あらすじ
「あなたはマザコンよ、正真正銘の」と妻に言われ、腹立ちまぎれに会社の女の子と寝てしまったぼく。夫より母親を優先する妻のほうこそ、マザコンではないのか。苛立つぼくの脳裏に、死の床から父が伸ばした手を拒む母の姿がよみがえり…。表題作ほか、大人になった息子たち娘たちの、母親への様々な想いを描く作品集。疎ましくも慕わしい母と子の関係――胸がしめつけられる、切なくビターな8編。
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面白かった!
母と子の話
大人になってからの母との思い出、母の見え方とかがリアルですごい
短編集だけど、どの話も面白かった
初恋旅行で息子が母が母じゃなくなった感じ(息子たちとの時間より初恋の人に会うために張り切ったり、夫が亡くなって塞ぎ込んでると思いきや初恋のことを探偵を使ったりして調べてたことを知ったり)をみて不機嫌になる息子をその嫁がなんだか母親になったように愛おしく感じたりするのよかった
嫁姑はギクシャクしがちだけど、この話は実の母より姑の方が好きってなんかそれはそれでこれから家族になる人達はみんな幸せでいいねと思った
あと温泉とパセリもよかった
言語化むず、、
でもパセリは使いまわしてて汚いから絶対食べちゃダメと言われて育った娘が無意識に残そうとしたときにそのことを思い出してこれも一種の洗脳だなと思い食べてみたりするシーン印象的
こういうのの積み重ねで価値観とか当たり前とかが生まれるからね
とにかくこの本を読んで1人の人間の親になる難しさを痛感した
子供にとっての親ってすごい存在だけど、親になる人達って親として生まれてきた訳でもなくそういう風に教育されたこともない人間が人間を育てるんだからすごい
そりゃうまくいかない親子と多々いるんだろうなと容易に想像できて親が好きな自分は恵まれてるなと改めて実感した
Posted by ブクログ
空を蹴る
☆4
こういう人っているよな。
どんなことを考えているのかなと思っていた人の考え方が少しわかった気がする。
話を通じて特別なことは起こらないのだけど、普通の人が一年に一度はハメを外してぶっ飛んだことをしてみたい、そんな日を描いている。
そんな日を抽出して書くのはパラレルワールドを描くより何十倍も難しいだろうなぁ。
結局、大きく物事を変えられるわけではなく変わり映えしない日常が続いていくだけなのだけどそんな一瞬を切り取った話。好き。
なんだかわからないけど面白い。
導入部分が面白いんだろうな。
ダメ人間のナンパや風俗体験に似ているような気もする。
なにかを考えさせられるような話ではない気がする。
体験代のような話。
雨をわたる
☆4
なんて感想を言えばいいのだろう。
要素分解が難しい。
主人公の気持ちと母の気持ちが半分ずつくらいは理解できるが残り半分がうまく行かない。
日本にいる母親も愚痴ばかりで好きではなかったが、遠いフィリピンで町に馴染みもせず、作られた場所で用無しのような母親を見ていたかったわけじゃない主人公の葛藤。
ならどうすれば良かったのか。
日本の老人ホームで変わらず愚痴を吐きながら余生を過ごす母を見ていれば満足だったのか。
結局、答えなんて出ないのだろうけどそれぞれの人の悩みや葛藤や本音や建前が芯に響くそんな話。
鳥をはこぶ
☆3
ずっと子供でいたかった主人公が鳥を離婚したばかりの夫とともに運んだことによって、諸々考え、少し成長した話。
自分で書いててもどんな話やねんと思う。
でも、そういう話なんだもん。
パセリと温泉
☆2
何事も他責にして生きてきた母と、気がついたら母と同じ思考回路になってしまったことに今更ながら気がついた娘の話。
世界は悪意に満ちているのか、それとも善意なのか。
パセリなのか温泉なのか。
主人公は今後どのように生きていくのか。
他の話に比べたら暗い気持ちになるのであまり好きではないなー。
マザコン
☆4
色々な要素が詰まってて感想を書くとなるとこの話だけで30分以上はかかってしまいそうな話。
お母さんに言い訳ばかりをして育ってきた主人公と週に3、4回は母親とご飯に行く奥さんの2人のマザコンの話。
今まで言い訳ばかりをしてきた主人公が最後に正直にごめんなさいと話してストーリーは終わる。
