、王位継承問題に大きな支障ともなる元ヘルツォスロヴァキア国総理スティルプティッチ伯爵の手記を手に、南アフリカより単身渡英したアンソニー・ケイド…これらの人物が入りみだれる中に、突如チムニーズ館に突発した殺人!
  • 二人の若妻の手記
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    二人の若妻の手記

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    バルザックの小説のなかでも珍らしい書簡体の形式をそなえ、きわめて手ぎわよくまとめられた作品。その文体も若々しいみずみずしさにあふれている。この小説のモチーフをなすものは、互いに「牝鹿さん」と呼び合っている仲のよい二人の娘――金髪のルイズと栗毛のルネ――との、いちじるしいコントラストを示す結婚生活である。この二人の女性はほぼ同時にカルメル会の修道院を出て、一人はパリの社交界にはなばなしくデビューし、激しい情熱のおもむくままに恋愛結婚を選び、一人は草深いプロヴァンスの片田舎で、個性的な結婚を受け入れる。喜びや不安や、希望や落胆の交錯するそれぞれの生活を、この二人の女性はときにはあふれるばかりの誇りをもって、ときには軽い嫉妬や非難をこめて、ことこまかに書き送る……。
  • コリンズ短編集
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    コリンズ短編集

    小説・文芸
    -
    1巻880円 (税込)
    コリンズはドイルに半世紀も先立って書いた世界最初のミステリ「月長石」で有名な作家であるが、プロットの構成にすぐれ、生き生きとした描写、サスペンス、ミステリーを盛り込んだ「面白い作品」を多数残した。作家としての転機はディケンズとの出会いで、コリンズは多くの作品をディケンズ主宰の雑誌に発表、合作もおこない、二人の親交は生涯にわたった。「ディケンズは人物描写にすぐれ、コリンズは筋の巧みさに秀でている」というのが定評であった。本書には訳者が「現代性」を加味して選んだ8編を収めてある。
  • ハーディ短編集
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    ハーディ短編集

    小説・文芸
    -
    1巻880円 (税込)
    訳者はこう述べる…彼の短編の長所は、(a)筋が変化に富み、異常な事件を含み、その進め方が極めて巧みなので、優劣を問わず、どの作品も息をつかせず読み通すことができる。(b)悲劇、喜劇、ユーモラスなもの、グロテスクなもの、おもしろおかしいもの、など多種多様である。本書には自分を「語り手」と考えた名手の傑作10編を収録。とくに「二つの野心の悲劇」「西部巡回裁判途上」「帰らぬ船」「息子の拒否」の4編は最高傑作とされている。
  • 江戸繁昌記(上)
    続巻入荷

    江戸繁昌記

    ビジネス・実用
    -
    1~2巻990円 (税込)
    書名が示すように、江戸の天保年間の繁昌を写したものであることはいうまでもないが、単にその表面を書いたものではない。大江戸の繁華をつくり出した根底をとらえ、それをえぐり出した、卓抜な文明批評なのである。しかも、著者は、それを生(なま)の理論としてではなく、江戸に生きる人間の姿態を描いた作品として、われわれに提供している。著者は儒者であるが、かれの学問は、幕府の御用哲学の朱子学や学者の業績のための考証の学ではなく、人間としての儒学であった。上巻では「相撲、吉原、芝居、富くじ、女義太夫、両国の花火、易者、書画会、火事、縁日、髪結い、古着市、魚市、銭湯、葬式、かげま茶屋、猪牙舟」などを、下巻では「神仏の開帳、祭り、侠客、妾宅、永代橋、書肆、寄席、長屋、吉原火災、学塾、百花園、角(かく)乗り、千住、品川、深川、本所、茶店」などを取り上げてある。漢文の原本は、訳者によって読みやすい本となった。
  • あら皮
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    あら皮

    小説・文芸
    -
    1巻990円 (税込)
    神秘な護符「あら皮」を所有する者はほとんど無制限な力を持ち、あらゆる欲望をとげることができる。その代り、欲望がとげられるたび、少しずつ生命はけずられて行くのである。これを手に入れたラファエルは十九世紀初頭の若者であり、権力を、快楽を、金を渇望した。そのための手段は護符を手に入れるということ以外になかった。自殺するほかないほどまでせっぱつまっていたラファエルは、悪魔に魂を売ったのだ。「これは最新式の秀作であり、その特長は、驚くべきことを手段として、最も奇妙な人間情意や事件などを徹底的に使用しつくしているところにある。そしてそれらの個々については、じつに高き評価が下されるであろう」とゲーテは書いた。
  • 神々は渇く
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    神々は渇く

    小説・文芸
    -
    1巻990円 (税込)
    フランス革命期の恐怖政治に巻き込まれた人々の運命を描く歴史小説。正義感あふれる青年画家エヴァリスト・ガムランは革命裁判所の陪審員となり、ジャコバン派の影響を受け、元貴族や亡命者、無神論者、娼婦などを次々と断頭台に送ってゆく。「自由、平等、博愛、しからずんば死」の標語がガムランの指針であり、反愛国主義者の疑いのある者は友人に至るまで、容赦しなかった。物語は、バスティーユ襲撃や、チュルリー宮殿の襲撃、国民公会の成立など、革命の主要な出来事を背景に進行する。パリは戦争と飢餓に苦しみ、民衆の熱狂は冷め、政治への関心も薄れていくなかで、ガムランは理想主義的な愛国心を抱きつつ「人民」の再生をあくまで夢想しつづけ、ついに破滅する。タイトルの「神々は渇く」とは、権力や理想を求める人間の欲望を象徴している。
  • 彼方
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    彼方

    小説・文芸
    -
    1巻990円 (税込)
    中世のあらゆる雑学が妖艶で怪奇な渦をまいている本作の主要人物は、ジャンヌ・ダルクを助けて数々の武勲を立てた西フランスの王侯ジル・ド・レーである。彼は愛国の処女の火刑ののち、爛熟した豪奢な生活をおくる。そのうちに金に欠乏してきて錬金術に興味をおぼえ、その帰結として悪魔礼拝に走った。そして、残忍卑劣な罪悪の限りをつくし、ついに宗教裁判にかけられて焚刑に処される。『彼方』はこの物語を骨子として、中世のあらゆる学問、すなわち錬金術、悪魔宗、呪詛、占星術、黒ミサなど、いわゆる神秘学の伝統を次々と暴露する。その凄惨、その淫靡は、一読肌に粟を生ぜしめる。しかし、「狂人か兇賊か聖者でなければ興味がない。その他はすべて俗衆だ」と喝破した世紀末フランス耽美派の雄ユイスマンスとしては、これは当然の帰結であった。
  • ウィルヘルム・マイスターの修業時代
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    ウィルヘルム・マイスターの修業時代

    小説・文芸
    -
    1巻1,980円 (税込)
    ウィルヘルムは、一芸に秀でたマイスターになろうとする。生まれつきミューズの恵みを受けた彼は、その天与の能力を育成することを自分の使命にする。タイトルは、中世ドイツの職人組合の慣行だった修業時代にちなんで名付けられているが、教養小説と呼ばれるように、広く人生の修業時代を描いている。ヘッセやトーマス・マンらが範としたドイツ教養小説の代表作である。ウィルヘルムは裕福な商人の家に生まれ、演劇に強く魅了されて舞台の世界に飛び込む。しかし次第に自身の生き方を模索するようになる。その過程には多くの人々との交流がある。俳優一座の仲間たち、恋愛関係に発展する多くの女性たち、神秘的な「塔の結社」の人々などは、成長の過程でそれぞれが重要な役割を果たす。第三巻で彼は軽業師一団に出くわし、座長から薄幸な少女ミニヨンを引き取る。ミニヨンはウィルヘルムに忠実に仕え、父親のように慕い、恋人のような切ない気持ちを抱くまでになるが……第三巻冒頭には有名な「ミニヨンの歌」がある。ミニヨン亡きあと、ウィルヘルムはミニヨンのふるさとへ、あこがれの南の国さして旅だつ。
  • オトラント城奇譚

    オトラント城奇譚

    小説・文芸
    -
    1巻550円 (税込)
    ゴシック・ロマンと呼ばれる「恐怖・怪奇・幻想」小説の元祖。「昨年六月のある朝、私はある夢から目を醒まして、その夢について思い出せるのはどこかの古い城の中にいるように思ったこと、そして大きな階段の一番上の手すりの上に、具足をまとったとてつもなく大きな手が片方載っているのが見えた、ということだけ。そしてその日の夕方私は机に向かって、自分が何を言いたいのか、何を語ろうとしているのかまるで判らぬままに筆をとって書き始めたのです」…これがこの作品の成り立ちである。この一作によって、ゴシック小説は誕生した。
  • メアリー・ポピンズ

