【感想・ネタバレ】おまえじゃなきゃだめなんだのレビュー

あらすじ

ジュエリーショップで、婚約指輪を見つめるカップルたち。親に結婚を反対されて現実を見始めた若い二人と、離婚を決めた大人の二人。それぞれの思いが形になる光景が胸に響く「消えない光」他23編。人を好きになって味わう無敵の喜び、迷い、信頼と哀しみ、約束の先にあるもの――。すべての大人に贈る宝石のような恋愛短編集!

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Posted by ブクログ

ジュエリー、宿、山田うどんなどのコラボ短編小説という形式を読むのが初めてで興味深かった。短編「あなたはあなたの道を」で語られる「ゆっくり焦らずでいいよ、自分のペースでいいよ」というのが今の自分の気持ちにぴったりで、病院の待合で泣きそうになった。

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2024年07月08日

Posted by ブクログ

短編恋愛ストーリー…それぞれの主人公がそれぞれの短い恋愛ストーリーの中でリアルに生きている。
そんな印象を受けた。

恋愛ストーリーは人それぞれ。幸せでウキウキもあるけど時にカッコよくないし時に情けなくもあって。たまにストーリーが交錯して。
ほのぼのとした気持ちになった。

山田うどん…食べてみたい

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2022年01月28日

Posted by ブクログ

短編集。
同じ店や同じ出来事、同じコミュニティについて別の視点から描きつつ、そこに錯綜する色々な物語が綴られている。
こんな性格や境遇の異なる主人公(女性が多い)や登場人物を、こんなに生き生きと、心の内まで上手く表現できる所がすごい。共感できる。

・さいごに咲く花
・おまえじゃなきゃだめなんだ
それぞれのウィーン
・紅座

の短編が、とくに好きだった。

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2022年01月27日

Posted by ブクログ

最後の消えない光の二組の話が本当に好き。
私も結婚指輪いらない、式も、旅行もいらない。そんなのなくていい派なんだけど、耕平のいう「永遠であってほしいと願っている正真正銘今の気持ちを、変形しないうちに、かたちにしたかった。」とか武史の「自分たちの日々の区切りとして、もしそういうとくべつな何かがあったとしたら、きっと今俺達の気持ちはそこに戻っているんだろう」という気持ち。
そういうのを確認するための結婚指輪なのかもしれない。
第二話の『扉を開ける』の紀子のように、「漠然と消えてしまいたいと思ったあのときに、見つめるものがあってよかった」「見つめ返す強い光があってよかったって」と言うように。
ただの形だけの指輪ではなく、結構私が思っているよりも意味のあるものなのだと、説かれている気がした。
縋りたいときに縋れる記憶、思い出があるというのは、心の支えになるのかもしれない。
角田光代の文章はあっけなく私の気持ちを優しく揺るがしてしまう魔法がある。
素敵な宝石のような一冊でした。

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2021年05月17日

Posted by ブクログ

かなり短い短編集。角田光代にしては毒気の少ない感じで、もうちょいごりごりと精神を削ってきてもよいなと思いながら読んだ。

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2020年06月18日

Posted by ブクログ

再読。

男からもらう指輪なんて、と思ってた。
でも、その瞬間の、幸せだ、と思う気持ち、ずっと続けたいと思うきもちを、かたちにして贈るのは素敵なことなんだなあと、きっと何かの支えになるんだろうなあと、あらためて思った。

人生のある一時に、出会って、別れる人びとと、そうしながら人生が続いてゆく話。

結婚を控えた私には、とても響いた。

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2019年10月06日

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とても新鮮な気持ちで
読み進めてたけど、

途中で「ムム?」この
既視感や如何に・・・

そう、この本過去にも
読んでました(笑

それはさておき、本を
閉じるその刹那、

大げさですが宝石箱を
閉じるような気持ちに。

収められた短篇の一つ
一つに、

輝石のようなかがやき
を感じたからでしょう
か。

この本は今さら恋愛話
なんてフッという方に
お薦めです。

色とりどり二十四篇の
物語のなかに、

貴方の記憶をくすぐる
一篇がきっとあるはず。

私も遠く若かりし日の
甘酸っぱいワンシーン
を思い出しました。

ワンシーンで十分だと
思うのです。

その記憶は紛れもなく
貴重な輝石ですから。

また無くしてしまわぬ
ように、

掌にそっと握りしめて
おこうと思います♡

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2024年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

