心が病んでいてすがすがしい空気に触れたくなると読みたくなるのがクラークだな。
昔読んで印象が薄かったのが気になり、もう一度手にとってみる。(表紙は月面の向こうに地球が見える昔のものですが)
いや、面白い!
1/6の重力下の不安になるほど華奢なモノレール描写、淡い青緑の地球光に照らされた月面の光景、
...続きを読む強烈な太陽光に照らされて、中空に浮かぶように切り取られる山脈の描写など今読んでもリアルな上にみずみずしいではないですか。
地球と惑星連合の一触即発の対立描く本作品では、クラーク作品唯一の戦闘シーンもあり(放射線兵器ですが)驚き。現実世界でのレーザーの実現はこの5年後ですが、なかなかいい線いってます。
名作「渇きの海」にも出てくる流体の性質を持つ塵の海なども出てきています。思わず月を見上げてしまいます。
クレメントの作品もそうですが、なんか50年代SFっていいなぁ。