    メアリー・ポピンズ

    メアリー・ポビンズというのは、バンクスさんの家にやってきた育児係の女の人です。しかし、それが、ただの人ではないのです、メアリー・ポピンズは、ある日、東風にのってやってくるのです。そして、メアリーのいくところ、さまざまのふしぎなことが、まきおこります。けれど、その秘密を知っているのは、子どもだけなのです。おとなには、メアリー・ポピンズの魔法つかいのような力を見ぬく目がないのですから。ディズニーのミュージカル映画でも知られるファンタジーの傑作。
  • 月夜の狼

    月夜の狼

    小説・文芸
    -
    1巻550円 (税込)
    エド・ハンター・シリーズ第3弾。首尾よく伯父の勤める探偵社に就職したエドは、女性実業家の依頼で、彼女の親代わりだった老発明家に会い彼の発明について訊くことになった。だが、惑星からの送信という発明家のおかしな話にぶつかり、帰途の路上でのどを噛み切られている死体に遭遇する。しかも、死体は忽然と消え失せる。これに終わらず、惑星からの送信を受けた男も、助手もろとも死をとげる。これらはみな「狼男」の仕業なのか。巻頭から真相の究明まで読者を飽きさせない鬼才の手腕。
  • 三人のこびと

    三人のこびと

    小説・文芸
    -
    1巻550円 (税込)
    「シカゴ・ブルース」に続くエド・ハンター・シリーズ第2弾。エドとアム伯父の二人が身を寄せるサーカスで、身元不明の「こびと」の死体が見つかる。ついでチンパンジーの溺死体が見つかり、さらにダンスに才のある少年が死体となっているのが発見される。この3つの死の関係はなにか。旅興業を続ける中で、エドは踊り子に振り回されながら、事件の解明に奮闘する。
  • 過去ある女

    過去ある女

    アメリカを逃れてカナダの港町ヴァンクーバーにやってきた謎につつまれた若い美女。彼女につきまとうジゴロ、ホテルのペントハウスに住む独身紳士、殺人課警視。そして、彼女の部屋のバルコニーで発見された男の射殺体。悲劇的な女が投げこまれた華やかな、そして卑しい世界を、見事な台詞と小気味のいい展開で描いたフィルム・ノワールの逸品。ユニバーサル社の資料室から発掘された最終稿は、チャンドラー自らが「私が書いた映画脚本の中でも最高のひとつ」と自讃する。知られざる傑作!
  • 20億の針

    20億の針

    小説・文芸
    -
    1巻550円 (税込)
    ある日、2隻の宇宙船が南太平洋上に墜落した。片方に乗っていたのは捜査官であり、もう片方には、《彼が》追跡する犯罪者が乗っていた。だが、どちらも人間ではなく、高度な知性と感覚をもった、ゼリー状の半液体生物、いわばウイルスのような存在だった。彼らは宿主なしには生きられない生物だった。地球上での困難な追跡劇が始まる。生涯、「異生物」を追究したハードSF作家ハル・クレメントの名作。彼は1920年生まれでハーバード大で天文学を専攻、ボストン大で教育学の修士号をとった。物理の教師を勤めるかたわら、余暇にSFを書いた。
  • 重力への挑戦

    重力への挑戦

    小説・文芸
    -
    1巻550円 (税込)
    高速に回転しているため、赤道付近は3Gの重力なのに、北極と南極では700Gになっている大惑星メスクリン。その極地付近で行方不明になった無人ロケットを探すため、地球人はメスクリン人と共同で探査をおこなう。液化メタンの海とアンモニアの雪におおわれた環境のなかで暮らすメスクリン人は体長40センチ、36本足のムカデのような異星人だが、なぜか人類とコミュニケーションを保つことができる。だが、メスクリン人には、どんな思惑があったのか。ハル・クレメントは「異生物」テーマ専門の作家で、本作は異生物テーマのハードSFの傑作だ。
  • 能・狂言

    能・狂言

    ビジネス・実用
    -
    1巻660円 (税込)
    劇作家・演出家である田中千禾夫(ちかお)が、「能・狂言は好き」という単純な動機から、それぞれの持つ独自の様式表現を可能なかぎり壊さないよう細心の注意を払ってなしとげた現代語訳。能では「隅田川」「高砂」「松風」「砧」「道成寺」など9編を、狂言では「柿山伏」「蚊相撲」「棒縛」「鶏婿」など8編を選び、はじめてこれらの古典に接する人たちに提供する。巻末には戸井田道三、増田正造両氏による「能・狂言の世界」への解説を付した。
  • ポー詩集

    ポー詩集

    詩人として、小説家として、19世紀アメリカ文学の中で特異な光を放つエドガー・アラン・ポー。その詩は悲哀と憂愁と陰鬱と幻想に彩られ、独特の光をたたえている。本訳詩集は、入沢康夫、福永武彦の2人による訳詩集で、巻末には佐伯彰一氏による「解説」を配した。訳出した詩は全部で44篇、うち、「ヘレンに」(2篇)「眠る女」「レノア」「不安の谷」「夢の国」「鴉」「ユーラリイ──唄」「ウラリューム──譚詩」「アナベル・リイ」の10篇は福永訳、他の34篇は入沢訳だ。これによってポーの詩世界の全貌が明らかになる。
  • ライラックの花の下

    ライラックの花の下

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    南北戦争時代に、サーカスから逃げてきた12歳のベン少年は、ライラックの木の下にあるモス未亡人とバブとベティ姉妹の家にかくまわれる。隣家にはシリア嬢とその弟である病弱なソーニが越してきて、やがて互いに親しくなり、交際がはじまる。さまざまな小さな事件が相継いで起き、それらを解決していくなかで、ベンはいつの間にか大きく成長していく。オールコットの作品は、「若草物語」「八人のいとこ」「花ひらくローズ」が弊社電子書籍で楽しめる。
  • 怪奇傑作集①

    怪奇傑作集

    小説・文芸
    -
    1~3巻770円 (税込)
    全3巻で俯瞰する「怪奇小説傑作集」。19世紀初頭に書かれたマリヤットの「人狼」から始まって、1950年発表のル・ファニュの「白い猫」まで、年代順に25編を選んだ。本巻①には、「人狼」以下、ホーソン「ラパチーニの娘」、ウィルキー・コリンズ「夢のなかの女」、オブライエン「あれは何だったのか」、ディケンズ「信号手」、キプリング「イムレイの帰還」、アンブローズ・ビアス「怪物」、H・G・ウェルズ「卵形の水晶球」の8編を収めた。
  • 徒然草・方丈記

    徒然草・方丈記

    小説・文芸
    -
    1巻880円 (税込)
    鎌倉から南北朝にかけての激動の時代に書かれて「隠遁者の書」と称されるこの2書は、時代を越えて日本人の、あるいは日本文化の底流をなす思想をかたちづくっている。「徒然草」はその風刺性においてすぐれ、「方丈記」はその仏の道への徹底ぶりによって、現代のわれわれにも訴えかけるものがある。「つれづれなるままに~」「ゆく河の流れは絶えずして~」は、随想録の規範といってもよい。
  • 赤後家の殺人

    赤後家の殺人

    小説・文芸
    -
    1巻880円 (税込)
    マントリング邸にある《後家部屋》は、ひとりで過ごすと毒で死ぬとの伝説があり、開かずの間になっていた。そこをマントリング卿が60年ぶりに開けて実験することに。入るのはトランプによる抽籤でスペードのAを引いたベンダーだった。彼は夜の10時から2時間の約束で1人で入り、15分ごとに返事をする。ところが、ちゃんと返事をしていたのに、12時になっても出てこない。皆が部屋に入ってみると、どうも1時間前には毒で亡くなっていたらしい! 謎は解けぬまま、新たな犠牲者が――。作者が好きな「密室殺人劇」だが、毒の罠や処刑人サンソンの話など歴史的蘊蓄の披露もあり、時間的にも空間的にもスケールが広がってゆく展開と怪奇趣味を楽しめる。乱歩の好みの作品だった。
  • 春色梅暦

    春色梅暦

    小説・文芸
    -
    1巻1,100円 (税込)
    1829年(文政12年)の火事で焼け出された作者春水が、単独で再起をかけた作品。江戸の町を背景に悪巧みによって隠棲生活を強いられている遊女屋唐琴屋(からことや)の美青年丹次郎と、彼を慕う芸者・米八(よねはち)、仇吉(あだきち)の2人と、許婚のお長(ちょう)との三角関係を詳しく描いたもので、人情本の代表作とされる。当時の注目を集めた女性を配し、恋愛の諸相を巧みな会話文とともに描いて人気を博した。主人公・丹次郎は色男の代名詞となった。本書は舟橋聖一氏による苦心の全訳である。
  • レ・ミゼラブル①