母親にも正面から接してこなかったから母親のことを知らない。それでも許されていると思って反抗期まで迎えていたことがマザコンということなのだろう。
本当の母親も知らないのにも関わらず。
このあと、その問題点に気がついた主人公は妻との関係をやり直せるのだろうか、それとも、、、
ふたり暮らし
☆3
次女との対比で長女の異常さが余計に浮き出る。
これだけのマザコンなのに母が死んでも泣くことはないことに気がついてしまった主人公の今後の選択やいかに。
クライ、ベイビイ、クライ
☆4
妻に出て行かれた夫が人生の岐路で高校生の時に出ていった実の母のことを思い出す。
現在の苦しい状況に耐え切れず手紙のやり取りのみになっていた母の声を聞ききたくなる。
20年ぶりに公衆電話から母に電話をするのだが、、、
好きな話でした。
長編で読みたい。
初恋ツアー
☆4
父に先立たれた母が希望した旅行先は北海道。
旅の本当の目的は母の初恋の人を探す旅だった。
せっかく旅行に連れて行ってあげると言ったのに旅程を無視して自分のしたいことだけをするなら一人で行けよとも思うが、それが女としての母なのだろう。
そんな顔をしている母を見たことがない息子の不貞腐れる気持ちはよくわかる。
息子の妻も最初は母親としての母への好意から気持ちを汲んで付き合っていたが、女性としての母に大きく振り切ってしまったことにより気持ちが萎えてしまったのだろうと思います。
総論
総じて話は面白く興味深い。
どれも長編でも良いくらいのキャラクターや設定です。
マザコンというくくりですが、わかりやすいマザコンは少なく、母親に対して反抗するのもマザコンなのかと思ったらマザコンじゃない人なんてこの世にいるのか。
あ、そうか。
世の中全員マザコンだってことを言いたかったのか。
なるほど。
Posted by ブクログ
角田さんの描く人物像は、
ほんとにいいラインを醸し出すな〜と。
ここに出てくる『マザコン』は、
いわゆる、一般的なママ〜ママ〜!とか、
お母さん!お母さん!!というキャラではなく、
なんとなく逆に救いようのない湿り気を持った
母親に囚われたキャラ達ばかり。
読後感的にスッキリ!とかはないのだけれど、
ねっとり強い印象を残す短編集だった。
小説としては、それはそれで好きです。
母親と子供の関係性は、実は定義やルールが
確定できたり、解明できたりしないものと
私自身も感じていて、
その曖昧模糊な感覚に刺激をもらえたようにも思う。
Posted by ブクログ
短編集。それぞれ別な話ですが、だいたい語り手が30代から40代、そのお母さんは60代から70代。
病気で入院していたり、第二の人生を始めようとしていたり。
わたしも最近身近に感じはじめていた漠とした不安や戸惑い、この年で読むからより理解深まる感じ。
最後の話が一番かわいらしかったな。お嫁さんが特にいい。
この本のマザコンて、決して冬彦さんじゃない、いろいろなお母さんとの関係が描かれてる。
お母さん。振り返ると、子どものころ、読めない字をすぐ聞きにいき、意味のわからない言葉もそう。それから、学校であった嫌なこと、不思議なこと、身の回りのあらゆる世間話。すぐいつも居た母に話してた。そこで母のうつ相槌や、ふともらす感想を意識せずたくさん浴びて生きてきた。
これがその人の考え方のモノサシになり軸になるなんていちいち思わずきたけれど、母の考え方だけじゃなく他にあると気づくのは大人になってから。母も学校の先生も、人間なんだと気づく。多少偏りあるよね。
わたしも、わたしの子どもたちのお母さん。ふとした日常会話やテレビの感想、持ってるきた悩みへの答え、、、
すべてこの子たちの考え方の軸になりモノサシに影響するかと思うとこわいな。と、思う。
いろんなお母さんでてくる。
なんかやらかしても「だから言ったでしょう」とわたしに一度も言わなかった、そんな母に感謝しながら、読み終えました。
Posted by ブクログ
母親を描いた短編集。
どれも面白かったけど、「初恋ツアー」「鳥を運ぶ」が面白かった。
この人は本当に女性を描くのがうまい。
当たり前のことかもしれないが、子どもは母親を見て育つ。意識していなくとも、母親のように生きてしまうものなのではないか。大人になるにつれ、その思いは強くなっていく。
気づかぬうちに、母と同じような生活を送ろうとしている自分がいる。
