角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いくつもの恋と無数の音楽を通じ、「私」が今と向き合う物語。
「私」が受験勉強の合間のたばこに始まり薬物や二股など、折々で「よくない」遊びに耽るのが、見ていて痛々しく、共感は出来ないながらに、この人生がどうか良い方向へ転がっていってほしいと願わずにはいられない。
また、多くの恋を経ていく「私」とは対照的な町子の恋愛も描かれ、二人は長く交流を続けるが、それがお互いにとって影響を及ぼしはしないのが、小説としては不思議ながらもリアリティがあり頷かせられた。
角田光代作品にはありがちな終わり方であるが、他の作品に比べ少しオチが弱いように思われ、それが全体の印象をややぼかしてしまっておりやや残念。 -
Posted by ブクログ
面白かった。
オレンジページの連載モノの、しかも3冊目の文庫化とは知らずに表紙が可愛く手に取ってしまった。でもどこから読んでも角田さん。ご本人も書かれていたが、何年前からあまり変わっていない、と。笑
前2冊も読んでみたい。
食、人、暮らし、時代、と大きく4つに分かれたエッセイ。軽く、楽しく読み終わる。
角田さんが22歳の中身成長中の自分の目標「へらへらと笑っていられる大人になること」どうでもいいことを書き続けられる大人にはなったそうだ!
なんて言い方 笑
クスッとしながら、あっという間に読み終えた。
そーいう風に考える人もいるんだな、とも思った。
角田さんの猫ちゃん写真がまた可愛い。
そ -
Posted by ブクログ
8つの物語から成る短編集。一つの物語の文量がちょうどよく、隙間時間で心地良く読むことが出来た。
角田さんの作品は初めてだが、場面は日常によくありそうなものだけど表現がすごい。
印象に残った表現メモ
・白っていうより銀
赤ちゃんの純白さの表現が素敵。赤ちゃんの瞳は「白っていうより銀」で「ビー玉のように澄んでいる」
・福袋
人生を福袋に例えた表現が素敵。
ひょっとしたら私たちはだれも、福袋を持たされてこの世に出てくるのではないか。福袋には、生まれ落ちて以降味わうことになる全てが入っている。希望も絶望も、よろこびも苦悩も、笑い声もおさえた泣き声も、愛する気持ちも憎む気持ちもぜんぶ入っている。 -
Posted by ブクログ
夫婦である角田光代と河野丈洋の両氏があちこちの飲食店や居酒屋をめぐり、綴ったエッセイ。
第1夜から第38夜まであり、韓国釜山の文庫特別編のおまけも。
よくもまあこれだけあちこちの店に行っているもんだと感心するばかり。
「われわれ夫婦はどちらかといえば出不精なほうで、ふたりで食事をするために都心まで繰り出すということはあまりない」と、河野氏が綴っている。これだけあちこちの店に行っていながら、何をのたまう(笑)。
また、「『アルコールを摂取すること』と『酒を飲むこと』は違うということで、人生を豊かにしてくれるのは後者でしかない」とも、河野氏。至言。
とにかく楽しいエッセイで、機会があれば行ってみた -
Posted by ブクログ
ある家族とそこに関係する人を含めた6人によるそれぞれの視点で描かれた物語。家族の中には何事も包み隠さず、隠し事をしないというルールがあり、一見明るく平凡な家族だが、読んでいくとそれぞれに秘密があり、作り出している平穏な空間はあぬまで表層的なものにすぎず、実際はカオスに崩壊していることに気づく。
まるで嘘なんてない普通に幸せそうな家庭なのに、一つの家族をこんなに嘘で虚像で作られてしまうものかと本当に怖かった。と同時に、秘密なんてあるのが当たり前で、人はみんな二面性をあるいはそれ以上を持っているものなんだろうと。だからこそ、「嘘のない家庭にしよう」とありえない不可能なことだと思った。そんな不可