    レ・ミゼラブル

    小説・文芸
    -
    1~4巻1,100円 (税込)
    1815年10月、ディーニュのミリエル司教の司教館を、46歳の男ジャン・ヴァルジャンが訪れる。1斤のパンを盗んだ罪でトゥーロンの徒刑場で19年も服役していた。司教は温かく迎え入れる。だが、その夜、司教が大切にしていた銀食器を男は盗んでしまう。翌朝、男を捕らえた憲兵に対して司教は「食器は私が与えた」と言い、残りの銀の燭台も差し出す。男の魂は司教の信念に打ち砕かれる。4年後、男はモントルイユ=シュル=メールで別名を名乗り、工場を営んで成功し、市長になっていた。その工場では、ファンティーヌという女性が働いていた。彼女は、3歳になる娘コゼットをモンフェルメイユのテナルディエ夫妻に預けていた。彼女は父無し子がいることを知られ、解雇された。その後、貧困のため前歯までも売ったファンティーヌは、あるきっかけでジャンに救われる。彼は、コゼットを連れて帰ることを母親に約束する。テナルディエ夫妻は「養育費」と称して母親から金をせびり、大きな借金となっていた。だが、コゼットを迎えに行こうとした矢先、ジャンは、自分と間違えられて逮捕された男のことを警官ジャヴェールから聞かされる。彼はその男を救うことを優先、裁判所で自分の正体を明かす。ジャンはファンティーヌの病室でジャヴェールに逮捕され、ファンティーヌはショックで死んでしまう。
  • 浮世床

    浮世床

    小説・文芸
    -
    1巻330円 (税込)
    同じ作者式亭三馬による「浮世風呂」の姉妹編で、江戸滑稽本の代表作の一つ。「浮世風呂」に出る風呂屋の隣にある「浮世床」は江戸庶民の社交クラブともいうべき場所で、そこにあつまるひとびとの生態を精密にして軽妙な会話によってえがきだしている。床の主人鬢(びん)五郎、その女房、下剃りの留吉(とめきち)が店をかまえるなかに、楽隠居、素読の先生、上方者、籠舁き、櫛屋、居候の飛助などが、つぎつぎに顔を出す。てんでに勝手なことを言い、小さな喧嘩が起こるかと思うと談論風発、すぐまた新しい客と入れ替わる。三馬は3編を出す予定だったが果たせず、巻三は瀧亭鯉丈が書いた。本書はその初編部の完訳である。三馬は古本屋を開くなどしたあと、19歳で処女作の黄表紙を発表。34歳で代表作『浮世風呂』を発表した。一方、自家販売の化粧水「江戸の水」を売るなど商才にも長けていた。
  • 竹取物語

    竹取物語

    小説・文芸
    -
    1巻440円 (税込)
    現存する日本最古の物語であり、「かぐや姫」として有名。竹取の翁(おきな)によって光り輝く竹の中から発見され、翁夫婦に育てられた「かぐや姫」を巡る奇譚である。当初の求婚者は5人、それぞれ難しいものを持参するよう言われるが、それは「仏の御石(みいし)の鉢」「蓬莱の玉の枝」「火鼠(ひねずみ)の皮衣(かわぎぬ)」「龍の首の珠」「燕の産んだ子安貝」だった。結局、成功したものはなく、一人残らずすべて落第。最後には「帝(みかど)」が求婚するが…巻末には三谷栄一氏による「解説」を付した。
  • 銀河帝国の崩壊

    銀河帝国の崩壊

    本書は、アメリカのR・A・ハインラインと並び、1950年代のSF界を席巻したイギリスのアーサー・C・クラークの最初期の長編だ。数億年先の未来、銀河帝国はほろび、かつて宇宙に雄飛した人類は、砂漠同然と化した地球の一角にかじりついて、暮らしていた。そのとき好奇心に駆り立てられた少年アルビンは、町を脱出し、他の知性体を求めて宇宙へ旅立つ。そして「七つの太陽」で出会った純粋知性体によって人類の歴史が明らかにされ、地球はふたたびその生命をとりもどす。宇宙への冒険とそこにある謎を解き明かすクラークの面目躍如の一編。なお、クラークの処女作は短編「太陽系最後の日」(1946)で、弊社刊「往年のSF短編傑作①」に収録されている。
  • ブリタニキュス

    ブリタニキュス

    古代ローマ皇帝ネロン(ネロ)を主題とした政治悲劇で、ラシーヌの代表作の一つ。宮廷は悪の殿堂ともいえ、ネロンをはじめとする怪物たちの野心に満ちた闘争と、そのなかにまぎれ込んだ無力な被害者の受難によって、この戯曲は成立する。ネロンの妻アグリピーヌも敗れ去りはするが怪物的である。最後に殺害される若いブリタニキュスは、無能といわれてもおかしくはない。悲劇の主人公は彼であろうが、怪物たちも一人残らず、悲劇をまぬがれない。訳者は三島由紀夫氏による台本化にあたっての援助を多としている。
  • イタリアの薄明

    ロレンス紀行全集

    小説・文芸
    -
    1~4巻550~880円 (税込)
    「本書はロレンスの最も美しい散文であり、またロレンスの思想を知るためにも最も重要な中身を含んでいる。《山越えの十字架像》はロレンスがいかにキリスト教的な神秘主義者であったかをよく啓示しているし、《紡ぐ女と修道僧》にはロマン主義的な絶対の世界の認識がよく出ている。また《レモン園》では特にその思想が強調されている」(西脇順三郎)。本書の中身はすべて、ロレンスが1921年の9月から翌年の4月まで恋人のフリーダ夫人とガルダ湖畔に滞在した時代に書かれた。ロレンスは『イタリアの薄明』『海とサルデーニャ』『メキシコの朝』『エトルリア遺跡』の4つの紀行を残した。これらをすべて最初に全訳したのが鈴木新一郎氏で、今回の電子書籍版はその復刊となる。
  • キーツ詩集

    キーツ詩集

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    天才肌の詩人といわれ、25歳で亡くなった英国の詩人。バイロン、シェリーと並ぶロマン派の詩人。本書は、キーツの詩に魅せられた高島誠氏による訳詩集で、「小さい丘の上に――」「眠りと詩」「ファンシー」「オード」「聖アグネス祭の前夜」「ナイチンゲールに寄せる」「ギリシアの古い甕に寄せる」「怠惰」「秋に」など代表作のほとんどが、ほぼ制作順に収められている。
  • 小倉百人一首

    小倉百人一首

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    平安時代後期から鎌倉初期にかけて活躍した公家・藤原定家が選んだ秀歌撰であると考えられ、百人の歌人の優れた和歌が一首ずつ選ばれ、年代順に配列されている。百首は「万葉集」から始まり「古今集」「新古今集」などの勅撰和歌集から選ばれた。本書には12人の歌人エピソードも収めてある。江戸時代には木版画の技術が普及し、「百人一首」は絵入りの歌がるたとして広く庶民に広まった。著者宮柊二氏は「戦後短歌のリーダー」として知られる歌人である。巻末には井上宗雄氏の「解説」、白洲正子氏のエッセイを収めた。
  • 二つの密室

    二つの密室

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    つましく身を立てていたアン・デイはいつの間にか38になっていたが、願ってもない家政婦という職を得てグリンズミード家に入った。だが一見平和な家庭には思わぬ陰があった。病弱な妻は話のとおりだったが、夫には秘密の愛人があったのだ。典型的な三角関係が引き起こす不気味な雰囲気のなかで、若い家政婦アンは、夫婦間の微妙な空気を感じ、夫人の身を案じるが…アリバイ・トリックの巨匠クロフツが、趣向を変えて、密室トリックを創案した。一つは心理的、もう一つは物理的ともいえるトリックで、この二つが有機的に関連する殺人事件の謎に挑戦する。
  • 四つの凶器

    四つの凶器

    ラルフは良家の令嬢マグダと婚約したばかりだが、気がかりなことがあった。恋仲になり別荘まで買ってやった娼婦ローズの存在だ。ローズが結婚の障害になることを心配した彼は、関係を穏便に清算するため、弁護士カーチスに頼んでブーローニュの別荘に出かけた。だが、ローズはベッドの上で、動脈に達するほどの傷を負って死んでいた。しかも部屋には4種類の凶器になりうるものが存在していた! いったいどういうことが起こったのか。奇怪な事件の謎にいどむ探偵バンコランが、持ち前のウィットとユーモアを見せて活躍する最後の長編。
  • ハテラス船長の冒険(上)

