角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
8編の恋愛の模様を綴った短編小説集。
それぞれに実に角田さんらしい、なんとも一筋縄ではいかない難儀な性格の女性(男の子が主人公のお話も1つだけあった)が、なんとも難しくやっかいな状況下で、ややこしい考え方をして生き難い人生をな尚の事生き難くしている感じ。
それがなんとも読んでいて心地いい。このあたりは作者の雰囲気作りというかひとつひとつ、細かい描写のうまさが素晴らしいなぁと思う。大好きです。
なかでも「誕生日休暇」は最高に好き。
この非日常性、というかハワイまで行ってこの心もとなさ、退屈さと時間の持て余し気味はどういうこと?というところで登場する意外なストーリー。素敵ですねぇ。
「地獄の自己 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ様々な場面で強く心を揺さぶられた。最後まで恋人への執着がすごかった。常に意識の根底に恋人の存在があって、主人公はずっと振り回されているけど、だんだん実像ではなく、自分の中の恋人像に振り回されていったような気もした。大切にしていたものと、小さなズレを感じて(いつもの感じじゃない)少しずつ不安になっていくところと、自分の衝動との葛藤が読んでいてとてもどきどきした。
主人公の執着もすごいけど、恋人のつけ離し方も恐ろしい。安心していた存在から、牙をむかれる感覚が恐ろしかった。「あんな汚い生活してるから」には鳥肌が立った。
強い淋しさを、静かな怒りで返していたのかもしれないけど、受け入れられないものを傷 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『したくないことを数え上げることで、十年前は前に進むことができたけど、したくないって言い続けてたら、そこにいるだけ。その場で駄々こね続けるだけ』
『作り出すことも、手に入れることも、守ることも奪うこともせず、私は、年齢だけ重ねてきたのだった』
という言葉が効いたー。
ほんと、角田さんの書く文章は、私の心をえぐるんだよなー。もう、心が痛くてしょうがない。
思い起こせば30代後半。
私も主人公・ハナちゃんとおんなじ思いを持っていました。
何も持ってないままただただ歳を重ねることに、すごく恐怖を感じていました。
結婚することが幸せ。子供を産み育てることが幸せ。
それは確かにそうなんだけど、でも -
Posted by ブクログ
空を蹴る
☆4
こういう人っているよな。
どんなことを考えているのかなと思っていた人の考え方が少しわかった気がする。
話を通じて特別なことは起こらないのだけど、普通の人が一年に一度はハメを外してぶっ飛んだことをしてみたい、そんな日を描いている。
そんな日を抽出して書くのはパラレルワールドを描くより何十倍も難しいだろうなぁ。
結局、大きく物事を変えられるわけではなく変わり映えしない日常が続いていくだけなのだけどそんな一瞬を切り取った話。好き。
なんだかわからないけど面白い。
導入部分が面白いんだろうな。
ダメ人間のナンパや風俗体験に似ているような気もする。
なにかを考えさせられるような話ではな -
Posted by ブクログ
ネタバレ喜びより戸惑いが勝ってしまい妊娠を上手く受け止められない主人公が、出産までに自分なりに受け入れていく様子が日記形式で丁寧に綴られている。
自分の母性に自信が持てなかったり、
そのことで罪悪感を感じたり、
なんとなく孤独を感じたり、
夫の気持ちとのギャップがあったり、
急に独身時代が懐かしくなったり、
これが2人での最後かーとしみじみ思ったり、
お腹にずっといてほしい気持ちと、会いたい気持ちとがあったり、
やっぱり孤独じゃないんだなって気付いたり、、
十月十日って改めて、身体的にも気持ち的にも、めまぐるしい日々で、不思議な体験だなと思った。