角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
角田光代さんのエッセイ。私は読んだことはないのだけれど、その存在はよく知っている「オレンジページ」という料理雑誌。そこに掲載されたエッセイを集めて本に編集したもの。やはり、料理雑誌だけに「食」「料理」に関係する話題が多い。
ごく自然に日常の一部を切り取って、ご自身の心の動きを観察し、どのように感じたかについてとても静かな文章に綴られている。
各エッセイに描かれている出来事や感じたことについて、「このように感じてしまうのは私だけだろうか」というニュアンスが込められているのだけれど、角田さんの心の動きの多くの部分に自分の思いも重なってしまう。
確かに、女性と男性で異なるところはあるけれど、心の動きというものは変わりはないのだなぁ、と思ってしまう。
日常のふとした出来事。例えばラップの使い方。必要以上にラップを出してしまうと「あーっもったない」と思うし、先端が裂けていて引き出すほどに更に裂けていくと、イラっとしてしまいますね。
近年袋麺も最新のものが多数出ているのだけれど、私は出前一丁、ワンタンメン、チキンラーメン、サッポロ一番(味噌、塩)しか食べたいとは思わない(舌がお子ちゃま時代から進化してないのか?)
立派な大人になれないまま加齢していく、、、同感です。でも「立派な大人」を定義できないまま加齢していくというのが実態なのかなぁ?ふと気がついたら歳を重ねているというか?
角田さんは世代が比較的近いということもあり、同じ様な思いを抱いてしまうのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
いろんな雑誌に載ったエッセイ集
50代の角田光代が20代から今までのこととかを振り返ったりしてて興味深く読んだ!
でも最初らへん古本で買ったから横線とかの落書きが多くて読みにくかったけど!
前半は角田光代が作家を目指して作家になった話とか作家になってからの話とか沢山書かれてて嬉しかった。後半はまあまあ
あと最初は一文一文立ち止まって読んで欲しくてそう言う風に自分もじっくり書いてたけど、編集者にページを読む手が止まらなくなるような本を書いて欲しいって言われてそれを意識した、意識してから直木賞の候補になったって書かれてて私は読む手が止まらなくなるような角田光代の文が好きだから、その編集者ありがとうって思った
あと、どんな仕事も断らず受けたとも書かれてて本当に色んな本を出してるし色んな本を好きで読んでるから断らずに色んな仕事を受けてくれてありがとうとも思った
それに気分の乗らない仕事も受けて相手の求める文を書けるってめちゃくちゃすごいなって思った
角田光代すげーーって気持ちがさらに強まった本だった
何か感情が生まれそれに当てはまる一番近い可愛いとか嬉しいとかに当てはめて言葉を発している
猫とかは言葉はないけどこの感情を発しているしこっちの言葉ではなくその感情をキャッチしてるみたいな話すごい良かった
あと、一人旅の話がちょこちょこでるんだけど、一人旅は誰かと一緒だったら気づかない感情に気が付けたり
だれかと言葉を交わすことで薄まってしまうことがないみたいなことが書かれてて確かにな〜一人旅って興味なかったけどそういうのあるよな、言ってみたいなって思った -
Posted by ブクログ
未婚カップルが抱える相手への違和感にクローズアップした短編集。
価値観の違い…とまで言うほどのことじゃない。
きっと友達にコレが原因で別れたって話したら、笑い転げられるだろう。
それでも、毎日毎日気になってモヤモヤする。
パートナーの些細なクセや習慣。
結婚してないんだから、1歩踏み出して別れたらスッキリできるに違いない。
…でもなぁ。それ以外は全部好きなんだよね…。
・あんまり風呂に入らない彼女
・おしゃべりすぎる彼女
・買い物依存症な彼氏
・スナック菓子がごはんな彼女
・ジャイアンツ至上主義な彼氏
・下戸な彼氏………etc
みんな悩んで、別れたり妥協したり。
分かりみが深い。
人と人が分かり合うって大変だわ。笑 -
Posted by ブクログ