    ハテラス船長の冒険

    小説・文芸
    -
    1~2巻990円 (税込)
    ヴェルヌの「驚異の旅」は1863年の「気球旅行」でスタートし、「地底」「月世界」と続いたが、本書は67年刊で、「グラント船長」や「海底二万リーグ」より前であった。本書の訳者は「これほど面白い作品がどうして邦訳されていないのか」と述べる。冒頭から、帆船フォワード号を取り巻く謎で、読者の心を掴む。その行先は分からず、船長は姿を現わさず何者であるかも分からない。同号は船長からの秘密の指令によって北極へ向かう。ついに姿を現わした船長は北極征服熱一色に染め上げられた誇り高きイギリス人であった。この人物は単一の情熱に支配され、目標に向かって邁進する。極北の酷寒、乗務員の反乱、未踏の地の不確実性との戦いに、冒険心と知識欲に駆られたハテラスの勇気と決意は微塵ともしない。推理小説と冒険小説が渾然一体となった傑作。
  • 好色一代男

    好色一代男

    小説・文芸
    -
    1巻1,100円 (税込)
    井原西鶴の処女作であり、当時のベストセラーになった出世作。好色一代男とは、色道の探求に生涯を賭けて悔いなき男という意味だ。その主人公である一代男こと世之介は、巨万の富を擁する上方町人の二世として生まれ、七歳にして恋を知り、六十歳には女護島遠征に船出したまま行方知れずになるが、それまでの五四年間を、一年を一章にする構成で五四章にまとめた好色一代記である。世之介は地方も含めてさまざまな場所に出向き、さまざまな遍歴をするが、主要な舞台は公許の廓(くるわ)で、粋(すい)という「遊興の美学」を描くことが西鶴の意図であった。巻末には西鶴全集の翻訳で知られる暉峻康隆氏による「解説」を収めた。なお「プライム」とは「グリンプス」とは異なり、古典のほぼ全巻の現代語訳を言う。
  • 細雪(上)

    細雪

    小説・文芸
    -
    1~3巻770円 (税込)
    大阪船場(せんば)の旧家、蒔岡(まきおか)家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子の優雅な日々の営みが、京の花見、螢狩り、月見などの四季の風雅を背景にして美しく織り成されていく。感性美を生涯追い求めた著者が、流麗な筆致で描く美の世界。発表当初の掲載禁止という当局の弾圧にもかかわらず、第二次大戦下の昭和18年から蕩々と書き続けられた本作は、5年余の歳月をへて昭和23年に完結した。時局に迎合することを拒否した作家の信念によって生みだされた、日本の美しい文化と伝統の見事な結実といっていい。
  • 山師タラント

    山師タラント

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    薬局の店員ジェームズ・タラントは野心家で、胃の薬をめぐる詐欺じみた行為によって、希代の成功者に成りあがった。だがことは思惑どおりには運ばず、行く手には死が待ち受けていた。犯人とみられる女性はあっけなく逮補され、いまや絞首刑の寸前にあった。だが、フレンチ警部は捜査の結果に不満だった。事実の連鎖に疑問があり、肝心のところが腑に落ちなかった。難事件であった。作者クロフツは本作で初めて法廷論争を展開する
  • 英仏海峡の謎

    英仏海峡の謎

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    英仏海峡航路の汽船がドーバー海峡をフランスに向かう途中、漂流する一隻のヨットを見かけて停船した。調べてみるとヨットには、ふたりの男の死体と多量の血痕があった。ヨットは、その日倒産したモクスン証券会社の社長の船であり、死体は社長と副社長だった。会社の金庫からは百五十万ポンドの現金が紛失していることも、重役らが行方知れずになっていることも判明した。犯人は広い海のまん中で、こつぜんと姿を消していた。フレンチ警部の捜査は、次から次へと行き詰まり、事件は迷宮入りかと思われたが……。
  • エラリー・クイーンの新冒険

    エラリー・クイーンの新冒険

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    「冒険」が人気を博したのを受けて一九四〇年に刊行された短編集で、ここには9点の作品が収められている。なかでも最高の傑作は巻頭の「神の灯」という中編で、もとはディテクティブ・マガジンに一九三五年に発表され、そのあと本短編集に収められた。最後の4編は野球、競馬、ボクシング、フットボールと、スポーツがからむ殺人事件を扱っていて興味をそそる。
  • エラリー・クイーンの冒険

    エラリー・クイーンの冒険

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    この作品はエラリー・クイーンがみずから編纂した最初の短編集で、一九三四年に刊行された。すでに「国名シリーズ」も区切りがつき、4編連作の「ドルリー・レーン悲劇シリーズ」も終わり、圧倒的な人気を博していた時期の発表で、それまでに書いていた短編の中から自信をもってまとめた11編の作品からなる。クイーンは深い造詣を生かして一九五〇年に「クイーンズ・クォラム」というタイトルで推理短編集106点を選んだが、そのうちの90番目に本短編集を収めている。つまり、それほどの自信作というわけである。
  • 北越雪譜

    北越雪譜

    ビジネス・実用
    -
    1巻880円 (税込)
    江戸時代後期の商人、随筆家だった鈴木牧之が、生まれ故郷の越後の雪国の暮らしをつぶさに記した「雪国生活事典」。巻頭の「雪の形」から始まり、思いつくかぎりの雪と人との関わりを詳述する。雪中の絶壁から吊りおろした篭に乗って鮭捕りをしていた男の溺死、熊に助けられて数十日ともに暮らした男、知られざる雪中の洪水まで、わずか200年前の越後に生きた人たちの暮らしがよみがえる。牧之は縮商でもあったから、その方面での多彩な記録も貴重である。
  • 北回帰線

    北回帰線

    小説・文芸
    -
    1巻880円 (税込)
    パリは売笑婦に似ている。遠くから見ると、男の魂をとろかすようであり、彼女を両腕に抱きしめるまで待ちきれぬほどだ。しかも、五分後には空虚感を味わい、自己嫌悪をおぼえる。だまされた思いだ。ぼくはポケットに金を持ってパリへ戻った――ぼくが汽車へ乗りこもうとしたとき、コリンズがポケットへ押しこんでくれたのである。これだけあれば、部屋代を払い、すくなくとも一週間は、うまい食事をまかなうのに十分だ。これだけの大金は、ここ何年かのあいだ一どきに握ったことがなかった。ぼくは、まるで新しい生活が眼の前に開けたかのように、昂然たる思いを味わった。…パリでの奔放な放浪生活と、その間の回想と思弁とが脈絡もなく展開される「プロットなき小説」!
  • チェッリーニ自伝(上)

    チェッリーニ自伝

    チェッリーニはフィレンツェ生まれの彫金師、金と銀と大理石とブロンズに鑿(のみ)を揮うことが本業だった。当時はルネサンスの後期にあたり、動乱の時期でもあったが、権謀渦巻くなかにあってみずからの野心に忠実にしたがってよくその目的を実現した希代の人物だった。そうした彼が、鑿を言葉に換えて、自我像の彫刻として仕上げたのがこの自伝である。自伝と称するものは数多くあるが、この「自伝」ほど面白い作品はまたとないといわれ、この書が十八世紀になって初めて公刊されたとき、ゲーテは感激の余りその翻訳を思い立ち、ルソーは彼の「告白」を書くべく暗示されたという。本書は上下二巻より成り、上巻は出生よりサンタンジェロ防衛戦におよぶ。金細工やデッサンの徒弟、遍歴、ローマ定住に及び、この町では天才を認められ、交友と礼讃者も多く、最も得意の時期である。下巻はフランスのパリと故郷フィレンツェを中心として、当時芸術家が本来の面目とするところの大型の彫像を専らとし、大家をもって自他ともに許した。だが、ライバルの執念深い妨害、法王やメディチ家との駆け引き、戦争や地下牢への投獄に苦しんだ時期でもあった。
  • 往年のSF短編傑作①