装丁と題名に惹かれて買ってみた。かなり短めの短編がいくつか入っていて読みやすかった。
角田さんの本はこれで2冊目だが、やはり文章がとても綺麗だと思った。情景描写はリアルで、全く違う場所にいるのに野原や登場してきた場所の想像が容易くできる。どの話もあまり重くなく、すっきりとしていたがその軽さの中にじっくり読まないと気づかない暗さがあっていい比率だと思った。最後の結婚指輪の話は全く関係のない登場人物が、指輪(指輪売り場)を通して関わるのが新鮮で面白かった。離婚指輪という聞きなれない言葉も斬新でいいと思った。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

作品によってこれは女性が書いたものなのか?男性が書いたものなのか?わからない場合が多いのは事実です、私には。でも、宮部みゆきさんや原田マハさんのような場合は、読んでいると表現の繊細な部分が何となく、宮部さんの表現だな!とか、原田さんの表現だな!と感じ入ってしまう。やはり性別と言うよりも個性という感じがする。

普通は性別ではなく、作家さん個人の書く内容によって、個性によって、その描写やストーリーによって面白いか?とか、感動するか?ということを感じています。

しかし、角田さんの文章を読むと、その中に確かな女性の感性が滲んでいるような気がする。

まだ、角田さんの作品は賞を取ったような代表作は手付かずなのですが、この短編集は凄かった。

キラキラした作品から村上春樹さんの作品のテイストがする作品まで(私が言うのもおこがましいですが。角田さん、村上さんごめんなさい)。

自分には無い女性の感性を、感じ方や考え方を教わるような気がするのです。

この作品もジュエリーや久しぶりに思い出す同級生、結婚に対する考え方、特にバブルを過ごした後の表題作「おまえじゃなきゃだめなんだ」等々のストーリーを通じて、ものの見方が一段深くなったような気がします。

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2023年04月01日

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恋愛って、もっと相手のために尽くして、美しくて、形の決まった幸せがあると思っていた。けれど、存外適当で、曖昧で、いろんな形があって、自己中でいいんだと思える。

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2023年03月14日

Posted by ブクログ

かわいいくて儚くて切なくて、誰もが経験するような、どこにでもあるような恋愛を詰め込んだ短編集。
「お前じゃなきゃだめなんだ」
「消えない光」
の2つが特に良かった。
これから結婚しようとしているカップル、離婚の準備を進めている夫婦、客観的に見たらそれまでだけど、それぞれ思うところがあって、やっぱり恋愛は人生を彩り、豊かにするんだなと感じた。
好きな人を好きでい続けられることは奇跡!
好きな人にずっと好きでいてもらえることはもっと奇跡!

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2021年09月16日

Posted by ブクログ

角田光代のおまえじゃなきゃだめなんだを読みました。

平凡な人生の中できらりと光る瞬間を描いた恋愛短編集でした。
最初と最後にジュエリーをテーマにした短編が配置されています。

「おまえじゃなきゃだめなんだ」は若い時期にバブルを経験した女性のお話でした。
浮かれていた頃には見えなかった大事な事が、経験を重ねると見えてくる。
まだ間に合う、これからが本番だ。というメッセージが力強く感じました。

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2021年09月10日

Posted by ブクログ

好きな感じの短編集だった。本当に短いストーリーがいくつも入っている。指輪にまつわる2組のカップルのストーリーがいちばん好き。婚約指輪。離婚指輪。自分の婚約指輪とか結婚指輪とか、結婚式を挙げたこととか、そういうのが全部、より大切に思えるようになった。

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2021年06月19日

Posted by ブクログ

さてさてさんのレビューを見て購入!
昨日読み終わりました。

この本の良さはさてさてさんのレビューを読めばわかると思います…笑

自分もさてさてさんと同じ3作品が印象に残りました。

特に最後の「消えない光」
こんな清々しい別れ方があるのかと気持ちが良かったです。
角田光代を一度読むと角田光代作品ばっかり読んでしまう

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2021年05月25日

上手くいったり、いかなかったり、幸せだったり、そうじゃなかったり、過去だったり、現在だったり、甘かったり、辛かったりの恋愛小説。ジュエリーショップで個々の話が交差するのが面白い。