この本を読んで、改めて、母と娘とは同じ生き物のように感じた。あとがきには、母と娘の関係は、息子と娘の関係や、父と娘の関係とは全く異なるものだとあったのも興味深かった。
女ってやっぱり複雑でめんどくさい生き物だ。
Posted by ブクログ
母にまつわる短編集。解説が「母は娘を支配する」の斎藤環で、そっちの本でも角田光代の「マザコン」は引用されていたし、解説も母娘関係に焦点を当てたものになっていたが、母と息子の物語も半分くらいある。息子の場合、大抵妻も出てくる。
「共感」みたいな気持ちになるのはやっぱり娘モノだが、息子モノも面白かった。どちらにせよ、苛立ち、息苦しさ、胸くそ悪さ、ヒタヒタと染み渡ってくるような狂気…みたいなものを現出させるのがうまいんだなあ、この人は。それでいてこっちまで嫌になっちゃうような不快感はない。それで小説として面白く読めてしまう。
特に好きなのは、「パセリと温泉」「ふたり暮らし」「クライ、ベイビイ、クライ」。
Posted by ブクログ
モヤモヤする話が多かった。母と子の関係、自分の母そして子供との関係と比べて考えさせられる作品でした。幼少期の親子の愛着関係は一生影響を及ぼすものだと思う。
Posted by ブクログ
様々な母と子の関係・形。
価値観や常識を身につける時期に最も深く関わる母というものには良くも悪くも強い影響を受ける。
空を蹴る以外の各話はとても興味深く、つい自分と置き換えて考えてしまうお話ばかりでした。
パセリと温泉が好きです。
うまくいかない事全部を何かのせいにしないと生きていけなかった、その苦しみが譫妄では反転して自分に優しい世界を見せる。
ふたり暮らし。「胸が悪くなるような母娘関係」…だとは思えないのは、私がマザコンだからでしょうか。笑
Posted by ブクログ
角田光代による母親考察短編8作品。鋭い洞察もあり、作者の歪んだ娘時代の投影かと思わせる母子関係あり、逃れられない母親からの呪縛など読み応え十分。「おれがマザコン?」っていうのも鋭い母親観察!
Posted by ブクログ
男の子は皆マザコンかなぁと思っていたけど、最近は女性の方がマザコンかなぁと思えてなりません。私達の頃は結婚したら帰る家は無いと思って嫁いだけど、中々最近は親と暮らさないので、女性は自分の親に頼りがちになるのは、核家族化のせいかも時代は変わっていくと、家族の形も変わっていくようですね。家の三人の息子達はマザコンでない様です♪
Posted by ブクログ
母にまつわる短編集。特に女性が主人公の話は、愛憎入り交じる複雑な感情を抱いていることが多い。
私も母のことは、素直に好きとは言えない。むしろ苦しみのほうが多いかもしれない。数年後、またいつか子供を持ったとき、母への愛憎は覆るだろうか。少し楽しみだ。
Posted by ブクログ
ふくわらいという作品があまりに面白くてそのあと2冊目の西さんですが、母と娘がテーマのこの作品はあまりピンときませんでした。モノクロのように感じるあの時代が実はフルカラーであったことに今更気付いて、あっ!というようなビックリはこの作品には感じません。
Posted by ブクログ
母親がテーマの短編。母と息子、娘、関係は色々だ。
既に母側の目線で読んでしまう自分がいる。
今は母もいて娘もいるという環境であり思うところは複雑だ。
このような短編を読むと自分はどうだと振り返ってしまうが親子関係は他人には理解出来ない部分が少なからずある。
Posted by ブクログ
集英社文庫「ナツイチ」の一冊。
多くは母と娘との物語。8つの短編の中に、自分と母の類似系があるかも、と思って読み始めたものの、すぐにそれはあり得ないことだと気づいた。
好きなのは、息子と、息子を高校生のときに置いて家を出た母を題材とした『クライ、ベイビイ、クライ』。
自費出版詐欺?みたいなのに引っかかって会社を辞めた男が、高校生の時に家を出た母に「オレオレ詐欺」電話をかける。
あからさまに「オレオレ」風の電話なのに、母はお金を振り込むといって口座番号をメモに取る。電話を切った男は、世間に対しても、自分の未来に対しても、出ていってしまった妻に対しても、「いろんなことがいい方向へ転がり始めた」と感じ、ゆるむ口元が結べない。という描写で終わる。
ちょっと泣きそうになった。
母親って、こういうものかも。
Posted by ブクログ