    往年のSF短編傑作

    小説・文芸
    -
    1~3巻990円 (税込)
    SFのアンソロジーは各種あるが、本アンソロジーで「往年の」とうたっているのは一般にSFの黄金時代といわれる一九三〇年代後半から五〇年代末くらいを指している。ハミルトン、ヴォークト、アシモフ、ハインライン、ラインスターに始まり、ブラッドベリ、スタージョン、シマック、アーサー・C・クラーク、ベスター、マシスン、アンダースン、ディックという流れである。六〇年代初めにはいわゆるニューウェーブ時代が始まる。本巻収録作は、「フェッセンデンの宇宙(ハミルトン)」「犬の散歩も引受けます(ハインライン)」「死都(ラインスター)」「遥かなるケンタウルス(ヴォークト)」「AL七六号失踪す(アシモフ)」「時を超えて(ハインライン)」「太陽系最後の日(アーサー・C・クラーク)」「闘技場(フレドリック・ブラウン)」ほか12編である。
  • 日本の短編小説

    日本の短編小説

    小説・文芸
    -
    1巻1,980円 (税込)
    副題にあるとおり、本作品では、明治、大正期の傑出した日本の短編小説二十三編を発表された順に選んだ。最初の二葉亭四迷の「あいびき」が明治二十一年(一八八八)、最後の芥川龍之介の「玄鶴山房」が昭和二年(一九二七)だから、この間三十九年である。四迷、漱石、鴎外、露伴、一葉、独歩、鏡花、藤村、荷風、潤一郎、直哉、菊池寛、有島武郎、佐藤春夫、横光利一、梶井基次郎、葉山嘉樹まで、十八人の作家を選んでいる。巻末には編者による簡単な解題がある。
  • 宇都谷峠

    宇都谷峠

    文弥は芝片門前(かたもんぜん)に住む貧しい按摩。三歳のとき姉が石の上にとりおとしたのがもとで、両眼失明した。父の小兵衛は悪事三昧、家にも寄りつかない。老母おりくや姉の賃仕事と若い文弥の腕では、妹おいちと四人の暮らしがせいぜいで、座頭(ざとう)の官位を取るに必要な百五十両という大金など思いもよらない。――自分の過失ゆえと日ごろ心を痛めていたおきくは、ついにだまって吉原へ身売りし、百両の金をととのえる。あとの五十両は京都の師匠が貸してくれるだろう。――文弥は姉の真心に泣き、ひとり都へ上る。いっぽう、伊丹屋十兵衛は恩ある主君のため何としても百両を返さねばならない事情があって、旧知をたよって、はるばる京都へ行ったが、その人はもうこの世になかった。思案にくれてむなしく帰る道すがら……東海道を下る十兵衛と、上る文弥は、駿(すん)州鞠子(まりこ)の旅籠(はたご)で運命の糸に導かれるように出会う。黙阿弥「世話物」の傑作。
  • 縮屋新助

    縮屋新助

    堅気一方の越後の縮(ちぢみ)売り新助が、ふとしたことから真剣に恋した芸者美代吉(みよきち)に愛想づかしされ、うらんで殺す縁切りもの。しかも新助はその直後それが実妹だったと知り、おなじ村正(むらまさ)の妖刀で自害して果てる。──縁切りものの代表作の一つであると同時に、深川八幡の祭礼のにぎわいを背景に、江戸下町の庶民の生活をいきいきとえがき、それと対照的な地方商人の性格を的確にとらえた、リアリティーに富む生世話(きぜわ)の名作。
  • 三人吉三

    三人吉三

    大川端で夜鷹を蹴落として手に入れた百両に満悦のていのお嬢吉三(おじょうきちさ)、だがそれを見ていたお坊吉三(おぼうきちさ)はその金をよこせと横車、二人はたちまち立ち回りを演じる。その間に割って入ったのが和尚吉三(おしょうきちさ)、いずれも腕一本に生きる無頼の徒、たちまち意気投合して血盃(ちさかずき)をかわすが…
  • 髪結新三

    髪結新三

    ならずもの入墨新三(しんざ)の婦女誘拐。初鰹(はつがつお)をモチーフとした江戸下町の季節感と、いきいきした生活描写。永代橋雨中の大立まわり、小悪党新三の閻魔(えんま)堂橋のさいご――深川を舞台に、隅田川を軸として展開する生世話の名作。明治六年、すでに五十八歳の江戸作者黙阿弥が、開化の波を感じながら自分のぺースで書いた、円熟の境地をしめす作品。
  • 十六夜清心

    十六夜清心

    鎌倉極楽寺の僧清心は、女郎十六夜となじむが、女犯の罪に問われて追放される。そして、廓をぬけ出してきた十六夜と会い、自分の子を宿したと聞いて入水心中をはかる。が、十六夜は、俳諧師白蓮(はくれん)の白魚船に救われる。いっぽう清心は、漁師の息子のため死にきれない。と、おりから聞こえる遊山舟のさんざめき。自殺の決心がにぶった清心は、通りかかった寺小姓を、十六夜の弟とは知らず、金ゆえに殺してしまう。そしてたちまち悪心に変じ、名も「鬼薊清吉(おにあざみせいきち)」となって悪事を重ねる。「今日十六夜が身を投げたも、またこの若衆の金を取り、殺したことを知ったのは、お月様とおればかり、人間わずか五十年……これから夜盗家尻《やとうやじり》切り、人の物はわが物と、栄耀栄華をするのが徳、こいつあめったに死なれぬわえ」当時の実説を詩情をこめて劇化した幕末白浪物の傑作。
  • 弁天小僧

    弁天小僧

    「知らざあ言って聞かせやしょう。浜の真砂(まさご)と五右衛門が歌に残せし盗人(ぬすびと)の種は尽きねえ七里ヶ浜、その白浪(しらなみ)の夜働き、以前を言やあ江の島で年季勤めの児(ちご)ヶ淵(ふち)、江戸の百味講(ひゃくみ)の蒔銭(まきせん)を当(あて)に小皿(こざら)の一文子(もんこ)、百が二百と賽銭(さいせん)のくすね銭(ぜに)せえだんだんに悪事はのぼる上(かみ)の宮(みや)……」弁天小僧をはじめとする、ご存じ白波五人男の勢揃い。題名どおり錦絵そのままの華麗なるピカレスク狂言。
  • セビーリャの理髪師

    セビーリャの理髪師

    「フィガロの結婚」の前奏曲といってもいいボーマルシェの戯曲。のちにロッシーニのオペラで有名になった。アルマビバ伯爵は、ロジーヌという女性に恋をして、身分を偽った姿で彼女に近づき、恋の成就をはかる。一方、ロジーヌの後見人の医師バルトロは「遺産目当て」でロジーヌと結婚をしたがっていて、伯爵の行く手を邪魔する。伯爵はなにかと利用できる「ゼビーリャの理髪師」フィガロの助けを借りて、最後には無事ロジーヌとの結婚に成功する。
  • フィガロの結婚

    フィガロの結婚

    アルマビバ伯爵は結婚生活に飽き、妻の侍女シュザンヌを誘惑しようとする。シュザンヌは下僕フィガロと相思相愛で、まもなく結婚式をあげようとしているというのに……。フィガロはあふれる機知と勇気と行動で、伯爵を徹底的にやっつける。当時の世相、なかでも貴族階級の横暴があばかれ、諷刺のきいた、歯切れのいいやりとりの戯曲になっている。「セビーリャの理髪師」の姉妹編で、どちらもロッシーニのオペラによって有名になった。
  • ツールの司祭

    ツールの司祭

    小説・文芸
    -
    1巻550円 (税込)
    「ツールの司祭」とはビロトー神父を指すが、この善人はたまたま借り受けた部屋の女主人ガマール嬢に嫌われる。その背景には中産市民である嬢の、貴族の仲間になろうとする神父への嫉妬と憎悪があった。そうしたなかに積年の野心を抑えられてきたトルーベール師が登場する。師は権謀術数を用いて…この表題作のほかに「女とは」という問題を論じ合う短編「復讐」、作者の社会観・宗教観が披瀝される「フランドルの基督」の2短編を収める。3編とも、新字新仮名遣いに改めてある。
  • フレンチ警部の事件簿①

    フレンチ警部の事件簿

    小説・文芸
    -
    1~2巻550~660円 (税込)
    アリバイ破りの名手ロンドン警視庁のフレンチ警部は、丹念に緻密に足を使う捜査で有名で「足の探偵」の異名をもつ。彼はクロフツの多くの重厚な長編で活躍するが、気の利いた多くの短編でもその片鱗をみせる。ここにまとめた2巻によってその全容が判明する。本巻には「床板上の殺人」「上げ潮」「自署」「シャンピニオン・パイ」以下21編を収めた。
  • 東海道中膝栗毛