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2021年04月11日

Posted by ブクログ

“あなたの趣味はなんですか?”という質問に”読書”と答える人をどこか冷めて見ていた読書経験ゼロの一年前の私。

そんな私がそれからの一年で300冊を超える小説を読むことになろうとは、まさか一年前の自分には想像もできないことでした。では、人は何のために小説を読むのでしょうか?人によって様々な回答があると思います。そんな中でもそこに”非現実”もしくは”非日常”を期待すると回答する方は多いのではないでしょうか。そんな小説にも様々なものがあり、それを読むことによって私たちの心も揺さぶられていきます。”イヤミス”と呼ばれる作品群があります。読後、”イヤな気分”になるというその作品群。お金を払って、時間を費やして、そして嫌な気分になることを期待する、というのはよくよく考えてみるととても不思議、もしくはとても贅沢な考え方だと思います。それは読者の心の余裕の表れと言えるかもしれません。しかし、日々生きていくということは大変です。そんな心の余裕をいつも持てるとも限りません。そんな時に小説を読むとしたら、やはり重要なのは読後感でしょう。苦悩を経て歓喜に至るという”第九”のように最後に幸福を感じる作品はやはり良いものです。しかし、単に読後が良くても物語自体の読み応えが付いてこなければやはり不満は残ります。”第九”もベートーヴェン作というお墨付きあってのものだと思います。

さて、ここに一つの短編集があります。苦悩を経ても最後は必ず歓喜に至ることが約束されたこの作品。角田光代著という絶対的なお墨付きがついた、間違いのない読後感があなたを待つ物語です。

24編もの短編から構成されたこの作品。『例えば、最初の5編はティファニーさんからの、このシリーズのジュエリーを登場させてほしいという希望をもとに書いています』と角田さんが語る通り、企業とのタイアップ作品を中心に構成されています。そんな角田さんの小説の魅力の一つは『私はもともと、人の汚い暗い気持ちを書くことが多い』とご本人が認識される通りの世界観にあると思います。しかしタイアップの場合、『読後感の良い、幸せなものを』という依頼テーマの制約がどうしても付き纏います。その中で『「自分らしさ」をうまく按配して書くのが難しかった』とおっしゃる角田さんが描く24の物語は、この按配の絶妙さに魅せられる好編揃いだと思いました。短編とは思わせない構成力で読ませる作品から、短い中にピリッと角田さんらしさを絡めた作品まで実に多種多様な24の短編。そんな中から三編をご紹介したいと思います。

まずは表題作の〈おまえじゃなきゃだめなんだ〉という短編。『そのころの私の貞操観念の欠落には、いろんな外的・内的要因があったと思う』と振り返るのは主人公の『私』。『外的なものとしては、たとえば時代』と『ナンパも多かった。経済的にも潤っている人が大半だった』というその時代。『世のなかは好景気に沸き、何もかもがちゃらけたような雰囲気だった』というその時代。『内的要因の最たるものは、社会人デビュー』という『私』は『中学・高校と女子校』、『共学の大学では自意識をもてあまし、男性と交際はおろか、まともに口さえきけずに過ごした』という学生時代。しかし『大学を出て派遣社員として働きはじめてから、急に誘いを受けるようになった』というそれから。『二十代前半から半ばすぎまで』、『急速にいろんなものごとを学んでいった』という『私』は『求められるたびにその人たちと寝た』という日々を送ります。『一度寝てしまうと、私は相手に執着した。その執着こそが、恋愛なのだと』思う当時の『私』は『どのようにして知り合ったのかよく覚えていない』という芦川と付き合い出します。『デートをしたのは晴れた日曜日』、『車でやってきた』芦川と『道路標識が東京都から埼玉県に変わり』とドライブする『私』。その時でした。『あっ、こんなところに山田が!』とはしゃぐ芦川。『かかしのような絵の下に、山田うどん、と描かれていた』その看板のお店に入ることになった二人。『まるでお洒落ではない。色気がない。情緒がない』と店内に入って愕然とする『私』。『はい、メニュウ。セットがウリだけど、半端なく量が多いから気をつけてね』と言う芦川。『うどんと天丼。うどんとかつ丼。うどんとカレー…』というメニューに『なんどかどうでもよくなって、値段のいちばん高いうどんを頼んだ。高いといったって五百円前後だった』という展開。『この人は、私を恋愛相手として見なしていないばかりか、馬鹿にしている。見くびってる』と思い帰ろうとしますが『最寄り駅がどこだかわからない』と諦める『私』。運ばれてきたうどんを『やっぱり山田じゃなきゃだめなんだよなあ』と、ものすごい勢いですすりはじめた芦川。『三分の二ほど食べて』、『ささやかな抵抗』と残した『私』。そんな『私』は『嫌みを嫌みだとわかるように、嫌みっぽく』他の男性が連れていってくれた豪華な食事の話をしました。やがて、そんな若き日々も過ぎ去り『己の貞操観念の欠落を自覚したのは三十代に突入し数年たってから』という『私』は、『真人間になろうとようやく決意して』宗岡辰平と付き合い始めます。そして『こういうことが、ひとりの人と向き合うということなのか』と、初めて知った『私』のそれからが描かれていきます。

