角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中巻を読んでから約一年半。感慨深くもやっと読み終わりました。
雲隠で光源氏を喪ったあと、子孫たちによる貴族社会が描かれ、有名な「宇治十帖」が続くのもここから。
それにしても、”光源氏”という圧倒的なカリスマがいない下巻では、登場人物がみな泥臭い。匂宮と薫がすごく高貴ではあるんだけど、うまくいかずに翻弄され続ける感じが不器用で人間らしい。
辻斬りのように女遊びしまくっていた光源氏とは雲泥の差といっても過言ではないと思う。
大君と中の君の姉妹をめぐり、そこに浮舟が加わってますます混迷を極める複雑な恋愛模様が面白くて、だから夢浮橋まで読んだ後の「えーっ!ここで終わり!?」の驚きとガッカリをみんなにも -
Posted by ブクログ
naonaonao16gさんのレビューを拝見して、気になった本。
誰しも、人生の岐路がある。そこで、もし選んでいたら
歩んでいたであろうもう一つの人生。
その「もう一つの人生」を想像する人々を描いた6つの短編。
今の自分が辛かったり不満だったりすれば、「もう一つの人生」を羨むのだろう。
僕にもそんな時期があったな…と。
(決して、今の結婚生活に不満があるわけではありません…念のため。)
ただ、この小説を読んで思った。
もう一つの人生を歩む、もう1人の自分と今の自分はきっと必ずどこかで出会う。
その時、もう1人の自分を祝福できるようになれば素敵だな、と。
さらに言えば、もう1人の自分に羨ま -
Posted by ブクログ
8編の恋愛の模様を綴った短編小説集。
それぞれに実に角田さんらしい、なんとも一筋縄ではいかない難儀な性格の女性(男の子が主人公のお話も1つだけあった)が、なんとも難しくやっかいな状況下で、ややこしい考え方をして生き難い人生をな尚の事生き難くしている感じ。
それがなんとも読んでいて心地いい。このあたりは作者の雰囲気作りというかひとつひとつ、細かい描写のうまさが素晴らしいなぁと思う。大好きです。
なかでも「誕生日休暇」は最高に好き。
この非日常性、というかハワイまで行ってこの心もとなさ、退屈さと時間の持て余し気味はどういうこと?というところで登場する意外なストーリー。素敵ですねぇ。
「地獄の自己 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ様々な場面で強く心を揺さぶられた。最後まで恋人への執着がすごかった。常に意識の根底に恋人の存在があって、主人公はずっと振り回されているけど、だんだん実像ではなく、自分の中の恋人像に振り回されていったような気もした。大切にしていたものと、小さなズレを感じて(いつもの感じじゃない)少しずつ不安になっていくところと、自分の衝動との葛藤が読んでいてとてもどきどきした。
主人公の執着もすごいけど、恋人のつけ離し方も恐ろしい。安心していた存在から、牙をむかれる感覚が恐ろしかった。「あんな汚い生活してるから」には鳥肌が立った。
強い淋しさを、静かな怒りで返していたのかもしれないけど、受け入れられないものを傷