    東海道中膝栗毛

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    神田八丁堀の長屋に暮らす弥次郎兵衛と喜多八は、ふとお伊勢参りを思い立ち東海道を踏破する旅に出る。ノンシャランで能天気な弥次・喜多の道中記だ。品川、川崎、神奈川と行く先々で、なにかとケチをつけ、程ケ谷に至っては「とめ女」の客引きを面白がり弥次はさっそく狂歌をものする。「おとまりはよい程ケ谷やととめ女 戸塚まへてははなさざりけり」。旅先での失敗談や庶民の生活・文化を描いた本書は絶大な人気を博し、作者一九は最初の流行作家となった。巻末には神保五彌氏の詳しい「解説」がある。
  • 心中天網島

    心中天網島

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    編者水上勉は近松門左衛門の代表作4編を選び、その雰囲気を保つように心がけ、苦心の現代語訳を提供する。「曽根崎心中」「心中天網島」「女殺油地獄」「堀川波鼓」の4編がそれである。あわせて「お初」「おさん」「お吉」「お種」の4人の女主人公を「近松の女たち」と題して論じる。本編末尾には諏訪春雄氏による「心中の季節」、郡司正勝氏による「解説」を付してある。
  • 伊勢物語

    伊勢物語

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    「昔、男ありけり」で始まる伊勢物語の集成の「男」とは、在原業平に擬せられてきている。だが、この物語は長年のあいだに多くの人によって書き加えられ、大きく三つの時期・時代の趣味・傾向にそって改変されているのは否定できない。そこで、編者である作家中村真一郎氏はこの点に注意をはらい、従来通りの「定訳」を呈示しながら、その背後にひそむ各時期ごとの矛盾した面白さを明らかにしようとする。巻末には金田元彦氏による詳しい「解説」を付した。
  • 万葉集

    万葉集

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    現存する日本最古の和歌集である万葉集には、天皇、貴族から下級官人、防人、農民など、さまざまな身分の人々が詠んだ歌が4500首も収められている。編者山本健吉はバランスよく代表的な歌を選び、その説明にも多くの歌をひいて幅広い鑑賞の材料を提供する。また額田王、志賀皇子、柿本人麻呂、憶良など代表的な多くの歌人をコラムにして、いっそう深い分析を提供する。巻末には「万葉集とはなにか」と題した中西進氏による解説がある。
  • レベッカの青春

    レベッカの青春

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    「少女レベッカ」の続編と言ってもよく、「少女レベッカ」の場合とおなじように、女性としての自覚にめざめてゆく一人の少女の心理過程が現実的なさまざまなエピソードとともに語られていく。ただ前作とちがい、それらの出来事は、レベッカ自身の手記や回想という形で描かれ、記述がいっそう内面的になっている。後半には、青春期を迎えた十八歳のレベッカが登場して、繊細な感受性をたたえた、静けさと内省を愛する一人の女性に生長していく。作者は、米国フィラデルフィアで生まれの作家で、英米の若い世代から熱狂的に迎えられ、やがてその名はひろく世界に知られるようになった。
  • 少女レベッカ

    少女レベッカ

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    原題は「サニーブルック農園のレベッカ」…ほこりだらけの田舎道を、旧式な馬車が、がたごと揺れながら走っている。馬車の窓から黒い髪の少女が乗っているのが見える…そういう情景がバックとなって、空想家で、たいへんな情熱家でもあるレベッカの、少女時代から、しだいに女としてめざめてゆく過程を描いた物語だ。発表されるとすぐ評判となり、『若草物語』とならんでアメリカ家庭小説の古典として、いまなお愛読されている。女史は米国フィラデルフィア生まれの作家で多くの児童文学を書いたが、幼児教育にも力を注いだ。
  • 絶対の探求

    絶対の探求

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    フランスの王政復古の地方都市を舞台に、「絶対」の研究に憑かれ、果てしない情熱でもってそれに打ち込むバルタザール・クラース。裕福だった財産は底をつき、妻ジョゼフィーヌはひたすら夫に献身し犠牲をはらいながら倒れ、娘マルグリットは何とか家を立て直そうと必死になる。だがこのクラース家のドラマは、破滅に向かってひたすら驀進する男の姿の前に音をたてて壊れる。「憑かれた人間」を描いたバルザックの代表作。
  • マンハッタンの哀愁

    マンハッタンの哀愁

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    「四十歳になって、突然私は女たちを理解したいという欲求に駆られた。そのときまで、私は小説のなかで女を、男の登場人物の単なる相手役にすぎないような扱い方をしていた。しかし、実のところ、私は一種類の女しか知らなかったのだ。急に、他の女たちとも出会いたいと思った……デニーズと出会ってから、私は以前とおなじ目線で女と愛をもはや見られなくなった」これはシムノンの告白で、デニーズとは彼がニューヨークで出会った女であり、本作はその時を綴った自伝的小説と見られている。
  • マギル卿最後の旅

    マギル卿最後の旅

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    『マギル卿最後の旅』は、推理小説に旅行をとりいれた作家、アリバイくずしの作家、鉄道人であった経歴を持つ作家クロフツの面目が充分に発揮されている小説だと言えよう。その意味では、この小説は有名な『樽』にもまして、クロフツの代表的な作品だと言っていいのではないかと思う。…これは訳者の言葉だが、ロンドンの富豪マギル卿は、息子の経営するベルファストの紡績工場へ行くと称して消息を絶つ。北アイルランド警察の捜査では、血痕のついた卿の帽子が見つかっただけで死体は見つからない。だがロンドン警視庁のフレンチ警部がのり出すと、果然、事件はその様相を一変した。息子の私邸の庭から、卿の無惨な死体が発見されたのだ!
  • 女王の復活

    女王の復活

    ハガードの秘境冒険小説『洞窟の女王』の続編。前作で猿のミイラのような醜怪な姿となってコールの洞窟で息絶えた不死の女王アッシャの、なんと18年後の復活! 『洞窟の女王』の最後で、ホレース・ホリーはつぎのように、はっきりとアッシャの復活を予言していた。「科学と現実の世界に関するかぎり、これでこの物語は終る。レオと私に関しては、この物語がいつになったら終るのか、私には推測もつかない。二千年以上も前にはじまった物語なのだ。漠とした遠い未来まで、はるかにつづくかもしれない」…そして復活は、輪廻の思想の国チベットを舞台にして始まる。
  • 人生談義(上)

    人生談義

    ビジネス・実用
    -
    1~2巻1,100円 (税込)
    エピクテトスは1世紀後半のストア派を代表する哲学者。後年はギリシアのニコポリスに哲学の学校を開き、一生の最期までそこに住んだ。今日まで伝えられるその『語録』と『提要』は弟子のアリアノスが記したものであるが、すべてのストア哲学のテキストの中でもっとも広く読まれ、時代を越えて大きな影響力をもった。苦難の中にあって平静を保つことや、人類の平等を説いたその教えは、皇帝マルクス・アウレリウスの思想にも引き継がれた。訳者鹿野氏は、エピクテトスの哲学は人生論にほかならないと見て、本書を「人生談義」と名づけている。
  • インドへの道

    インドへの道

    小説・文芸
    -
    1巻1,100円 (税込)
    イギリスの植民地だった第一次大戦後のインドを舞台にした物語。英国人女性アデラはインド在住の治安判事で婚約したロニーのもとを訪ねてくる。二人はインド人医師アジズや哲学者ゴッドボール、英国人教授フィールディングらと近しくなる。だがある時、アジズの提案でマラバー洞窟へ出かけ、アジズとアデラは二人だけで洞窟に入ることに。アデラは原因不明の錯乱状態になって洞窟から出てきて、性的暴行を訴え、ついにアジズを告訴する。裁判の経過とともに、英国人とインド人との軋轢が高まっていく。最終的には和解にたどり着くが、それには長い道のりが必要だった。英国の作家フォースターの代表作。
  • カンディード

    カンディード

    小説・文芸
    3.0
    1巻660円 (税込)
    私生児カンディード、領主の妹キュネゴンド、カンディードの師パングロス、従僕カカンボが活躍する波瀾万丈、奇想天外な冒険譚。ドイツ、ブルガリア、リスボン、カディス、パラグアイ、ブエノスアイレス、エルドラド、ボルドー、ポーツマス、ヴェネチアと遍歴し、最後はコンスタンチノープルへ。人間の愚行と悪徳を徹底して描く風刺小説の傑作。我々の暮らしに浸透して人を操るあらゆる事物に批判の目をむけ、時を超えた価値をそなえたヴォルテールの代表作だ。
  • フラニー/ズーイー