バブルの絶頂から崩壊へと至る時代背景に重ねるように、青春が終わり一人の時間を感じ始めた『私』が、『やっぱり山田じゃなきゃだめなんだ』という芦川の言葉をしみじみと思い出す年代へと突入していく姿が描かれるこの作品。大きく変化する時代背景の上に、『私』の心の動きが、丁寧に描かれていく好編だと思いました。また象徴的に登場する『山田うどん』に無性に行きたくなる、”うどんとかつ丼一つ!”と注文したくなる、そんな作品でもありました。

二編目は、〈さいごに咲く花〉という短編。『母の母、わたしにとっては祖母の頭に、それは大きな牡丹が咲いているのを』、『はっきりと見た』という『わたし』。『あんまりはっきり見えるものだから、一瞬、祖母はそういう髪飾りをしているのかと思った』と、病室を見舞う『わたし』。『にっこりとほほえみ、きてくれたの、ありがとう、と言って手招きを』する祖母。『夕方になってから病院にきた父と母と、夜、自動車に乗って帰』る途中、『ねえ、おばあちゃんの頭に、花が咲いていたの、見た?』と言う『わたし』に『「花?」と、怪訝な顔をしてふりかえる』母。『牡丹、だと思う。真っ赤で、花びらがたくさんあって…』と続ける『わたし』の前で『両手で顔を覆って泣きはじめた』母。先に降りたそんな母を見送り『悪いこと言ったのかな』と言う『わたし』に『そんなことないさ、かあさんはよろこんでいると思うよ』と返す父。そして『祖母が亡くなったのは次の月だった』というそれからが描かれていくこの短編。この作品中唯一のファンタジー世界が柔らかく描かれる中に『だれも彼も、男も女も、どんな人も、ひとつ、その人の花を持っている』という某グループの有名なあの歌の世界観とも重なる印象的な物語が展開します。とても短い作品ながら、大河小説の読後感にも似た大きな世界観が強く心に刻まれた印象深い作品でした。

そして三編目は、”プラチナギルド”との提携で描かれた〈消えない光〉という短編。四章で構成され、『なぜ、自分たちは別れることになったんだろう。どこからうまくいかなくなったんだろう』と離婚を決意した夫婦と、『結婚が家と家のものだって考え方がおかしいの、個人と個人の問題でしょ?』と、結婚に対して形式を重視する両親と対峙していく二組のカップルが登場します。そんな二組のカップルがそれぞれの想いのもとに『プラチナリング』と向かい合う様が、絶妙にシンクロしながら展開していくこの作品。指輪というものを前にした二組のカップルの四人のそれぞれの心の内が、指輪を見やる言葉の中に絶妙に垣間見ることのできるとても印象深い作品でした。私は普段、結婚指輪をしませんが、読後に思わずそんな指輪を手にして、この指輪を選んだ時の事ごとを思い返してしまったこの作品。ただの金属を超えた何かを秘める指輪、そんなことを考えさせてくれたこの作品。角田さんの筆の力で、提携作品という商業的な感覚を超え、じんわりとした温かな感情を湧き起こしてくれた好編でした。

『依頼されなければ書かなかったタイプの小説』を中心に24の短編が収録されたこの作品。人によって小説に求めるものは異なります。何を目的に、何を期待して、そして何を見たくて小説を読むのかというそれぞれの読者の思い。私も気分によっては、心にグサッと突き刺さるような、『人の汚い暗い気持ち』が綴られる、そんな物語を読もうという気持ちになる時もあります。でも一方で、気持ちが弱っている時にそのような内容は、弱った読者の心にとどめを刺すことにもなりかねません。世の中綺麗事だけで回らないのも事実です。しかし、現実がそうであるなら、”非現実”もしくは”非日常”な小説の世界に、正反対なものを求めたくなる時もあるはずです。そう、この作品は、そんな弱ったあなたにの心に寄り添う物語。そう、角田さんの筆の力で心安らかな読後感が保証された物語。

