郊外のダンチで暮らす4人家族・京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。15歳の長女マナが“自分はどこで生を授かったか”を訊ねると、ママはラブホテルで、と教えてくれた。自分が仕込まれたのが近所の「ホテル野猿」だと知って、どうしても見てみたくなったマナは、同級生の森崎くんを誘って行ってみた……。家族ひとりひとりが、そのモットーとは裏腹に、閉ざしたドアの中に秘密を持ちながら、仲の良い「家族」を演じているさまを鮮やかに描く連作家族小説。
Posted by ブクログ 2019年12月17日
唐突に出てくる前世占いとう設定が、妙に生々しかった。男と女は、恋の病に罹ると、必ずスピリチュアルなものへ依存し、破滅する。いま目の前の人を見ることが出来なくなる。ちなみに、ぼくの前世はクピドらしい。アポロンとダフネに悪戯したり、トロイア戦争でアキレスを弓矢で射たとされるパリスを応援したり、その際、ア...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月03日
郊外の団地に住む夫婦、娘、息子の4人家族。この一家のモットーは、「何事も包み隠さず、タブーを作らず、できるだけ全ての事を分かち合おう」というもの。いくら家族でも、言いたくない事の一つや二つあるが、このモットー故に、それぞれが隠し持っている事と理想の差に、ザワザワするものを感じずにはいられない。家族で...続きを読む