    フラニー/ズーイー

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    これは、対をなす2編の物語である。鋭い感受性を持てあます女子学生フラニーは、折角の週末のデートも、相手のレーンとのエゴの衝突だけに終ってしまう。傷心の妹に、俳優で五つ年上の兄ズーイーは、思いの限りをつくして、生きることの意味を悟らせ、周囲と融和させようと懸命に説得する。寡作と孤高で知られる人気作家が、現代の若者の心理を鋭くとらえた一対の名作!
  • 南総里見八犬伝

    南総里見八犬伝

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    「八犬伝」は馬琴が48歳から書き始め、76歳に完成した全106巻からなる大長編だ。再話者杉浦明平は発端と最後の梗概をのぞき、中心をなす八犬士の列伝から入る。八犬士のそれぞれの生いたちや活躍、善悪邪正入り乱れてのエピソードがくりひろげられ、因果の糸にあやつられた多様な人生が展開される。犬士達は、それぞれが所有する「仁義礼智忠信孝悌」の霊玉と牡丹あざとによって、自分らが義兄弟であることを知り、みずからの使命を悟って集結してゆく。そして、出生した年から足かけ25年の艱難ののち、結城に集結する。グリンプスとは「ちょっと見」という意味で、著名な作家が古典を再話した古典入門であるが、巻末には詳細な解説が付いている。
  • 平家物語

    平家物語

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響(ひびき)あり、沙羅双樹の花の色。盛者(じょうしゃ)必衰の理(ことわり)をあらはす」に始まる平家物諳は、一大叙事詩として、また国民文学の白眉として古くから親しまれてきた。一貫して流れる仏教的無常感は音楽性ゆたかな名文によって、永く読む人の心を打ちつづけている。本書はみずから仏門に入った瀬戸内寂聴が「祇園精舎」から「大原御幸」まで全編を「栄華」「暗雲」「寂光」の3部に分け簡潔流麗な現代語訳として提供する。グリンプスとは「ちょっと見」という意味で、著名な作家が古典を再話した古典入門であるが、巻末には詳細な解説が付いている。
  • 今昔物語

    今昔物語

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    天竺(インド)・震旦(中国)・本朝(日本)の三部から成る最大の説話文学集。平安末期の成立といわれるが、編者は不明。仏教説話が多いが、世俗説話も多く、そこには天皇・公卿・殿上人から武士・農民・漁民・猟師、さらには乞食・山賊・海賊、霊魂・精霊などがひしめき、すべてが即物的にリアルに描かれている。本書には、尾崎秀樹が選んで再話した世俗部からの説話27編と、中国とインドの説話各5編を収めてある。グリンプスとは「ちょっと見」という意味で、著名な作家が古典を再話した古典入門であるが、巻末には詳細な解説が付いている。
  • お伽草子

    お伽草子

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    「お伽草子」とは、ほぼ江戸時代以前に成立していた物語類を、江戸時代に冊子として出版し、おもに家庭の子女の読み物としたものである。内容は、立身出世もの、神仏の加護や霊験譚、異界の土地をめぐる遍歴もの、古くからの伝説や昔話、神社や寺の縁起を編集したもの、仏教や経典からの翻案など、多彩でとりどりである。本書には、円地文子が選んで再話した「浦島太郎」「俵藤太」「一寸法師」「ものくさ太郎」「百合若大臣」などよく知られた9編を収めてある。グリンプスとは「ちょっと見」という意味で、著名な作家が古典を再話した古典入門であるが、巻末には詳細な解説が付いている。
  • 二人の女王

    二人の女王

    「ソロモン王の洞窟」の続編。アラン・クォーターメンはカーティス卿、グッド大佐、ズールー族酋長ウンスロポガスに声をかけ再び東部アフリカへ。マサイ族との戦いのあと、一行は地下河川を経て未知のズー・ヴェンディス国に達する。その国の住民たちは好戦的な白人で、双子の姉妹ニレプタとソライスによって統治されていた。姉妹はカーティス卿に魅せられ熱烈な恋心を抱くが、卿が受け入れたのはニレプタだった。ニレプタが高地の支配者ナスタを拒絶したことをきっかけに、国はニレプタ/カーティス/クォーターメン連合軍対ソライス/ナスタ軍に分かれて内戦に突入する。ニレプタは激戦に勝利を収め、司祭たちの暗殺の企てを退けてカーティスと王位に就くが、多大な犠牲も払わなければならなかった。
  • ノーサンガー・アベイ

    ノーサンガー・アベイ

    小説・文芸
    -
    1巻880円 (税込)
    本作は、十七歳のキャサリンを主人公に、前半はファッショナブルな温泉保養地バースを舞台に、後半はグロスターシャ―の裕福な地主の家ノーサンガー・アベイに場所を移して、繰り広げられる。バースでは裕福な地主アレン夫妻や新興ブルジョアのソープ一家を中心に、社交場や遊歩道などを舞台に都市小説風の展開を見せ、ノーサンガーでは怪奇小説的要素を加えて、古い屋敷を舞台に、裕福な地主の生活ぶりを浮かびあがらせる。平凡なキャサリンが自分で判断のできる一人前の女性に成長していく過程がていねいに描かれるが、軽い喜劇的な気分にも満ちている。「高慢と偏見」「知性と感性」「エマ」「マンスフィールド・パーク」「説きふせられて」に継ぐ本作で、オースティンの全長編は完結する。
  • ロード・ジム(上)

    ロード・ジム

    小説・文芸
    -
    1~2巻880円 (税込)
    コンラッドはこの作品によって、海洋冒険物語を、名誉と勇気、忠節と裏切りの深い意味をもつ物語に変えた。理想主義肌の商船の一等航海士ジムは、沈没の運命にあった「パトナ号」と船客たち八百人を見捨てることで、若き日の栄光への夢を見捨てた。法廷で「臆病」の烙印を押されたとき、ジムは極東での放浪の暮らしに活を見出そうとする。スマトラのパトサンで原住民から伝説的な名声を得たジムは理想的な統治者としてふるまうが、悪漢ブラウンの出現で…。コンラッドの『闇の奥』と同じ語り手マーロウは、社会に拒否されながら、なお償いへの欲求につかれた男の、不可思議な心のうちに探りをいれていく。ポーランド生まれの英国の作家コンラッドの「密偵」「闇の奥」と並ぶ代表作。
  • ダルタニャン物語1 友を選ばば三銃士

    ダルタニャン物語

    小説・文芸
    4.0
    1~11巻990円 (税込)
    17世紀初頭のころ、剣と恋と冒険を求めてガスコーニュの田舎からパリへ出て来たダルタニャンは、無双の剣士ポルトス、アラミス、アトスの三銃士と終生変わらぬ友情の契りを結ぶ。4人はルイ13世の親衛隊のために働き、王と敵対するリシュリュー枢機官麾下の護衛隊と渡り合う。陰謀と奸計、恋と野望に身を投じるダルタニャンは、ガスコーニュ魂を発揮して着々と運命をきりひらいていく──鈴木力衛氏の個人完訳による、デュマのロマン歴史小説の傑作。
  • 地下鉄サム

    地下鉄サム

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    1910年から20年代のニューヨークの地下鉄を舞台に、あわてんぼうで純情のスリの名人サムと、サムをつけまわす刑事クラドックの対決! クラドックは、サムを現行犯で捕えて「河上の別荘」へ送り込もうとつけねらっているが、いつも巧みに逃げられ、さんざんな目に合わされる。ところがこの二人は奇妙な友情で結ばれ、毎日顔をつきあわせて憎まれ口を叩かないと、お互いに何か物足りない気分に襲われるほどになっているのだ。他に退役強盗の下宿屋のオヤジ「鼻のムーア」や、女たらしの「めかし屋ノエル」、「高架線のエルマ」や「ノッポ」に「チビ」など、一癖も二癖もある連中がからみあってかもし出す、微笑、哄笑、爆笑をよぶユーモア探偵小説集。
  • シェリー詩集

    シェリー詩集

    18世紀末から19世紀初めにかけて、欧州全土に戦争と革命の嵐が烈しく吹きすさんだ時代、シェリーは英国貴族の長男として生まれ、オックスフォードに学ぶが無神論を説いて放校される。ロンドンへ、そして大陸へ、さらにイタリアへと暮らしを移すが、突然の海の事故で死亡、30歳であった。この間、詩作を続け、多くの抒情詩や詩劇を書いて世に問うた。訳者佐藤清氏は詩人で「訳業の目的は、新しいリズムの創造によって、自国詩への貢献をはかるにある」という意気込みをもって本書を編み、訳した。
  • ワーズワース詩集