角田さんの短編の魅力を再認識した、誰もが前向きになれる、そんな作品でした。

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2021年02月17日

Posted by ブクログ

恋愛短編集。
それぞればらばらだけど、場所や、場面が繋がっているのもあり、日常にありそうなエピソードもよかった。

恋をして、結婚して、恋が覚めて、愛に変わることもあれば、結婚に至らない時もあるし、すべて覚めることもあり、形を変えた関係になることもある。

隙間時間に読める短編。

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2020年03月05日

Posted by ブクログ

TBSラジオでラジオドラマとして神田伯山さんと女優の本仮屋ユイカさんが演じていて気になって借りました。 全体的におもしろかったけどかなり数がありすぎて残らない内容も多々ありました。笑

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2025年09月13日

Posted by ブクログ

Audibleで。
歩きながら聴くのには短編過ぎた(笑)
でも、ふーん、そうだね~なんて思える短編もいくつか。
耳からす~っと過ぎていった中で、やっぱり残ったのは離婚を決めた2人がものを分けるところと離婚記念指輪を買いにいくところ。2人の手が空にかざされて。素敵な関係は続くのだろうなと思う。
と、妄想する(笑)
少しだけの距離感はいいだろうな。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

学生時代ぶりの角田光代、良かった、すごく…

短編集なのですが、2作すごく刺さった作品がありました
1つは表題にもなっている「おまえじゃなきゃだめなんだ」
この台詞のような情熱的な話というわけではなく、若さや自身の価値を持て余した結果 中年を迎えてしまった主人公がうどんを食べながら決意した想いが力強くて勇気出る
「おまえじゃなきゃだめなんだと言ってくれるだれかと、これから私は出会うのだ。」

そしてもう1つは長年の結婚生活の果てに離婚が決まり、これまでの思い出を形として残す為に指輪を買う、という話(タイトル忘れた)
結婚とそれにまつわる形式について考えさせられちゃった
私も式や指輪にあまり憧れや拘りはないのですが、形式だからこそ表現できるものがある ということや、その形式にのっかること自体が思い出になる ということにう〜んなるほど…と。
円満離婚のふたりが、これまでの結婚生活を振り帰って思い出すのか綺麗に片付けられた家というのはあまりに悲しい、だから最後の記念に指輪をプレゼントし合おうというのもそのふたりらしさが素敵だなと思う

角田光代は大学時代はよく読んでたけど、当時は恋らしい恋を経験していなかったから今ひとつ楽しめなかった記憶がある
でもこの本を読んでいる時は昔は分からなかったであろう感情を自分の心にじんじんと感じながら、ふくふくとした満足感を感じた時間だった
過去に読んだ作品ももう一度読みたいな、今ならきっともっと楽しめるはず!

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2025年04月01日

Posted by ブクログ

恋愛短編集です。心にチクチク刺さるような、そんな話が沢山ありました。刺さったところが、じわじわと痛くなって、その痛みの感情が入り込む感じ。

若い年齢の生きづらさや、人との関わり合い。後から考えれば、後悔や反省もあるけれど、それも人生なのかな。短編集の中には男性目線の話も出てくるけど、男女問わず人生に翻弄されるのが恋愛か‥。
それでも、その時に必要だった、縁があったであろう相手はいるわけで‥。
まずは自分自身がどうしたいのか、どう生きたいのか。けれども相手がある事だから。
「おまえじゃなきゃ‥」と言わせた相手が、本当に自分にとって大切なのか、必要なのか。

立ち止まって考えてしまうような、そんな小説です。


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2025年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

離婚を決めた2人が別れた後に何も残らないと離婚指輪を選ぶ「消えない光」、残したい相手なら別れなくても、と思ってしまう。読んでからずっと考えてる。

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2025年02月04日

Posted by ブクログ

わたしはずっと片親だったこともあり、結婚自体を身近に感じた事も無かったため、そういう願望もほとんどありませんでした。

しかし最近、職場の方に結婚願望について聞かれ、結婚というものがどういうものなのか知りたくなり、この作品を手に取りました。

結婚をする事は、簡単に決断できる事ではないですが、
その過程をともに歩いてくれる人が隣にいるというのは、とても素晴らしいことだと思いました。
結婚をしたくなったというよりも、わたしもそういう人と出会いたくなりました(*^^*)

そして最後の「消えない光」というお話は
男女問わず、結婚、そして離婚を視野に入れている方全員に読んでほしいです。

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2024年07月01日

Posted by ブクログ

人によって
タイミングによって
環境によって

それぞれが見せる愛の形
私の在り方

自信を持っていよう
根拠がなくても
まっすぐ生きていれば大丈夫

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2024年04月20日

Posted by ブクログ

気分は盆休みw
何時でも休み気分じゃけど(笑)

