角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大河ドラマ『光る君へ』(2024年)を見ながら「『源氏物語』読もっかなぁ」と思ったとき、以前出口治明さんが、コロナ禍のステイホーム中に読む本として、『源氏物語』を勧めていらっしゃったのを思い出しました。それがまさにこの角田源氏でした。「とてもテンポが良く、読みやすいです」と。
でもこのときは残念ながら持っていなかったので、とりあえず目の前にある大塚ひかり訳(ちくま文庫)と、3冊だけある瀬戸内寂聴訳(講談社文庫)を、比較しながら並行して読んでいました。
ある日書店で、そういえば角田源氏も最近文庫になったのよねーとパラパラ開いて少し読んでみたら、想像以上の読みやすさに「うっわ、読みやす!」と思わず驚きの声が出てしまいました(近くに誰もいなくてよかった)。ぜひこの訳で読みたい! と購入を即決、少しずつ買いそろえました。
まず1巻は、「桐壺」、「帚木」、「空蝉」、「夕顔」、「若紫」、「末摘花」の6帖を収録。光君の誕生、元服、婿入り、雨夜の品定め、空蝉と軒端荻、夕顔との逢瀬、本命の想い人藤壺そっくりの小さな姫君との出会い、藤壺の懐妊、そして哀れなる末摘花との逢瀬、まで。
この訳文は本当にすばらしい。語り手が読者に語りかける部分以外は「だ・である調」なので、普通に小説を読んでいるよう。併読中の三者の中でいっちばん読みやすい。歯切れが良くスピード感があり、どんどん読み進められます。スムーズな理解のために文の位置を入れ替えるという工夫も見られ、すごくいい。この角田源氏が、今のところ最強だと思います。
大塚源氏の「末摘花」を読んだとき、源氏の君や命婦が彼女の外見や貧しい様子などをあきれたり笑ったりしているのが不愉快で、彼女なりにがんばっているのになんて人たち、と怒りすら覚えたのですが、角田源氏ではそこまでのことはなかったのでホッとしました。言葉の選び方、表現ってやっぱり大事だな。
またこの角田さんの「文庫版あとがき」が、まぁすばらしい。そして国文学者の藤原克己さんによる「解題」が、さらにすばらしい。内容は寂聴さんの解説と少し重なるところはありますが、それをさらに詳しく裏付けていて、すごく興味深くおもしろかった。ネタバレなど気にならないどころか、これから先この物語を読むことが楽しみになりワクワクしました。これぞ、2巻以降の物語への誘いとして理想的な解説だと思います。
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Posted by ブクログ
若林さんは不思議な人だ。
めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。
私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
あとは角田光代さん回。角田さんがおっしゃることがいちいち納得感がある。難しいことは一切言ってないのに。伝わる言葉でなるべく正しく考えを伝えようとされてるのが分かる。
そしてこの回でも、若林さんが良く話す。
ホストがノッてる方が対談は面白くなるよね。
西加奈子がやたら作中で〈セックス〉という言葉を使うのはそういうことか。説明したがりだと言う朝井リョウは実際どれくらい読者を縛り付けてくるんだろう。羽田圭介、やっぱり(人間として)好き。そのイメージを崩したくなくて彼の本はあんまり読んでないのは内緒だ。中村航の〈100回泣くこと〉再読したいなぁ。でも中村文則の〈教団X〉再読はしんどいなぁ⋯
エッセイを通じて作家さんのキャラクターを垣間見ることはあっても、話す言葉を聞く機会はなかなかないので、そういう意味でもなんか新鮮。