    ワーズワース詩集

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    ワーズワースはよく自然詩人と呼ばれるが、単に客観的な自然を写す詩人ではなく、外界の自然が彼の心の働き――想像力――によって浄められ、たかめられた姿をうたった詩人であった。自然には五感を通じて人間の魂に働きかけ、それを浄化する力がある。しかし人間の魂も、この自然からの働きかけに感応するとともに、みずからも自然に働きかけて、これらを変容する力をもつ。このような背景をもつワーズワースの短詩は、素朴単純な言葉づかいのうちにつきせぬ味わいと無量の意味をこめた名品が多い。
  • マックス・カラドスの事件簿

    マックス・カラドスの事件簿

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    マックス・カラドスは、無数の探偵の中で最もユニークな存在であろう。なにしろ盲目なのだから。だが、先天的に盲目だったわけではなく、乗馬中の事故で小枝が目にあたったためだった。この絶望的なハンディキャップを強い意志で乗り越え、彼は新聞や手紙の文字を指先でたどり、微細な凹凸から内容を把握できるまでになり、人の顔を見ることはできなくても、声や匂いで判別することができるようになる。カラドスの活躍するミステリは3冊の短編集として刊行され、26編におよぶが、本書では、うち代表的な8編を選んだ。
  • 詩人と狂人たち

    詩人と狂人たち

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    この短編集にはガブリエル・ゲイルという詩人で画家が解決にあたる8編の探偵譚が収められている。各編では奇矯ともいってよい風変わりな人物が登場し、奇怪な殺人や、神秘的な出来事が起こる。それらの解決はみな、常識的な推論や犯罪捜査を受け付けず、ゲイルのような「普通でない」考えがひらめく人物でないかぎり解明の役に立たない。怪奇と幻想と狂気、それらがない交ぜになったチェスタートン独自の世界を感じることができる。
  • 洞窟の女王

    洞窟の女王

    ケンブリッジの若き教授、ホーレス・ホリーは危篤のヴィンシィ教授から幼い息子レオを引き取ってくれと頼まれ、同時に鉄の箱を渡された。それにはレオが25歳になるまで開けてはいけないという指示が書かれていた。20年後、箱を開けると、レオの父による一通の手紙と古地図、ギリシア語が刻まれた古代の壺の欠片、宝石の指輪が入っていた。壷の破片には2千年以上前のとあるギリシア人と不死の秘術を持つアフリカの女王との悲恋の物語が。ギリシア人は女王の求婚を拒んで殺される。手紙にはレオの父が耳にした、アフリカの奥地にアラビア語を話す部族の国があり、白人の美しい女王がいるという噂が書かれ、それが陶片に刻まれた女王そのものではないか、ぜひ真相を確かめてほしいと記されていた。ホリー、レオ、従者のジョブは勇躍アフリカへ旅立つ。待っていたのは戦慄と幻想の目くるめく世界だった! ヘンリー・ミラーは『洞窟の女王』を「驚嘆すべき書」と絶賛した。コナン・ドイルも「空想やスケールの点ではハガードに及ばぬかもしれないが、作品の質と思想の面白さにおいてはハガードを凌ぎたい」と書いた。
  • ロルカ詩集

    ロルカ詩集

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    ガルシーア・ロルカはスペイン、アンダルシーア生まれの詩人、戯曲家。アンダルシーアはロルカにとって、尽きない霊感の泉だった。1936年に勃発した「内乱」の渦中に倒れたが、「現代の吟遊詩人」と言われ、その音楽的な詩文はまず本人によって朗読され、のちに活字となった。この詩集では代表的な2大詩集「歌集」と「ジプシー歌集」はもちろん、初期から死の直前までに詠われた詩を集成している。選者小海氏による詳細な「解説」は必読である。
  • アプルビイの事件簿

    アプルビイの事件簿

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    マイケル・イネスはスコットランドに生まれ、オックスフォード大学を卒業、学者肌の英語学の研究者で、イングランドやオーストラリアの大学などで教鞭をとった。この間、多くの著書を出版したが、専門を離れてミステリにも手を染め、本短編集で活躍するロンドン警視庁のアプルビイ警部を主人公とするシリーズものを、長編・短編ふくめて多数発表した。本巻には,発端の謎と中段の論理性、結末の意外性を兼ね備えた「イギリス新本格派」の雄イネスの名品9編を3冊の短編集から選んでいる。
  • 密室がいっぱい

    密室がいっぱい

    ミステリのなかで密室ものと言われる作品群がある。locked room murder がその原語で、入ることも出ることもできない密閉された空間あるいは状況において発生した殺人を扱ったものだ。ディクスン・カーは手を換え品を換えて生涯、この種の作品の提供を追求したが、他にも多くの作家がこのアイディアを試みた。本書はこうした「密室もの」短編の一端を紹介するもので、多彩な作家の手になる14編を収録している。カーはもちろんだが、クイーン、クレイグ・ライス、マクロイ、チェスタートン、ポースト、シムノンなどの「不可能犯罪」を一瞥できる。
  • 吸血鬼ドラキュラ

    吸血鬼ドラキュラ

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    ヨーロッパの辺境トランシルヴァニアの山中に棲む謎の城主、ドラキュラ伯爵こそは、昼は棺の泥の中で眠り、夜は人々の生き血を求めて暗闇を徘徊する吸血鬼だった。ときには狼やコウモリに、ときには霧に変身して、ドラキュラは帝都ロンドンへおもむく。次々と犠牲者が出る。それに立ち向かうべく、敢然と戦いを挑む人々の恐怖と戦慄の体験。原作は複数の語り手による手紙や日記、新聞記事を寄せ集める体裁をとっているが、この翻訳は、複数の視点は残しつつ、通常の小説形式に変更してある。吸血鬼小説の最高傑作。
  • 花ひらくローズ

    花ひらくローズ

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    ローズの青春は今、華やかに幕を開けた。魅惑的な社交生活、次々と現れる求婚者たち。しかし聡明な彼女は、華美な生活に惑わされることなく、堅実に自らの道を歩み、生涯の伴侶を見出してゆく。本書は『八人のいとこ』の続編で、ヒロイン、ローズの誠実な人生観、清らかな恋愛は、現代の若者にも限りない魅力と感動を与えると思われる。この作品には、ローズばかりでなく、幾つもの恋愛が描写されているが、それぞれの青年男女の心理や情感がきめこまかく生き生きと描かれていて、時代を超えた感動を与える。
  • 八人のいとこ

    八人のいとこ

    小説・文芸
    -
    1巻770円 (税込)
    13才になる虚弱な女の子ローズは早くに両親を亡くして、アレック叔父に引き取られる。だが、8人のいとこ(全部男の子)や召使のフェーブと元気に仲良く暮らすうちに、溌剌とした女の子に成長してゆく。ローズは孤児だったが、父の残した財産と誠実で知性の高い叔父の献身的な配慮、さらには自身の素直な性質のおかげで、すこやかに成長し、いとこたちの心の支えにまでなってゆく。「若草物語」の作者が描く少女の成長物語。
  • 剣は知っていた(上)

    剣は知っていた

    小説・文芸
    -
    1~2巻880円 (税込)
    「この喬之介(きょうのすけ)は、好むと好まざるとにかかわらず、北条左衛門大夫を、ただ今より、敵として、ねらいます。それが、この喬之介に与えられた使命と相成りました。手前が生涯の妻ときめた徳川家康の娘鮎姫(あゆひめ)は、玉縄(たまなわ)城にとらえられていると存じます。それを、すくい出すことも、手前の目的となって居ります。……手前は、鮎姫を愛して、はじめて、人の世の幸せがいかなるものかをさとりました。が、しかし、喬之介のからだには、やはり、足利憲忠の末裔たる武門の血が流れて居ります」父母の位牌を前にこう宣言する主人公。沢木耕太郎氏は何回読み返しても飽きることなく読んだという。
  • ソロモン王の洞窟

    ソロモン王の洞窟

    冒険小説、伝奇小説でいまもなお魅力を失わないライダー・ハガードの代表作。着想の奇抜さ、読者をたちまち怪奇、幻想、戦慄の世界にひきずりこむ迫力は、この作者の独壇場だ。ソロモン王の時代から、アフリカの奥地に眠るという莫大な財宝。それをもとめてヘンリー・カーティス卿は、探検家アラン・クォーターメンとともに出発した。三世紀も昔の1枚の地図をたよりに、一行はソロモン街道にたどり着く。だが、そこで一行が目にしたのは、大虐殺の現場だった。そこを支配するのは、ソロモンの秘密を知る唯一の人間……魔法使いの老婆ガグールだった。ヘンリー・ミラーは「もっとも親近性のある尊敬すべき作家」としてハガードを高く評価している。

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