ってな事で、角田光代の『おまえじゃなきゃだめなんだ』

初、角田光代。

短編集でサッパリしたキレイな内容が殆どで、病んでるわしには物足りなさが…。 ⁡
⁡⁡
⁡じゃが、メインタイトルの『おまえじゃなきゃだめなんだ』は良かったな♪⁡

バブル時代に山田うどんに負けた私。⁡

関東のローカルソウルフードには適わない切なさ。⁡

バブルに浮かれて今迄に『おまえじゃなきゃだめなんだ!』って言われた事が無かった人生に区切りをつけてw

あと『消えない光』も良かった。

一組はこれから結婚しようとするカップルは結婚指輪を、離婚するカップルは離婚指輪を…。⁡
⁡⁡
⁡ 初、光代はまずまずじゃったかな。

⁡八月の蝉を読んでみたいな♪

2015年43冊目

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2024年02月14日

Posted by ブクログ

ひとつひとつの話がかなり短い短編集。
この短さでここまで読ませる話を作れるのはすごいけど、短すぎてあまり入っていけなかったな…。
表題作はさすがの出来!

題名が住所になっていて、その場所の家が舞台になっている話は発想がとても面白かった!
もっと身近な土地の話があったらなお面白く読めたかな。

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2023年10月25日

Posted by ブクログ

初めての角田光代。最近本離れしてたのもあってサクッと読める且つなんか考えさせられるものが読みたくて。
短編になってて読みやすかったし角田さんの文章はスッと入ってくる。好きなのでもっと色々読んでみたいと思う。でも最近本離れしてたのでリハビリがてらぼちぼち読み進める。
ちなみに私は平岡荘が好きだった。
どれも儚い。それをこの短編の短さが物語っている感じがする。

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2023年06月20日

Posted by ブクログ

角田光代さんの作品を読むのは久しぶりだった。

この作品の、特に『消えない光』を読んで「結婚」とか「どれだけ愛されているかの証拠(プレゼント等)、証明(愛情表現)」って、本当はそれほど重要じゃない気がしてきた。本当に大切なことは、今一緒にいる人を好きという気持ちだったり、大事にしたいという気持ちじゃないかなと思った。
それに、こういう気持ちを伝えれる相手がいるだけで、幸せなんじゃないかな。
勿論、愛の形をジュエリーとしてプレゼントされたりすることも嬉しいけど、自分自身は形ばかりの恋愛に惑わされないように…と感じた。

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2022年04月10日

Posted by ブクログ

恋愛、結婚の短編集。
上手くいっても、いかなくても、その理由は確かではなかったり。
ぱっとしない感じや意味不明な行動をする登場人物に、惹かれるものが無いような気になるけれども何処か安心感を持てるのは日常はそんな物だと思うからなのかな。
消えない光の短編は互いに知らない相手を羨ましく思うけれども実際には違っていたり。
現実はそうだよね。

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2021年12月15日

Posted by ブクログ

最初は、まるで金平糖の詰め合わせのような短編集だと思いました。少し甘くて、トゲトゲしていて、美しい物語たち。

途中から短編の雰囲気がすこし変わったな、と思ったら、最初の6篇はティファニーとのタイアップ、その他は山田うどんであったり、プラチナギルド・インターナショナルであったり、タイアップ先が異なるからなんですね。

恋って、愛って、結婚って、なんだっけ・・・
いろんな人に出会いながら模索して、時には幼かった過去を振り返りながら私たちは進んでいくけれど、そんな中で忘れられない鍵となる物や場所が存在する。
それらを思い出させてくれるような、物語たちです。

昔は私も婚約指輪や結婚指輪なんて…と思っていたりもしましたが、わくわくしながら選んだあの時間は、私にとって時に立ち返れる大事なものです。
どのお話も素敵ですが、表題作がいちばん好き。

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2021年08月21日

Posted by ブクログ

一度は言われてみたいと思えるタイトルに惹かれ手に取りました。
全24編が収録された恋愛短編集です。

どの短編も派手さはなく誰もが経験する様な日常のひとこまを切り取った様な作品です。

それぞれの主人公が体験する恋愛の喜びやトキメキ、苦しみや別れ… 。

等身大の恋人たちがそこに存在していて感情移入出来る作品でした。

角田さんの長編に時折見られる毒の部分は一切なくソフトで優しい短編集で読後感も爽やかでしたがショートショート的な作品が多く全体としては物足りなさも残りました。

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2021年01月31日

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