空中庭園

空中庭園

559円 (税込)

2pt

郊外のダンチで暮らす4人家族・京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。15歳の長女マナが“自分はどこで生を授かったか”を訊ねると、ママはラブホテルで、と教えてくれた。自分が仕込まれたのが近所の「ホテル野猿」だと知って、どうしても見てみたくなったマナは、同級生の森崎くんを誘って行ってみた……。家族ひとりひとりが、そのモットーとは裏腹に、閉ざしたドアの中に秘密を持ちながら、仲の良い「家族」を演じているさまを鮮やかに描く連作家族小説。

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空中庭園 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    私は家族って関係がこの世で1番嫌いで最悪で、だけど大好きで、そういうことが丁寧に書かれているところが、角田光代さんの小説!という感じがして最高だった。良好な家族関係のようにも見えるけど、それは表面上だけで。でも家族ってそういうものだよねって。その最悪さを認識するたびに家族とかいう概念この世からなくな

    0
    2025年03月03日

    Posted by ブクログ

    連作短編。
    ある家族をそれぞれの視点から描く。
    最初は退屈な小説かと思ったが、第二章からギアが上がった感じ。おそらく短編として切り取るとそれほど面白くないのだが、視点が切り替わることで各人物の欺瞞や嘘が客観的に表現される点がゾクゾクする。何て言いうか玉ねぎの皮を剝いていく感覚。

    自分の信じている世

    0
    2023年11月24日

    Posted by ブクログ

    出だしの何でも話せる家族から読み続けるうちにだいぶズレがあるんだがと思いました。なるほど本音が全員がまるで違う真逆なのか。6人それぞれの心の闇はそれぞれ違うし、どうにもならないし、ギリギリ踏み止まる感じ出てる。角田さんはこんな現に表現したんだかなあと、自分ではまあまあ読んでるつもりだけど、まだまだだ

    0
    2023年08月21日

    Posted by ブクログ

    読み終わった後のザワザワ感、蒲公英草子と似てる。
    みんなが心に鍵付きドアを持ってるって話。
    家族の話。
    リアリティもあり、胸くそ悪くなるシーンも多い。
    最後の石田衣良の解説も良い。
    対岸の彼女も読まなきゃ!

    0
    2022年07月21日

    Posted by ブクログ

    多かれ少なかれ、みんな家族ごっこをしてるのかも。隠し事なんて何もないよなんて顔して、素敵な家族でいるために、その一員をうまく演じてる。それが良いとか悪いとかではなく、そういうものなのかも。
    そして、母と娘の間にある得体の知れないモヤモヤ。親子だって、というか親子だからこそ、相手のことがわかった気にな

    0
    2025年11月19日

    Posted by ブクログ

    どこにでもあるような家族、関係者それぞれの視点の脆く儚い秘密が明かされていく過程が楽しめる。人間特有の弱さからかその秘密に対する妙なすれ違いがたまらない。この不安定さを面白おかしく表現してくれる角田さんの物語にはいつも惹き込まれる。

    0
    2025年08月12日

    Posted by ブクログ

    家族内での隠し事の在り方ついて考えさせられる作品であった。隠しておいた方がよい秘密ってある。秘密を打ち明けることで確かに家族の絆が深まる場合もあるが一方で、正直に打ち明けたことにより自分はすっきりするが相手に責任を転嫁させることになったり、傷つけることもある。だからといってどうしたらよいか答えはわか

    0
    2024年03月22日

    Posted by ブクログ

    ある家族とそこに関係する人を含めた6人によるそれぞれの視点で描かれた物語。家族の中には何事も包み隠さず、隠し事をしないというルールがあり、一見明るく平凡な家族だが、読んでいくとそれぞれに秘密があり、作り出している平穏な空間はあぬまで表層的なものにすぎず、実際はカオスに崩壊していることに気づく。


    0
    2024年01月28日

    Posted by ブクログ

    家族と言えど所詮他人で、ちょっとしたボタンの掛け違いや言いたくないことがあって当然だと思う。
    登場人物それぞれの視点で描かれてるから、みんなにちょっとずつ共感できて、ちょっとずつ共感できない。だからこそ絵理子が雨の中壊れきった庭園を守ろうとする姿が痛々しくて切なくなった。
    ただし馬鹿夫、お前だけは納

    0
    2024年01月07日

    Posted by ブクログ

    なんだか いつもの著者じゃない きもちわるいと思いながら ついつい先が読みたくなった。秘密のないにんけなんていないってよく 言われるけど、この本のように 普通な家族と思われる家族が こんなにも隠し事で生きているんだと。世の中はそんなものなのかな?

    0
    2023年06月25日

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