無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
説明できない息苦しさのリアルな描写に圧倒されて、読了後の疲労感に包まれています。笑
角田さんの作品は読むたびにこの気持ちになるって分かってるんですが、やめられない中毒性があるんですよね…。
補欠裁判員に選ばれた一児の母・里沙子は、子供を溺死させてしまった被告の環境に自身を重ねていくようになる。義母や夫から暴力や決定的な言葉の攻撃があったわけではないし、言葉にして説明しようとすると軽い不満や何なら被害妄想に捉えられかねない些細な出来事の数々。でも、相手の放った「そんなつもりではなかったかもしれない」一言や行動が、息苦しさや罪悪感と共に静かに本人の中にだけ、澱のようにたまっていく。
被告に共感を覚え、ボタンを一つ掛け違えれば、彼女は自分だったのではないかという里沙子の恐怖と不安に、まるで里沙子は私なんじゃないかと思うほど感情移入するとともに、無意識の悪意について深く考える作品でした。
とりあえず、電車の中やお店で子供をあやすお母さんに出会ったら絶対優しくしよう。
Posted by ブクログ 2023年08月16日
2歳(3歳近かったかな)の子供を育てている専業主婦の里沙子に、裁判員制度の裁判官の仕事が来ます。
その被告人が、8ヶ月の赤ちゃんをお風呂に落としてしまった母親で、裁判が続くと同時に、里沙子がその被告人に同調していってしまいます。
里沙子の気持ちが痛いほど分かり、途中でしんどくなりました。(特に、...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月26日
凄く面白かった。
やはり角田さんの本は文章も読みやすく内容も飽きさせず、心の奥にぐぐっと入り込んで離さないものだった。
里沙子が水穂と自分を同化させたように子供のいない私でさえ読み進むつれどんどん彼女たちと自分を同化させ、自分の中の目を伏せていた様々な傷を見せつけられらようで苦しくさえなった。
人に...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年09月29日
『水穂という見知らぬ女性がそのとき両手で抱いていた赤ん坊の重さ、なまあたたかさ、やわらかさが、里沙子の両手に記憶したもののように広がる。まるで自分が泣き止まない赤ん坊を抱いてそこに立っていたかのように。そうして赤ん坊の重みが、両手からふっと消える。視界には、開いた十本の指』… 浴槽に落ちていく幼児。...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月24日
⭐️5つで良いのかどうか…
裁判員制度について考えるきっかけをもらった、と言うことと、事件内容はさておき、登場人物の心理描写が共感できないものの、詳細で揺れ動く感情表現が素晴らしく、恐怖すら感じた、と言うことで5つ。
乳幼児を自宅の風呂場で水の中に落として死亡させてしまう、という虐待事件の判決に...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月30日
母親による虐待死事件を巡る裁判員裁判。
被告人の母親と、裁判員(補充)として選ばれた母親の違いなんてほとんどない。
一歩間違えれば、自分が逆の立場になっていたかもしれない。それは子育てを一身に引き受けている母親の大半がそうじゃないだろうか。
母乳神話、成長線に沿った成長、離乳食のペース、排泄の処理、...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月31日
うーん、怖かった〜
なんかこう他人事とは思えない感じが。
子育て中って、ほんと周りから責められているような気になるもの。
子どもは理不尽だし、言葉も通じないし、
母親自身が自分を押し殺していればいるだけ、
我慢を溜め込んでいればいるだけ、
子どもは泣き喚くという。
そして自分は我慢しているからこそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月16日
子育てって大変なんだと思う。女性は子供を産んだら母になれるのではなく、子供の成長と共に母としても成長していくのであって、その過程で戸惑い、悩み、時に苛立ち、どうしようもなくなる時ってあるのだと思う。そういう時に周囲に助けを求めることが出来る環境があるか、周囲に助けを求めることは恥ずかしいことではない...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。