2016年42冊目
母と息子であったり、母と娘の関係性を物語りにした8つの短編集
それぞれ登場する母親にはやや問題がある。
その母との関係性や性格を子供の頃から大人になるまで引きずっている登場人物たち。
ちょっとほろ苦い物語ばかりです。
Posted by ブクログ
母が母を放棄したとき、に感じる切なさとか寂しい気持ちに共感。
子どもの頃に当たり前のようにそばに母がいて、一緒に暮らした頃の記憶をたどって懐かしく思うことがあるけれど、もうあの頃には完全には戻れない、母も一人の女であって、母には自分の人生がある、そんなことを改めて考えさせてくれる一冊でした。
母が自分の人生を満喫していたり、新しいことを始めたり好きになったりすると、ちょっと寂しくなって、不機嫌になってしまうのわかるなぁ。いつまでもきっと、自分のことを心配して見ていてくれる存在でいてほしい。
Posted by ブクログ
共感する部分があると、自分が嫌な娘に思えてくる。
そんな感情を抱いたことがあるなんて、母には絶対に知られたくない。
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「あなたはマザコンよ、正真正銘の」妻に言われ、腹立ちまぎれに会社の女の子と寝てしまったぼく。夫より母親を優先する妻のほうこそ、マザコンではないのか。苛立つぼくの脳裏に、死の床から父が伸ばした手を拒む母の姿がよみがえり……表題作ほか、大人になった息子たち娘たちの、母親への様々な想いを描く作品集。疎ましくも慕わしい母と子の関係ーー胸がしめつけられる、切なくビターな8編。
Posted by ブクログ
母親との様々な関係が描かれた短編集。息子と母、娘と母ではそれぞれ母に対する捉え方、向き合い方が違うなと常々思ってたけど、この本を読んでさらにそう確信できた。息子はいつまでも子供と親の関係でいれるけど、娘は成長するにつれ母親を対等なもの、若しくはいち女性として意識するようになる。このお話では、割とこじれてる親子関係が多かった色んな母親像がみれて面白かった。娘を持った今の時期に読めて良かった。
Posted by ブクログ
2016年5/19~6/4
「クライ、ベイビイ、クライ」次に「ふたり暮らし」が、自分と重なる部分を感じながら読めた。
母親の影響、母への思いは大きい…と簡単に表現する以上に、偉大だったり恐怖だったり、愛情・優しさ・支配欲もろもろ複雑な心理的影響があるんだな~。
作者があとがきで紹介していた
「母の魂」飛鳥新書/ジョン・アップダイクほか著
14人の書き手が母の死にまつわるエッセイを書いた読み応えのある本
も、読んでみたいのだけれど、怖くもあるのでそこを克服できそうになったらぜひトライしたい。
Posted by ブクログ
「あなたはマザコンよ、正真正銘の」妻に言われ、腹立ちまぎれに会社の女の子と寝てしまったぼく。夫より母親を優先する妻のほうこそ、マザコンではないのか。苛立つぼくの脳裏に、死の床から父が伸ばした手を拒む母の姿がよみがえり…表題作ほか、大人になった息子たち娘たちの、母親への様々な想いを描く作品集。疎ましくも慕わしい母と子の関係―胸がしめつけられる、切なくビターな8編。
Posted by ブクログ
そもそも男と女は考え方が違う。だから、理論的に考えを押し付けられても困っちゃうのですよ、女は。その時の体調と気分によって、対応出来る時と出来ない時があるのです。
Posted by ブクログ
読んで『面白かった!』と思う本ではなく、う~ん。。。となんとも言えない後味の本でした。
でも、母と娘の関係、『確かにね。。』と思うところは多々あった。
息子の母となり、もっと歳を重ねたら自分がどのような母になるのだろう?と考えてしまった。
困ったちゃんな母にはなりたくないな~
Posted by ブクログ
マザコンというと男が母親を大事にしすぎるイメージですが、この本はどちらかというと女が母親に執着する話でした。母親と娘の感情の複雑さがうまく描かれています。
一卵性母子という言葉も最近聞きますが、母親が親としてではなく女として娘と張り合ったりする場合もあるし、娘が彼氏より母親との約束を優先したり、は実際にある話です。
男からすると微妙でしょうが、今は女のマザコンもよくあるのだと思います。