『対岸の彼女』で繊細な女性の心情を描いていた作家さんというイメージがあったから、彼女のワイルドさは少しだけ意外だった。割とマニアックなところにも行くし、タバコを吸ったり、旅先で誰かと仲良くなることを当然だと思っていたり。人とのコミュニケーションに恐怖すら抱くぼくにとってはちょっとありえない。でも一方で、彼女はぼくと同じように小心者でもあるようだ(そう自分でも言っている)。つまりぼくから見れば、自ら望んで大海に投げ出されながら、浅瀬の海で助けを求めてさまよっている―失礼ながらそんな印象を受けた。でも、そのギャップがこのエッセイの面白さなような気がする。
この本でも書かれているように、旅好きのたいていの人が、独自の旅スタイルを持っている。そしてそれは誰か別の人と一緒に旅に出るとより明確になるらしく、たとえばスペインに旅行に行った友人に対してはそのアクティブさに驚いてみたりする。でも彼女は彼女なりの流儀を保ちつつ(というかそれしか保つことができず)自分の旅を続けていく。
旅のエッセイをもし自分が書くとしたら、時系列に行き先を並べて、順にそれを説明し、その感想を述べて、みたいな形式になってしまうように思う。でもこのエッセイ、それぞれ行き先も、おそらく行った時の年齢も様々だが、それぞれに通底するテーマ(というと大げさだが)があって、その切り口と旅が重なって、過去の自分の旅をしっかり自分のものとして消化している。ただ旅をして、刹那的に楽しみ、後は楽しかったという感想が残る―そんな感じでは決してない。
あとがきに、旅というのは一回きりで、それを書くことで二度とできない旅をもう一度することができる、と書かれていた。確かに、20代の頃にぼく何度も訪れた香港の、そのそれぞれにはぼくのそのときの心情があり、同じ目的地といえどもその旅をそっくりそのまま再現することはもうできず、その旅を書くことで自分の中で自分なりに消化することができていれば、今直接役に立ったわけではないだろうけど、少なくとも読み返して楽しかっただろうなとは思う。
恋人か文学賞の受賞か、どちらかを祈ろうとスリランカの寺院を訪れたけど、結局心の中を空っぽいにして祈ったこと、それからハワイで自ら缶詰して原稿を書きつつ、現地の日系人たちが日本の習慣を繰り返していたことや、日本好きな豪人が日本人女性の言葉を本気にして日本に来てしまったこととか、退屈な街にパブはたくさんあって、そんな街のバスで夕日を見て泣いたこととか。 -
Posted by ブクログ
自分自身が、1人で旅行するのが好きだしそういう時間も取れてるし、わざわざ人の一人旅エッセイとかあんま興味ない…とか思ってたけど、さすが作家であり、ただの趣味が本となって世に出てるだけあって、面白かった。
すごく共感したのは、年齢によって、その旅スタイルも「面白い」の感じ方も変わるってとこ。
学生バックパッカーとの、どーでもいい恋バナ系モドキと狭い机での飲み食いが、彼らにとっては最高な時間であり、彼女にとってはどうしようもなくつまらなかった、ってくだり。
若い時に面白くてドキドキすることや経験することと、40になって経験することって、ほんと違うんだよなーー。
あと、彼女が旅してた時代が、90年代くらいまでがメインで、ひと世代昔なのも懐かしくてよかった。
昔はGoogleマップもwifiもなかったし、チラリと出てた中国の「見るだけデパート」の話も懐かしかった。
80年代の、東陣営が倒れる前の中国って、ほんとそんな感じだった。
まだ小学校低学年だったけど、社会主義がまだ残ってた時代の光景は異様だったし、あれを見れていたのはよかったなぁと、ほんと思う。 -
Posted by ブクログ
どれも何かしら得体の知れない何かをふいに得てしまって、さてそれはなんでしょうかという短編集。
色んな種類の福袋だけどどれも「各々もらってよかったなと思えるようなものなのか」といわれると素直に はい とは言い難い。35点くらいの福袋。お話自体はどれもスルッと読める。
三十路突入した女性は読むべきだな。ディティールを味わいやすい気がします。
しかしちょっとさ、解説まで読み終わってから「この解説って誰が書いてんだろうか」と思って振り返ってみたら栗田有起だね!?!?卵町の!!!ヒャーー、この福袋いいモン入ってんじゃん。
※蛇足ですが「卵町」は栗田有起が書いた小説でホスピスが存在するためだけに出来たよそよそしく清潔な町で、主人公はそこで名前しか知らない人を探しながら亡き母を知ったり細々と人の温かみに触れるお話です。梨木香歩好きな人はきっと好きです。是非。