角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中巻を読んでから約一年半。感慨深くもやっと読み終わりました。
雲隠で光源氏を喪ったあと、子孫たちによる貴族社会が描かれ、有名な「宇治十帖」が続くのもここから。
それにしても、”光源氏”という圧倒的なカリスマがいない下巻では、登場人物がみな泥臭い。匂宮と薫がすごく高貴ではあるんだけど、うまくいかずに翻弄され続ける感じが不器用で人間らしい。
辻斬りのように女遊びしまくっていた光源氏とは雲泥の差といっても過言ではないと思う。
大君と中の君の姉妹をめぐり、そこに浮舟が加わってますます混迷を極める複雑な恋愛模様が面白くて、だから夢浮橋まで読んだ後の「えーっ!ここで終わり!?」の驚きとガッカリをみんなにも -
Posted by ブクログ
母親による虐待死事件を巡る裁判員裁判。
被告人の母親と、裁判員(補充)として選ばれた母親の違いなんてほとんどない。
一歩間違えれば、自分が逆の立場になっていたかもしれない。それは子育てを一身に引き受けている母親の大半がそうじゃないだろうか。
母乳神話、成長線に沿った成長、離乳食のペース、排泄の処理、予防接種、乳児湿疹、突発性発疹、夜泣きや卒乳、発達障害の不安…医療従事者でもない、助産師でもない、保健師でもない素人の女性達が、子供を産んだ瞬間に「母親」となる。育児書やネットで調べても理想の子育てしか書いていないし、周囲に相談しても現実的に助けになるわけでもない。他の赤ちゃんとの発達の違いに打ちの -
Posted by ブクログ
naonaonao16gさんのレビューを拝見して、気になった本。
誰しも、人生の岐路がある。そこで、もし選んでいたら
歩んでいたであろうもう一つの人生。
その「もう一つの人生」を想像する人々を描いた6つの短編。
今の自分が辛かったり不満だったりすれば、「もう一つの人生」を羨むのだろう。
僕にもそんな時期があったな…と。
(決して、今の結婚生活に不満があるわけではありません…念のため。)
ただ、この小説を読んで思った。
もう一つの人生を歩む、もう1人の自分と今の自分はきっと必ずどこかで出会う。
その時、もう1人の自分を祝福できるようになれば素敵だな、と。
さらに言えば、もう1人の自分に羨ま -
Posted by ブクログ
8編の恋愛の模様を綴った短編小説集。
それぞれに実に角田さんらしい、なんとも一筋縄ではいかない難儀な性格の女性(男の子が主人公のお話も1つだけあった)が、なんとも難しくやっかいな状況下で、ややこしい考え方をして生き難い人生をな尚の事生き難くしている感じ。
それがなんとも読んでいて心地いい。このあたりは作者の雰囲気作りというかひとつひとつ、細かい描写のうまさが素晴らしいなぁと思う。大好きです。
なかでも「誕生日休暇」は最高に好き。
この非日常性、というかハワイまで行ってこの心もとなさ、退屈さと時間の持て余し気味はどういうこと?というところで登場する意外なストーリー。素敵ですねぇ。
「地獄の自己 -